JP2000297770A - クラッチレススクロール型流体機械 - Google Patents

クラッチレススクロール型流体機械

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JP2000297770A
JP2000297770A JP11108570A JP10857099A JP2000297770A JP 2000297770 A JP2000297770 A JP 2000297770A JP 11108570 A JP11108570 A JP 11108570A JP 10857099 A JP10857099 A JP 10857099A JP 2000297770 A JP2000297770 A JP 2000297770A
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scroll
bypass
chamber
exhaust pressure
opening
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JP11108570A
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Tetsuo Shigeoka
哲夫 重岡
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流体機械の駆動に必要な電磁式クラッチを不
要とし、小型化、高速化および軽量化を図ったクラッチ
レススクロール型流体機械を提供する。 【課題手段】 スクロール型流体機械は、中心部に吐出
ポート16を有する固定スクロール1と揺動スクロール
2とを備え、揺動スクロール2の揺動により吸入室8内
の流体を圧縮しつつ圧縮室5内に導入、これを吐出ポー
ト16を通して吐出するもので、固定スクロール1の台
板部1aの、渦巻突起1bとは反対面側に設けられた排
圧室14と、排圧室14と吐出ポート16とを遮断する
ための仕切壁19と、排圧室14と吸入室8との連通を
開閉するための排圧開閉手段23と、排圧室14と圧縮
室5の圧縮途中部を連通するためのバイパス孔10と、
開閉手段23が閉じているときにはバイパス孔10を閉
じ、開閉手段23が開いているときにはバイパス孔10
を開口させるバイパス開閉手段30とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スクロール型流体
機械に関し、特に、流体機械の駆動に必要な電磁式クラ
ッチを不要とし、カーエアコン用スクロール型圧縮機に
適用して好適なクラッチレススクロール型流体機械に関
する。
【0002】
【従来の技術】この主の流体機械としては、従来より、
固定スクロールとこの固定スクロールと組み合わされて
圧縮室を形成する揺動スクロールを備え、前記揺動スク
ロールの揺動により前記圧縮室内の流体を圧縮するスク
ロール型圧縮機が知られており、このスクロール型圧縮
機について代表的な2つの例(1)および(2)を挙げ
て説明する。なお、(2)は、本出願人の出願に係わる
特許第2631649号公報に開示されている技術であ
る。
【0003】(1)先ず、図7に示すように、201は
圧縮機本体、202は圧縮機本体201にねじ止めされ
て、軸受208を介して電磁式クラッチを支持する前ケ
ースである。203は不図示の揺動スクロールを駆動す
る駆動軸であり、この駆動軸203には、電磁式クラッ
チの部品であるアマチュアボス204が、キーあるいは
スプラインを介して締結されている。205はアマチュ
アボス204と弾性体を介して締結してある摩擦板であ
り、この摩擦板205は、電磁コイル207への通電遮
断時にはクラッチロータ206と0.4〜0.6mmの
隙間を持ち、通電時にはクラッチロータ206と密着す
る。
【0004】この圧縮機を運転する場合には、電磁コイ
ル207に通電し、クラッチロータ206と摩擦板20
5を密着させると、不図示の車両エンジンにより回転さ
れるクラッチロータ206の回転はアマチュアボス20
4に伝達され、圧縮機を運転できる。電磁コイル207
への通電を遮断すると、摩擦板205はクラッチロータ
206から離間し、クラッチロータ206の回転はアマ
