JPH0644217Y2 - バースト抜き取り回路 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜技術分野＞ 本考案は、ビデオテープレコーダなどの色信号再生回路
に関し、さらに詳しくは、再生搬送色信号からカラーバ
ースト信号を抜き取るバースト抜き取り回路に関する。

＜従来技術＞ 一般に、ビデオテープレコーダの色信号再生回路におい
ては、回転ムラなどによる位相変動（時間軸変動）のあ
る再生色信号から色を忠実に再現するために、APC（Aut
o Phase Contorol）回路が設けられている。このAPC回
路では、再生搬送色信号に含まれるカラーバースト信号
と、3.58MHzの水晶発振器出力との位相を比較し、その
位相誤差電圧によって再生低域変換色信号を再生搬送色
信号に周波数変換するための電圧制御発振器の発振周波
数を制御するという閉回路を構成している。

従来、このAPC回路において、再生搬送色信号からカラ
ーバースト信号を抜き取るバースト抜き取り回路は、第
４図に示されるように、再生された水平同期信号をモノ
バルチバイブレータ25に入力してバーストゲートパルス
を形成し、バーストゲート回路26で再生搬送色信号から
前記バーストゲートパルスの期間のカラーバースト信号
を抜き取って位相比較器に出力するようにしている。

第５図は、第４図の各部の信号波形図であり、同図
（Ａ）は再生輝度信号、同図（Ｂ）は再生輝度信号から
分離されてモノバルチバイブレータ25に入力される水平
同期信号、同図（Ｃ）はモノバルチバイブレータ25から
出力されるバーストゲートパルスをそれぞれ示してい
る。

第５図（Ａ），（Ｂ）の実線で示されるように、輝度信
号およびそれから分離された水平同期信号に歪みがない
場合には、モノバルチバイブレータ25のスレッショルド
レベルSLより期間ｔだけ遅れたタイミングでバーストゲ
ートパルスが出力されることになり、バーストゲート回
路26でカラーバースト信号が確実に抜き取られることに
なる。

しかしながら、第５図（Ａ），（Ｂ）の破線で示される
ように、輝度信号およびそれから分離された水平同期信
号に歪みがあると、第５図（Ｃ）に示されるように、バ
ーストゲートパルスの位相が変化してカラーバースト信
号と位相差を生じ、カラーバースト信号の抜き取りが不
完全となり、しかも、余分なノイズ成分を抜き取ること
になる。したがって、このような場合には、APC回路が
誤動作をして再生画面に色ムラなどが生じるという難点
がある。

＜考案の目的＞ 本考案は、上述の点に鑑みて為されたものであって、水
平同期信号波形の歪みの有無に拘わらず、確実にカラー
バースト信号のみを抜き取ることができるようにするこ
とを目的とする。

＜考案の構成＞ 本考案では、上述の目的を達成するために、再生搬送色
信号に含まれるカラーバースト信号を抜き取って位相比
較器に与えるバースト抜き取り回路において、再生水平
同期信号の入力から一定時間遅れたタイミングで、前記
カラーバースト信号を抜き取るに十分な広いパルス幅の
第１バーストゲートパルスを出力する第１バーストゲー
トパルス出力回路と、前記再生水平同期信号に基づい
て、前記カラーバースト信号に対応するパルス幅で、か
つ、前記第１バーストゲートパルスよりも狭いパルス幅
の第２バーストゲートパルスを出力する第２バーストゲ
ートパルス出力回路と、前記再生搬送色信号から前記第
１バーストゲートパルスの期間に対応する部分を抜き取
る第１バーストゲート回路と、前記再生搬送色信号から
前記第２バーストゲートパルスの期間に対応する部分を
抜き取る第２バーストゲート回路と、前記各バーストゲ
ート回路の出力をそれぞれ平滑化する第1,第２平滑回路
と、前記両平滑回路の差動出力を与える差動回路とを備
え、前記差動出力に基づいて、前記第２バーストゲート
パルスの位相を制御するようにしている。

