JPH0643474U - パイプに対するフランジの取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶接作業を不要にし、取付工程を簡易にす
る。 【構成】 フランジ７をパイプ６の外周に嵌合する。嵌
合したフランジ７の前後面におけるパイプ６を、偏平か
しめして、その両かしめ部８，８ａでフランジ７を挾着
する。パイプ６におけるフランジ取付側端を折曲反転し
てフランジ取付部を二重管構造とし、その外管部を偏平
かしめしてフランジを挾着する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はパイプに対するフランジの取付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、金属製のパイプの端部にフランジを溶接を用いることなく取付ける構造 として、図１０に示すように、フランジ１にパイプ嵌合穴２を形成すると共に該 パイプ嵌合穴２の外周部前面に環状溝３を形成し、パイプ４を前記パイプ嵌合穴 ２に挿通すると共にその先端部３ａをカーリングして前記環状溝３に図示のよう に嵌入し、その後、押型に形成した凸部により環状溝３の外周部前面を押圧して 図１１のような凹部５を形成し、該凹部５の形成による余肉を前記環状溝３側へ 膨出させて、パイプ４の先端部３ａとフランジ１とを固着するようにしたものが ある（特開平３−１８４４６号公報）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記従来の固着方法によると、フランジ１に、パイプ板厚とほぼ同等の小幅の 環状溝３を切削形成しなければならず、切削工程を要する上にその形成も困難で あった。

【０００４】 そこで本考案は、無溶接接合であって、かつ前記の問題を解決することを目的 とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は前記の課題を解決するために、第１の考案は、パイプ（６）の外周に フランジ（７）を嵌合し、そのフランジ（７）の前後面部におけるパイプを隆起 させて偏平状に座屈かしめし、該かしめし部（８）（８ａ）によりフランジ（７ ）を挾着的にパイプ（６）に固定するようにしたことを特徴とするものである。

【０００６】 第２の考案は、パイプ（６）におけるフランジ取付側端を、パイプの外周面側 又は内周面側に折曲反転してフランジ取付部を内管部（６ａ）と外管部（６ｂ） からなる二重管構造とし、外管部（６ｂ）の外周にフランジ（７）を嵌合し、そ のフランジ（７）の前後面部における外管部（６ｂ）を偏平状に座屈かしめし、 該かしめ部（１２）（１２ａ）によりフランジ（７）を挾着的にパイプ（６）に 固定するようにしたことを特徴とするものである。

【０００７】

【実施例】

図１に示す本考案の第１実施例について説明する。 ６は金属製のパイプ、７は中央にパイプ挿通穴７ａを形成したフランジである 。８，８ａは、フランジ７の前後面部においてパイプ６を座屈かしめにより隆起 させたかしめ部で、該かしめ部８，８ａによってフランジ７を挾着固定している 。

【０００８】 本実施例の工程は、先ず、図２に示すように、パイプ６内にマンドレル９を挿 入位置する（押型１１に固定してもよい）と共に固定型１０を位置させ、パイプ 端側から押型１１によりパイプ６を押圧して隆起させ、かしめ部８ａを偏平座屈 させて形成する。次で、フランジ７をパイプ６の端部から嵌装してかしめ部８ａ に当てる。次で、再度パイプ端側から押型１１によりパイプ６を押圧して隆起さ せ、かしめ部８を偏平座屈させて形成する。 また、このようなかしめ部８，８ａを偏平座屈させて形成する方法としては、 フランジ７をパイプ６に嵌合して最適位置に固定し、固定型１０を半割りにし、 パイプ６を掴み、固定型１０と押型１１を同時に押圧してかしめ部８，８ａを形 成してもよく、あるいはフランジ７をパイプ６に嵌合し、かしめ部８，８ａを座 屈かしめするときにフランジ７を座屈移動量（長さ）と同調して移動させて、両 かしめ部８，８ａを同時に成形するといった同時（１ショット）成形でもよい。