チュアボス204に伝達されず圧縮機を停止できる。
【0005】(2)図8に示すように、114は固定ス
クロール101に設けられた流体バイパス孔、115は
流体バイパス孔114の周囲に形成された弁座、116
は排出孔で、その一端を吸入圧空間に通じる固定スクロ
ール101の外部に開口し、他端を流体バイパス孔11
4に隣接して弁座115に開口している。117はバイ
パス弁で円形の板状弁である。118は弁座115の上
部を閉塞する弁座栓で、バイパス弁117のストッパの
役目をする。119は弁座115と弁座栓118の間の
弁座空間、120は弁座栓118の中央に設けられた連
通孔、121は図示しない三方電磁弁等の切換えによっ
て吸入圧、吐出圧を導く圧カ配管である。
【0006】この圧縮機を最大能カで運転する場合は、
三方電磁弁を切換えて、圧カ配管121の外端に吐出圧
力を導くすなわち圧カ配管121により弁座空間119
内に吐出圧力を導くことにより、バイパス弁117に吐
出圧力が作用してバイパス弁117が圧縮ばね124の
弾性力に対抗して、下方に押し付けられて弁座115に
密着し、流体バイパス孔114と排出孔116がバイパ
ス弁117によって同時に閉鎖され、圧縮室105内の
流体は吐出口114および不図示の吐出管を介して圧縮
機外へ排出される。
【0007】一方、圧縮機を容量制御で運転する場合に
は、三方電磁弁を切換えて圧力配管121の外端に吸入
圧力を導くことにより、弁座空間119の圧力が吸入圧
力となり、この吸入圧力と圧縮室105との差圧により
バイパス弁117が上方に押し付けられて弁座栓118
に接触保持され、流体バイパス孔114と排出孔116
が同時に開口される。これにより、圧縮機5内の流体の
一部が流体バイパス孔14および排出孔16を順次通っ
て吸入空間と通じる固定スクロール1の外側に排出さ
れ、圧縮機5内の圧縮容量が制御される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、(1)の圧
縮機は、電磁式クラッチにより運転および停止を容易に
切換えれる点で優れているが、軸受208の信頼性確保
の点から、クラッチロータ206のベルト(不図示)を
掛けるプーリ部206aを、軸受208の径方向位置の
延長線上で近い位置に設置する必要があるため、プーリ
部206aおよび軸受208間に電磁コイル207を内
蔵する配置となり、プーリ径の小径化に制限が生じ、現
状では約90φ以下は不可である。また、エンジン駆動
側も他の補機(油ポンプ、オールタネータ等)の回転制
限、レイアウト制限からプーリ径は150〜160φが
上限であり、それ以上は圧縮機に対するプーリ比を大き
く取れず、圧縮機の小型化および高速化に限度があっ
た。
【0009】(2)の圧縮機は、開閉弁および排出口の
個数および位置を選択することにより、容量制御量を容
易に行える点で優れているが、効率良い容量制御率を得
るためには複数個の上記開閉弁および円周方向の排出口
が必要となる。また、より大きな容量制御量を得るため
にも同様に複数個の上記開閉弁および排出孔が必要とな
り、かつ固定スクロールの中央部の設置が必要となるた
め長い排出孔が必要となり、構造が複雑、組み立て・加
工上の費用大の点で改良の余地がある。
【0010】本発明は、上記従来技術の有する問題点に
鑑みてなされたものであり、クラッチを用いずに運転お
よび停止を容易に切換えることができる上に、小型化、
高速化および軽量化を図り、特にカーエアコン用スクロ
ール圧縮機に用いて好適なクラッチレススクロール型流
体機械を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、ケーシング内に、固定台板部の一面側に渦
巻突起が設けられるとともに固定台板部の中心部に吐出
ポートが設けられた固定スクロールと、揺動台板部の一
面側に渦巻突起が設けられかつこの渦巻突起が前記固定
スクロールの前記渦巻突起と組み合わされて渦巻状の圧
縮室を形成する揺動スクロールとを備え、前記揺動スク
ロールの揺動により、吸入室より導入した流体を前記圧
縮室内で圧縮し、この圧縮流体を前記吐出ポートを通し
て吐出するスクロール型流体機械において、前記固定ス
クロールの前記固定台板部の、前記渦巻突起とは反対側
に設けられた排圧室と、前記排圧室と前記吐出ポートと
