JPH0645669Y2

JPH0645669Y2 - スクロ−ル式圧縮機

Info

Publication number: JPH0645669Y2
Application number: JP1987126754U
Authority: JP
Inventors: 誠中川
Original assignee: トキコ株式会社
Priority date: 1987-08-20
Filing date: 1987-08-20
Publication date: 1994-11-24
Anticipated expiration: 2002-08-20
Also published as: JPS6432485U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、空気や冷媒を圧縮するためのスクロール式圧
縮機に関する。

〔従来の技術〕

一般に、この種のスクロール式圧縮機は、空気タンク内
圧力が所定圧力に達したときロード運転を停止する断続
運転方式と、空気タンク内圧力が所定圧力に達した後も
アンロード運転を継続する連続運転方式とがあり、起動
電流の大きな大型機種、潤滑油を使用し油温を保持する
必要のある油冷式圧縮機等において、後者の連続運転方
式が採用されている。

そして、後者の連続運転方式によるスクロール式圧縮機
として、従来例えばケーシングと、該ケーシングに固着
して設けられ、吸込口と吐出口を有する固定スクロール
と、前記ケーシングに回転自在に設けられた駆動軸と、
該駆動軸に設けられ、前記固定スクロールと重なり合っ
て旋回する間に圧縮室を形成し、吸込口からの空気を圧
縮して吐出口から吐出する旋回スクロールと、該旋回ス
クロールに押圧力を与えるために、ケーシング内の旋回
スクロール背面側に形成される背圧室に圧縮空気の一部
を導びくため、該旋回スクロールに穿設された中間圧孔
と、前記吸込口側に設けられ、ロード運転時には外部か
らの空気の吸込みを許し、アンロード運転時には空気の
吸込みを阻止し、吐出側の圧縮空気の一部が戻り空気と
して吸込口に還流するのを許すアンロード弁とから構成
したものが知られている。

このように構成される圧縮機では、ロード運転時にはア
ンロード弁から吸込口を介して吸込んだ空気を旋回スク
ロールの旋回運動によって連続的に圧縮し、吐出口から
空気タンク等に吐出する。一方空気タンク内が所定圧力
に達したときには、圧力スイッチがこれを検出してアン
ロード弁と空気タンクとの間に設けられる電磁弁を開弁
し、該アンロード弁の吸込側を閉塞して吸込口への外気
吸込みを阻止すると共に、吐出側からの圧縮空気の一部
を吸込口へ環流させ、中間圧孔から背圧室への背圧を維
持した状態でアンロード運転を継続する構成となってい
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、上記した従来技術によるものは、アンロード運
転時にはアンロード弁を閉塞して吸込口から外部空気を
吸込むのを阻止してはいるものの、圧縮空気の一部を吸
込口から圧縮室へと環流させ、旋回スクロール背面側へ
の背圧を所定圧力に維持して押圧力を付与させると共
に、圧縮室内が極端な負圧となって旋回スクロールが不
安定挙動を起こすのを防止している。

この結果、吐出口側から吸込口を介して圧縮室に環流す
る戻し空気量は実質的に吐出空気量とほぼ等しい程度に
しなくてはならず、アンロード運転時にも消費電力はさ
ほど軽減されないという問題点がある。

本考案はこのような従来技術の問題点に鑑みなされたも
ので、アンロード運転時には旋回スクロールを開離させ
て、固定スクロールとの間に隙間を発生させ、全圧縮室
を連通状態とさせ、しかもアンロード運転からロード運
転に切換わるときには旋回スクロールへの背圧を一時的
に高めて圧縮運転の再開を早めることができるようにし
たスクロール式圧縮機を提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点を解決するために、本考案のスクロール式圧
縮機は、ケーシングと、該ケーシングに固着して設けら
れた固定スクロールと、前記ケーシングに回転自在に設
けられた駆動軸と、該駆動軸に設けられ、前記固定スク
ロールと重なり合って旋回する間に複数の圧縮室を形成
し、該各圧縮室内に吸込口からの気体を吸込みつつ、圧
縮気体を吐出口から気体タンクに吐出する旋回スクロー
ルと、該旋回スクロールに穿設され、前記圧縮気体の一
部を前記ケーシング内の該旋回スクロール背面側に形成
される背圧室に導く中間圧孔とからなる。

