JPS636950Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はPAL方式VTRに用いて好適なカラー
映像信号再生回路に関する。

PAL方式VTRにおいては、カラーバーストは
1H（Ｈは水平期間）毎に位相がスイングしている
ため、再生時にこのカラーバーストを用いて
APC等のジツター補正を行なうことが困難であ
る。そこで、例えばβ方式VTRでは記録時にカ
ラーバーストとは別に参照波として1H毎に位相
がスイングしていないパイロツトバーストを水平
同期信号期間に挿入し、再生時にこのパイロツト
バーストを基準としてジツター補正を行なうよう
にしている。このため、パイロツトバーストは
APCに用いられた後は除去される必要がある。

第１図に従来のPAL方式VTRにおける再生系
ブロツク図を示す。

ビデオヘツド１により再生されプリアンプ２で
増巾された再生カラー映像信号からハイパスフイ
ルタ３を通して得られるFM輝度信号はFM復調
回路４で復調された後、位相補償回路５に供給さ
れる。この位相補償回路は、後述する色信号再生
系において、主にバンドパスフイルタの群遅延特
性により、色信号の位相が輝度信号の位相よりも
遅れるのを補償するものであり、0.6μsecの遅延
回路により構成される。そして、この出力は混合
回路６に供給され、後述の再生色信号と混合され
て出力端子７に導出される。

一方、前記再生カラー映像信号からローパスフ
イルタ８を通して得られる（44±1/8）fH（fHは
水平周波数）の低域変換色信号は、第１周波数変
換回路９に供給され元の周波数（4.43MHz）に変
換される。そして4.43MHzのバンドパスフイルタ
１０で帯域制限され、パイロツトバースト除去回
路１１にて記録時に挿入されたパイロツトバース
トが除去されて混合回路６にて前述の復調輝度信
号と混合される。

また、前記バンドパスフイルタ１０出力はバー
ストゲート回路１２に供給され入力端子１３より
入力される水平同期信号によりその期間のパイロ
ツトバーストが取出され4.43MHzの固定発振器１
４出力と共に第１位相比較回路１５に入力されて
位相比較される。そして、この比較誤差出力は
4.43MHzの可変水晶発振器１６を制御し、この発
振出力は後述するAFCループ出力と共に第２周
波数変換回路１７に入力され、4.43MHz＋（44±
１／８）fHの周波数に変換され、前記第１周波数変
換回路９に入力される。そして、この閉ループは
APC回路１８を構成する。

また、８（44±1/8）fH（符号はフイールド毎に
反転）の中心周波数を有する電圧制御発振器１９
出力は1/8（44±1/8）分周回路２０（符号はフイ
ールド毎に反転）で分周され第２位相比較回路２
１で入力端子１３より入力する水平同期信号と位
相比較され、この比較出力が前記電圧制御発振器
１９を制御し、AFC回路２２を構成する。そし
て、電圧制御発振器１９出力は1/8分周回路２３
で分周され（44±1/8）fHの周波数となり前記第
２周波数変換回路１７に供給される。

また、パイロツトバースト除去回路１１におい
てパイロツトバーストを除去するための除去パル
スは次の様にして作成される。第２図イに示す如
くパイロツトバーストＡは映像信号の水平同期信
号期間（4.7μsec）内の所定位置（水平同期信号
のフロントポーチから0.5μsec、バツクポーチま
で1.7μsec）に所定期間（2.5μsec）重畳されてい
るが、このパイロツトバーストは水平同期信号の
フロントポーチにかなり近接して重畳されている
ため再生時に、パイロツトバーストの一部がフロ
ントポーチ側にずれる場合があるため、パイロツ
トバースト除去パルスは水平同期信号のフロント
ポーチの一部を含む多少巾広のパルスとするのが
望ましい。尚、Ｂは水平同期信号のバークポーチ
に重畳されているカラーバーストである。

ここで、AFC回路２２の第２位相比較回路２
１においては、電圧制御発振器の分周出力を変換
した台形波の立上りの傾斜部を水平同期信号でサ
ンプリングしている。よつて、台形波に変換する
前の分周出力（第２図ロ）はその立上りが水平同
期信号に先行しているため、これを波形整形回路
２４で水平同期信号よりも若干巾広のパルスに整
形し、除去パルスとしてパイロツトバースト除去
回路１１に供給される。