を遮断するための仕切壁と、前記排圧室と前記吸入室と
の連通を開閉するための排圧開閉手段と、前記排圧室と
前記圧縮室の圧縮途中部を連通するためのバイパスと、
前記排圧開閉手段が閉じているときには前記バイパスを
閉じ、前記排圧開閉手段が開いているときには前記バイ
パスを開口させるバイパス開閉手段と、を備えているこ
とを特徴とするクラッチレススクロール型流体機械であ
る。
【0012】この発明においては、流体機械を運転する
場合は、排圧開閉手段により排圧室と吸入室を連通する
通路を遮断し、これらの間で流体の流通を不能にしてお
くとともに、排圧室と圧縮室の圧縮途中部を連通するた
めのバイパスをバイパス開閉手段により閉鎖しておく。
圧縮室内の流体は吐出ポートおよび吐出管等を介して流
体機械外へ排出される。流体機械を停止する場合には、
排圧開閉手段により排圧室と吸入室を連通させるととも
に、バイパス開閉手段により排圧室と圧縮室の圧縮途中
部を連通するためのバイパスを開放する。これにより、
排圧室の圧力は吸入室の圧力(吸入圧力)と等しくなる
ので、圧縮室の圧縮途中部より低圧流体がバイパスを通
って排圧室内へ導入され、さらに、吸入室内へ戻る。こ
のような流体の循環を繰り返して、上記のような運転時
の圧縮作用は失われ、吐出ポートより高圧流体が吐出さ
れない。以上のように、本発明の流体機械は、クラッチ
を用いずに運転および停止を容易に切換えることができ
る。
【0013】ここで、請求項2の発明のように、前記仕
切壁を前記固定スクロールの前記固定台板部に一体的に
設けたり、請求項3のように、前記ケーシングに一体的
に設けた構造としてもよい。
【0014】請求項4の発明は、前記バイパス開閉手段
は、前記バイパスを閉じているときに、このバイパスに
入り込んで閉塞する突起を備えているものである。上述
のように、バイパス開閉手段でバイパスを閉じ、流体機
械を通常能力で運転している場合、バイパスの体積の分
だけ圧縮室の体積が実質的に増加するため、圧縮室では
流体が再膨張し損失となるが、本発明のように、バイパ
スに突起を入り込ませて閉塞することにより、圧縮室の
実質的な体積増加を阻止し、再膨張損失を防ぐことがで
きる。
【0015】請求項5記載の発明は、ケーシング内に、
固定台板部の一面側に渦巻突起が設けられるとともに固
定台板部の中心部に吐出ポートが設けられた固定スクロ
ールと、揺動台板部の一面側に渦巻突起が設けられかつ
この渦巻突起が前記固定スクロールの前記渦巻突起と組
み合わされて渦巻状の圧縮室を形成する揺動スクロール
とを備え、前記揺動スクロールの揺動により吸入室より
導入した流体を前記圧縮室内で圧縮し、この圧縮流体を
前記吐出ポートを通して吐出するスクロール型流体機械
において、前記固定スクロールの前記固定台板部の、前
記渦巻突起とは反対側に設けられた排圧室と、前記排圧
室に連通して設けられ、この排圧室側の流体の流れを防
止する逆止弁を備えた吐出管と、前記排圧室と前記吸入
室との連通を開閉するための排圧開閉手段と、前記排圧
室と前記圧縮室の圧縮途中部を連通するためのバイパス
と、前記排圧開閉手段が閉じているときには前記バイパ
スを閉じ、前記排圧開閉手段が開いているときには前記
バイパスを開口させるバイパス制御手段と、を備えてい
ることを特徴とするクラッチレススクロール型流体機械
である。
【0016】この発明では、流体機械を通常能力で運転
する場合は、排圧開閉手段により排圧室と吸入室を連通
する通路を遮断し、排圧室の圧力が上昇し最終的には吐
出圧に達するため、排圧室と吐出ポートには圧力差はな
い。したがって、組立性および加工性の容易化のために
仕切壁を設けずに済む。一方、排圧室と吸入室を連通す
る通路を開放して、流体機械が停止しているときに他機
器側からの流体機械への流体の逆流を阻止するために、
排圧室に連通する吐出管に、排圧室側への流体の流れを
防止するような逆止弁を設ける。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。図1は本発明に係わるクラッ
チレススクロール型流体機械の第1の実施形態の縦断面
図、図2は図1におけるA矢視図、図3は図1における
バイパス孔近傍の要部拡大図である。なお、以下に説明
する各実施形態では、クラッチレススクロール型流体機
械としてカーエアコン用のスクロール型圧縮機を例に挙
