JPH0644216A - 入力装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ＯＣＲによる手書き又は印刷された入力情報
をキーボード装置からのキー入力と同じに扱えるように
し、多様な入力情報を認識できるようにする。 【構成】 印刷又は手書きされた文字等の情報を入力し
て認識すると、その認識コードからキーボード操作コー
ド、さらにそれをキーボード信号に変換してシステム装
置へ出力する。さらに、入力情報認識部５が入力情報を
認識するときに使用する文字認識辞書とその認識コード
をキーボード操作コードに変換するときに使用するキー
ボード操作コード情報テーブルを、辞書情報・テーブル
情報入力制御部２０がそれぞれ認識用辞書情報格納部１
６及びキーボード操作コード作成情報格納部７へ任意に
組み込む。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、文書作成装置，自動
翻訳装置等を含む各種データ処理装置（コンピュータ本
体），ファイリング装置等のシステム装置に接続して使
用される光学的文字読取装置（ＯＣＲ）を用いた入力装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、データ処理装置やファイリング
装置等のシステム装置の入力装置としてはキーボード装
置が多用されているが、そのキーボード装置のキー入力
操作に慣れるのには時間がかかるという問題があった。

【０００３】そこで、キーボード装置によるキー入力操
作を補助する入力手段として、手書きあるいは印刷した
文字や記号等の情報を光学的に読み取って入力するＯＣ
Ｒ、盤面上に直接手書きされた文字等の情報の筆跡を感
圧センサ群等によって検出し、その筆跡に該当する文字
等を認識して入力するタブレット入力装置、音声を認識
して対応する文字等の情報を入力する音声入力装置等を
備えた装置が提案されている。

【０００４】例えば、以下に示すような装置がある。 （１）タブレットから手書き入力された文字を認識処理
し、その認識した文字を判別してキーボード装置からの
出力コードと区別可能な体系の出力コードに変換し、ア
ダプタを介してその出力コードとキーボード装置からの
出力コードとを統合して制御処理本体へ出力する文字入
力装置（例えば特開昭６１−２２３９７４号公報参
照）。

【０００５】（２）音声又はキーボード装置から情報の
入力ができる情報入力装置に手書きＯＣＲを接続し、読
みの判らない漢字等を入力する場合、その手書きＯＣＲ
による手書き入力ができるようにした情報入力装置（例
えば実開昭６２−６２３６８号公報参照）。

【０００６】（３）キーボード装置のキー入力やパネル
上の押しボタン入力に換えて、手書き入力された文字又
は音声で入力された指示を認識して、その認識結果に対
応して予め登録テーブルに登録されている処理を選択す
る情報処理装置（例えば実開昭６２−１８７３４０号公
報参照）。

【０００７】（４）キーの押下により文字及び数字のコ
ードを出力するキーボード装置と、ハンドスキャナ及び
それによって読み込まれたＯＣＲ文字を識別して文字及
び数字のコードを発生すると共にキーボード装置からの
出力との論理和を出力する文字数字認識部とを有し、キ
ーボード装置とハンドスキャナのいずれからの入力も同
じ入力として扱うようにしたパソコン入力装置（例えば
特開昭６４−５０１１４号公報参照）。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
各装置にはそれぞれ次のような問題があった。 （１）タブレットとキーボード装置の文字入力ではそれ
ぞれ出力するコードの体系を異ならせており、出力コー
ドを受取った制御処理本体がその両者の出力コードを判
別する処理を行なわなければならないために処理効率を
低下させてしまうばかりか、従来の一般的なデータ処理
装置にそのまま使用することはできない。

【０００９】また、そのタブレットでは文字のみしか手
書き入力できず、キーボード装置のように文字以外の各
種の制御情報をも入力することはできないので、完全に
キーボード装置の代わりには使用できない。

【００１０】（２）音声入力，キーボード装置による入
力，及び手書きＯＣＲ入力をそれぞれ別個の入力インタ
フェースから本体に入力し、各々異なる認識処理を行な
わなければならないため、データ処理装置本体の構成及
びプログラムが複雑になり、汎用性もない。

【００１１】（３）予め登録してある処理を手書き文字
入力又は音声入力によって選択することができるだけで
あり、キーボード装置によるキー入力の場合と同様に各
種の情報を自在に入力することはできず、特殊な用途に
限られる。

【００１２】（４）キーボード装置及びハンドスキャナ
からの入力がいずれも文字及び数字のコードだけでそれ
以外の制御コード等の入力ができない。また、一般のパ
ソコンやワードプロセッサ等のデータ処理装置では、キ
ーボードインタフェースから文字及び数字のコードを入
力するようになっておらず、キーの押下位置（キーコー
ド）とそのオン・オフ情報を入力して、本体内でそれを
文字や数字のコード又は制御コードに変換する処理を行
なっているので、文字及び数字のコードを入力させるの
では汎用性がない。

【００１３】また、キーボード装置とハンドスキャナか
ら出力されるコードの論理和を出力するので、データ処
理装置本体に対して両者による同時入力が生じてしまう
恐れがある。

【００１４】このように、上述した従来の入力装置はい
ずれも、キーボード装置によるキー入力を主とし、ＯＣ
Ｒやタブレット入力装置，音声入力装置等を補助的入力
装置として使用できるようにしたものであり、キーボー
ド装置以外の入力装置によってもキーボード装置と同様
に各種の情報を全て入力できるまでに至っていなかっ
た。また、入力手段を増やすためにデータ処理装置本体
側の構成が複雑化したり処理の負担を増加し、あるいは
汎用性に欠けるという問題があった。

【００１５】さらに、上述したような入力装置では、漢
字，かな文字，英数字，記号等の他に、表１の（ａ）に
示すような数式に使用する記号や、（ｂ）に示すような
化学式に使用する記号，添字等の入力情報を認識するこ
とは困難であった。

【００１６】

【表１】

【００１７】この発明は上記の点に鑑みてなされたもの
であり、ＯＣＲによる印刷又は手書き文字等の入力情報
を全てキーボード装置からのキー操作入力と全く同じに
扱えるようにすると共に、あらゆる種類の入力情報を認
識できるようにし、入力操作の多様性及び自在性を大幅
に向上させて、且つデータ処理装置本体側を何ら変更す
ることなく使用することができる汎用性のある入力装置
を提供することを目的とする。

【００１８】

【課題を解決するための手段】この発明による入力装置
は上記の目的を達成するため、印刷又は手書きされた文
字等の情報を光学的に読み取って入力する情報入力手段
と、その手段によって入力された情報を認識してその認
識コードを出力する入力情報認識手段と、その手段から
の認識コードをキーボード操作コードに変換するキーボ
ード操作コード作成手段と、その手段からのキーボード
操作コードをシステム装置に対応したキーボード信号に
変換するキーボード信号作成手段と、そのキーボード信
号をキーボードインタフェースを介してデータ処理装置
等のシステム装置へ出力するキーボード信号出力手段を
備えている。

