JPH08210288A - スクロール流体機械 - Google Patents

スクロール流体機械

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JPH08210288A
JPH08210288A JP32856895A JP32856895A JPH08210288A JP H08210288 A JPH08210288 A JP H08210288A JP 32856895 A JP32856895 A JP 32856895A JP 32856895 A JP32856895 A JP 32856895A JP H08210288 A JPH08210288 A JP H08210288A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】スクロ−ル部材で形成される圧縮空間に液冷媒
を注入して作動ガスの冷却をするものにおいて、液圧縮
作用を防止すると共に、起動時にもなめらかな圧縮作用
をさせる。 【解決手段】固定あるいは旋回スクロ−ル鏡板部には背
圧室にガスを導くガス圧導出用細孔を設け、かつ固定ス
クロ−ル鏡板部には液冷媒注入用細孔を設け、この注入
用細孔は旋回スクロ−ルの旋回運動により上記導出用細
孔と密閉空間を介して間欠的に連通する位置関係とし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍空調用等の冷
媒圧縮機として用いられるスクロール流体機械に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来技術のスクロール流体機械において
は、実開昭56−85087号の第11図に開示されて
いるように、作動ガスの冷却のために、両スクロール部
材で形成される圧縮空間に凝縮器の出口側からの液冷媒
を注入して行う構造が示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例のものにお
いては、特に圧縮機の起動時や停止直前時に、密閉空間
内に、注入された非圧縮性の液冷媒が充満し、これを圧
縮しようとするので液圧縮を起こし、スクロールラップ
の破損事故を招く恐れがある。あるいは、液圧縮までに
は至らない場合でも密閉空間内の圧力が異常上昇して旋
回スクロール部材が固定スクロール部材から離れて圧縮
作用をしなくなり、起動不良引き起こす等の問題があっ
た。
【0004】本発明の目的は、両スクロール部材で形成
される密閉空間に液冷媒を注入して作動ガスの冷却を行
なうと共に、液圧縮や密閉空間内部の異常圧力上昇を防
止することのできるスクロ−ル流体機械を得ることにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第1の特徴は、鏡板に渦巻状のラップを直
立する固定スクロール部材及び旋回スクロール部材を、
ラップを互いに内側にしてかみ合せ、固定スクロ−ル部
材を固定するフレ−ムと旋回スクロール部材の鏡板背面
とで構成された背圧室を備え、該背圧室に前記固定スク
ロール部材と旋回スクロール部材とにより形成される密
閉空間から圧縮途中のガスを導くガス圧導出用細孔を固
定スクロ−ル部材の鏡板部あるいは旋回スクロ−ル部材
の鏡板部に設け、旋回スクロ−ル部材を自転することな
く固定スクロ−ル部材に対して旋回運動させ、固定スク
ロール部材には中心部に開口する吐出口と外周部に開口
する吸入口を設け、該吸入口からガスを吸入し、両スク
ロール部材で形成される密閉空間を中心に移動させ容積
を減少してガスを圧縮し、吐出口から圧縮ガスを吐出す
るスクロ−ル流体機械において、前記密閉空間内に開口
するように、作動ガス冷却用の液冷媒注入用細孔を前記
固定スクロール部材の鏡板部を貫通して設け、かつ該作
動ガス冷却用の液冷媒注入用細孔の開口部位置を、前記
旋回スクロ−ル部材の旋回運動により前記密閉空間を介