げて説明するが、これに限らず、スクロール型であれば
例えば一般家庭あるいは業務用のエアコンに本発明を適
用してもよく、さらには、圧縮機に限らず、膨張機、モ
ータ、ポンプ等にも適用してもよい。
【0018】先ず、クラッチレススクロール型圧縮機の
概略構造について説明する。図1に示すように、1は固
定スクロールで、その固定台板部1aの一面(図1では
左側)に渦巻突起1bが設けられている。符号2は揺動
スクロール(旋回スクロールともいう)で、その揺動台
板部2aの一面(図1では右側)に渦巻突起2bが設け
られており、また揺動台板部2aの他面の中心部には揺
動円筒軸部2cが突設されている。5は渦巻突起1b,
2bを組み合わせて形成された渦巻状の圧縮室、24は
各スクロール1,2の外周に形成された吸入口、16は
固定スクロール1の台板部1aの中心部に設けられた吐
出ポート、3は主軸(駆動軸)で、右端の大径部3aに
偏心軸3bが設けられている。この主軸3は軸受9を介
してフロントケーシング15aに支持されている。6は
揺動円筒軸部2c内に嵌合され、揺動円筒軸部2cを半
径方向に支持する揺動軸受、10aは主軸3が駆動した
とき揺動スクロール2が自転しない公転運動をするよう
規制するオルダム継手、15は各構成部材を収容するケ
ーシング(密閉容器)である。
【0019】このようなクラッチレススクロール型圧縮
機においては、エンジンの駆動力によって主軸3が回転
すると、揺動スクロール2はオルダム継手10aにより
自転を阻止されながら公転する。これにより、吸入管
(不図示)から吸入室24(低圧室)に導入された吸入
ガス(流体)は、徐々に圧縮されつつ圧縮室5(高圧
室)内に取り込まれ、高圧ガスが吐出ポート16から高
圧吐出管(不図示)に吐出する。
【0020】次に、本実施形態のクラッチレススクロー
ル型圧縮機の特徴部について説明する。図1乃至図3に
示すように、固定スクロール1の固定台板部1aの、外
側から中心部までの吸入から吐出行程にわたるほぼ全域
に、貫通開口した複数個のバイパス孔10(バイパス)
が渦巻突起1bに沿って設けられている。固定スクロー
ル1の反渦巻突起側(図1では右側)には、各バイパス
孔10と連通する排圧室14(排圧室)が設けられてい
る。また、固定スクロール1の固定台板部1aには、前
記排気室14と吐出ポート16とを遮断するための仕切
壁19が一体的に突設されており、この仕切壁19の先
端(図1では右端)はOリング25を介してケーシング
15に押し付けられていることにより、前記遮断は確実
なものとなっている。仕切壁19をケーシング15に一
体的に設けてもよい。なお、仕切壁19内には吐出弁1
7および吐出弁リテーナ18が設けられており、ケーシ
ングにはポート通路20が形成され、このポート通路2
0には吐出管(不図示)を介して例えばコンデンサーが
接続されている。
【0021】固定スクロール1の固定台板部1aの端部
には、通路22が貫通しているとともに、この通路22
の近傍には、ケーシング15とで通路22と排気室14
とを遮断するための隔壁21aが形成されている。この
隔壁21aには前記通路22の方向とは垂直に延びる通
路21が形成されている。符号23はケーシング15に
設けられた排圧開閉手段としての電磁弁を示しており、
この電磁弁23のロッド23aが突出しているときには
(図1の状態)、このロッド23aの側面および端面に
より通路22および通路21の開口を閉じ、吸入室8と
排気室14とを遮断することができる。一方、ロッド2
3aが引き込んでいる場合には、吸入室8と排気室14
は、通路21,22を介して連通するようになってい
る。
【0022】バイパス開閉手段30について、各バイパ
ス孔10は高剛性を有する2枚の開閉板11a,11b
によって開閉されるようになっている。すなわち、複数
のバイパス孔10のうち外側のバイパス孔10は開閉板
11aで開閉され、内側のバイパス孔10は開閉板11
bで開閉される。特に図3に示すように、各開閉板11
a,11bは複数本のピン部材12で、固定スクロール
1の台板部1aに支持されている。そして、各開閉板1
1a,11bは、各ピン部材12のフランジ部12aと
固定台板部1aとの間に設けられた付勢部材として圧縮
コイルばね13により、固定台板部1aに押し付けられ