【００１９】さらに、入力情報認識手段が入力情報を認
識するときに使用する文字認識辞書及びキーボード操作
コード作成手段が上記認識コードをキーボード操作コー
ドに変換するときに使用するキーボード操作コード情報
テーブルを任意に組み込む辞書・情報テーブル組込手段
を設けたものである。また、上記辞書情報テーブル組込
手段を、ＩＣカードに格納された文字認識辞書及びキー
ボード操作コード情報テーブルのデータを読み込んで組
み込む手段にするとよい。

【００２０】あるいは、複数の文字認識辞書とその各文
字認識辞書に対応するキーボード操作コード情報テーブ
ルとを有し、情報入力手段から入力される情報を複数の
認識対象領域に分けて指定し得る認識対象領域指定手段
と、その手段によって指定された各認識対象領域ごとに
対応する文字認識辞書を指定する手段を設けるようにす
るとよい。

【００２１】また、認識対象領域指定手段によって指定
された認識対象領域とその認識対象領域ごとに指定され
た文字認識辞書に関する情報を格納する手段を設け、そ
の手段によって格納した情報に基づいて入力情報認識手
段が情報入力部からの情報に対して認識処理を行なえる
ようにするとよい。

【００２２】さらに、認識対象領域指定手段によって指
定された認識対象領域とその認識対象領域ごとに指定さ
れた文字認識辞書に関する情報を複数種類格納する手段
と、その手段に格納された複数種類の情報を選択する手
段とを設け、その手段によって選択された情報に基づい
て入力情報認識手段が情報入力部からの情報に対して認
識処理を行なえるようにするとよい。

【００２３】

【作用】この発明による入力装置は、印刷又は手書きさ
れた文字等の情報を入力して認識すると、その認識コー
ドをキーボード操作コードに変換し、さらにそのキーボ
ード操作コードをシステム装置に対応したキーボード信
号（キーコード及びそのオン・オフ信号）に変換してキ
ーボードインタフェースを介してデータ処理装置等のシ
ステム装置へ出力する。

【００２４】したがって、システム装置側では、印刷又
は手書きされた文字等の情報をキーボード装置からキー
操作によって入力された情報と全く同じに処理すること
ができるので、従来のキーボード装置を使用する各種デ
ータ処理装置本体（システム装置）を何ら変更すること
なく、そのキーボードインタフェースに接続して使用す
ることができる。

【００２５】さらに、入力情報を認識するときに使用す
る文字認識辞書及び入力情報を認識した結果である認識
コードをキーボード操作コードに変換するときに使用す
るキーボード操作コード情報テーブルを任意に組み込む
ので、入力情報の種類に応じて組み込んだ文字認識辞書
及びキーボード操作コード情報テーブルを用いて認識処
理を行なえる。また、ＩＣカードに格納された文字認識
辞書及びキーボード操作コード情報テーブルのデータを
読み込んで組み込むようにすれば、そのデータの組み込
みを簡便に行なえる。

【００２６】あるいは、複数の文字認識辞書とその各文
字認識辞書に対応するキーボード操作コード情報テーブ
ルを備えて、入力される情報を複数の認識対象領域に分
けて指定し、その指定された各認識対象領域ごとに対応
する文字認識辞書を指定するようにすれば、入力情報の
種類毎に設定した各認識対象領域ごとに文字認識辞書を
変えて認識処理を行なえる。

【００２７】また、指定された認識対象領域とその認識
対象領域ごとに指定された文字認識辞書に関する情報を
格納し、その格納した情報に基づいて入力された情報に
対して認識処理を行なえるようにすれば、予め設定され
た認識対象領域とその認識対象領域に対応する文字認識
辞書とに関する情報を基にして、入力情報の認識処理を
定形的に行なえる。

【００２８】さらに、指定された認識対象領域とその認
識対象領域ごとに指定された文字認識辞書に関する情報
を複数種類格納して、その格納された複数種類の情報を
選択し、その選択された情報に基づいて入力された情報
に対して認識処理を行なうようにすれば、認識処理の際
に各認識対象領域に対して使用する文字認識辞書の種類
を任意に選択することができる。

【００２９】

【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて具
体的に説明する。図２はこの発明による入力装置を使用
したデータ処理装置の外観斜視図であり、このデータ処
理装置は、入力装置１がキーボードインタフェース（Ｉ
／Ｆ）ケーブル２を介して、文書作成機能やデータ処理
機能等を備えたシステム装置３に接続されている。

【００３０】その入力装置１は挿入口１ａから挿入され
る原稿上に印刷又は手書きされた文字等の情報及び罫線
情報を光学的に読み取って、それをキーボード信号に変
換処理する機能と、その読み取った情報を認識するとき
に使用する文字認識辞書と認識した情報をキーボード操
作コードに変換するときに使用するキーボード操作コー
ド情報テーブルを任意に組み込む機能を持つ。

【００３１】また、入力装置１の側面には外部入力イン
タフェース（Ｉ／Ｆ）部２２を備えており、そこに挿着
されたＩＣカード２１に格納されている文字認識辞書と
キーボード操作コード情報テーブルのデータを読み込
み、そのデータを入力装置１の内部に組み込む機能を持
つ。さらに、原稿から読み取った情報を指定された複数
の認識対象領域に分けて、その各認識対象領域ごとに指
定された文字認識辞書を使用して認識処理を行なう機能
を持つ。

【００３２】また、その指定された認識対象領域とその
領域に対応する文字認識辞書に関する情報を記憶して、
その情報に基づいて原稿から読み取った情報の認識処理
を行なう機能を持つ。さらにまた、その認識対象領域と
文字認識辞書に関する情報を複数種類記憶して、入力装
置１の上面に設けたタッチ式スイッチ等の選択用スイッ
チ２４によってそのいずれかを選択して原稿から読み取
った情報の認識処理を行なう機能を持つ。

【００３３】そして、キーボード装置１２がキーボード
（Ｉ／Ｆ）ケーブル１３を介して入力装置１に接続され
ており、そのキーボード装置１２からのキー入力による
キーボード信号が入力装置１のキーボードインタフェー
ス（Ｉ／Ｆ）ケーブル２を介してシステム装置３に送ら
れる。

【００３４】図１は、図２に示した入力装置１の機能構
成をシステム装置３と共に示すブロック図である。この
入力装置１は、情報入力部４，入力情報認識部５，キー
ボード操作コード作成部６，キーボード操作コード作成
情報格納部７，キーボード信号作成部８，キーボード信
号作成情報格納部９，キーボード信号出力部１０，キー
ボード制御情報格納部１４，及びキーボード信号切換部
１５の各機能を備えている。

【００３５】さらに、認識用辞書情報格納部１６，認識
用辞書制御部１７，キーボード操作コード作成情報制御
部１８，キーボード信号作成情報制御部１９，辞書情報
・テーブル情報入力制御部２０，外部入力インタフェー
ス（Ｉ／Ｆ）部２２，認識情報格納部２３，及び認識情
報選択スイッチ制御部２５の各機能部も備えている。