して前記ガス圧導出用細孔と間欠的に連通するように、
前記ガス圧導出用細孔の位置からラップの巻始め部側に
向かってラップ1巻き以内の位置としたことにある。
【0006】また、本発明の第2の特徴は、鏡板に渦巻
状のラップを直立する固定スクロール部材及び旋回スク
ロール部材を、ラップを互いに内側にしてかみ合せ、旋
回スクロール部材を自転することなく固定スクロール部
材に対し旋回運動させ、固定スクロール部材には中心部
に開口する吐出口と外周部に開口する吸入口を設けて吸
入口からガスを吸入し、両スクロール部材により形成さ
れる密閉空間を中心に移動させ容積を減少してガスを圧
縮し、前記吐出口から圧縮ガスを吐出するスクロ−ル流
体機械において、前記密閉空間内に開口する作動ガス冷
却用の液冷媒注入用細孔を前記固定スクロール部材の鏡
板部を貫通して設け、かつ該液冷媒注入用細孔の開口部
の位置を、前記旋回スクロ−ル部材の旋回運動により前
記密閉空間を介して前記固定スクロ−ル部材の吐出口と
のみ間欠的に連通するように、スクロ−ルラップ巻き始
まり端部からラップの外周面に沿って1巻き以内の位置
でかつ固定スクロ−ルラップの外周面に近接した位置と
したことにある。なお、液冷媒注入用細孔はスクロ−ル
ラップ巻き始まり端部からラップの外周面に沿って1巻
き以内の位置でかつ固定スクロ−ルラップの外周面に近
接した位置に設ける他に、固定スクロ−ルラップの内周
面に近接した位置にも、前記旋回スクロ−ル部材の旋回
運動により前記密閉空間を介して前記固定スクロ−ル部
材の吐出口とのみ間欠的に連通するように液冷媒注入用
細孔を設けるようにすれば、対称的に形成される密閉空
間の双方に対してほぼ均等に液冷媒を注入することがで
き、さらに効果的である。
【0007】上述した本発明によれば以下の作用があ
る。
【0008】(1)作動ガス冷却用の液冷媒注入用細孔
の開口部位置を、旋回スクロ−ル部材の旋回運動により
密閉空間を介してガス圧導出用細孔と間欠的に連通する
ように、前記ガス圧導出用細孔の位置からラップの巻始
め部側に向かってラップ1巻き以内の位置に設けたもの
では、冷媒注入用細孔とガス圧導出用細孔とを、旋回ス
クロ−ルの1回転中に密閉空間を介し必ず1回連通させ
ることができ、このため圧縮機の起動時や停止直前時な
どに、密閉空間内に、注入された非圧縮性の液冷媒が充
満している場合でも、この密閉空間内の液冷媒は旋回ス
クロ−ルの1回転中にガス圧導出用細孔と連通した際、
このガス圧導出用細孔を介して背圧室に排出され、この
結果液圧縮や密閉空間内部の異常圧力上昇を防止しつ
つ、両スクロール部材で形成される密閉空間に液冷媒を
注入して作動ガスの冷却を行なうことができる。
【0009】(2)液冷媒注入用細孔の開口部の位置
を、前記旋回スクロ−ル部材の旋回運動により前記固定
スクロ−ル部材の吐出口とのみ間欠的に連通するよう
に、スクロ−ルラップ巻き始まり端部からラップの外周
面に沿って1巻き以内の位置でかつ固定スクロ−ルラッ
プの外周面に近接した位置に設けたものでは、冷媒注入
用細孔と吐出口とを、旋回スクロ−ルの1回転中に必ず
1回連通させることができ、このため圧縮機の起動時や
停止直前時などに、密閉空間内に、注入された非圧縮性
の液冷媒が充満している場合でも、この密閉空間内の液
冷媒は旋回スクロ−ルの1回転中に吐出口と連通すれば
この吐出口に排出され、この結果液圧縮や密閉空間内部
の異常圧力上昇を防止しつつ、両スクロール部材で形成
される密閉空間に液冷媒を注入して作動ガスの冷却を行
なうことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図1乃
至図3により説明する。
【0011】図1は固定スクロール側が大気に露出する
開放形で且つクランク軸が横方向に配置された横形のス
クロール圧縮機を用いた冷凍装置を示す。
【0012】固定スクロール部材101と旋回スクロー