そして、本考案が採用する構成の特徴は、前記吸込口に
設けられ、常時は開弁して該吸込口に外部から気体が吸
込まれるのを許し、前記気体タンクから圧縮気体が供給
されるときには閉弁して外部からの気体の吸込みを阻止
するアンロード弁と、該アンロード弁に形成され、該ア
ンロード弁の閉弁時に前記圧縮気体の一部が前記吸込口
から圧縮室に向けて流通するのを許す絞り通路と、前記
ケーシングに穿設され、前記ケーシングの背圧室内に背
圧を導く背圧導入孔と、該背圧導入孔，アンロード弁と
前記気体タンクとの間に配設され、該気体タンクの圧縮
気体を前記アンロード弁，背圧導入孔に向けて供給，供
給停止すべく、前記気体タンクをアンロード弁，背圧導
入孔に対して連通，遮断する切換弁と、該切換弁を切換
制御する弁制御手段とを備え、該弁制御手段は、ロード
運転時に前記切換弁により気体タンクを前記アンロード
弁及び背圧導入孔に対して遮断させ、アンロード運転時
には前記切換弁により気体タンクを前記アンロード弁に
対して連通させると共に前記背圧導入孔に対して遮断さ
せ、アンロード運転からロード運転に切換わるときには
一定時間だけ前記切換弁により気体タンクを前記アンロ
ード弁及び背圧導入孔に対して連通させる構成としたこ
とにある。

〔作用〕

上記構成により、アンロード運転時に気体タンクからア
ンロード弁に圧縮空気を供給すると、該アンロード弁が
閉弁状態となり、圧縮気体の一部は絞り通路を介しての
み吸込口から圧縮室に向けて流通するから、気体タンク
から圧縮室内に戻す圧縮気体の量を少なくできる。そし
て、このアンロード運転時には切換弁により気体タンク
と背圧導入孔との間を遮断しているから、背圧室を圧縮
室よりも低い圧力として旋回スクロールを固定スクロー
ルから開離させることができ、各圧縮室間を連通させて
旋回スクロールに作用する負荷を軽減できる。

また、アンロード運転からロード運転に切換わるときに
は、切換弁によって一定時間だけ気体タンクを前記アン
ロード弁及び背圧導入孔に対して連通させるので、前記
気体タンクから少量の圧縮気体を絞り通路を介して圧縮
室内に供給できると共に、気体タンクから背圧導入孔を
介して背圧室内に圧縮気体を供給でき、旋回スクロール
に対する背圧室からの押圧力を高めておくことにより、
一定時間後のロード運転を早期に安定させる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を添付図面を参照しつつ、詳細に
述べる。

即ち、図中１はケーシングで、該ケーシング１は軸受部
1Aと後述の背圧室を形成する円筒部1Bとから形成されて
いる。２はケーシング１の円筒部1Bの開口側に固着され
た固定スクロールで、該固定スクロール２は鏡板2Aと、
該鏡板2Aに立設されたうず巻状のラップ部2Bと、前記円
筒部1Bに固着されるフランジ部2Cと、からなり、該ラッ
プ部2Bはインボリュートまたはインボリュートに近い曲
線に形成されている。