【００３６】情報入力部４は、原稿に印刷又は手書きさ
れた文字等の情報をスキャナによって光学的に読み取
り、その情報を二値化して入力情報認識部５へ送る。入
力情報認識部５は、情報入力部４から受け取った二値化
された情報をＯＣＲによって文字等の情報認識処理を行
ない、その認識コードをキーボード操作コード作成部６
へ送る。

【００３７】キーボード操作コード作成部６は、キーボ
ード操作コード作成情報格納部７に格納されている情報
をもとにして、入力情報認識部５から送られた認識コー
ドをキーボード操作コード（キー操作に対応するコー
ド）に変換してキーボード信号作成部８へ送る。

【００３８】キーボード操作コード作成情報格納部７
は、キーボード操作コード作成部６が参照する情報をテ
ーブル形式で格納しており、入力情報認識部５で認識で
きる文字，記号，数字等の全ての文字情報に対して、そ
れらの認識コードをインデックスとして対応させたキー
ボード操作コードが登録してある。

【００３９】キーボード信号作成部８は、キーボード操
作コード作成部６から送られたキーボード操作コード
を、キーボード信号作成情報格納部９に格納してある情
報をもとにしてキーボード信号（キーボード装置上のキ
ー押下時のキーコードおよびそのオン・オフ信号に相当
する）に変換してキーボード信号出力部１０へ送る。

【００４０】キーボード信号作成情報格納部９は、キー
ボード信号作成部８が参照する情報を格納しており、キ
ーボード装置上の各キーボード操作コード（１キー入
力）に対応するそれぞれのキーボード信号データがテー
ブル形式で登録してある。

【００４１】このキーボード信号データとは、例えば、
キーボード装置からシステム装置に対して文字「Ａ」を
入力した場合、キーボード装置からはシステム装置に対
してキーボード装置上のキー配列における文字「Ａ」の
物理的な位置（キーコード）と共に、そのキーが押され
たこと（オン）と離されたこと（オフ）を示すデータを
通知しており、キーボード装置上の各キー単位に決めら
れているキー押下及び押下解除に関する通知情報をい
う。

【００４２】キーボード信号出力部１０は、システム装
置３とキーボード装置間のデータの遣り取りを行なうキ
ーボードＩ／Ｆケーブル２を介して、キーボード信号作
成部８から受け取ったキーボード信号データをシステム
装置３へ出力する。キーボード制御情報格納部１４は、
情報入力部４が文字等の情報入力開始時及び終了時に設
定する情報を格納し、その情報をキーボード信号切換部
１５が参照する。

【００４３】キーボード信号切換部１５は、キーボード
制御情報格納部１４のキーボード制御情報にしたがっ
て、キーボード装置１２からのキーボード信号とキーボ
ード信号作成部８からのキーボード信号データとを切り
換えてキーボード信号出力部１０へ出力する。

【００４４】認識用辞書情報格納部１６は、入力情報認
識部５が入力情報を認識するときに使用する文字認識辞
書を格納する。認識用辞書制御部１７は、入力情報認識
部５が認識用辞書情報格納部１６を参照するときの制御
を行なう。

【００４５】キーボード操作コード作成情報制御部１８
は、キーボード操作コード作成部６がキーボード操作コ
ード作成情報格納部７を参照するときの制御を行なう。
キーボード信号作成情報制御部１９は、キーボード信号
作成部８がキーボード信号作成情報格納部９を参照する
ときの制御を行なう。

【００４６】辞書情報・テーブル情報入力制御部２０
は、入力情報認識部５が入力情報を認識するときに使用
する文字認識辞書を、入力情報の種類に応じて任意に組
み込む処理を行なう。

【００４７】さらに、その文字認識情報に対応して、キ
ーボード操作コード作成部６がその認識コードをキーボ
ード操作コードに変換するときに使用するキーボード操
作コード情報テーブルを、キーボード信号作成部８がそ
のキーボード操作コードをキーボード信号に変換すると
きに使用するキーボード信号データテーブルを、それぞ
れ入力情報の種類に応じて任意に組み込む処理を行な
う。

【００４８】また、ＩＣカード２１に格納された文字認
識辞書とキーボード操作コード情報テーブルとキーボー
ド信号データテーブルのデータを外部入力Ｉ／Ｆ部２２
から受け取り、それぞれの格納部へ組み込む処理も行な
う。

【００４９】外部入力Ｉ／Ｆ部２２は、挿着されたＩＣ
カード２１に格納されている文字認識辞書とキーボード
操作コード情報テーブルとキーボード信号データテーブ
ルのデータを読み込んで辞書情報・テーブル情報入力制
御部２０へ送る。認識情報格納部２３は、読み取り原稿
上の情報に対して設定された複数の認識対象領域と、そ
の各認識対象領域ごとに対応させた認識処理に使用する
文字認識辞書とに関する情報を格納する。

【００５０】認識情報選択スイッチ制御部２５は、認識
情報格納部２３に格納している複数種類の情報のなかか
ら対応する情報を選択して設定する制御を行なう。すな
わち、原稿読み取りの際にオペレータが情報選択用スイ
ッチ２４によって予め格納させておいた認識対象領域と
それに対応する文字認識辞書の情報を選択すると、その
選択された情報を読み出して設定する。

【００５１】図３は、キーボード操作コード情報テーブ
ルのキーボード操作コード作成情報の格納フォーマット
の一例を示す図である。そのキーボード操作コード作成
情報は、文字，記号，数字等の文字情報に対する認識用
データとキーボード操作データからなり、認識用データ
はキーボード装置上の各キーに対応する文字や記号等の
情報（例えば、「０」「Ａ」「ア」等）であり、キーボ
ード操作データは、それらの各情報を入力するためのキ
ーボード操作の情報である。

【００５２】例えば、認識用データ「０」に対応する
‘０’を入力するキーボード操作データは、操作データ
制御情報としてキー操作数＝２（２回のキー操作が必要
であることを示す）と、‘英数’キーの操作を示すキー
ボード信号作成情報で‘英数’キーを指すポインタと、
‘０’キーの操作を示すキーボード信号作成情報で
‘０’キーを指すポインタとからなる。

【００５３】また、認識用データ「ア」に対応する
‘ア’を入力するキーボード操作データは、操作データ
制御情報としてキー操作数＝２と、‘カタカナ’キーの
操作を示すキーボード信号作成情報で‘カタカナ’キー
を指すポインタと、‘３’キーの操作を示すキーボード
信号作成情報で‘３’キーを示すポインタ（‘ア’のキ
ーは‘３’のキーを兼用しているので）とからなる。

【００５４】ここでは、文字，記号，数字等の文字情報
に対する認識用データとキーボード操作データを全て格
納した場合について示しているが、前述の文字認識辞書
に対応して複数種類備えている。

【００５５】なお、図３に示したキーボード操作コード
に各種制御情報を示す特殊マークも登録し、その登録し
た特殊マークを認識したときにはその特殊マークに対応
する制御キーのキーボード信号を出力するようにすれ
ば、改行，シフト等の制御情報も入力できる。

【００５６】そこで、文字や記号等の情報を格納したキ
ーボード操作コード作成テーブルに、各種の制御情報を
示す特殊マークの情報を格納する拡張用テーブルを付加
し、その特殊マークのキーボード操作コードに対応する
キーボード信号作成情報も登録しておく。