上記構成によれば、パルス幅の広い第１バーストゲート
パルスが与えられる第１バーストゲート回路では、常に
カラーバースト信号を含む部分が抜き取られるのに対し
て、カラーバースト信号に対応する狭いパルス幅の第２
バーストゲートパルスが与えられる第２バーストゲート
回路では、第２バーストゲートパルスとカラーバースト
信号との位相があっているときだけ、カラーバースト信
号のみが抜き取られ、位相がずれているときには、カラ
ーバースト信号の抜き取りが不完全となる。したがっ
て、両バーストゲート回路の出力を平滑化した後の差動
出力は、第２バーストゲートパルスの位相とカラーバー
スト信号の位相差に対応したものとなり、この差動出力
によって第２バーストゲートパルスの位相を制御するこ
とにより、第２バーストゲート回路からは常にカラーバ
ースト信号のみを確実に抜き取ることができる。

＜実施例＞ 以下、図面によって本考案の実施例について詳細に説明
する。

第１図は、本考案の一実施例のバースト抜き取り回路を
含むビデオテープレコーダの色信号再生回路のブロック
図である。

同図において、１は629kHzの再生低域変換色信号を、3.
58MHzの再生搬送色信号に変換する第１周波数変換器、
２はこの第１周波数変換器１に再生低域変換色信号と同
じ時間軸変動成分を含む4.21MHzの信号を与える第２周
波数変換器であり、この第２周波数変換器２には、電圧
制御発振器（VCO）３からの3.58MHzの信号が与えられる
とともに、再生された水平同期信号をPLLてい倍回路30
でてい倍した629kHzの信号が与えられる。電圧制御発振
器３は、再生搬送色信号から抜き取られたカラーバース
ト信号と3.58MHz水晶発振器５の出力との位相を比較す
る位相比較器６の位相誤差電圧によって発振周波数が制
御される。

以上の構成は、従来例と同様である。

この実施例のバースト抜き取り回路４は、再生搬送色信
号からカラーバースト信号のみを確実に抜き取って位相
比較器６に与えることができるように次のように構成さ
れている。

すなわち、このバースト抜き取り回路４は、再生水平同
期信号の入力に応答して幅の広い第１バーストゲートパ
ルスを出力する第１バーストゲートパルス出力回路とし
ての第１モノマルチバイブレータ７と、再生水平同期信
号に基づいて、第１バーストゲートパルスよりも幅の狭
い第２バーストゲートパルスを出力する第２バーストゲ
ートパルス出力回路８と、再生搬送色信号から第１バー
ストゲートパルスの期間に対応する部分を抜き取る第１
バーストゲート回路９と、再生搬送色信号から第２バー
ストゲートパルスの期間に対応する部分を抜き取る第２
バーストゲート回路10と、各バーストゲート回路9,10の
出力をそれぞれ増幅する第1,第２アンプ11,12と、各ア
ンプ11,12の出力レベルをそれぞれ制限する第1,第２リ
ミッタ13,14と、各リミッタ13,14の出力をそれぞれ平滑
化する第1,第２平滑回路15,16と、両平滑回路15,16の出
力が与えられる差動増幅器17とを備えている。

第１モノマルチバイブレータ７では、水平同期信号の入
力から一定時間遅れたタイミングで、カラーバースト信
号を抜き取るに十分な広いパルス幅の第１バーストゲー
トパルスを出力する。すなわち、カラーバースト信号
は、第２図に示されるように、3.58MHzの８〜12サイク
ルで構成されているので、その幅Ｔは、最大で約3.4μs
ecであるが、第１バーストゲートパルスのパルス幅は、
約５μsecになるように設定されており、水平同期信号
波形に歪みがあった場合にも、第１バーストゲート回路
９でカラーバースト信号の部分が確実に抜き取られるよ
うにしている。

第２バーストゲートパルス出力回路８は、差動増幅器17
の出力に基づいて、水平同期信号を遅延させる遅延回路
18と、この遅延回路18からの水平同期信号の入力に応答
してカラーバースト信号に対応するパルス幅の第２バー
ストゲートパルスを出力する第２モノマルチバイブレー
タ19とを備えている。この第２バーストゲートパルスの
パルス幅は、カラーバースト信号に対応して約約3.4μs
ecとしている。