３は固定スクロール２と同一軸線O₁に設けられた駆動軸
で、該駆動軸３はケーシング１の軸受部1Aに軸受4,4を
介して回転自在に支持されている。５は該駆動軸３先端
のクランク3Aに軸受６を介して回転自在に支持された旋
回スクロールで、該旋回スクロール５の軸線O₂は駆動軸
３の軸線O₁に対して距離δだけ偏心するように設けられ
ている。ここで、旋回スクロール５は鏡板5Aと、該鏡板
5Aに立設されたうず巻状のラップ部5Bとからなり、該ラ
ップ部5Bはインボリュートまたはインボリュートに近い
曲線に形成されている。そして、ラップ部5Bは固定スク
ロール２のラップ部2Bと所定角度ずらせて重なり合うよ
うに取付けられ、該各ラップ部2B,5B間は密閉空間とな
って複数の圧縮室7,7を形成している。

８は固定スクロール２の鏡板2A中心位置に形成された吐
出口、９は旋回スクロール５のラップ部5Bの巻終り部近
傍に対応する位置において固定スクロール２の周壁に形
成された吸込口、10は該吸込口９に接続されたアンロー
ド弁を示す。ここで、該アンロード弁10は弁ケーシング
10Aと、該弁ケーシング10Aに形成された流入口10Bと、
吸込口９と連通する流出口10Cと、前記弁ケーシング10A
内に摺動可能に設けられ、常時は開弁して流入口10Bと
流出口10Cとの間を連通し、アンロード運転時等には後
述の三方電磁弁20を介して圧縮空気が供給されることに
より閉弁し、流入口10Bを閉塞する弁体10Dとから構成さ
れている。そして、該アンロード弁10には弁体10D内に
絞り通路としての絞り小孔10Eが穿設され、該絞り小孔1
0Eは弁体10Dの底面側に形成された受圧室10F内に圧縮空
気が供給され、弁体10Dが閉弁状態となったときに、受
圧室10Fから圧縮空気を少量づつ吸込口９に向けて流通
させるようになっている。

11はケーシング１の円筒部1Bと旋回スクロール５の背面
との間に形成された密閉空間からなる背圧室、12は該背
圧室11に背圧を導びくために前記円筒部1Bに穿設された
背圧導入孔で、該背圧導入孔12を介して後述する空気タ
ンク17からの圧縮空気の一部を背圧室11に導びくように
なっている。また、13,13は旋回スクロール５の鏡板5A
に穿設され、各圧縮室７のうち比較的低位（低圧）側の
中間圧縮室と背圧室11を連通する中間圧孔である。な
お、14は背圧室11内に設けられた自転防止機構としての
オルダム継手で、該オルダム継手14は駆動軸３を回転し
旋回スクロール５を回転する際、該旋回スクロール５を
駆動軸３の軸線O₁を中心として半径δをもって公転する
ように案内するものである。

次に、15は吐出口８に接続された吐出配管を示し、該吐
出配管15の途中には油分離器16が設けられ、該油分離器
16は吐出口８から吐出された油と圧縮空気の混合体から
油を分離する。17は該油分離器16で清浄となった圧縮空
気を貯える気体タンクとしての空気タンクで、該空気タ
ンク17は止め弁18を介して空気機器（図示せず）と接続
される。19は空気タンク17に付設された圧力スイッチ
で、該圧力スイッチ19は空気タンク17内が所定の高圧に
達したとき上限圧信号を出力し、圧縮空気の使用によっ
て所定の低圧に達したとき下限圧信号を出力する。

一方、20は第１のポートが高圧供給配管21を介して前記
空気タンク17と接続されている切換弁としての三方電磁
弁で、該電磁弁20の第２のポートは戻し配管22を介して
アンロード弁10の受圧室10Fと接続されている。また、
第３のポートは途中にチェック弁23が設けられた背圧供
給配管24を介して背圧導入孔12と接続されると共に該背
圧供給配管24と前記戻し配管22との間に接続され、途中
にチェック弁25が設けられた分岐配管26を介してアンロ
ード弁10の受圧室10Fと接続されている。そして、この
三方電磁弁20は常閉の電磁弁で、圧力スイッチ19から下
限圧信号が出力されている通常のロード運転時にはアン
ロード弁10と空気タンク17との間を遮断し、圧力スイッ
チ19から上限圧信号が出力されている通常のアンロード
運転時には後述の弁制御回路27からの信号によって励磁
されることによりアンロード弁10と空気タンク17との間
を連通させる。更に、圧力スイッチ19からの上限圧信号
が下限圧信号に切換わるとき、即ちアンロード運転から
ロード運転に切換わるときには、弁制御回路27からのタ
イマ信号によって所定時間（例えば３分間）励磁される
ことにより、アンロード弁10及び背圧導入孔12と空気タ
ンク17との間を同時に連通させるようになっている。

