JPH0643593Y2

JPH0643593Y2 - 車両空調用配管のシール構造

Info

Publication number: JPH0643593Y2
Application number: JP5090189U
Authority: JP
Inventors: 茂八木
Original assignee: Mazda Motor Corp
Current assignee: Mazda Motor Corp
Priority date: 1989-04-28
Filing date: 1989-04-28
Publication date: 1994-11-14
Anticipated expiration: 2004-04-28
Also published as: JPH02141789U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、車両における車室内に配されたヒータユニッ
ト及びクーラユニットとエンジンルーム内に配されたエ
ンジン及びエンジンによって駆動されるコンプレッサと
を夫々接続するヒータパイプ及びクーラパイプが配され
る部分のシーリングを行う、車両空調用配管のシール構
造に関する。

（従来の技術）車両における空調装置として、車室内空間に対する暖房
と冷房とを適宜行うようにされたものが広く普及してい
る。斯かる空調装置は、車室内に配されたヒータユニッ
トとクーラユニットとが備えられて構成されるが、ヒー
タユニットは、エンジンの冷却系から昇温された冷却水
が供給されるヒータコアを内蔵するとともに空気導入口
及び空気吹出口が設けられて構成され、空気導入口から
取り込まれた空気を、ヒータコアにより昇温させて空気
吹出口から送り出すものとされ、また、クーラユニット
は、エンジンにより駆動されるコンプレッサを含む冷媒
処置系からの冷媒が供給されるエバボレータを内蔵する
とともに、空気導入口及び空気吹出口が設けられて構成
され、空気導入口から取り込まれた空気を、エバボレー
タにより冷却して空気吹出口から送り出すものとされ
る。

従って、暖房及び冷房を行うようにされた空調装置にあ
っては、車室内に配されたヒータユニットとエンジンル
ーム内に配されたエンジンの冷却系とが、エンジンの冷
却水を循環させるためのパイプであるヒータパイプによ
って接続され、また、車室内に配されたクーラユニット
とエンジンルーム内に配されたエンジンにより駆動され
るコンプレッサを含む冷媒処置系とが、冷媒を循環させ
るためのパイプであるクーラパイプによって接続される
ことになり、ヒータパイプ及びクーラパイプは、車室と
エンジンルームとの間の隔壁部材とされるダッシュパネ
ルを貫通するものとされる。それゆえ、ヒータパイプ及
びクーラパイプの夫々を、ダッシュパネルに設けられた
透孔を挿通させるとともに、ダッシュパネルに設けられ
た透孔を、ヒータパイプ及びクーラパイプの夫々の周囲
のシーリングを行った状態で閉塞するシール構造が必要
とされる。

斯かるシール構造に関して、例えば、ヒータパイプにつ
いては、特開昭59−195412号公報に示される如く、ダッ
シュパネルに設けられた透孔に、パイプ挿通孔が設けら
れたゴムブッシングを車室側から係合させ、ヒータパイ
プを、ゴムブッシングに設けられたパイプ挿通孔を挿通
させるようになすことが提案されている。また、クーラ
パイプについても、ヒータパイプの場合と同様に、ダッ
シュパネルに設けられた透孔に係合せしめられるゴムブ
ッシングを用いて、ダッシュパネルを貫通するものとな
すことが考えられる。

（考案が解決しようとする課題）ヒータパイプ及びクーラパイプの夫々を、ダッシュパネ
ルに設けられた透孔を挿通させるとともに、ダッシュパ
ネルに設けられた透孔を、ヒータパイプ及びクーラパイ
プの夫々の周囲のシーリングを行った状態で閉塞するシ
ール構造がとられたもとで、ヒータパイプ及びクーラパ
イプがダッシュパネルを貫通するものとされるにあたっ
ては、ヒータパイプとクーラパイプとが相互に近接した
状態でダッシュパネルを貫通するようにされることが、
空調装置の取付け作業上及び保守・点検作業上等の観点
から望まれるところとなる。

しかしながら、上述の如くに、ヒータパイプ及びクーラ
パイプの夫々が、ダッシュパネルに設けられた透孔に係
合せしめられるゴムブッシングが用いられて、ダッシュ
パネルを貫通するものとされる場合には、ヒータパイプ
とクーラパイプとが相互に近接せしめられるようにされ
ると、ダッシュパネルに、複数個のヒータパイプ用の透
孔とクーラパイプ用の透孔とが相互に近接して形成され
ることになり、ダッシュパネルにおいて局部的に剛性が
劣る部分が形成されてしまう不都合が生じるので、ヒー
タパイプとクーラパイプとが充分に相互近接した状態で
ダッシュパネルを貫通するようにされることが困難とさ
れる。