【００５７】例えば、「上カーソル」を示す特殊マーク
の上向き矢印の認識用データに対応する‘上カーソル’
を入力するキーボード操作データは、操作データ制御情
報としてキー操作数＝１と、‘上カーソル’キーの操作
を示すキーボード信号作成情報で‘上カーソル’キーを
指すポインタとからなる。

【００５８】図４はキーボード信号作成情報の格納フォ
ーマットの一例を示す図である。そのキーボード信号作
成情報は同図に示すように各キーの押下時と解放時のキ
ーボード信号からなり、前述のキーボード操作コード情
報テーブルに対応して複数種類備えている。

【００５９】次に、図１に示した入力装置１は、原稿上
に印刷又は手書きされた文字等の情報を光学的に読み取
って、それをキーボード信号に変換処理すると共に、入
力情報を認識するときに使用する文字認識辞書と入力情
報を認識した結果である認識コードをキーボード操作コ
ードに変換するときに使用するキーボード操作コード情
報テーブルを任意に組み込んで認識処理を行なう。

【００６０】次に、図１に示した入力装置１における各
部間の作用について説明する。情報入力部４から文字等
の情報の入力が開始されるとキーボード制御情報格納部
１４に禁止情報が設定され、その情報入力終了によって
キーボード装置１２からの入力の許可情報が設定され
る。

【００６１】キーボード信号切換部１５は、情報入力部
４が制御するキーボード制御情報格納部１４に格納され
ている禁止又は許可情報によって、キーボード装置１２
からのキーボード信号を出力するか無効にするかの判断
を行なう。

【００６２】つまり、キーボード制御情報が許可情報の
時には、キーボード装置１２からの入力が有るとキーボ
ード信号出力部１０によってそのキーボード信号をシス
テム装置３へ出力させ、禁止情報の時は情報入力部４か
ら入力した情報に対応するキーボード信号を出力中なの
でキーボード装置１２からの入力を無効にする。

【００６３】そして、情報入力部４が原稿の読み取りを
開始すると、入力情報認識部５はその情報入力部４から
二値化情報を受け取り、その二値化情報から文字等の情
報を認識すると認識用辞書制御部１７の制御によって認
識用辞書情報格納部１６の文字認識辞書を参照し、キー
ボード操作コード作成情報格納部７内にある認識した文
字等に対応するキーボード操作データを指すポインタを
出力する。

【００６４】その認識の際に、辞書情報・テーブル情報
入力制御部２０が認識用辞書情報格納部１６に格納され
ている複数種類の文字認識辞書と、それに対応してキー
ボード操作コード作成情報格納部７に格納されているキ
ーボード操作コード情報テーブルと、そのキーボード操
作コード情報テーブルに対応してキーボード信号作成情
報格納部９に格納されているキーボード信号データテー
ブルとを、入力情報の種類に応じてそれぞれの格納部に
組み込む。

【００６５】現在のように漢字，ひらがな，カタカナ，
英数字，記号等の文字認識対象の情報が多種多様にな
り、それらに対して１００％の認識率をなかなか得られ
ない。例えば、フランス語，ドイツ語，ロシア語等のよ
うに、同じ外国語でも英語の通常のアルファベットと異
なる文字が多くあったり、身近でも表１に示したような
「∫」「∇」「Σ」等の数式に使用する文字や、化学式
等に使用する化学記号や「Ｈ₂Ｏ」「ＣＯ₂」の添字（下
付き数字）等はその認識が困難である。

【００６６】そこで、スキャナ等の情報入力部４から印
刷又は手書きされた文字等の情報を光学的に読み取って
二値化し、入力情報認識部５がその二値化情報を認識す
るときに参照する文字認識辞書を入力情報に応じて変え
る。例えば、アルファベットの「Ｏ」と数字の「０」は
オペレータの目からみても判別が困難な場合があるが、
入力情報が数字又は英字のみであることが判っていれば
それらを容易に区別できる。

【００６７】つまり、入力情報の種類等に応じた文字認
識用辞書及びキーボード操作コード情報テーブルを用意
し、それらのいずれかを使用目的に応じて組み込むよう
にすることによってあらゆる種類の入力情報を認識でき
るようにし、入力情報に対する認識率を向上させる。

【００６８】次に、前述のキーボード操作データは、図
５に示すように操作データ制御情報としてのキー操作数
と、操作データとしてのキーの操作情報を持ち、そのキ
ー操作数とは、認識した文字等の情報を実際にキーボー
ド装置から入力する場合のキー操作回数である。

【００６９】また、操作データとは、入力操作手順に相
当し、キーの操作（入力キーの種類）を入力順にキー操
作数だけ並べてある。そして、キーの操作情報には、キ
ーボード信号作成情報格納部９に格納されている該当キ
ーを指すポインタが設定されている。

【００７０】キーボード操作コード作成部６は、入力情
報認識部５からポインタを受け取ると、そのポインタに
対応するキー操作数と操作データとを取り出し、キー操
作数だけ操作データから順にキーの操作情報（キーボー
ド信号作成情報へのポインタ）を入力してキーボード信
号作成部８へ出力する。

【００７１】キーボード信号作成部８は、キーボード操
作コード作成部６からのポインタによって該当するキー
のコードとその押下及び解放を示すキーボード信号を順
次キーボード信号切換部１５へ出力する。キーボード信
号切換部１５は、前述したように、情報入力部４が制御
するキーボード制御情報格納部１４に格納されている禁
止又は許可情報によって、キーボード装置１２からのキ
ーボード信号を出力するか無効にするかの判断を行な
う。

【００７２】この場合は、情報入力部４からの入力が有
効だからキーボード信号作成部８からのキーボード信号
をキーボード信号出力部１０へ送る。そして、キーボー
ド信号出力部１０は、キーボードＩ／Ｆケーブル２を介
してシステム装置３へそのキーボード信号を出力する。

【００７３】次に、情報入力部４による入力操作が終了
すると、キーボード制御情報格納部１４にキーボード入
力許可情報が設定される。そこで、オペレータがキーボ
ード装置１２からキー入力を行なうと、そのキー入力に
よるキーボード信号がキーボード信号切換部１５へ送ら
れる。

【００７４】そのキーボード信号切換部１５はキーボー
ド制御情報格納部１４の許可情報によって、今度はキー
ボード装置１２から送られるキーボード信号をキーボー
ド信号出力部１０へ送り、キーボード信号出力部１０
は、キーボードＩ／Ｆケーブル２を介してシステム装置
３へそのキーボード信号を出力する。

【００７５】次に、図６のフローチャートによって入力
装置１による通常の入力処理について説明する。まず、
情報入力部４から文字等の情報を入力すると入力情報認
識部５へ送り、その入力情報認識部５は文字認識用辞書
を参照して、その情報の認識の処理を行なってキーボー
ド操作コード作成部６にポインタを送る。