27はタイマ27Aを有し、圧力スイッチ19と三方電磁弁20
との間に設けられた弁制御手段としての弁制御回路で、
該弁制御回路28は圧力スイッチ19から上限圧信号が入力
されたとき、空気タンク17とアンロード弁10との間が連
通するように三方電磁弁20を切換える。一方圧力スイッ
チ19から下限圧信号が入力されたときは、空気タンク17
がアンロード弁10及び背圧導入孔12に連通するように該
電磁弁20を切換えると共に、タイマ27AがONになって該
タイマ27Aに設定された所定時間だけ電磁弁20を励磁
し、所定時間経過後にタイマ27AがOFFになると、電磁弁
20を消磁して空気タンク17とアンロード弁10及び背圧導
入孔12との間をすべて遮断する。

ここで、タイマ27による設定時間はアンロード運転から
ロード運転に切換わったとき、背圧室11に所定の背圧が
導かれ、旋回スクロール５が安定的に旋回運動を行なう
までの時間として設定される。

本実施例はこのように構成されるが、次にその作動につ
いて述べる。

まず、空気タンク17内が低圧状態にあるときには、圧力
スイッチ19からは何らの信号も出力されず、電磁弁20は
閉弁して空気タンク17とアンロード弁10及び背圧導入孔
12との間は遮断されている。

前述した状態で、圧縮機を起動すべく、モータ（図示せ
ず）を回転すると、その回転は駆動軸３、軸受６を介し
て旋回スクロール５に伝えられ、該旋回スクロール５は
固定スクロール２に対して軸O₁を中心として相対的な円
運動を行なう。この際、吸込口９に設けられたアンロー
ド弁10の受圧室10Fには何らの圧力も作用していないか
ら、その弁体10Dはその自重、及び該弁体10Dに作用する
流入口10Bと流出口10Cとの間の圧力差（旋回スクロール
５が旋回すると吸込口側が負圧になろうとする）によっ
て開弁する。このため、吸込口９からの空気は圧縮室７
に吸込まれる。そして、吸込まれた空気は旋回スクロー
ル５が旋回する間に徐々に圧縮され、所定の圧力に高め
られた後吐出口８から吐出される。また、圧縮室７のう
ち比較的低位側の圧縮空気の一部は各中間圧孔13を介し
て背圧室11内に供給され、旋回スクロール５の背面側に
押圧力を作用させ、各スクロール2,5間のシールを行な
い、ロード運転を行なう。

そして、吐出口８から吐出された油と圧縮空気の混合体
は油分離器16によって油分の除去が行なわれ、清浄な空
気は空気タンク17に貯えられ、空気機器に供給される。
なお、分離された油は油配管（図示せず）を介してケー
シング１内に供給され、各部の潤滑、シール、冷却を行
なう。

さて、空気タンク17内が所定の高圧に達すると、圧力ス
イッチ19から上限圧信号が出力され、ロード運転からア
ンロード運転に移る。即ち、前記圧力スイッチ19から弁
制御回路27に上限圧信号が出力されると、電磁弁20が励
磁されて切換わり、アンロード弁10と空気タンク17との
間が連通し、空気タンク17からの圧縮空気は戻し配管22
を介してアンロード弁10の受圧室10Fに導かれる。これ
により、アンロード弁10の弁体10Dはその底面に作用す
る圧力で上方に変位して流入口10Bを閉塞し、流出口10C
側へは該弁体10Dに形成された絞り小孔10Eを介して戻し
配管22から還流する戻し空気がわずかに流通するのみで
ある。

