JP4460748B2 - 直液式筆記具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、直液式筆記具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、特開平9−202088号公報には、ペン先とインク室(本願のインキタンク)との間に、インク室内の圧力上昇に応じた余剰インキを一時的に保持するインク保溜体(本願のインキ保溜部材)を設け、前記インク保溜体の縦孔(本願の軸心孔)に、インク室側からペン先側へインキを供給する合成樹脂の押出成形体よりなるインク誘導芯(本願の第1のインキ誘導部材)を設け、前記インク誘導芯と前記ペン先との間に中芯(本願の第2のインキ誘導部材)を設け、前記インク誘導芯の尖頭状の前端を前記中芯の後端に突き刺し接続させた直液式筆記具が開示されている。また、前記公報には、環状外壁部と、該環状外壁部の内面から軸心方向に突出する複数本のリブとからなる構成のインキ誘導芯が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の直液式筆記具は、筆記時の潤沢なインキ流出性が要求される大径のペン先(例えば、大径ボールを備えたボールペンチップ)の場合、ペン先からのインキ流出性が不足し、筆跡途切れを生じさせるおそれがある。
【0004】
そこで、ペン先からのインキ流出性を向上させるために、ただ単に、第1のインキ誘導部材のリブの本数を減少させ、第1のインキ誘導部材の内部の流通孔を大きく設定した場合、第1のインキ誘導部材の前端を尖頭状に研削加工すると、第1のインキ誘導部材の前端外面がばさつき、適正な尖頭形状を維持できず、第2のインキ誘導部材とのスムーズな突き刺さり性が阻害されるおそれがある。
【0005】
その上、通常、第1のインキ誘導部材の内部の流通孔を大きくすると、ペン先からのインキ流出性が向上するとしても、流通孔の毛細管力が弱くなり、直液式筆記具をペン先上向き状態で放置した場合、流通孔内部でインキが保持できず、ペン先より空気が流入し、筆記不能となるおそれがある。
【0006】
本発明は、前記従来の問題点を解決するものであって、大径のペン先を備えたとしても、ペン先からの筆跡途切れのない十分なインキ流出性が得られ、しかも、ペン先上向き状態で放置したとしても、ペン先からの空気の流入を防止でき、さらに、第1のインキ誘導部材と第2のインキ誘導部材とのスムーズな突き刺し接続が可能となる直液式筆記具を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
〔1〕本発明は、ペン先3とインキタンク4との間に、インキタンク4内の圧力上昇に応じた余剰インキを一時的に保持するインキ保溜部材5を設け、前記インキ保溜部材5の軸心孔51に、インキタンク4側からペン先3側へインキを供給する合成樹脂の押出成形体よりなる第1のインキ誘導部材6を設け、前記第1のインキ誘導部材6と前記ペン先3との間に繊維束加工体よりなる第2のインキ誘導部材7を設け、前記第1のインキ誘導部材6の尖頭状の前端を前記第2のインキ誘導部材7の後端に突き刺し接続させた直液式筆記具1であって、前記第1のインキ誘導部材6が、環状外壁部61と、該環状外壁部61の内面から内方に突出する軸方向の複数本のリブ62とからなり、横断面において前記リブ62の各々が前記環状外壁部61の内面から軸心を外した方向に突出してなること(請求項1)を要件とする。
【0008】
(作用)
第1のインキ誘導部材6が、横断面においてリブ62の各々が環状外壁部61の内面から軸心(即ち環状外壁部61の軸心)を外した方向に突出してなることにより、第1のインキ誘導部材6の内部のインキ流通孔を大きく確保するために、リブ62の本数を少なく設定したとしても、軸心に向かう方向に突出した複数本のリブ62により形成される場合(従来)に比べ、研削加工によるばさつきのない適正な尖頭状の前端部が得られ、第1の誘導部材の前端を第2のインキ誘導部材7の後端にスムーズに突き刺し接続することができる。
【0009】
その上、第1のインキ誘導部材6が、横断面においてリブ62の各々が環状外壁部61の内面から軸心を外した方向に突出してなることにより、リブ62本数を少なくしたにもかかわらず、第1のインキ誘導部材6が、軸心方向に突出した複数本のリブ62により形成される場合(従来)に比べ、リブ62と環状外壁部61の間の毛細管力、または各々のリブ62の間の毛細管力を強くすることができ、その結果、ペン先3上向き状態に放置しても、第1のインキ誘導部材6の内部でインキが適正に保持されるため、ペン先3からの空気の流入を十分に抑止できる。