斯かる点に鑑み、本考案は、ヒータパイプ及びクーラパ
イプの夫々を、車室とエンジンルームとの間のパネル部
材に設けられた透孔を挿通させるとともに、その透孔を
ヒータパイプ及びクーラパイプの夫々の周囲のシーリン
グを行った状態で閉塞するようになすにあたり、ヒータ
パイプとクーラパイプとを、充分に相互近接した状態を
もって車室とエンジンルームとの間のパネル部材を貫通
するものとなすことができるようにした、車両空調用配
管のシール構造を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段）上述の目的を達成すべく、本考案に係る車両空調用配管
のシール構造は、車室とエンジンルームとの間のパネル
部材に設けられて、車室内に配されたヒータユニット及
びクーラユニットとエンジンルーム内に配されたエンジ
ンの冷却系及び該エンジンにより駆動されるコンプレッ
サを含んだ冷媒処理系とを夫々接続するヒータパイプ及
びクーラパイプが挿通せしめられるものとされた透孔
を、ヒータパイプ及びクーラパイプの一方を貫通孔を通
じて貫通せしめるとともにヒータパイプ及びクーラパイ
プの他方の周囲のシーリングを行う状態で閉塞すべく、
パネル部材にエンジンルーム側から取り付けられた第１
のシール部材と、第１のシール部材に設けられた貫通孔
を、ヒータパイプ及びクーラパイプの一方の周囲のシー
リングを行う状態で閉塞すべく、第１のシール部材に係
合せしめられる第２のシール部材とを含むものとされ
て、構成される。

（作用）上述の如くに構成される本考案に係る車両空調用配管の
シール構造においては、車室とエンジンルームとの間の
パネル部材には、ヒータパイプとクーラパイプとに対し
て共通な１個の透孔が設けられることになり、その透孔
を通じてヒータパイプ及びクーラパイプの両者が車室と
エンジンルームとの間のパネル部材を貫通するものとさ
れるとともに、透孔が、第１のシール部材と第２のシー
ル部材とにより、、ヒータパイプ及びクーラパイプの夫
々の周囲のシーリングがなされた状態で閉塞される。従
って、車室とエンジンルームとの間のパネル部材が、局
部的に剛性が劣る部分が形成されてしまう不都合を伴わ
ないものとされ、しかも、ヒータパイプとクーラパイプ
とが、充分に相互近接した状態をもって車室とエンジン
ルームとの間のパネル部材を貫通するものとされること
になる。

さらに、第１のシール部材は、車室とエンジンルームと
の間のパネル部材にエンジンルーム側から取り付けられ
るので、着脱に際しての作業性に優れたものとされる。

（実施例）第２図は、本考案に係る車両空調用配管のシール構造の
一例が適用された空調装置を示す。

第２図に示される空調装置においては、ダッシュパネル
DpによってエンジンレームERから隔絶された車室PRの前
部において、メインダクト10に、ベンチレータ吹出口11
aに通じるベンチレータダクト11,フロントウインドシー
ルドの内面に臨む位置に配置されるデフロスタ吹出口12
aに通じるデフロスタダクト12、及び、ヒータ吹出口13a
に通じるヒータダクト13が接続されている。そして、ベ
ンチレータダクト11,デフロスタダクト12及びヒータダ
クト13の夫々の内部には、メインダクト10に対しての連
通状態もしくは遮断状態を切り換えるべく、流路切換え
ドア14,15及び16が配されている。

メインダクト10は、内外気導入ユニット17,クーラユニ
ット18及びヒータユニット19が直列に連結されることに
より形成されており、内外気導入ユニット17には、車室
PR内の空気を取り入れる内気取入口20及び車室PR外の空
気を取り入れる外気取入口21が設けられており、また、
その内部には、内気取入口20及び外気取入口21を選択的
に開閉するための内外気切換ドア22、及び、内気取入口
20もしくは外気取入口21から取り込まれた空気を送るブ
ロア23が配されている。ブロア23には、それを駆動する
ブロアモータ23aが取り付けられている。