ル部材105は、互いにラップ部を内側に向けてかみ合
わせ、旋回スクロール部材105は、固定スクロール部
材101と、該固定スクロール部材101を固定するフ
レーム106との間に収納され、また旋回スクロール部
材105の鏡板105aの背部にはフレーム106の凹
所に背圧室123が形成されている。
【0013】フレーム106に支承された回転軸107
は先端に偏心軸107aが形成され、該偏心軸107a
が旋回スクロール部材のボス105cに係合している。
108はオルダム機構で、旋回スクロール部材105
は、上記偏心軸107aの偏心回転により、オルダム機
構108を介し、固定スクロール部材101に対し旋回
運動を行う。
【0014】上記旋回運動により、両スクロール部材で
形成される密閉空間121は次第に中心に移動して容積
が減少する。
【0015】ガスは外周部の吸入口103から吸入室1
22に入り、中心部の吐出口102から吐出される。
【0016】背圧室123と圧縮過程の密閉空間121
とは鏡板101aに穿設した細孔124a,124b,
配管125を介し接続され、該背圧室123には圧縮過
程にある中間的圧力が導入され、軸方向押圧力を得てい
る。
【0017】吐出口102には吐出配管131が接続さ
れ、他端は凝縮器182に接続され、凝縮器182出口
側に接続された配管183は膨張弁184を介在し蒸発
器185に接続され、蒸発器の出口側は吸入配管164
により前記吸入口103に接続されている。
【0018】また、膨張弁184の流入側配管から液冷
媒注入用配管(以下液注入用配管と略す)135を分岐
し、該配管135には減圧器137を介在し、他端は固
定スクロールの鏡板101aに穿設された液冷媒注入用
細孔(以下液注入用細孔と略す)139a,139bに
接続され、密閉空間に連通している。図中実線矢印は冷
媒ガスの流通方向、破線矢印は液冷媒の流れ方向を示
す。
【0019】冷凍,空調用圧縮機の場合、吐出圧力Pd
と吸入圧力Psの比、即ち、運転圧力比Pd/Psが7〜
10と異常に大きくなる場合がある。この場合には、冷
媒の吐出ガス温度が、約120℃〜150℃と高くな
り、図示の液注入用配管135を介し液冷媒を減圧した
のち、密閉空間に注入し作動ガスを冷却する。
【0020】しかるに圧縮機が停止した場合は、従来技
術においては、液注入用配管135を介し液冷媒が多量
に密閉空間121に流入し、この液冷媒は該密閉空間1
21に溜まっている。この状態で圧縮機を再起動する
と、前記の如く密閉空間内の液冷媒を圧縮することにな
る。
【0021】このため、本実施例は、前述の液注入用細
孔139a,139bとガス圧導出用細孔124a,1
24bを以下に説明する位置関係に設けることにより、
密閉空間に注入された液冷媒を背圧室123を介して他
の圧力室(密閉空間)に逃し、液圧縮を除去あるいは低
減する。
【0022】図2は、両スクロール部材が噛合っている
状態を示す横断面図である。◆前記ガス圧導出用細孔1
24a,124bと液注入用細孔139a,139bと
が両スクロール部材で形成される密閉空間121a,1
21bを介して間欠的に連絡するような位置関係に穿設
されている。上記各細孔はスクロールラップの側壁に添
った鏡板部に設けられている。
【0023】即ち、液注入用細孔139a,139bを
ガス圧導出用細孔124a,124bよりラップ巻始め
部(ラップ中央部)に向けて1巻き以内の位置に設けれ
ば、図示のように、上記細孔139a,139bと12
4a,124bは間欠的に、即ち旋回スクロール部材の
1旋回中に必ず一度は密閉空間を介し連通するように形
成される。上記位置関係は次のように表わされる。
【0024】 λb>λin>λb−2π …(1) ここで、 λin:液冷媒注入用細孔位置におけるスクロールラップ
巻き角度(rad) λb :ガス圧導出用細孔位置におけるスクロールラップ
巻き角度(rad) π :円周率。