【００７６】そのポインタを受け取ったキーボード操作
コード作成部６は、そのポインタの指す該当データをキ
ーボード作成コード情報からキー操作数Ｋｔを得て、キ
ーの操作の取り出し数Ｋｎを０に設定する。このキー操
作数Ｋｔとキーの操作の取り出し数Ｋｎを比較して、等
しければ入力完了か否かを判断してＹＥＳなら終了する
が、ＮＯなら再び情報入力部４による情報入力処理を繰
り返す。

【００７７】一方、ＫｔとＫｎが等しくなければ、キー
ボード信号作成部８によってＫｎに１を加算して操作デ
ータからＫｎ番目のキーの操作を得て、それが指すポイ
ンタでキーボード信号作成情報から押下時キーボード信
号を得て、キーボード信号出力部１０によってキーボー
ド信号を出力する。

【００７８】さらに、Ｋｎ番目のキーの操作が指すポイ
ンタでキーボード信号作成情報から解放時キーボード信
号を得て、キーボード信号出力部１０によって出力する
と、ＫｔとＫｎを比較する処理に戻り、ＫｔとＫｎが等
しくなるまで処理を繰返す。

【００７９】次に、図７のブロック図によってさらにこ
の入力装置１における実際の文字入力の処理例について
説明するが、文字認識辞書等の組み込みに係わる機能部
とその説明は省略する。

【００８０】ここでは、カタカナ「ア」を入力する場合
について説明する。まず、情報入力部４の読み取りが開
始される時は、情報入力部４がキーボード制御情報格納
部１４に禁止情報を設定し、キーボード装置１２からの
キー入力を無効にする。

【００８１】そして、情報入力部４が原稿Ｐに記入され
たカタカナ「ア」を読み取って入力情報認識部５へ送る
と、その入力情報認識部５はカタカナ「ア」を認識して
キーボード操作コード作成情報の認識用データ「ア」を
指すポインタをキーボード操作コード作成部６へ送る。
その認識のとき、辞書情報・テーブル情報入力制御部２
０によって認識用辞書情報格納部１６にカタカナの文字
認識辞書を組み込む。

【００８２】キーボード操作コード作成部６は、キーボ
ード操作コード作成情報格納部７に格納されている文字
情報中の認識用データ「ア」に対応するキーボード操作
データとしてキーの操作回数のデータも含んで、‘カタ
カナ’キーの操作および‘３’キーの操作のポインタを
キーボード信号作成部８へ送る。

【００８３】キーボード信号作成部８では、そのポイン
タによってキーボード信号作成情報格納部９に格納され
ている情報内の‘カタカナ’キー押下時のキーボード信
号と‘カタカナ’キー解放時のキーボード信号、及び
‘３’キー押下時のキーボード信号と‘３’キー解放時
のキーボード信号をキーボード信号出力部１０へ出力す
る。

【００８４】このようにして、キー入力以外の手段によ
って入力された文字等の情報をキーボード装置からキー
入力されたかのようにキーボード信号でシステム装置に
出力するので、システム装置はキーボード装置以外から
の入力情報もキーボード装置からのキー操作入力と同じ
データとして処理することができる。

【００８５】情報入力部４からの情報入力が終了する
と、情報入力部４はキーボード制御情報格納部１４に入
力許可情報を設定し、キーボード装置１２からのキー入
力を有効にする。ここで、キーボード装置１２からキー
入力があればその入力されたキーに相当するキーボード
信号がキーボード信号切換部１５を介してキーボード信
号出力部１０へ出力される。

【００８６】以下、この実施例の入力装置１における効
果を列挙する。まず、マン−マシンインタフェースの向
上に関するものとして、 （１）キー配列を覚えなくてもよいので入力が容易にな
る。 （２）キー操作の熟練が不要になる。

【００８７】（３）不慣れなキーボード装置を使用しな
くても、手書き入力等によって文字だけでなく、各種制
御情報（例えば、半角，倍角，改行，改頁，変換等）を
も、文字の組み合わせや記号，マーク等の特殊マークに
よって素早く入力することができる。

【００８８】（４）文字等を間違えて入力しない限り誤
入力の恐れがない。 （５）日常使用する業務プログラム起動のような、一連
の操作情報を印刷したカードを読み取らせて装置を起動
させるような定形入力操作を容易に行なえる。 （６）障害者でも容易に文字等の入力を行なえるように
なる。

【００８９】（７）キーボード装置と光学的読取装置を
１本の接続コード（キーボードＩ／Ｆケーブル）によっ
てシステム装置と接続でき、光学的読取装置及びキーボ
ード装置による入力作業を交互に行なうこともできる。 （８）入力した文字等の情報のうち認識不可能なものが
あった場合に、その時点でキーボード装置からの入力が
可能になり訂正入力を行なえるようになるので、訂正の
後に改めて入力し直すような煩雑な作業がなく、情報を
スムーズに入力することができる。

【００９０】また、ハード面に関して、 （９）すべての入力情報がキーボードＩ／Ｆからキーボ
ード信号で入力されるため、システム装置側で入力手段
に応じて異なる認識処理を行なうような負荷の増加がな
い。 （１０）一般のキーボード装置を使用するほとんどのデ
ータ処理装置にそのまま使用でき、汎用性がある。

【００９１】（１１）操作性を低下させることなく小型
化を容易にできる。 （１２）ファイリング装置に適用すれば、ファイリング
処理の際にイメージではなくコードで入力できるためデ
ータ量が少なくて済み、システム装置におけるメモリ等
の資源を有効に活用することができる。

【００９２】さらに、入力情報を認識するときに使用す
る文字認識辞書と入力情報を認識した結果である認識コ
ードをキーボード操作コードに変換するときに使用する
キーボード操作コード情報テーブルを任意に組み込むの
で、入力情報に応じて組み込んだ文字認識辞書及びキー
ボード操作コード情報テーブルによって認識率を高める
ことができる。

【００９３】また、その文字認識辞書及びキーボード操
作コード情報テーブルを任意に組み込むことによって、
システム装置に依存しなくて済むので、汎用のシステム
装置に容易に適応させることができる。

【００９４】次に、図１に示した入力装置１は、ＩＣカ
ード２１に格納された文字認識辞書及びキーボード操作
コード情報テーブルのデータを読み込んで組み込むこと
もできる。

【００９５】すなわち、辞書情報・テーブル情報入力制
御部２０は外部入力Ｉ／Ｆ部２２を介してＩＣカード２
１から文字認識辞書とそれに対応するキーボード操作コ
ード情報テーブル及びキーボード信号情報テーブルを読
み込み、それぞれ認識用辞書情報格納部１６，キーボー
ド操作コード作成情報格納部７，キーボード信号作成情
報格納部９に格納させる。

【００９６】一般に、ＯＣＲ辞書等の文字認識辞書は容
量が大きくなりがちであり、参照しうる（導入可能な）
辞書のデータ量は装置収納可能な限界値とコストの兼ね
合いによって制限されてしまう。しかし、上述のように
文字認識辞書等を入力情報（ＯＣＲ用途別）に応じて動
的にダウンロード等によって導入可能にすれば、利用可
能なデータ量に制限がなくなる。

