JPH064501Y2 - シ−ルド付フラットケ−ブル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はシールド付フラットケーブル、特に導体を平形
の平角導体とすることにより優れた可撓性を有し、ま
た、コネクタとの接続に際しての端末処理作業性を大幅
に改善できるシールド付フラットケーブルに関するもの
である。

［従来の技術］ 最近の電子機器はデジタル化とそれに伴う信号の高周波
化、微小化によりラジオのノイズ、テレビの妨害発生の
多発、ロボットの誤動作にみられるような予期せぬ異常
動作の発生、及び多くの場合情報機器はオンラインシス
テムに組み込まれているために、単独機器の異常がただ
ちにシステム全体の異常と混乱に発展する。このような
状況は先進各国でも問題となり、デジタル機器に関する
電磁波妨害規制の動きが活発になってきている。

これら機器内の配線材としてシールド付フラットケーブ
ルがあり、このシールド付フラットケーブルは、断面丸
形の導体上にポリエチレン絶縁体等を押出被覆すること
により形成して成る絶縁導体を、複数本並列配置すると
共に隣接する絶縁導体相互を熱融着などにより接着させ
て、この外周に金属テープを巻回してシールド層を形成
し、更に該シールド層上に塩化ビニル等のジャケットを
設けたものが知られている。

［考案が解決しようとする問題点］ しかし、前記した従来のシールド付フラットケーブルで
は、断面丸形の導体上に絶縁体を押出被覆により形成し
た絶縁導体を複数本並列配置し、この外周に金属テープ
の巻回によるシールド層を形成したものであるため、ケ
ーブルが厚くなり可撓性が劣り配線作業性が悪い上に、
空間占有率が大きく機器の小型化を進める上で支障をき
たしている。

又、ケーブルとコネクタとの接続においては、各絶縁導
体の絶縁体の剥離及びシールド層の処理が非常に煩雑で
手間のかかる作業であった。

本考案は前記した従来技術の欠点を改善し、優れた可撓
性を有すると共に機器の小型化に対応でき、さらにコネ
クタとの接続に際しての端末処理作業性を向上できるシ
ールド付フラットケーブルの提供を目的とするものであ
る。

［問題を解決するための手段］ 本考案のシールド付フラットケーブルは、並列に配置さ
れた複数の導体として平角導体を使用し、この外周に順
次絶縁層及びシールド層を設け、平角導体のうち少なく
とも一本の導体を他の平角導体よりも厚く形成し、シー
ルド層と直接接触させて構成したものである。

［作用］ 本考案のシールド付フラットケーブルでは、平角導体を
一括して絶縁層で被覆し、平角導体のうちの少なくとも
一本を他の平角導体よりも厚くしてシールド層と直接接
触させる構成としたため、ケーブル全体の厚さを薄くで
き、従来の丸形導体に比べて優れた可撓性を付与するこ
とができると共に空間占有率を小さくできる。又、端末
処理作業性も容易であり、カードエッジ型コネクタに直
接接続することが可能となる。さらにドレインワイヤと
して使用される厚い平角導体とシールド層とは安定した
接触状態が保たれるため、優れたシールド効果を発揮す
ることになる。

［実施例］ 第１図は本考案のシールド付フラットケーブルの一実施
例を示すものである。１は平角導体、２は厚い平角導
体、３は絶縁層、４はシールド層、５はシース層であ
る。

平角導体１は、厚さ０．０５mm、巾０．８mmの錫メッキ
平角軟銅線により形成され、これらが複数本並列配置さ
れている。

平角導体２は、厚さ０．１mm、幅０．８mmの錫メッキ平
角軟銅線により形成され、平角導体１が配列された両縁
に沿って配置されている。

平角導体１，２が並列配置された上下には、厚さ０．０
５mmのポリエステルテーブ等のプラスチツクテープが設
けられて絶縁層３が形成されている。

絶縁層３の上下には、厚さ０．０１mm〜０．０３mmのア
ルミ箔テープが設けられてシールド層４が形成されてい
る。

このシールド層４はその片端部において平角導体２に直
接接触する構成と成っている。

シールド層４の上下には、厚さ０．０１mm〜０．０３mm
のポリエステルテープ等のプラスチツクテープが設けら
れてシース層５が形成されている。

このように複数本の平角導体を並列に配置し、これらを
一括して絶縁層で被覆することにより全体の厚さが薄く
なり、従来の丸形導体に比べて優れた可撓性を付与する
ことができ、又、空間占有率を小さくすることができ
る。

更にドレイン線として使用される平角導体２は、その幅
全体にわたってシールド層４と接触しており安定した接
触状態が保たれるため、優れたシールド効果が達成され
る。

第２図は本考案のシールド付フラットケーブルをカード
エッジ型コネクタに直接接続できるよう端末処理したケ
ーブル端末部の一実施例を示す斜視図である。

平角導体１，２の上部に設けられている絶縁層３、シー
ルド層４及びシース層５を剥ぎ取って、平角導体１，２
の導体面が露出するように処理する。この場合、平角導
体１とシールド層４が短絡しないように絶縁層３の端部
をシールド層４の端部よりも長くして段差を設けるよう
に加工する。また、平角導体１，２の下部のシールド層
４及びシース層５を剥ぎ取り、その剥ぎ取った部分に
は、ケーブルを補強するために絶縁層３上に厚さ０．１
２０mmのポリエステルテープ等のプラスチツク補強板６
を設けている。

このように非常に簡単にカードエッジ型コネクタとの接
続端末を形成することができる。

尚、本考案においては、上記シールド層を１層設けたも
のについて説明したが、第３図に示すように２層設けて
も同様の効果が得られる。

ちなみに第３図において１１は平角導体、１２は厚い平
角導体、１３は絶縁層、１４はシールド層、１５はシー
ス層、１６は補強板である。

［考案の効果］ 以上説明してきたように本考案のシールド付フラットケ
ーブルは、平角導体を一括して絶縁層で被覆し、平角導
体のうちの少なくとも一本を他の平角導体よりも厚くし
てシールド層と直接接触させる構成としたため、ケーブ
ル全体の厚さを薄くでき、従来の丸形導体に比べて優れ
た可撓性を付与することができると共に空間占有率を小
さくできる。又、端末処理作業性も容易であり、カード
エッジ型コネクタに直接接続することが可能となる。さ
らにドレインワイヤとして使用される厚い平角導体とシ
ールド層とは安定した接触状態が保たれるため、優れた
シールド効果を発揮できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のシールド付フラットケーブルの一実施
例を示す横断面説明図、第２図は本考案のシールド付フ
ラットケーブルを端末処理したケーブル端末部の一実施
例を示す斜視説明図、第３図は本考案のシールド付フラ
ットケーブルの他の実施例を示す横断面説明図である。 １：平角導体、 ２：厚い平角導体、 ３：絶縁層、 ４：シールド層、 ５：シース層、 ６：補強板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】並列に配置された複数本の平角導体と、該
   平角導体の外周に設けられた絶縁層と、該絶縁層上に設
   けられたシールド層とより成るシールド付フラットケー
   ブルにおいて、前記複数の平角導体のうち少なくとも一
   本の導体を他の平角導体よりも厚く形成し、前記シール
   ド層と直接接触させて構成したことを特徴とするシール
   ド付フラットケーブル。