クーラユニット18はエバポレータ24を内蔵しており、エ
バポレータ24は、クーラパイプ25a及び25bを介して、エ
ンジンルームER内に配設されたコンプレッサ26及びコン
デンサ27を含んで構成される冷媒処理系に連通せしめら
れている。コンプレッサ26は、エンジン28の出力軸に駆
動ベルト29及び電磁クラッチ30を介して連結されてお
り、エンジン28によって駆動されるものとなされてい
る。これらエバポレータ24,クーラパイプ25a及び25b、
コンプレッサ26及びコンデンサ27等によって冷却動作部
が構成されており、コンプレッサ26の作動に応じて、冷
媒が、クーラパイプ25a及び25bを通じて、冷媒処理系と
エバポレータ24との間で循環せしめられる。

一方、ヒータユニット19はヒータコア31を内蔵してお
り、ヒータコア31は、ヒータパイプ32a及び32b、及び、
ヒータホース32A及び32Bを介して、エンジンルームER内
に配設されたエンジン28の冷却系、例えば、ウォータジ
ャケットに連通せしめられている。そして、エンジン28
の冷却水が、ヒータパイプ32a及び32bとヒータホース32
A及び32Bとを通じて、エンジン28の冷却系とヒータコア
31との間で循環せしめられる。また、ヒータユニット19
内におけるヒータコア31に近接した２個所には、ミキシ
ングドア33及び34が配されており、これらミキシングド
ア33及び34の開閉動作によって、ヒータコア31によって
昇温された空気のメインダクト10への送出量が制御され
る。クーラパイプ25a及び25b及びヒータパイプ32a及び3
2bの夫々は、車室PRとエンジンルームERとを仕切るダッ
シュパネルDpを貫通するものとされるが、ダッシュパネ
ルDpにおけるクーラパイプ25a及び25b及びヒータパイプ
32a及び32bが貫通する部分に対して、エンジンルームER
から車室PRへの騒音，水，塵埃等の侵入を防止すべく、
シール部35が形成されている。

第１図及び第３図に示される如く、ダッシュパネルDpに
おけるクーラパイプ25a及び25b及びヒータパイプ32a及
び32bが貫通する部分には、透孔40が形成されており、
クーラパイプ25a及び25bとヒータパイプ32a及び32bと
は、透孔40を通じて、相互に近接する状態をもってダッ
シュパネルDpを貫通するものとされる。透孔40の周縁部
は、エンジンルームER側に突出する突起部40aを形成す
るものとされている。

そして、ダッシュパネルDpにおけるクーラパイプ25a及
び25b及びヒータパイプ32a及び32bが貫通する部分に、
シール部35を構成するシールプレート部材41が、透孔40
を閉塞するようにして取り付けられる。シールプレート
部材41は、透孔40と同様な形状で、透孔40に比して若干
大なる寸法を有するものとされ、また、透孔40の寸法に
対応する寸法を有する環状シール43を備えるとともに、
外周縁部にフランジ部42が設けられており、透孔40の周
縁部における突起部40aに、環状シール43が当接面部を
形成するものとされる状態で、エンジンルームER側から
当接せしめられ、フランジ部42においてダッシュパネル
Dpにボルト止めされることによって固定される。また、
シールプレート部材41には、ヒータパイプ32a及び32bが
夫々挿通せしめられる２個の透孔44a及び44bが設けられ
るとともに、クーラパイプ25a及び25bの両者が挿通せし
められる貫通孔45が設けられている。透孔44a及び44bの
径は、夫々、ヒータパイプ32a及び32bの外径に対応する
寸法とされており、ヒータパイプ32a及び32bが夫々挿通
せしめられた透孔44a及び44bに対しては、エンジンルー
ムER側から、ヒータパイプ32a及び32bが夫々貫通するグ
ロメット46が装着されて、シールプレート部材41を貫通
するヒータパイプ32a及び32bの夫々の周囲に対するシー
リングが施される。ヒータパイプ32a及び32bの各々は、
グロメット46が装着された位置よりエンジンルームERの
中央部側に離れた位置において、ヒータホース32A及び3
2Bに夫々連結されている。

一方、シールプレート部材41をそれに設けられた貫通孔
45を通じて貫通するものとされるクーラパイプ25a及び2
5bには、クーラユニット18から突出する部分にシール部
材50が装着されるとともに、パイプコネクタ51が取り付
けられており、シール部材50は、シールプレート部材41
と共に、シール部35を構成するものとされている。そし
て、パイプコネクタ51は、ダッシュパネルDpに設けられ
た透孔40、及び、上述の如くに透孔40を閉塞するように
してダッシュパネルDpに取り付けられたシールプレート
部材41の貫通孔45を通じて、エンジンルームER側に位置
せしめられ、また、シール部材50は、シールプレート部
材41に設けられた貫通孔45の周縁部に車室PR側から当接
せしめられて、貫通孔45を閉塞するものとされる。この
ようにして、シール部材50がシールプレート部材41に設
けられた貫通孔45の周縁部に当接せしめられることによ
り、貫通孔45が、シールプレート部材41を貫通するクー
ラパイプ25a及び25bの夫々の周囲に対するシーリングが
施された状態で閉塞されることになる。