【００９７】しかも、文字認識辞書，キーボード操作コ
ード情報テーブル等をＩＣカードとして用意し、ＯＣＲ
用途に合ったものをその都度入力装置内にダウンロード
することにより、認識率を向上を図りながらオペレータ
の作業負担も軽減することができる。

【００９８】また、文字認識の際に認識すべき文字種に
対して必要最小限の情報を基にして認識処理を行ない、
その認識コードによってキーボード操作コード情報テー
ブルを参照してキーボード操作コードを得る。そのキー
ボード操作コード情報テーブルも動的に変換することに
より、文字認識辞書の認識コードに対応するキーボード
操作コードに変更できる。さらに、必要最小限の情報を
用いるので認識処理の際に選択肢を少なくすることがで
き、処理時間の短縮もできる。

【００９９】そして、システム装置側の状態によってキ
ーボード操作コードの持つ意味を異ならせることもでき
る。例えば、システム装置側では、コマンドプロンプト
での入力待ち状態，エディタが起動されたときの入力待
ち状態，あるいはワードプロセッサが起動されていると
きの入力待ち状態等によってキーボード操作コードの持
つ意味がそれぞれ異なる。

【０１００】したがって、エディタが起動されていれば
そのエディタ用のテーブルを、ワードプロセッサが起動
されていればそのワードプロセッサ用のテーブルをそれ
ぞれセットすることによって、あたかもキーボード装置
からキー入力したかのようにシステム装置へキーボード
信号を入力させることができる。

【０１０１】次に、図１に示した入力装置１は、複数の
文字認識辞書とその各文字認識辞書に対応するキーボー
ド操作コード情報テーブルを備えて、原稿から読み取っ
た情報を予め設定された複数の認識対象領域に分けて指
定し、その指定した各認識対象領域ごとに対応する文字
認識辞書を指定して、各認識対象領域ごとに使用する文
字認識辞書を任意に設定して認識処理を行なうこともで
きる。

【０１０２】まず、複数の文字認識辞書を認識用辞書情
報格納部１６に、その各文字認識辞書に対応する複数の
キーボード操作コード情報テーブルをキーボード操作コ
ード作成情報格納部７に、その各キーボード操作コード
情報テーブルに対応するキーボード信号データテーブル
をキーボード信号作成情報格納部９に予めそれぞれ格納
する。

【０１０３】なお、その複数の文字認識辞書とそれに対
応するキーボード操作コード情報テーブル及びキーボー
ド信号データテーブルは、予め格納させておいてもよい
し、ＩＣカード２１に記憶させたものを読み込んで格納
するようにしてもよい。

【０１０４】そして、原稿上に記載された情報の種類に
応じて、その情報の種類毎に複数の認識対象領域（被認
識対象領域）を設定する。その設定方法としては、座標
設定方式，大きさ設定方式，又は枠設定方式等の方法が
ある。

【０１０５】座標設定方式とは、原稿上に座標系を、例
えば入力装置１へ挿入する方向に対して左上隅を原点と
して座標系を想定し、その座標系に基づいて、原稿上に
記載された情報毎に指定された被認識対象領域の始点
（ｘｓ，ｙｓ）と終点（ｘｅ，ｙｅ）を設定するもので
ある。

【０１０６】また、大きさ設定方式とは、同じく原稿上
に座標系を想定し、その座標系に基づいて原稿上に記載
された情報毎に指定された被認識対象領域の始点（ｘ，
ｙ）とその縦横２方向の長さである大きさ（ｄｘ，ｄ
ｙ）を設定するものである。

【０１０７】例えば、上述の入力装置１に読み取った原
稿のイメージを表示する手段を設け、その手段に表示さ
れた原稿のイメージから被認識対象領域の始点及び終点
の２点を、あるいは被認識対象領域の始点及び領域の大
きさをタッチ指定するようにしてもよい。

【０１０８】さらに、枠設定方式とは、原稿上に記載さ
れた情報の種類毎に認識対象領域を示す枠と各被認識対
象領域を指定する番号を付し、各枠とその番号を認識し
て設定するものである。

【０１０９】次に、その各被認識対象領域毎にその領域
内の情報を認識する時に入力情報認識部５が参照する文
字認識辞書を設定する。上述の座標設定方式や大きさ設
定方式によって被認識対象領域を設定した場合、例えば
キーボード装置１２からのキー入力等によって、その各
被認識対象領域毎に認識処理に使用する文字認識辞書を
設定する。

【０１１０】また、上述の枠設定方式によって被認識対
象領域を設定した場合、原稿上に記入する枠に付す番号
を文字認識辞書の種類を示すものとして扱い、その番号
を認識処理を施す際の文字認識辞書に対応させる。つま
り、各被認識対象領域に対応する文字認識辞書をひも付
けして１つのグループとし、そのグループを１原稿につ
いて複数設定し、それらのトータルを１つの情報の集ま
りとして設定する。

【０１１１】そして、原稿上の枠とその番号を認識する
と、その枠内の入力情報に対してはその番号に対応する
文字認識辞書を使用するように設定する。その文字認識
辞書を設定すると対応するキーボード操作コード情報テ
ーブル及びキーボード信号データテーブルも設定する。

【０１１２】図８は被認識対象領域に対応する文字認識
辞書を関連させて１つのグループとした場合のフォーマ
ットの一例を示す図である。被認識対象領域を始点
（ｘ，ｙ）と大きさ（ｄｘ，ｄｙ）で設定し、その領域
に対応する文字認識辞書を示す任意のＩＤをＤＩＴｎ
（ｎ：数字）とすると、例えば、被認識対象領域のデー
タ（０，０，１００，１００）とその文字認識辞書ＩＤ
のＤＩＴ１を対応させてグループ化する。

【０１１３】図９は複数の被認識対象領域に対応する文
字認識辞書を関連させて１つのグループとした場合のフ
ォーマットの一例を示す図である。例えば、被認識対象
領域のデータ（０，０，１００，１００）（０，１５
０，１００，５０）…………（１５０，５０，３０，３
０）と、それらの文字認識辞書ＩＤのＤＩＴ１，ＤＩＴ
２，…，ＤＩＴ３を対応させてグループ化する。

【０１１４】そして、その被認識対象領域と文字認識辞
書を設定した原稿を読み取ると、その入力情報を原稿上
の複数の被認識対象領域によって分けて指定し、その指
定された各認識対象領域ごとに対応する文字認識辞書を
指定して、各被認識対象領域ごとに使用する文字認識辞
書を代えて認識処理を行なう。

【０１１５】図１０は図１に示した入力装置１によるこ
の場合の情報入力の処理を示すフローチャートである。
シート（原稿）上の情報を光学的に読み取り、被認識領
域情報が設定されているか否かを判断し、設定されてい
なければデフォルトの文字認識辞書を参照して情報認識
を行なう。

【０１１６】一方、被認識領域情報が設定されていれ
ば、被認識領域と対応する文字認識辞書の被認識領域情
報を読み込み、グループ単位で情報認識をし、その認識
コードをプール（蓄積）して認識領域がまだあるか否か
を判断し、あれば被認識領域毎の情報認識処理を繰り返
す。そして情報の認識処理を終えたら、その認識コード
を対応するキーボード操作コードに変換し、それをさら
にキーボード信号に変換してシステム装置へ出力し、こ
の処理を終了する。