【0025】なお、液冷媒注入用細孔139a,139
b及びガス圧導出用細孔124a,124bの孔径は、
実用上ラップ厚さよりも小さい値に設定することが望ま
しい。
【0026】この図に示す実施例においては、液冷媒注
入用細孔139a,139bの位置は、スクロールラッ
プ巻き角度としてλin≒8.0rad である。また、ガス
圧導出用細孔124a,124bの位置は、スクロール
ラップ巻き角度としてλb≒12.0rad の位置であり、
上記(1)式を満足する。
【0027】液冷媒注入用細孔及びガス圧導出用細孔を
上記の様な位置関係に設定することにより、停止時また
は起動時等に密閉空間121に充満した液冷媒は、ガス
圧導出用細孔124a,124bに間欠的に連通し、背
圧室123に逃げ易くなる。
【0028】次に、上述した実施例の動作を説明する。
上述した構成とすることにより、旋回スクロ−ルが回転
して固定スクロ−ルとの位置関係が図2に示す状態にな
ると、液冷媒注入用細孔139aとガス圧導出用細孔1
24aとが密閉空間121aを介して連通し、また液冷
媒注入用細孔139bとガス圧導出用細孔124bとが
密閉空間121bを介して連通する。この結果、ガス圧
導出用細孔は、配管125を介して旋回スクロール部材
105の背面の背圧室123と連通する。
【0029】このため、作動ガスの冷却のために密閉空
間121a,121b内に注入された液冷媒は、前記ガ
ス圧導出用細孔124a,124bから配管125を介
して背圧室123側へ逃がすことができる。
【0030】なお、上記ガス圧導出用細孔を旋回スクロ
ール部材105の鏡板部105aに設けた場合には、密
閉空間121a,121b内部の液冷媒は、直接、該ガ
ス圧導出用細孔124を介して背圧室123側へ逃がす
ことができる。
【0031】上記した式(1)の意味するところは、旋
回スクロール部材105の1回の旋回運動中には、必ず
一度は密閉空間121a,121bを介して前記液冷媒
注入用細孔139a,139bとガス圧導出用細孔12
4a,124bとが連通している位置関係にあることを
意味する。すなわち、スクロ−ル圧縮機においては、上
記密閉空間を形成する旋回及び固定スクロ−ルのラップ
の接点は、その吐出口側接点と吸入口側接点とがラップ
の巻き角度でちょうど1巻き(2π)で形成されるた
め、ガス圧導出用細孔に対して液注入用細孔の位置を1
巻き(2π)以内とすることにより、それらの細孔は旋
回スクロ−ル1回転中(2π)に必ず1回密閉空間を介
して連通することになる。
【0032】また、上記(1)式の代わりに次式に示す
ように構成しても良い。◆ λin=λb …(2) ここで、 λin:液冷媒注入用細孔の位置におけるスクロールラッ
プ巻き角度(rad) λb :ガス圧導出用細孔の位置におけるスクロールラッ
プ巻き角度(rad)。
【0033】上式(2)は、液冷媒注入用細孔とガス圧
導出用細孔とが密閉空間を介して常時連通している状態
となることを意味する。上記構成は、液圧縮を防止す
る、あるいは緩和する機能については最も効果がある。
【0034】図3は、スクロール圧縮機の起動初期の指
圧線図(P−λ線図)を、本実施例の場合(実線)と液
冷媒の逃げ通路の無いもの(従来機)の場合(一点鎖
線)とを比較して示す図である。
【0035】なお、横軸は容積Vの代りにスクロールラ
ップ巻き角度λとして表示する。(λsはスクロールラッ
プ巻始まり角度を、λe はスクロールラップ巻終り角度
を示す。) 従来機の場合は、非圧縮性の液冷媒を圧縮しようとする
ので、スクロール内部の圧力が、吐出圧力Pd を大きく
上回るような異常な液圧力Pmax が作用するが、本実施
例の場合は、ガス圧導出用細孔124a,124bが密
閉空間を介し液冷媒注入用細孔139a,139bと間
欠的に連通しているため、該密閉空間121a,121
bは完全な密閉空間ではなくなり、出口の開かれた圧縮
作動室を形成する。このため、前記液圧力Pmax よりも
