JPH0715050Y2 - フラツトケ−ブル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、コンピュータ等の電子機器の内部配線として
使用されるフラットケーブル、さらに詳しく言えば配線
作業性、電気特性及び端末処理作業性に優れたフラット
ケーブルの改良に係わるものである。

［従来の技術］ コンピュータ等の電子機器の内部配線材としては、第一
にクロストーク特性に優れていることが要求されてい
る。

クロストーク特性を改善する方法としては、遮蔽のため
のシールド層を設けることが好ましい。

ところで、従来のシールド層としては、編組シールドま
たは、横巻シールドが使用されているが、このシールド
層は端末処理の際、剥離機によるジャケット、シールド
層及び絶縁体の一括剥離が出来ない欠点があった。

第二に要求されるものとしては、ケーブルの端末処理性
を向上させるために、多数のコアを並列配置したいわゆ
るフラットケーブル化がある。

本考案の目的は、以上の諸点に鑑み、端末処理作業が良
好で、漏話特性、電気特性にも優れた電子機器用フラッ
トケーブルを提供することにある。

［考案の概要］ 即ちその要旨とするところは、中心導体と、その外周に
押出し被覆された弗素樹脂絶縁体層とより成る絶縁導体
と、その絶縁導体の少なくとも片側に縦添えされたドレ
ンワイヤと、それらの外周に設けられた押え巻シールド
テープと、さらにそれらの外周に押出被覆された熱可塑
性樹脂ジャケットとより成るコアを、複数本並列配置
し、すくなくともその長手方向の所定間隔毎に隣接コア
同志を熱融着させて成るフラットケーブルにおいて、上
記押え巻シールドテープは、金属テープと６μ以下の厚
さに構成された補強用のポリエステルテープと該ポリエ
ステルテープの表面に設けられたコーティング層よりな
る３層構造のラミネートテープであり、上記金属テープ
面を内側にして設けてあると共に、上記コーティング層
は上記ジャケットの被覆時の熱によりジャケットと融着
一体化するものであることを特徴とするフラットケーブ
ルにある。

上記に於いて、中心導体及びドレンワイヤとしては、銀
メッキ軟銅線が使用される。

すなわち本考案フラットケーブルは絶縁体として弗素樹
脂が使用されるもので、この弗素樹脂押出しの際の高温
で導体が変色しないようにするため銀メッキを施したも
のである。

弗素樹脂絶縁体としては、PFA、FEPまたはＥ−TFEが押
出しにより設けられる。

ドレンワイヤは絶縁導体の少なくとも片側に設ければ良
く、必要により絶縁導体の両側に設けても良い。

押え巻きシールドテープとしては、銅テープ、銅テープ
に錫メッキを施したテープ、またはアルミテープ等の金
属テープとポリエステルテープとビニル系統の樹脂のコ
ーティング層のラミネートテープが用いられ、金属面を
内側にして用いられる。

ポリエステルテープ表面に設けられたコーティング層
は、ジャケット被覆時の熱によりジャケットと融着一体
化されるものである。

金属テープとしてアルミテープを使用する場合は、約10
μ程度の厚さのものが使用される。

ポリエステルテープはアルミテープを補強するためのも
ので、６μ好ましくは４μ以下が好ましい。

すなわち、ポリエステルテープは厚い方が強度が大き
く、製造の際の取扱が容易であるが、余り厚すぎる場合
は端末処理の際に、ジャケットと同時にシールドテープ
を剥離することが出来ないためである。

実験によれば、ポリエステル厚さ25μの場合、全く剥ぎ
取りは出来ず、12μの時は一部しか剥ぎ取ることが出来
なかった。

これに対して、６μ以下では100％剥ぎ取りが出来たも
のであり、本願においては、６μ以下好ましくは４μの
厚さのポリエステルテープを用いている。

ジャケットとしては、塩化ビニル等の熱可塑性樹脂が押
出被覆により設けられている。

並列配置されたコアを熱融着する方法としては、コアの
上下面のみ熱融着とし、隣接コア間の接触部は非融着と
することが好ましい。

すなわちコアを融着する場合に上下面のみ熱融着させる
のは、ジャケットを熱融着させるため融点以上に加熱す
るが、この際、ジャケットの体積が大幅に変化し、中心
導体間の寸法精度が得られなくなるもので、これを防止
するため、上下表面のみ熱融着させるのが好ましい。