【０１１７】つまり、光学的に読み取ったデータを入力
情報認識部５に送り、認識用辞書制御部１７によって参
照する辞書を選択する。このとき、被認識領域情報を設
定し、その情報を参照する指定がされていればその被認
識領域情報にしたがって認識コードを出力する。それ以
外は先のようにデフォルトの文字認識辞書から情報認識
（ＯＣＲ）を行なう。

【０１１８】さらに、認識コードをキーボード操作コー
ド作成部６に送り、キーボード操作コード作成情報制御
部１８によって参照するキーボード操作コード情報テー
ブルを決定し、その認識コードに対応するキーボード操
作コードを出力する。このとき、キーボード操作コード
情報テーブルが指定されていれば、その指定されたキー
ボード操作コード情報テーブルを基にしてキーボード操
作コードを出力し、それ以外はデフォルトのキーボード
操作コード情報テーブルを参照する。

【０１１９】さらにまた、キーボード操作コードをキー
ボード信号作成部８に送り、キーボード信号作成情報制
御部１９を通してキーボード信号作成情報格納部９にア
クセスし、そのキーボード操作コードに対応するキーボ
ード信号を出力する。

【０１２０】したがって、この情報入力処理では、図１
１のフローチャートに示したように、情報の入力作業と
各原稿毎の情報の認識処理を繰り返すことにより、多様
なフォーマットによって情報を記載し各種の原稿を順次
読み取って、その各フォーマットに応じて情報の認識処
理を行なえる。つまり多種類のフォーマットの原稿に対
して非定形的な処理を行なえる。

【０１２１】このようにして、１原稿に多種類の文字情
報を記載し、その文字情報を一括して入力して認識させ
る場合、まとまったカテゴリー毎に認識する際の文字認
識情報を変えることにより、つまり、被認識対象領域を
複数に分け、その領域毎に文字認識辞書を設定すること
によって、１枚の原稿に記載された多種類の情報に対す
る認識率を向上させることができる。

【０１２２】なお、上記被認識対象領域情報をキーボー
ド装置１２からのキー入力によって、またはＩＣカード
２１に格納し、そのＩＣカード２１を入力装置１に挿着
することによって設定するようにしてもよい。

【０１２３】次に、図１に示した入力装置１は、指定さ
れた認識対象領域とその認識対象領域ごとに指定された
文字認識辞書に関する情報を格納し、その格納した情報
に基づいて入力された情報に対して認識処理を行なうこ
ともできる。

【０１２４】したがって、図１に示した入力装置１の認
識情報格納部２３に、指定された認識対象領域とその認
識対象領域ごとに指定された文字認識辞書に関する情報
（被認識領域情報）を格納する。その被認識領域格納情
報は、例えば、キーボード装置１２からのキー入力によ
って、またはＩＣカード２１から読み込むことによって
格納する。

【０１２５】図１２は図１に示した入力装置１によるこ
の場合の情報入力の処理を示すフローチャートであり、
図１０と共通する処理の説明は省略する。この処理で
は、シートから情報を読み取った後、特定の被認識領域
情報が存在（格納されている）か否かを判断し、存在し
なければエラー処理の後この処理を終了するが、特定の
非認識領域情報が存在すれば、その特定の被認識領域情
報を読み込み、その情報によって入力情報を認識する。

【０１２６】したがって、この情報入力処理では、図１
３のフローチャートに示したように、情報の入力作業の
後、各原稿の情報についての認識処理を繰り返すことに
より、予め決められたフォーマットによって記載された
情報の各被認識対象領域毎に対応する文字認識辞書を用
いて認識処理を行なうことができる。つまり、原稿上の
情報に対して定形的な認識処理を行なえる。

【０１２７】このようにして、原稿上の指定された認識
対象領域とその領域に対して指定された文字認識辞書に
関する情報を記憶し、その情報に基づいて入力情報に対
して認識処理を行なうので、同一フォーマットの認識対
象領域を持つ原稿を大量に読み取らせる際、認識対象領
域及びそれに対応する文字認識辞書の指定作業が軽減で
き、その読み取った情報の認識処理も素早く行なえる。

【０１２８】次に、図１に示した入力装置１は、前述の
指定された認識対象領域とその認識対象領域ごとに指定
された文字認識辞書に関する情報を複数種類格納し、そ
の複数種類の情報のなかから選択された情報に基づいて
入力情報に対して認識処理を行なうこともできる。つま
り、オペレータは入力情報の各認識対象領域に対して使
用する文字認識辞書の種類を任意に選択することができ
る。

【０１２９】したがって、この場合は図１に示した入力
装置１の認識情報格納部２３に、予め指定された認識対
象領域とその認識対象領域ごとに指定された文字認識辞
書に関する情報（被認識領域情報）を複数種類格納す
る。そして、オペレータによって図２に示した選択用ス
イッチ２４から認識対象領域とその文字認識辞書に関す
る情報の種類が指定されると、認識情報選択スイッチ制
御部２５が認識情報格納部２３がその指定された情報を
選択する。

【０１３０】図１４はその選択用スイッチ２４の一例を
示す拡大図である。その５個の選択キー３０ａ〜３０ｅ
に対して、予め各種認識対象領域とそれに対応する文字
認識辞書を登録しておく。オペレータは、原稿を読み取
らせる前に、その原稿上の認識対象領域に応じた情報を
登録させてある選択キー３０ａ〜３０ｅのいずれかをタ
ッチする。なお、オペレータによる選択はキーボード装
置１２からのキー入力によって行なえるようにしてもよ
い。

【０１３１】図１５は図１に示した入力装置１によるこ
の場合の情報入力の処理を示すフローチャートであり、
図１２と共通する処理の説明は省略する。この処理で
は、シート（原稿）から情報を読み取った後、被認識領
域情報が設定されているか否かを判断し、設定されてい
ればどの被認識領域情報を用いるかを選択し、その選択
した被認識領域情報によって入力情報を認識する。

【０１３２】このようにして、原稿上の認識対象領域ご
とに指定された文字認識辞書に関する情報を複数種類格
納して、そのいずれかの情報を選択することができるの
で、複数種類の情報の認識率を向上させ、その際の操作
性もよくすることができる。

【０１３３】

【発明の効果】以上説明してきたように、この発明によ
る入力装置によれば、ＯＣＲによるキーボード装置以外
の情報入力手段による入力情報を、キーボード装置から
のキー操作入力と同じキーボード信号にしてシステム装
置に入力させることができる。したがって、一般のキー
ボード装置を使用する各種データ処理装置等にそのまま
接続して使用でき、入力操作の多様性及び自在性を大幅
に向上させ、マン−マシンインタフェースを向上させる
ことができる。

