JPH0645775U - 小管式筆記具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 小管ペン先９と、この小管ペン先９内を摺動
する針体１０とをペン先部とする小管式筆記具。針体１
０は、ポリアセタ−ルなどの合成樹脂製で、後部１０ａ
に脱落防止用の突出部１０ｂを有する。突出部１０ｂは
結節部として設けられている。 【効果】 ０．１５ｍｍといった極めて細い筆跡を得る
ものとする場合でも、針体の突出部形状はバラツキが小
さく、また、脱落防止用として十分な大きさを有するの
で、筆記性能が安定したものとなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、小管ペン先と、この小管ペン先内を摺動する針体であって後部に脱 落防止用の突出部を有する合成樹脂製のものとをペン先部として有する小管式筆 記具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

小管式筆記具における針体は、小管ペン先内を摺動するものであるから、例外 はあるけれど、一般に、この小管ペン先からの脱落を防止される必要がある。

【０００３】 まず第一に挙げられるのが、カシメ固定やインサ−ト成形などにより針体を錘 りと一体にしたもので、複雑な形状にするのが困難な金属製の針体の場合に一般 的となっている。また、錘りとか弾性部材とかの、針体に対して前方付勢力を付 与する部材と針体とを分離したものにおいては、針体の後部にＬ字形となるなど の突出部を設けたものがあり、加熱変形など変形容易な合成樹脂製の針体の場合 に一般的となっている。

【０００４】 本考案に係るのは、上記中の後者、即ち、後部に突出部を有する合成樹脂製の 針体を用いたタイプのもので、小管ペン先内に、少々長い目に作製した針体を挿 入した後、小管ペン先の先端から突出する針体の先部を切り揃えることにより、 針体の突出長を、例えば、零、あるいは、０．１５ｍｍといったように所望の長 さにすることが容易にできる利点を有する。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、合成樹脂製の針体に突出部を形成することは、針体が細く、従って、 形成する突出部も小さいため、作業がミクロになり、バラツキ小さく、所望通り のものとすることが結構難しい。特に問題なのは、合成樹脂ゆえの経時的変形も あって、形成した突出部が脱落防止用としては小さすぎ、この突出部が小管ペン 先内に位置し、針体が摺動阻害を起こすことである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

針体の突出部を結節部として設ける。即ち、本考案は、小管ペン先と、この小 管ペン先内を摺動する針体であって後部に脱落防止用の突出部を有する合成樹脂 製のものとをペン先部として有する小管式筆記具において、前記針体の突出部を 結節部として設けたことを特徴とする小管式筆記具を要旨とする。

【０００７】

【実施例】

添付図面に基づいて一例の説明をする。図面の上方が前（先）側、下方が後側 であるが、まず、全体構造の一例を示す図１において、軸１は後部内孔をインキ タンク部２としており、外周壁にプロッタなどの装置本体への取付鍔３を有し、 インキタンク部２は、一時的インキ溜め部材４の後部外壁に取付けた環状弾性体 ５により軸１の前部内壁と区分されており、一時的インキ溜め部材４は縦断面櫛 歯状となる一時的インキ溜め部４ａと貫通孔４ｂとを有し、貫通孔４ｂは、後部 に配したコイルスプリングなどの弾撥部材６により前方付勢された押圧体７が遊 挿されている。

【０００８】 また、軸１に挿着されたチップホルダ−８に小管ペン先９が突出固定されてお り、ポリアセタ−ル、ナイロン、ポリエ−テルエ−テルケトンなど適宜の合成樹 脂よりなり必要に応じて耐摩耗性向上などの適宜処理をされた針体１０がこの小 管ペン先９内に遊挿され、後部１０ａを前記押圧体７の前壁で支承されて弾撥部 材６の前方付勢力を間接的に受けている。但し、針体１０の後部１０ａには突出 部１０ｂが設けられていて、チップホルダ−８の内孔壁面でも支承されており、 小管ペン先９からの針体１０の脱落は防止されている。即ち、針体１０は、押圧 体７の前壁とチップホルダ−８の内孔壁面との間で挟持されている。

【０００９】 図２に拡大して示すように、針体１０の後部１０ａの突出部１０ｂは、結節部 として設けられている。ここで、図２に示す結節部形状は、所謂、とめ結びによ る結び目であるが、手芸等の分野で種々公知の結節によればよい。ちなみに、針 体１０の材料としての長尺物に適宜の間隔で結節部を複数設け、所定長さに寸断 すれば、量産上も都合がよい。また、結節部は、この結節部全体を針体１０とし ての長手方向と方向の異なるものとして設けることも可能であるので、自己弾性 による屈曲運動で小管ペン先９内の摺動のための自己付勢をする針体１０とする こともできる。更に、図２の針体１０の後端部は結節部の脇に位置しているが、 後方から少々出すようにすることもでき、押圧体７が繊維束製のものなどからな る場合には、この後方に出した後端部を押圧体７に対する埋入部とか位置決め部 とかとして使用することもできる。尚、結節時の力で針体１０が結節部で延伸さ れ細径化しても少々のことでは突出部としての形状を失わないので十分な力で結 節しておけばよいが、針体１０が材質的に弾性に富んで結節解除の懸念がある場 合などには、接着剤や局所加熱などにより結節部を固化しておくこともできる。 但し、結節部が形成する複雑な形状はインキ吐出の上でも利用可能であり、あま りなだらかな丸みのあるものにはしない方が好ましい。

【００１０】 以上、一例の説明をしたが、他にも種々なせる。例えば、押圧体７が錘りとな っているタイプの筆記具とすることもできるし、ウレタン弾性体などを針体の前 方付勢力として使用したタイプの筆記具とすることもできるし、軸と別体のカ− トリッジとなるインキタンクを使用するタイプの筆記具とかインキ吸蔵体を使用 したタイプの筆記具とすることもできるし、手書き筆記専用の筆記具とすること もできるし、また例えば、小管ペン先９を直管状のものとするのではなく、押圧 体７の前部をも挿入する大径部を後部に一体に有するものとし、針体１０を押圧 体７の前壁と小管ペン先９の内孔壁面との間で挟持させることもできるし、ここ で、挾持させるのではなく針体１０に摺動遊びを付与することもできる。

【００１１】

【考案の効果】

本考案の小管式筆記具は、小管ペン先と、この小管ペン先内を摺動する針体で あって後部に脱落防止用の突出部を有する合成樹脂製のものとをペン先部として 有する小管式筆記具において、前記針体の突出部を結節部として設けたので、例 えば、０．１５ｍｍといった極めて細い筆跡を得るものとする場合でも、針体の 突出部形状はバラツキ小さく、かつ、脱落防止用として十分な大きさを有し、そ れゆえ、小管ペン先の先端から突出する針体の先部を切り揃えることにより針体 の突出長を容易に所望の長さにすることができる製造上の利点を有するものとし て、安定な筆記性能を発揮できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す要部縦断面図。

【図２】図１のものにおける針体の拡大図。

【符号の説明】

１ 軸 ２ インキタンク部 ３ 取付鍔 ４ 一時的インキ溜め部材 ４ａ 一時的インキ溜め部 ４ｂ 貫通孔 ５ 環状弾性体 ６ 弾撥部材 ７ 押圧体 ８ チップホルダ− ９ 小管ペン先 １０ 針体 １０ａ 後部 １０ｂ 突出部（結節部）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 小管ペン先と、この小管ペン先内を摺動
   する針体であって後部に脱落防止用の突出部を有する合
   成樹脂製のものとをペン先部として有する小管式筆記具
   において、前記針体の突出部を結節部として設けたこと
   を特徴とする小管式筆記具。