ている。この状態では、各バイパス孔10の開口は閉じ
ており、圧縮室5と排気室14は不連通状態となる。な
お、前記押し付け力は、圧縮機を運転していないときの
開閉板11a,11bの姿勢維持に必要な最低限の荷重
を与えるものである。
【0023】図1に示すように、プーリ4は主軸3にセ
レーションあるいはキーを介して締結されており、さら
にナット3cにより軸方向の抜け止めがなされている。
また、プーリ4は軸受4aによりフロントケーシング1
5aの突出部7に回転自在に支持されており、この軸受
4aは従来のサブ軸受を兼ねている。後述する理由によ
り従来のような電磁クラッチは不要となっている。
【0024】次に、本実施形態の圧縮機の動作について
説明する。先ず、圧縮機を通常能カ(全負荷運転)で運
転する場合は、電磁弁23により排気室14と吸入室8
を連通する通路21,22を遮断しておく。エンジンの
駆動力によって主軸3が回転すると、揺動スクロール2
はオルダム継手10により自転を阻止されながら公転す
る。これにより、圧縮室5の吸入から吐出行程までの圧
縮途中部の圧力が各開閉板11a,11bの押し付け力
よりも大きいため、各開閉板11a,11bは固定スク
ロール1の固定台板部1aから同時に離れ、各バイパス
孔10は同時に開く。すると、圧縮途中部より低圧縮ガ
スが各バイパス孔10を通して排気室14へ流出し、排
気室14の圧カが上昇し最終的には吐出圧に達する。そ
して、排気室14の圧カと圧縮室5の圧縮途中部との差
圧により、各開閉板11a,11bはバイパス孔10側
に移動し、各バイパス孔10を閉鎖する。すると、圧縮
室5内の高圧縮ガスは、吐出ポート16、仕切壁19内
の吐出ポート室19a、ポート通路20を順次通って吐
出管(不図示)に吐出し、通常の運転となる。
【0025】圧縮機を停止する場合には、電磁弁23の
ロッド23aを引き込めて排気室14と吸入室8を連通
させる。すると、排気室14の圧力は吸入室8の圧力と
等しくなり、圧縮室5の圧縮途中部の圧力の方が排気室
14の圧力より高くなる。この差圧により各開閉板11
a,11bは固定スクロール1の固定台板部1bより離
れて浮き上がり、圧縮途中部から低圧縮ガスが各バイパ
ス孔を通して排気室14へ流出する。さらに、このガス
は通路21,22を通って吸入室8内へ戻る。このよう
なガスの循環を繰り返し、上記のような運転時の圧縮作
用は失われ、吐出ポート16より高圧縮ガスは吐出され
ない。なお、バイパス孔10は固定スクロール1に吸入
から吐出行程までの広い範囲で、かつ流路抵抗をできる
だけ減らした数だけ設けられており、圧縮機を極力無負
荷状態で運転できる。また、排気室14と吸入室8を連
通する通路21,22の圧力損失は極力小さくすること
が望ましく、また、通路をケーシングの外部に設け、す
なわちケーシングの排気室および吸入室の部分に孔をそ
れぞれ形成し、この孔を、電磁弁を備えた管により連通
する構造としてもよい。
【0026】以上のように、本実施形態では、従来のよ
うな電磁式クラッチを不要とした構造で、電磁弁23を
オン・オフ制御することにより、圧縮機の能力が0か1
00%となり、従来の電磁式クラッチの電磁コイルへの
通電をオン・オフするのと同一の機能を持つ。すなわ
ち、従来のようなクラッチ作動の状態での部分負荷運転
はできないものの、クラッチなしでクラッチ入りおよび
切り相当の作用を行うことができる。したがって、電磁
式クラッチの替わりに、主軸3に不図示のエンジンから
の駆動カを伝達するプーリ4を連結するという簡単な構
造で済み、従来必要であった電磁コイル、アマチュアボ
スおよび摩擦板とからなるアマチュア板が不要となり、
部品の削減とともにプーリの小径化が可能となり、結果
的に、圧縮機の小型化、軽量化、高速化および低コスト
化につながる。また、従来必要であったサブ軸受けを1
個の軸受4aで兼ねることも可能とし、この点からも部
品の削減につながる。
【0027】以下に、他の実施形態について、第1の実
施形態と相違する部分を重点的に説明する。図4は第2
の実施形態のクラッチレススクロール型流体機械の、図
3と同様な要部断面図である。図4に示すように、各バ
イパス孔10を開閉する開閉板11a,11bの、各バ
イパス孔10に対応する各々の位置に、固定スクロール
1の固定台板部1aに密着している状態で、各バイパス