【0010】
〔2〕また、前記直液式筆記具1(請求項1)において、前記リブ62を、3本〜9本、環状外壁部61の内面に等間隔に設けてなることが好ましい。
【0011】
(作用)
それにより、適正な尖頭形状が得られると同時に、十分且つばらつきのない安定したインキ流出性が得られる。仮に、前記リブ62が3本よりも少ない場合、研削加工により第1のインキ誘導部材6の前端の研削加工面が、その強度不足によりばさつき、適正な尖頭形状が得られない。また、前記リブ62が9本より多い場合、第1のインキ誘導部材6の内部のインキ流通間隙が小さくなり、潤沢なインキ流出が得られない。
【0012】
〔3〕前記直液式筆記具1(請求項1又は2)において、ペン先3が、外径0.7mm〜1.6mmのボール31を前端に回転可能に抱持したボールペンチップであることが好ましく、それにより、途切れのない太幅の筆跡が得られる直液式ボールペンを提供することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面に従って説明する。
【0014】
〔第1実施例〕
【0015】
(概要)
図1及び図2に本発明の第1実施例を示す。
本実施例の直液式筆記具1は、前部にインキ保溜部材5が装着され且つ後部にインキを直に貯溜するインキタンク4が形成された軸筒2と、前記インキ保溜部材5の前部に取り付けられるペン先3(具体的にはボールペンチップ)と、前記ペン先3とインキタンク4との間を毛細管力により接続する3つの部材(第1のインキ誘導部材6、第2のインキ誘導部材7、第3のインキ誘導部材8)とからなる。
【0016】
(インキ保溜部材)
インキ保溜部材5は、複数の円板状櫛歯52を有する合成樹脂の射出成形体であり、軸心に円形断面の軸心孔51が貫設され、隣接する各々の櫛歯52の間に複数のインキ保溜溝53が形成され、櫛歯52群外面に軸方向のインキ誘導スリット54が形成される。尚、前記インキ保溜部材5は、インキタンク4の内圧が上昇した際にインキタンク4からの余剰インキを一時的に保持し、一方、インキタンク4の内圧が低下した際に前記一時的に保持したインキをインキタンク4に戻す機能を有する部材であればよく、本実施例の他にも、例えば、螺旋状や迷路状のインキ保溜溝53を有する合成樹脂の射出成形体、又は多孔質含浸体が挙げられる。
【0017】
(ボールペンチップ)
ボールペンチップは、金属製(例えばステンレス鋼製)細管の先端にボール31(外径0.7mm〜1.6mm)を回転自在に抱持したものであり、金属製細管の前端近傍側壁を内方へ押圧変形させることによりボール受け座32を形成するタイプである。前記ボールペンチップは、ペン先ホルダー9の前部に圧入固着され、前記ペン先ホルダー9を介してインキ保溜部材5の軸心孔51前端に圧入固着される。前記ボールペンチップの内部には、第3のインキ誘導部材8(例えば、合成樹脂の棒状の押出成形体)が挿入される。前記第3のインキ誘導部材8の前端はボール31の背面及びボール受け座32の背面に接続している。
【0018】
(第1インキ誘導部材)
前記インキ保溜部材5の軸心孔51には、合成樹脂(例えば、ポリアセタール樹脂)の押出成形体よりなる第1のインキ誘導部材6、及び合成樹脂製繊維束(例えば、ポリエステル繊維束)の樹脂加工体よりなる第2のインキ誘導部材7が挿入配置される。
【0019】
前記第1のインキ誘導部材6は、詳細には、押出成形された合成樹脂のモノフィラメントの自己融着体であり、軸方向に延びる環状外壁部61と、該環状外壁部61の内面から内方に突出する軸方向に延びる等間隔に配置された6本のリブ62とからなり、横断面において前記リブ62の各々が前記環状外壁部61の内面から、軸心方向より適宜角度(具体的には約15度の角度)だけ傾斜した方向(即ち軸心から外れた方向)に直線状に突出されている。
【0020】
前記第1のインキ誘導部材6の前端は、15度〜30度の円錐面状に研削加工され、第2のインキ誘導部材7の後端に突き刺し接続される。前記第1のインキ誘導部材6の前端の研削加工面は、軸心を外した方向に突出したことによる流通孔内における十分な体積を有するリブ62(即ち突出量の長いリブ62)によって、従来の軸心方向のリブに比べて、その強度を向上でき、ばさつくことなく適正な円錐面形状を維持でき、その結果、第2のインキ誘導部材7とのスムーズな突き刺しが可能となる。
【0021】