パイプコネクタ51においては、クーラパイプ25a及び25b
の夫々におけるクーラユニット18から突出する部分と、
エンジンルームER内の冷媒処理系に接続された部分との
連結がなされる。斯かるクーラパイプ25a及び25bの夫々
における連結は、クーラパイプ25a及び25bのエンジンル
ームER内の冷媒処理系に接続された部分に夫々固着され
た締結部52a及び52bが、クーラパイプ25a及び25bの夫々
のクーラユニット18から突出する部分に取り付けられた
パイプコネクタ51に、クーラパイプ25a及び25bの冷媒処
理系に接続された部分の端部を挿入させたもので、ボル
ト止めされることによりなされる。

このようにして、シール部35においては、ダッシュパネ
ルDpに設けられて、クーラパイプ25a及び25bとヒータパ
イプ32a及び32bの全てが相互に近接する状態で挿通せし
められるものとされる透孔40が、シールプレート部材41
とシール部材50とにより、クーラパイプ25a及び25b、及
び、ヒータパイプ32a及び32bの夫々の周囲のシーリング
がなされた状態で閉塞されることになる。

（考案の効果）以上の説明から明らかな如く、本考案に係る車両空調用
配管のシール構造によれば、ヒータパイプ及びクーラパ
イプの夫々を、車室とエンジンルームとの間のパネル部
材に設けられた透孔を挿通させるとともに、その透孔を
ヒータパイプ及びクーラパイプの夫々の周囲のシーリン
グを行った状態で閉塞するようになすにあたり、車室と
エンジンルームとの間のパネル部材には、ヒータパイプ
とクーラパイプとに対して共通な１個の透孔が設けられ
ることになり、その透孔を通じてヒータパイプとクーラ
パイプとが、車室とエンジンルームとの間のパネル部材
を貫通するものとされるとともに、透孔が、２種のシー
ル部材により、ヒータパイプ及びクーラパイプの夫々の
周囲のシーリングがなされた状態で閉塞されるので、車
室とエンジンルームとの間のパネル部材が局部的に剛性
が劣る部分が形成されるものとなされる不都合を回避で
き、しかも、ヒータパイプとクーラパイプとを、充分に
相互近接した状態をもって車室とエンジンルームとの間
のパネル部材を貫通するものとなすことができて、空調
装置の取付け作業上及び保守・点検作業上等の観点から
の要望を満たすことができる。さらに、２種のシール部
材のうちの一方が、車室とエンジンルームとの間のパネ
ル部材にエンジンルーム側から取り付けられるものとさ
れるので、透孔の閉塞に際しての作業を容易なものとす
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る車両空調用配管のシール構造の一
例を示す断面図、第２図は第１図に示される例が適用さ
れた空調装置を示す概略構成図、第３図は第１図に示さ
れる例の分解斜視図である。図中、18はクーラユニット、19はヒータユニット、24は
エバポレータ、25a及び25bはクーラパイプ、26はコンプ
レッサ、27はコンデンサ、28はエンジン、31はヒータコ
ア、32a及び32bはヒータパイプ、35はシール部、40,44a
及び44bは透孔、41はシールプレート部材、45は貫通
孔、50はシール部材、Dpはダッシュパネル、ERはエンジ
ンルーム、PRは車室である。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】車室とエンジンルームとの間のパネル部材
に設けられて、上記車室内に配されたヒータユニット及
びクーラユニットと上記エンジンルーム内に配されたエ
ンジンの冷却系及び該エンジンにより駆動されるコンプ
レッサを含んだ冷媒処理系とを夫々接続するヒータパイ
プ及びクーラパイプが挿通せしめられるものとされた透
孔を、上記ヒータパイプ及びクーラパイプの一方を貫通
孔を通じて貫通せしめるとともに上記ヒータパイプ及び
クーラパイプの他方の周囲のシーリングを行う状態で閉
塞すべく、上記パネル部材に上記エンジンルーム側から
取り付けられた第１のシール部材と、該第１のシール部材に設けられた上記貫通孔を、上記ヒ
ータパイプ及びクーラパイプの一方の周囲のシーリング
を行う状態で閉塞すべく、上記第１のシール部材に係合
せしめられる第２のシール部材と、を含んで構成される車両空調用配管のシール構造。