圧力レベルの低い背圧室123の方へ液冷媒が移動し、
密閉空間121a,121bの圧力は低下する。当然の
ことながら、背圧室123の圧力Pb は液圧力Pmax
対して Pb≪Pmax の関係となる。指圧線図で囲まれた
面積は、圧縮機の所要動力に比例するので、本実施例に
よれば、液圧縮にともなう密閉空間内の異常な圧力上昇
が防止されるので、起動瞬時の動力低減(起動トルクの
低減)を図ることができる。
【0036】上記実施例においては、ガス圧導出用細孔
124a,124bを固定スクロール部材の鏡板101
aに設けたが、旋回スクロール部材の鏡板の対応位置に
設けてもよい。
【0037】また、液冷媒注入用細孔139a,139
bとガス圧導出用細孔124a,124bを、互いに、
圧力的に対称な位置に一対(2個)ずつ設けているが、
実用的には、上記細孔を夫々1個ずつ設けても同様な作
用効果を奏することができる。
【0038】本発明の他の実施例を図4乃至図7により
説明する。
【0039】図4に示す実施例は、液冷媒注入用細孔1
41a,141bをスクロールラップの巻き始まり端部
P,P’から1巻き以内の、固定スクロールラップの鏡
板101aの側壁に添った位置に穿設したもので、液冷
媒を注入する密閉空間が吐出口102と間欠的に連通す
るように構成したものである。
【0040】液注入用細孔の位置は次式で示される。◆ λin<λs+2π …(3) ここで、 λin:液冷媒注入用細孔の位置におけるスクロールラッ
プ巻き角度(rad) λs :スクロールラップ巻き始まり角度(rad) π :円周率。
【0041】上記構造により、密閉空間に注入される液
冷媒は旋回スクロ−ルの旋回運動により間欠的に吐出口
102に排出することができ、密閉空間に液冷媒が多量
に注入された場合でも液圧縮を防止することができる。
【0042】上記(3)式において、実用的には液冷媒
注入用細孔141a,141bは、 λin≒λs+2π−(π/6 〜 π/4) (4) の位置関係が好ましい。
【0043】なお、液冷媒注入用細孔141aの開口部
の位置は、スクロ−ルラップ巻き始まり端部Pからラッ
プの外周面に沿って1巻き以内の位置でかつ固定スクロ
−ルラップの外周面に近接した位置に設けられており、
液冷媒注入用細孔141bはスクロ−ルラップ巻き始ま
り端部P’から旋回スクロ−ルラップの外周面に沿って
ほぼ1巻き以内に相当する位置でかつ固定スクロ−ルラ
ップの内周面に近接した位置(スクロ−ルラップ巻き始
まり端部Pからは固定スクロ−ルラップの内周面に沿っ
てほぼ1.5巻き以内の位置に相当)に設けられてい
る。
【0044】図5は、本実施例のスクロール内部の圧力
とスクロールラップ巻き角度との関係を示す理想的な場
合の指圧線図(P−λ線図)を示す。図中λq とは、図
4に示したスクロールラップ巻き始まり部PおよびP′
からラップ外部に向って1巻き目の位置QおよびQ′点
のスクロールラップ巻き角度を示す。従って吐出行程時
における液冷媒注入期間、換言すれば吐出行程にある密
閉空間を介し吐出口と液冷媒注入用細孔141a,14
1bが連通する期間は、図5によれば、スクロールラッ
プ巻き角度で表現すると、次式で示される接触区間とな
る。
【0045】 Δλd=λq−λin …(5) ここで、 Δλd :吐出行程時における液冷媒注入区間となるスク
ロールラップ巻き角度上の接触範囲(rad) λin :液冷媒注入用細孔の位置におけるスクロールラ
ップ巻き角度(rad) λq :吐出行程完了瞬時の両スクロールの接触点Q,
Q′の位置におけるスクロールラップ巻き角度(ra
d)。
【0046】上記の構成とすることにより、旋回スクロ
-ルの1回転中に液冷媒注入用細孔は吐出空間とΔλd(r
ad)の回転角度の範囲で間欠的に連通させることができ
る。
【0047】図6は、前述した図2,図4の実施例を組
合せたものに相当し、液冷媒注入用細孔と、ガス圧導出