この結果、吸込口９からのわずかな戻し空気は各圧縮室
７内を中心側へと吸込まれ、吸込口９近傍や外周側の圧
縮室ほど負圧状態となる。このため、背圧室11内の背圧
は中間圧孔13を介して低位側の圧縮室へと吸引され、旋
回スクロール５に背圧が作用しなくなる。一方、各圧縮
室７のうち中心側の圧縮室は圧縮作用によって吸込んだ
空気を圧縮していると共に、最内周側の圧縮室には吐出
配管15を介して油分離器16内の圧力が作用している。

かくして、旋回スクロール５には中心側に位置決する圧
縮室７内の圧力によって開離力が作用し、一方背圧室11
内の背圧は低下して押圧力は殆んど作用しないから、該
旋回スクロール５は浮き上って、全圧縮室７を連通状態
とし、確実にアンロード運転が行なわれる。従って、ア
ンロード運転時の消費電力を著しく軽減することができ
る。

次に、空気タンク17内の圧縮空気の消費によって所定の
下限圧力になると、圧力スイッチ19からの下限圧信号が
弁制御回路27に入力される。すると、弁制御回路27のタ
イマ27AがONになり、予め設定した所定時間だけ該弁制
御回路27から三方電磁弁20に信号が出力され、該三方電
磁弁20を励磁して弁の切換えを行ない、空気タンク17と
アンロード弁10及び背圧導入孔12との間を同時に連通す
る。この時、圧縮室７側にはアンロード弁10の弁体10D
に形成された絞り小孔10Eを介して少量の圧縮空気が供
給されるのに対して、背圧室11内には背圧導入孔12を介
して高圧の圧縮空気が多量に供給されるから、背圧室11
内は早期に高圧の背圧が導入され、該旋回スクロール５
に対する押圧力を高め、該旋回スクロール５を早期に安
定化させることができる。そして、弁制御回路27のタイ
マ27Aに設定された所定時間後に該弁制御回路27からの
信号の出力が停止すると、三方電磁弁20は再び消磁する
結果、空気タンク17とアンロード弁10及び背圧導入孔12
との間が全て遮断され、正常のロード運転に切換えられ
る。

かくして、本実施例によれば、アンロード運転時には三
方電磁弁20で空気タンク17を背圧導入孔12に対して遮断
し、空気タンク17からの圧縮空気を少量づつアンロード
弁10の絞り小孔10Eを介して圧縮室７内へと供給するこ
とにより、背圧室11を圧縮室７よりも低い圧力状態とし
て旋回スクロール５を固定スクロール２から開離させる
ことができ、各圧縮室７間を連通させて旋回スクロール
５に作用する負荷を確実に軽減できると共に、アンロー
ド運転時の消費電力を著しく節減することができる。

そして、アンロード運転からロード運転に切換わるとき
には、三方電磁弁20によって設定時間（一定時間）だけ
空気タンク17を背圧導入孔12及びアンロード弁10に対し
て連通させ、空気タンク17からアンロード弁10の絞り小
孔10Eを介して少量の圧縮空気を圧縮室７内に供給する
と共に、空気タンク17から背圧導入孔12を介して背圧室
11内に圧縮空気を供給するようにしたから、アンロード
運転からロード運転に切換わるまでの設定時間の間に、
旋回スクロール５に対する背圧室11からの押圧力を高め
ておくことができ、その後の旋回スクロール５による旋
回運動（ロード運動）を早期に安定させて再開すること
ができる。

従って本実施例では、アンロード運転時の消費電力を大
幅に低減でき、アンロード運転からロード運転に切換わ
るときに旋回スクロールへの背圧を一時的に高めてロー
ド運転の再開を早めることができると共に、アンロード
運転からロード運転に切換える再起動時の電流が大きい
大型のスクロール式圧縮機に好適に適用でき、連続運転
方式による自動アンロード運転機構として極めて有効で
ある等、種々の効果を奏する。