孔10に入り込む突起40が設けられている。この突起
40は、バイパス孔10の容積にほぼ相当する大きさを
有し、バイパス孔10に栓をするものである。
【0028】上述のように、各開閉板11a,11bで
バイパス孔10を閉じ、圧縮機を通常能力で運転してい
る場合、バイパス孔10の体積の分だけ圧縮室5の体積
が実質的に増加するため、圧縮室5ではガスが再膨張し
損失となる恐れがあるが、本実施形態のように、各バイ
パス孔10に突起40をそれぞれ入り込ませて閉塞する
ことにより、圧縮室の実質的な体積増加を阻止し、再膨
張損失を防ぐことができる。
【0029】図5は第3の実施形態のクラッチレススク
ロール型圧縮機の要部縦断面図である。図5に示すよう
に、仕切壁(図1参照)を設けずに、排気室14側の流
体の流れを防止する逆止弁53を備えた吐出管54を、
ケーシング15に連結したものである。詳述すると、吐
出管54の基端部としての弁室54bがケーシング15
に固定されており、この弁室54b内に、弁体50およ
びこの弁体50をポート通路20の開口に押し付けるた
めの圧縮コイルばね54aが設けられている。
【0030】上述のように、電磁弁23により排気室1
4と吸入室8を連通する通路21,22を遮断して、圧
縮機を通常能力で運転する場合は、排気室14の圧力が
上昇し最終的には吐出圧に達するため、排気室14と吐
出ポート16には圧力差はない。したがって、本実施形
態のように仕切壁を設けないことにより、圧縮機の組立
性および加工性の容易化を図ることができる。一方、仕
切壁を廃止したことにより、圧縮機が停止しているとき
には、他機器(例えばコンデンサー)側からの排気室1
4へのガスの逆流が起こる恐れがある。そこで、本実施
形態では、排気室14と吐出管54との連結部分に設け
た逆止弁53を設けて前記ガスの逆流を防止したもので
ある。
【0031】図6は第4の実施形態のクラッチレススク
ロール型圧縮機の要部縦断面図である。図6に示すよう
に、各バイパス孔10を覆うための開閉板11を1枚の
板で構成し、この開閉板11の各バイパス孔10と対応
しない部位には開口K(流路)が多数形成されているこ
とにより、開閉板11による各バイパス孔10の開放時
に、各バイパス孔10および前記開口Kを通して排気室
14にガスが流出しやすくすくなって、流動損失が低減
する。
【0032】開閉板11に押し付け力を付与する構造に
ついては、ケーシング15の、吐出ポート16と対向す
る部位に筒部60を一体的に設け、この筒部60の先端
は若干の隙間をおいて固定スクロール1の固定台板部1
aに対向しているか、あるいは接触させてもよい。筒部
60内には吐出ポート室19aが形成されているととも
に、この筒部60は、開閉板11を固定台板部1aに押
し付けるための圧縮コイルばね55(付勢部材)を案内
している。本実施形態では、複数個のバイパス孔を開閉
する開閉板11を一枚の板で構成し、この開閉板11に
一つの圧縮コイルばね55により押し付け力を付与する
ことにより、圧縮機の組立性および加工性がさらに容易
になる。
【0033】
【発明の効果】本発明は、以上説明したとおりに構成さ
れているので、以下に記載するような効果を奏する。請
求項1乃至請求項3記載の発明は、電磁式クラッチを用
いないで流体機械を運転・停止でき、すなわちクラッチ
無しでクラッチ入りおよび切り相当の作用を行うことが
できる。したがって、電磁式クラッチの軸受等の部品を
省け流体機械の軽量、低コスト化が可能となる。また、
流体機械の主軸を駆動するためのプーリを小径化して、
流体機械の高速駆動を可能とし、結果的に、流体機械の
さらなる小型化を達成できる。
【0034】請求項4記載の発明は、流体機械の運転の
際に、バイパスでの再膨張損失を極力避けることによ
り、流体機械の運転効率を高めることができる。請求項
5記載の発明は、寸法精度が高く要求される仕切壁を廃
止し、逆止弁を採用したことにより、組立および加工を
容易化し、結果的にコストを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わるクラッチレススクロール型流
体機械の第1の実施形態の縦断面図である。
【図2】 図1におけるA矢視図を示す。
【図3】 図1におけるバイパス孔近傍の要部拡大図で
ある。