用細孔及び吐出口との位置関係を、次のように構成した
ものである。
【0048】すなわち、液冷媒注入用細孔142a,1
42bをスクロールラップの巻き始まり端部から1巻き
以内の固定スクロ−ルラップに近接した位置に設ける共
に、ガス圧導出用細孔143a,143bを前記液冷媒
注入用細孔142a,142bの位置よりさらにラップ
の巻終り端部(外側)の方向に向けて1巻き以内の位置
に設けたものである。
【0049】上記位置関係は次式で示される。
【0050】 λs+2π>λin>λb−2π …(6) ここで、 λin:液冷媒注入用細孔の位置におけるスクロールラッ
プ巻き角度(rad) λs :スクロールラップ巻き始まり角度(rad) λb :ガス圧導出用細孔の位置におけるスクロールラッ
プ巻き角度(rad) π :円周率。
【0051】各細孔を上記位置関係に構成することによ
り、密閉空間に液冷媒を注入する液冷媒注入用細孔14
2a,142bは吐出空間に間欠的に連通すると共に、
さらに密閉空間121a,121bを介してガス圧導出
用細孔143a,143bにも間欠的に連通させること
ができる。したがって、注入液冷媒は吐出空間及び背圧
室に間欠的に流入するから、起動時などにおける液圧縮
を完全に防止でき、密閉空間内の異常な圧力上昇も防止
できる。
【0052】図6の実施例における上記細孔142a,
142b,143a,143bの位置関係の具体例を数
値で示すと、前記(6)式を満足するように、例えば、 λs≒1.1rad λq≒7.4rad λin≒6.8rad λb≒12.5rad …(7) となる。
【0053】また、前記(6)式に示すように、液冷媒
注入用細孔142a,142bの位置は、ガス圧導出用
細孔143a,143bの位置より、ラップの巻始め部
の方向に設定される。これは高圧の吐出圧力と、液冷媒
注入用細孔が開口する密閉空間の内部圧力との差圧を極
力小さくするためで、液冷媒注入量を少なくして過度の
冷却作用を防止するものである。
【0054】図7は密閉容器の内部が主に吸入圧力の雰
囲気にある低圧チャンバ方式の縦形の密閉形スクロール
圧縮機を示すもので、図4で説明した実施例の場合、図
7の形式のスクロール圧縮機にも適用できるものであ
る。
【0055】図7において、密閉容器200内には、固
定スクロール部材201と旋回スクロール部材205か
らなる圧縮機部を上部に、電動機部259を下部に配置
し、回転軸257を介し圧縮機部と電動機部を連設して
収納している。
【0056】回転軸257はフレーム256に設けられ
た主軸受262、底壁に設けられた下部軸受263に支
承され、更に主軸上部に偏心的に設けられた旋回軸受2
61に旋回スクロール部材の旋回軸257aを支承して
いる。262aはスラト軸受(ころがり軸受)であり、
圧縮機部の密閉空間(圧縮室)で発生するガス力を上記
軸受で支承する。258はオルダム機構、264は吸入
管、274は吐出管、278は液冷媒用注入管を示す。
267は固定スクロールの背部に、隔壁267aにて形
成された中間的圧力室で、圧縮過程にある密閉空間22
1と細孔268にて連通し、予備的な圧力室となる。図
中実線矢印は冷媒ガスの流通方向、破線矢印は液冷媒の
流れ方向を示す。
【0057】冷媒ガスは、吸入管264から導入され、
密閉容器200の電動機空間に至り、電動機を冷却し乍
ら上昇流となり、フレーム256に設けた吸入孔256
aを経て、スクロール圧縮機の外周部の吸入室222に
吸入される。次いで旋回スクロール部材の旋回運動によ
り中央部に移動して圧縮され後述の注入液冷媒にて冷却
され、吐出口266より密閉容器内上部の吐出口271
に吐出される。次いで、吐出管274を介し機外(凝縮
器)に送出される。
【0058】一方液冷媒注入管278より供給される液
冷媒は、細孔269を経て、密閉空間221に注入さ
れ、作動ガスの冷却を行う。
【0059】上記液冷媒注入用細孔269は本実施例で