［考案の実施例］ 次に本考案のフラットケーブルの一実施例を添付図面を
参照してさらに説明する。

第１図において１は中心導体であり、その外周には絶縁
体２が設けられており、絶縁導体を構成している。

３は絶縁導体に縦添えされたドレンワイヤであり、これ
らの外周には更にシールドテープ４が設けられている。

５はこれらの外周に設けられたジャケットであり、ケー
ブルコアを構成している。

ここで中心導体１及びドレンワイヤ３としては、0.23mm
直径の銀メッキ軟銅線が用いられている。

絶縁体２としてはFEPが使用され、外径が約0.69mmにな
るように押出しにより設けられている。

シールドテープ４としては、ポリエステルとアルミのラ
ミネートテープが使用され、アルミは９μ、ポリエステ
ルは４μの厚さで、ポリエステル面にビニル系統の樹脂
が薄くコーティングされているラミネートテープが使用
される。

ジャケット６は塩化ビニルを押出し被覆したもので、幅
は1.27±0.07mmに厚さは1.20±0.1mmに設けられてい
る。

このようにしてなるケーブルコアは、第２図に示すよう
に複数本並列配置され、その隣接コアの表面のみが融着
により一体化されている。

このようにしてなる本実施例フラットケーブルによれ
ば、特性インピーダンスZ₀＝50±５（Ω）、伝送速度Td
＝4.7±0.1（nsec/m）の特性が得られ、また、導体間距
離が1.27±0.07（mm）に保たれている。

［考案の効果］ 以上説明した通り本考案によれば、電気特性に優れ、端
末処理作業性に優れた電子機器内部配線用ケーブルの提
供を可能としたものであり、その実用的価値は非常に大
なるものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案フラットケーブルを構成するコアの一実
施例を示す横断面説明図、第２図は本考案フラットケー
ブルの一実施例を示す横断面説明図である。 1:導体、2:弗素樹脂絶縁体層 3:ドレンワイヤ、4:シールドテープ層 5:塩化ビニルジャケット層

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 中東 文賢 茨城県日立市日高町５丁目１番１号 日立 電線株式会社日高工場内 (72)考案者 黒田 修弘 茨城県日立市日高町５丁目１番１号 日立 電線株式会社日高工場内 (72)考案者 中原 由紀夫 茨城県日立市日高町５丁目１番１号 日立 電線株式会社日高工場内 (72)考案者 紀本 満男 茨城県日立市日高町５丁目１番１号 日立 電線株式会社日高工場内 (56)参考文献 実開 昭60−44311（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭59−12413（ＪＰ，Ｕ)

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】中心導体と、その外周に押出し被覆された
   弗素樹脂絶縁体層とより成る絶縁導体と、その絶縁導体
   の少なくとも片側に縦添えされたドレンワイヤと、それ
   らの外周に設けられた押え巻シールドテープと、さらに
   それらの外周に押出被覆された熱可塑性樹脂ジャケット
   とより成るコアを、複数本並列配置し、すくなくともそ
   の長手方向の所定間隔毎に隣接コア同志を熱融着させて
   成るフラットケーブルにおいて、上記押え巻シールドテ
   ープは、金属テープと６μ以下の厚さに構成された補強
   用のポリエステルテープと該ポリエステルテープの表面
   に設けられたコーティング層よりなる３層構造のラミネ
   ートテープであり、上記金属テープ面を内側にして設け
   てあると共に、上記コーティング層は上記ジャケットの
   被覆時の熱によりジャケットと融着一体化するものであ
   ることを特徴とするフラットケーブル。
2. 【請求項２】複数本並列配置されたコアは、隣接コア同
   志の表面のみが熱融着されて構成されていることを特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第１項記載のフラットケ
   ーブル。