【０１３４】さらに、入力情報を認識するときに使用す
る文字認識辞書及び入力情報を認識した結果である認識
コードをキーボード操作コードに変換するときに使用す
るキーボード操作コード情報テーブルを任意に組み込む
ようにすれば、入力情報の種類に応じた文字認識辞書を
用いた認識処理を行なうことができ、多様な入力情報を
認識することができる。

【０１３５】また、ＩＣカードに格納された文字認識辞
書及びキーボード操作コード情報テーブルのデータを読
み込んで組み込むようにすれば、そのデータの組み込み
作業にかかるオペレータの作業負担を軽減できる。

【０１３６】あるいは、複数の文字認識辞書とその各文
字認識辞書に対応するキーボード操作コード情報テーブ
ルを備えるようにし、入力情報を複数の認識対象領域に
分けて指定し、その指定された各認識対象領域ごとに対
応する文字認識辞書を指定するようにすれば、各認識対
象領域の入力情報の種類ごとに対応する文字認識辞書に
よって認識を行なえる。

【０１３７】また、指定された認識対象領域とその認識
対象領域ごとに指定された文字認識辞書に関する情報を
格納し、その情報に基づいて入力された情報に対して認
識処理を行なうようにすれば、入力情報に対して認識対
象領域と文字認識辞書を定形的に設定して認識処理を行
なえる。

【０１３８】さらに、指定された認識対象領域とその認
識対象領域ごとに指定された文字認識辞書に関する情報
を複数種類格納して、そのいずれかの情報を選択し、そ
の選択された情報に基づいて入力された情報に対して認
識処理を行なうようにすれば、各認識対象領域と文字認
識辞書の種類を入力情報に対して任意に選択することが
できる。

【０１３９】したがって、入力情報に対して認識可能な
情報の種類を拡張させ、多様化する入力情報に対処する
ことができる。また、入力情報の種類に応じた情報を基
にして認識処理を行なうので、入力情報の認識率を高め
ることができ、その際のオペレータの作業負担も軽減で
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例である入力装置の機能構成
をシステム装置と共に示すブロック図である。

【図２】図１に示した入力装置を使用したデータ処理装
置の外観斜視図である。

【図３】図１に示したキーボード操作コード作成情報格
納部７におけるキーボード操作コード作成テーブルの格
納フォーマットの一例を示す図である。

【図４】図１に示したキーボード信号作成情報格納部９
におけるキーボード信号作成情報の格納フォーマットの
一例を示す図である。

【図５】図１に示したキーボード操作コード作成情報格
納部７におけるキーボード操作コード作成情報の格納フ
ォーマットの一例を示す図である。

【図６】図１に示した入力装置１による情報入力処理の
詳細を示すフローチャートである。

【図７】同じくその入力装置１による実際の文字入力処
理例について説明するためのブロック図である。

【図８】被認識対象領域に対応する文字認識辞書を関連
させて１つのグループとした場合のフォーマットの一例
を示す図である。

【図９】複数の被認識対象領域に対応する文字認識辞書
を関連させて１つのグループとした場合のフォーマット
の一例を示す図である。

【図１０】図１に示した入力装置１のこの発明に係わる
情報入力処理について示すフローチャートである。

【図１１】その情報入力処理の特徴を示す流れ図であ
る。

【図１２】図１に示した入力装置１のこの発明に係わる
他の情報入力処理について示すフローチャートである。

【図１３】その情報入力処理の特徴を示す流れ図であ
る。

【図１４】図２に示した選択用スイッチ２４の拡大図で
ある。

【図１５】図１に示した入力装置１のこの発明に係わる
さらに他の情報入力処理について示すフローチャートで
ある。

【符号の説明】

１ 入力装置 １ａ 挿入口 ２，１３ キーボードインタフェース（Ｉ／Ｆ）ケーブ
ル ３ システム装置 ４ 情報入力部 ５ 入力情報認識部 ６ キーボード
操作コード作成部 ７ キーボード操作コード作成情報格納部 ８ キーボード信号作成部 ９ キーボード
信号作成情報格納部 １０ キーボード信号出力部 １１ａ 音声入
力部 １１ｂ 音声認識部 １２ キーボー
ド装置 １４ キーボード制御情報格納部 １５ キーボー
ド信号切換部 １６ 認識用辞書情報格納部 １７ 認識用辞
書制御部 １８ キーボード操作コード作成情報制御部 １９ キーボード信号作成情報制御部 ２０ 辞書情報・テーブル情報入力制御部 ２１
ＩＣカード ２２ 外部入力インタフェース（Ｉ／Ｆ）部 ２３
認識情報格納部 ２４ 選択用スイッチ ２５ 認識情報
選択スイッチ制御部 ３０ａ〜３０ｅ 選択キー

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 印刷又は手書きされた文字等の情報を光
   学的に読み取って入力する情報入力手段と、該手段によ
   って入力された情報を認識してその認識コードを出力す
   る入力情報認識手段と、該手段からの認識コードをキー
   ボード操作コードに変換するキーボード操作コード作成
   手段と、該手段からのキーボード操作コードをシステム
   装置に対応したキーボード信号に変換するキーボード信
   号作成手段と、そのキーボード信号をキーボードインタ
   フェースを介してデータ処理装置等のシステム装置へ出
   力するキーボード信号出力手段と、 前記入力情報認識手段が入力情報を認識するときに使用
   する文字認識辞書及び前記キーボード操作コード作成手
   段が前記認識コードをキーボード操作コードに変換する
   ときに使用するキーボード操作コード情報テーブルを任
   意に組み込む辞書・情報テーブル組込手段とを設けたこ
   とを特徴とする入力装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載の入力装置において、 前記辞書情報テーブル組込手段が、ＩＣカードに格納さ
   れた文字認識辞書及びキーボード操作コード情報テーブ
   ルのデータを読み込んで組み込む手段であることを特徴
   とする入力装置。
3. 【請求項３】 請求項１記載の入力装置において、 複数の前記文字認識辞書とその各文字認識辞書に対応す
   る前記キーボード操作コード情報テーブルとを有し、前
   記情報入力手段から入力される情報を複数の認識対象領
   域に分けて指定し得る認識対象領域指定手段と、該手段
   によって指定された各認識対象領域ごとに対応する前記
   文字認識辞書を指定する手段とを設けたことを特徴とす
   る入力装置。
4. 【請求項４】 請求項３記載の入力装置において、 前記認識対象領域指定手段によって指定された認識対象
   領域と該認識対象領域ごとに指定された文字認識辞書に
   関する情報を格納する手段を設け、該手段によって格納
   した情報に基づいて前記入力情報認識手段が前記情報入
   力部からの情報に対して認識処理を行なえるようにした
   ことを特徴とする入力装置。
5. 【請求項５】 請求項３記載の入力装置において、 前記認識対象領域指定手段によって指定された認識対象
   領域と該認識対象領域ごとに指定された文字認識辞書に
   関する情報を複数種類格納する手段と、該手段に格納さ
   れた複数種類の情報を選択する手段とを設け、該手段に
   よって選択された情報に基づいて前記入力情報認識手段
   が前記情報入力部からの情報に対して認識処理を行なえ
   るようにしたことを特徴とする入力装置。