は、鏡板に1個設けていると共に、上記細孔269はガ
ス圧導出用細孔268に対し、前記(1)式で示したよ
うな位置関係に穿設され、ガス圧導出用細孔268に密
閉空間を介し間欠的に連通するように形成されている。
ガス圧導出用細孔268が開口する中間的圧力室267
は、上記構成により、起動初期等の液圧縮時には液冷媒
が間欠的に注入され、液冷媒の逃がし空間となる。
【0060】また、上記液冷媒注入用細孔及びガス圧導
出用細孔の位置関係は前記(2)式で示した位置関係に
設定してもよい。また、図7に示した、低圧の冷媒ガス
域に電動機を内蔵した低圧チャンバ方式密閉形スクロ−
ル圧縮機の場合には、低温の吸入冷媒ガスにより電動機
の冷却ができるので、該電動機の冷却のために注入する
液冷媒量をより少なくできる利点がある。この注入する
液冷媒量をより少なくできる分、密閉空間に注入されて
残存する液冷媒の量もより減少し、密閉空間内での起動
時等における液圧縮作用をさらに回避することができ
る。そして、冷却のための注入液冷媒量をより少量化す
ることで、圧縮機動力の軽減化が図れ、冷凍装置全体と
しての省エネルギを実現出来る。また、上記した起動時
等における液冷媒圧縮作用を完全に回避し、起動トルク
の軽減化、起動時の動力低減が図れる。したがって、従
来装置にみられたようなスクロ−ルラップの破損事故と
起動不良の現象及び凝縮器側への異物混入などを未然に
防止でき、スクロ−ル圧縮機と冷凍装置全体の信頼性を
大幅に改善することができる。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、両
スクロール部材で形成される密閉空間に液冷媒を注入し
て作動ガスの冷却を行なうと共に、圧縮機の起動時や停
止直前時などに、密閉空間内に、注入された非圧縮性の
液冷媒が充満しても、この液冷媒を旋回スクロ−ルの1
回転中に圧力導出用細孔や吐出口を介して排出すること
ができるので、液圧縮や密閉空間内部の異常圧力上昇を
防止することができるスクロ−ル流体機械が得られる効
果がある。したがって、液圧縮によるスクロールラップ
の破損事故や密閉空間内の異常圧力上昇により旋回スク
ロール部材が固定スクロール部材から離れて圧縮作用を
しなくなるなどの起動不良を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のスクロール流体機械を用い
た冷凍装置を示す冷凍サイクル用冷媒回路を示す図で、
スクロール流体機械の要部のみ縦断面図で示した図であ
る。
【図2】図1の実施例のスクロールラップの噛合い状態
における横断面図である。
【図3】図2の実施例の密閉空間の圧力変化を示す指圧
線図(P−λ線図)である。
【図4】本発明の他の実施例を示すスクロールラップの
噛合い状態における横断面図である。
【図5】図4の実施例の密閉空間の圧力変化を示す指圧
線図である。
【図6】本発明の更に他の実施例を示すスクロールラッ
プ噛合い状態における横断面図である。
【図7】低圧チャンバ方式の密閉形スクロール流体機械
に本発明を適用した場合の例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
101…固定スクロール部材、101a…鏡板、102
…吐出口、103…吸入口、105…旋回スクロール部
材、121a,121b…密閉空間、122…吸入室、
123…背圧室、131…吐出配管、124a,124
b,143a,143b…ガス圧導出用細孔、135…
液注入用配管、137…減圧器、139a,139b,
141a,141b,142a,142b…液冷媒注入
用細孔、164…吸入配管、182…凝縮器、184…
膨張弁、185…蒸発器。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鏡板に渦巻状のラップを直立する固定スク
    ロール部材及び旋回スクロール部材を、ラップを互いに