上述の再生回路においてはAFC回路により周
波数を制御し、APC回路により位相を制御する
ようにしているが、APC回路により位相を制御
すると共にこのAPC回路の周波数変動を検出し
てAPC回路の周波数を一定に保つAPC・ID回路
を設けるいわゆるAPC・ID方式においては、上
述の方法でパイロツトバースト除去パルスを作成
することができない。

本考案は上述の点に鑑みなされたものであり、
再生時にAFC回路を用いない方式のVTRにおい
てもパイロツトバースト除去パルスを簡単に作成
できるカラー映像信号再生回路を提供するもので
ある。

以下、図面に従つて本考案の一実施例を説明す
る。

第３図は本実施例回路の概略ブロツク図であ
り、第１図と同一部分には同一図番を付し説明を
省略する。

２５はAPC・ID回路であり、入力水平同期信
号により数Ｈ期間のゲート信号を作成し、このゲ
ート信号により電圧制御発振器１９出力をカウン
トして電圧に変換しAPC回路２６が参照周波数
（4.43MHz）からfHの整数倍離れた周波数にロツ
クするいわゆるミスロツクを検出する。そして、
この検出電圧は数Ｈ期間のうち1H期間出力され
APC回路の第１位相比較回路１５出力に重畳さ
れ前記電圧制御発振器１９を制御する。また、前
記4.43MHzの固定発振器１４出力はパイロツトバ
ーストとの位相比較に用いられると共に第２周波
数変換回路１７にも供給される。

一方、本実施例におけるパイロツトバースト除
去パルスは次の様にして作成される。すなわち、
輝度信号再生系の位相補償回路５の入力及び出
力、（第４図イ，ロ）、すなわち、0.6μsec遅延の
前後の信号をそれぞれ第１及び第２同期分離回路
２７，２８に供給し、それぞれ、第４図ハ，ニの
様な水平同期パルスを得る。そして、これらをオ
ア回路２９に供給して論理和をとり（第４図ホ）、
これを除去パルスとしてパイロツトバースト除去
回路１１に供給する。

尚、上述の実施例においては位相補償前後の信
号をそれぞれ同期分離して両者の論理和出力を除
去パルスとしたが、位相補償前の信号のみを同期
分離し、これを積分等により波形整形した出力と
該同期分離出力との論理和出力を除去パルスとす
るようにしても良く、要は位相補償前の水平同期
信号の前縁に同期し、少なくとも水平同期信号よ
りも巾広のパルスを除去パルスとすればよい。

上述の如く本考案に依れば、パイロツトバース
トを用いるPAL方式VTRにおいて、位相補償前
の輝度信号から分離した水平同期信号の前縁に同
期し、且つ少なくとも水平同期信号より巾広のパ
ルスをパイロツトバースト除去パルスとするた
め、再生時に従来のAFC回路を用いないVTRに
おいても確実なパイロツトバーストの除去を為す
ことができ実用的である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のカラー映像信号再生回路の概略
ブロツク図、第２図はパイロツトバースト除去パ
ルスの作成過程を示す波形図、第３図は本考案の
一実施例における概略ブロツク図、第４図はパイ
ロツトバースト除去パルスの作成過程を示す波形
図である。 ５……位相補償回路、１１……パイロツトバー
スト除去回路、１８，２６……APC回路、２５
……APC・ID回路、２７，２８……第１及び第
２同期分離回路、２９……オア回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水平同期信号期間に挿入されたパイロツトバー
   ストにより再生時のジツター補正を行なうカラー
   映像信号再生回路において、再生輝度信号に対す
   る再生色信号の位相遅れを補償すべく該再生輝度
   信号を所定時間遅延せしめる位相補償回路と、該
   位相補償回路に入力される再生輝度信号から分離
   した水平同期信号の前縁に同期し、且つ、少なく
   とも該水平同期信号よりも巾広のパルスを作成す
   る回路と、該パルスにより前記再生色信号から前
   記パイロツトバーストを除去する回路とを備える
   カラー映像信号再生回路。