【図4】 本発明に係わるクラッチレススクロール型流
体機械の第2の実施形態の、図3と同様な要部断面図で
ある。
【図5】 本発明に係わるクラッチレススクロール型流
体機械の第3の実施形態の要部縦断面図である。
【図6】 本発明に係わるクラッチレススクロール型流
体機械の第4の実施形態の要部縦断面図である。
【図7】 従来のカーエアコン用圧縮機の特に電磁式ク
ラッチの部分を示す要部断面図である。
【図8】 従来のカーエアコン用圧縮機の他の例の要部
断面図である。
【符号の説明】
1 固定スクロール 2 揺動スクロール 1a 固定台板部 2a 揺動台板部 1b,2b 渦巻突起 3 主軸(駆動軸) 4 プーリ 5 圧縮室(高圧室) 8 吸入室(低圧室) 10 バイパス孔(バイパス) 11a,11b 開閉板 12 ピン部材 13 圧縮コイルばね(付勢部材) 14 排気室(排圧室) 15 ケーシング 16 吐出ポート 19 仕切壁 23 電磁弁(排圧開閉手段) 30 バイパス開閉手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシング内に、固定台板部の一面側に
    渦巻突起が設けられるとともに固定台板部の中心部に吐
    出ポートが設けられた固定スクロールと、揺動台板部の
    一面側に渦巻突起が設けられかつこの渦巻突起が前記固
    定スクロールの前記渦巻突起と組み合わされて渦巻状の
    圧縮室を形成する揺動スクロールとを備え、前記揺動ス
    クロールの揺動により、吸入室より導入した流体を前記
    圧縮室内で圧縮し、この圧縮流体を前記吐出ポートを通
    して吐出するスクロール型流体機械において、 前記固定スクロールの前記固定台板部の、その渦巻突起
    とは反対側に設けられた排圧室と、 前記排圧室と前記吐出ポートとを遮断するための仕切壁
    と、 前記排圧室と前記吸入室との連通を開閉するための排圧
    開閉手段と、 前記排圧室と前記圧縮室の圧縮途中部を連通するための
    バイパスと、 前記排圧開閉手段が閉じているときには前記バイパスを
    閉じ、前記排圧開閉手段が開いているときには前記バイ
    パスを開口させるバイパス開閉手段と、を備えているこ
    とを特徴とするクラッチレススクロール型流体機械。
  2. 【請求項2】 前記仕切壁は前記固定スクロールの前記
    固定台板部に一体的に設けたものである請求項1記載の
    クラッチレススクロール型流体機械。
  3. 【請求項3】 前記仕切壁は前記ケーシングに一体的に
    設けたものである請求項1記載のクラッチレススクロー
    ル型流体機械。
  4. 【請求項4】 前記バイパス制御手段は、前記バイパス
    を閉じているときに、このバイパスに入り込んで閉塞す
    る突起を備えている請求項1乃至請求項3のいずれか1
    項に記載のクラッチレススクロール型流体機械。
  5. 【請求項5】 ケーシング内に、固定台板部の一面側に
    渦巻突起が設けられるとともに固定台板部の中心部に吐
    出ポートが設けられた固定スクロールと、揺動台板部の
    一面側に渦巻突起が設けられかつこの渦巻突起が前記固
    定スクロールの前記渦巻突起と組み合わされて渦巻状の
    圧縮室を形成する揺動スクロールとを備え、前記揺動ス
    クロールの揺動により吸入室より導入した流体を前記圧
    縮室内で圧縮し、この圧縮流体を前記吐出ポートを通し
    て吐出するスクロール型流体機械において、 前記固定スクロールの前記固定台板部の、その渦巻突起
    とは反対側に設けられた排圧室と、 前記排圧室に連通して設けられ、この排圧室側の流体の
    流れを防止する逆止弁を備えた吐出管と、 前記排圧室と前記吸入室との連通を開閉するための排圧
    開閉手段と、 前記排圧室と前記圧縮室の圧縮途中部を連通するための
    バイパスと、 前記排圧開閉手段が閉じているときには前記バイパスを
    閉じ、前記排圧開閉手段が開いているときには前記バイ
    パスを開口させるバイパス制御手段と、を備えているこ
    とを特徴とするクラッチレススクロール型流体機械。
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