各リミッタ13,14では、各バーストゲート回路9,10で抜
き取られて増幅された第３図（Ａ）に示されるカラーバ
ースト信号を第３図（Ｂ）に示されるように、所定のレ
ベルで制限している。

次に、上記構成を有するバースト抜き取り回路４の動作
を説明する。

パルス幅の広い第１バーストゲートパルスが与えられる
第１バーストゲート回路９では、水平同期信号波形の歪
みの有無に拘わらず、カラーバースト信号を含む部分が
常に抜き取られるのに対して、カラーバースト信号に対
応する狭いパルス幅の第２バーストゲートパルスが与え
られる第２バーストゲート回路10では、第２バーストゲ
ートパルスとカラーバースト信号との位相があっている
ときだけ、カラーバースト信号のみが抜き取られること
になり、位相がずれているときには、カラーバースト信
号を確実に抜き取ることがでないことになる。

したがって、各バーストゲート回路9,10の出力をそれぞ
れ平滑化した後の差動出力は、第２バーストゲートパル
スとカラーバースト信号との位相のずれに対応したもの
となる。そこで、この差動出力、すなわち、差動増幅器
17の出力に基づいて、遅延回路18で水平同期信号の遅延
量を制御することにより、第２バーストゲートパルスの
位相をカラーバースト信号の位相に一致させるようにし
ている。

これによって、水平同期信号波形の歪みの有無に拘わら
ず、第２バーストゲート回路10からは、不要なノイズ成
分を含まないカラーバースト信号のみが確実に抜き取ら
れて位相比較器６に与えられることになり、従来のよう
に再生画面に色ムラが生じるといったことがない。

本考案のバースト抜き取り回路４は、ダビングを繰り返
して再生信号の波形に歪みが生じているような場合に、
特に好適である。

＜考案の効果＞ 以上のように本考案によれば、水平同期信号波形の歪み
の有無にかかわらず、常にカラーバースト信号のみを抜
き取ることが可能となるので、従来例のように再生画面
に色ムラが生じるといったことが解消される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例のブロック図、第２図は再生
輝度信号の波形図、第３図はカラーバースト信号および
リミッタの出力波形図、第４図は従来例のブロック図、
第５図は従来例の動作説明に供する信号波形図である。 ４…バースト抜き取り回路、６…位相比較器、７…第１
モノマルチバイブレータ（第１バーストゲートパルス出
力回路）、８…第２バーストゲートパルス出力回路、9,
10…第1,第２バーストゲート回路、15,16…第1,第２平
滑回路、17…差動増幅器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】再生搬送色信号に含まれるカラーバースト
   信号を抜き取って位相比較器に与えるバースト抜き取り
   回路において、 再生水平同期信号の入力から一定時間遅れたタイミング
   で、前記カラーバースト信号を抜き取るに十分な広いパ
   ルス幅の第１バーストゲートパルスを出力する第１バー
   ストゲートパルス出力回路と、 前記再生水平同期信号に基づいて、前記カラーバースト
   信号に対応するパルス幅で、かつ、前記第１バーストゲ
   ートパルスよりも狭いパルス幅の第２バーストゲートパ
   ルスを出力する第２バーストゲートパルス出力回路と、 前記再生搬送色信号から前記第１バーストゲートパルス
   の期間に対応する部分を抜き取る第１バーストゲート回
   路と、 前記再生搬送色信号から前記第２バーストゲートパルス
   の期間に対応する部分を抜き取る第２バーストゲート回
   路と、 前記各バーストゲート回路の出力をそれぞれ平滑化する
   第1,第２平滑回路と、 前記両平滑回路の差動出力を与える差動回路とを備え、 前記差動出力に基づいて、前記第２バーストゲートパル
   スの位相を制御することを特徴とするバースト抜き取り
   回路。