尚、この他にも、前記第1のインキ誘導部材6は、図3に示すような断面パターンを採用することもできる。即ち、前記第1のインキ誘導部材6は、軸方向に延びる環状外壁部61と、該環状外壁部61の内面から内方に突出する軸方向に延びる等間隔に配置された3本のリブ62とからなり、横断面において前記リブ62の各々が前記環状外壁部61の内面から、軸心方向より適宜角度(具体的には約30度の角度)だけ傾斜した方向(即ち軸心を外した方向)に突出されている。それにより、図2に示す断面パターンに比べ、より一層、インキ流通性を向上させることができる。
【0022】
〔第2実施例〕
図4に第2実施例を示す。
本実施例は、第1実施例の変形例であって、第1実施例と異なる点は、ペン先3部分であり、他の構成は第1実施例と同様である。
【0023】
前記ペン先3は、金属材料を切削加工によりボール受け座32を形成するタイプのボールペンチップであり、その前端には外径0.7mm〜1.6mmのボール31が回転可能に抱持され、ペン先ホルダー9を介さず、直接、インキ保溜部材の軸心孔51の前端に圧入固着される。前記ペン先3の内部には、ボール31背面にインキを供給する繊維束樹脂加工体よりなる第2のインキ誘導部材7が挿入配置される。そして、第1実施例同様、前記第2のインキ誘導部材7の後端に、押出成形体よりなる第1のインキ誘導部材の尖頭状の前端が突き刺し接続される。
【0024】
尚、本発明において、前記第1のインキ誘導部材6の前端の尖頭形状とは、円錐状の他、例えば、角錐状、チゼル状、又は、一つ若しくは複数の斜めカット面を有する形状等を挙げることができる。
【0025】
尚、本発明において、前記第1のインキ誘導部材6のリブ62は、少なくとも、リブ62の基部が、環状外壁部61の内面から軸心を外した方向に突出していればよく、例えば、リブ62の先端部が、軸心方向に屈曲または湾曲していてもよい。
【0026】
【発明の効果】
請求項1により、大径のペン先を備えたとしても、筆跡途切れのないペン先からの十分なインキ流出性が得られ、しかも、ペン先上向き状態で放置したとしても、ペン先からの空気の流入を防止でき、さらに、第1のインキ誘導部材と第2のインキ誘導部材とのスムーズな突き刺し接続が可能となる。
【0027】
請求項2により、第1のインキ誘導部材の前端の適正な尖頭形状が得られると同時に、十分且つ安定したインキ流出性が得られる。
【0028】
請求項3により、途切れのない太幅の筆跡が得られる直液式ボールペンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の直液式筆記具の第1実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1の第1のインキ誘導部材を示す拡大横断面図である。
【図3】図1の第1のインキ誘導部材の他の例を示す拡大横断面図である。
【図4】本発明の直液式筆記具の第2実施例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 直液式筆記具
2 軸筒
3 ペン先(ボールペンチップ)
31 ボール
32 ボール受け座
4 インキタンク
5 インキ保溜部材
51 軸心孔
52 櫛歯
53 インキ保溜溝
54 インキ誘導スリット
6 第1のインキ誘導部材
61 環状外壁部
62 リブ
7 第2のインキ誘導部材
8 第3のインキ誘導部材
9 ペン先ホルダー
Claims (3)
- ペン先とインキタンクとの間に、インキタンク内の圧力上昇に応じた余剰インキを一時的に保持するインキ保溜部材を設け、前記インキ保溜部材の軸心孔に、インキタンク側からペン先側へインキを供給する合成樹脂の押出成形体よりなる第1のインキ誘導部材を設け、前記第1のインキ誘導部材と前記ペン先との間に繊維束加工体よりなる第2のインキ誘導部材を設け、前記第1のインキ誘導部材の尖頭状の前端を前記第2のインキ誘導部材の後端に突き刺し接続させた直液式筆記具であって、前記第1のインキ誘導部材が、環状外壁部と、該環状外壁部の内面から内方に突出する軸方向の複数本のリブとからなり、横断面において前記リブの各々が前記環状外壁部の内面から軸心を外した方向に突出してなることを特徴とする直液式筆記具。
- 前記リブを、3本〜9本、環状外壁部の内面に等間隔に設けてなる請求項1記載の直液式筆記具。
- 前記ペン先が、外径0.7mm〜1.6mmのボールを前端に回転可能に抱持したボールペンチップである請求項1又は2記載の直液式筆記具。
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