    内側にしてかみ合せ、固定スクロ−ル部材を固定するフ
    レ−ムと旋回スクロール部材の鏡板背面とで構成された
    背圧室を備え、該背圧室に前記固定スクロール部材と旋
    回スクロール部材とにより形成される密閉空間から圧縮
    途中のガスを導くガス圧導出用細孔を固定スクロ−ル部
    材の鏡板部あるいは旋回スクロ−ル部材の鏡板部に設
    け、旋回スクロ−ル部材を自転することなく固定スクロ
    −ル部材に対して旋回運動させ、固定スクロール部材に
    は中心部に開口する吐出口と外周部に開口する吸入口を
    設け、該吸入口からガスを吸入し、両スクロール部材で
    形成される密閉空間を中心に移動させ容積を減少してガ
    スを圧縮し、吐出口から圧縮ガスを吐出するスクロ−ル
    流体機械において、 前記密閉空間内に開口するように、作動ガス冷却用の液
    冷媒注入用細孔を前記固定スクロール部材の鏡板部を貫
    通して設け、 かつ該作動ガス冷却用の液冷媒注入用細孔の開口部位置
    を、前記旋回スクロ−ル部材の旋回運動により前記密閉
    空間を介して前記ガス圧導出用細孔と間欠的に連通する
    ように、前記ガス圧導出用細孔の位置からラップの巻始
    め部側に向かってラップ1巻き以内の位置としたことを
    特徴とするスクロ−ル流体機械。
  2. 【請求項2】鏡板に渦巻状のラップを直立する固定スク
    ロール部材及び旋回スクロール部材を、ラップを互いに
    内側にしてかみ合せ、旋回スクロール部材を自転するこ
    となく固定スクロール部材に対し旋回運動させ、固定ス
    クロール部材には中心部に開口する吐出口と外周部に開
    口する吸入口を設けて吸入口からガスを吸入し、両スク
    ロール部材により形成される密閉空間を中心に移動させ
    容積を減少してガスを圧縮し、前記吐出口から圧縮ガス
    を吐出するスクロ−ル流体機械において、 前記密閉空間内に開口する作動ガス冷却用の液冷媒注入
    用細孔を前記固定スクロール部材の鏡板部を貫通して設
    け、 かつ該液冷媒注入用細孔の開口部の位置を、前記旋回ス
    クロ−ル部材の旋回運動により前記密閉空間を介して前
    記固定スクロ−ル部材の吐出口とのみ間欠的に連通する
    ように、スクロ−ルラップ巻き始まり端部からラップの
    外周面に沿って1巻き以内の位置でかつ固定スクロ−ル
    ラップの外周面に近接した位置としたことを特徴とする
    スクロ−ル流体機械。
  3. 【請求項3】請求項2において、固定スクロ−ルラップ
    の内周面に近接した位置にも、前記旋回スクロ−ル部材
    の旋回運動により前記密閉空間を介して前記固定スクロ
    −ル部材の吐出口とのみ間欠的に連通するように、液冷
    媒注入用細孔を設けたことを特徴とするスクロ−ル流体
    機械。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001132667A (ja) * 1999-11-04 2001-05-18 Mitsubishi Heavy Ind Ltd スクロール圧縮機
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CN100337037C (zh) * 2003-10-16 2007-09-12 同方股份有限公司 一种带补气回路的涡旋压缩机补气孔位置的确定方法
WO2024069829A1 (ja) * 2022-09-29 2024-04-04 日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社 スクロール圧縮機及び空気調和機

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