なお、前記実施例では、油分離器16を有する油冷式圧縮
機を例示したが、本考案はこれに限らず、例えば無給油
式圧縮機に適用してもよい。

〔考案の効果〕

本考案に係るスクロール式圧縮機は以上詳細に述べた如
くであって、アンロード運転時には切換弁により気体タ
ンクを背圧導入孔に対して遮断すると共にアンロード弁
に対して連通させるようにしたから、圧縮気体の一部を
アンロード弁の絞り通路を介して吸込口から圧縮室内に
供給し、背圧室内を気体タンクから遮断して、アンロー
ド運転に旋回スクロールを固定スクロールから確実に開
離させることができ、アンロード運転時の省電力化を効
果的に図ることができる。そして、アンロード運転から
ロード運転に切換わるときには一定時間だけ気体タンク
からの高圧の圧縮気体を背圧室に導入する構成にしたか
ら、アンロード運転からロード運転へ切換えるときに、
旋回スクロールの旋回運動を早期に安定化し、連続運転
方式による自動アンロード運転機構として極めて有効で
あり、特に大型機種に適用して好適である。

【図面の簡単な説明】

図は本実施例によるスクロール式圧縮機の全体構成図で
ある。１…ケーシング、２…固定スクロール、３…駆動軸、５
…旋回スクロール、７…圧縮室、８…吐出口、９…吸込
口、10…アンロード弁、11…背圧室、12…背圧導入孔、
13…中間圧孔、15…吐出配管、16…油分離器、17…空気
タンク、19…圧力スイッチ、20…三方電磁弁、21…高圧
供給配管、22…戻し配管、24…背圧供給配管、26…分岐
配管、27…弁制御回路、27A…タイマ。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ケーシングと、該ケーシングに固着して設
けられた固定スクロールと、前記ケーシングに回転自在
に設けられた駆動軸と、該駆動軸に設けられ、前記固定
スクロールと重なり合って旋回する間に複数の圧縮室を
形成し、該各圧縮室内に吸込口からの気体を吸込みつ
つ、圧縮気体を吐出口から気体タンクに吐出する旋回ス
クロールと、該旋回スクロールに穿設され、前記圧縮気
体の一部を前記ケーシング内の該旋回スクロール背面側
に形成される背圧室に導く中間圧孔とからなるスクロー
ル式圧縮機において、前記吸込口に設けられ、常時は開
弁して該吸込口に外部から気体が吸込まれるのを許し、
前記気体タンクから圧縮気体が供給されるときには閉弁
して外部からの気体の吸込みを阻止するアンロード弁
と、該アンロード弁に形成され、該アンロード弁の閉弁
時に前記圧縮気体の一部が前記吸込口から圧縮室に向け
て流通するのを許す絞り通路と、前記ケーシングに穿設
され、前記ケーシングの背圧室内に背圧を導く背圧導入
孔と、該背圧導入孔、アンロード弁と前記気体タンクと
の間に配設され、該気体タンクの圧縮気体を前記アンロ
ード弁，背圧導入孔に向けて供給，供給停止すべく、前
記気体タンクをアンロード弁、背圧導入孔に対して連
通，遮断する切換弁と、該切換弁を切換制御する弁制御
手段とを備え、該弁制御手段は、ロード運転時に前記切
換弁により気体タンクを前記アンロード弁及び背圧導入
孔に対して遮断させ、アンロード運転時には前記切換弁
により気体タンクを前記アンロード弁に対して連通させ
ると共に背圧導入孔に対して遮断させ、アンロード運転
からロード運転に切換わるときには一定時間だけ前記切
換弁により気体タンクを前記アンロード弁及び背圧導入
孔に対して連通させる構成としたことを特徴とするスク
ロール式圧縮機。