【０００９】 次に図３乃至図５に示す本考案の第２実施例について説明する。 本実施例は、パイプのフランジ取付側端をパイプの外周面側に折曲反転してフ ランジ取付部を内管部６ａと外管部６ｂからなる二重管構造にして、その外管部 ６ｂを前記実施例のように偏平座屈させて形成したかしめ部１２，１２ａでフラ ンジ７を挾着固定したものである。

【００１０】 本実施例の工程は、先ず、パイプ６のフランジ取付側の端末部を、パイプ６の 外周面側へ折曲反転して外管部６ｂを形成する。 次で、反転された外管部６ｂの端末を図４に示すように外方へ起こし、かしめ 部１２ａを形成する。

【００１１】 次で、フランジ７を、これに形成したパイプ挿通穴７ａを通じて図５に示すよ うに外管部６ｂに嵌合してかしめ部１２ａに当てる。 次で、前記実施例と同様に、パイプ６内にマンドレル９を挿入位置し、かしめ 部１２ａの後面に固定型１０を位置させ、押型１１によりパイプ６を押圧する。 これにより、内管部６ａが図５の左方へ移動し、外管部６ｂが鎖線の如く隆起し 、更に押圧するとその隆起部が図３のかしめ部１２の如く偏平座屈する。そのた め、これら両かしめ部１２，１２ａによってフランジ７が挾着固定される。

【００１２】 本第２実施例によれば、フランジ取付部が内外二重管となり、内側管６ａで曲 げモーメントを受けて外側管６ｂにおけるフランジかしめ部の歪み影響を小さく することができる。

【００１３】 また、排気ガスが、フランジかしめ部に直接作用しないため、かしめ部の高温 腐食の影響が少なくなる。 更に、内側管６ａの内面は平滑面になるため、パイプ内を流れる流体の乱れを 発生させない。

【００１４】 更に、通常の板厚のパイプを使用してフランジ取付部のみを厚板状に形成して 剛性を高めることができるので、フランジ取付部の剛性を確保するためにパイプ 全体を肉厚にするもにの比べて、パイプ全体の軽量化、低廉化を図ることができ る。

【００１５】 図６は本考案の第３実施例を示すもので、パイプ６の先端面とフランジ７の前 面とが面一となるように、フランジ７の前面に凹部７ｂを形成し、該凹部７ｂ内 にかしめ部１２を折曲したものである。

【００１６】 図７は本考案の第４実施例を示すもので、板状のフランジ７を前記第３実施例 のようにかしめ結合したものである。 図８は本考案の第５実施例を示すもので、フランジ取付部を前記のように内管 部６ａと外管部６ｂの２重管構造とし、この内外管６ａ，６ｂ共、前記第１実施 例のように偏平座屈して、かしめ部１３，１３ａを形成したものである。

【００１７】 図９は本考案の第６実施例を示すもので、前記第２実施例のものにおいて、外 管部６ｂの端末部６ｃを後方へ延長し、その端末６ｄを外方へ曲げたものである 。

【００１８】 尚、前記、２重構造のものにおいては、その外側管を内側管の内側へ折曲反転 してもよい。

【００１９】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、単にパイプ自体を偏平座屈してフランジをかし め固着するため、溶接作業を必要とせず、かつ前記従来のようなフランジにおけ る溝の切削作業も必要としない。

【００２０】 更に、フランジ取付部を内外二重管構造にしたものにおいては、内側管６ａで 曲げモーメントを受けて外側管６ｂにおけるフランジかしめ部の歪み影響を小さ くすることができる。

【００２１】 また、排気ガスが、フランジかしめ部に直接作用しないため、かしめ部の高温 腐食の影響が少なくなる。 更に、内側管６ａの内面は平滑面になるため、パイプ内を流れる流体の乱れを 発生させない。

【００２２】 更に、通常の板厚のパイプを使用してフランジ取付部のみを厚板状に形成して 剛性を高めることができるので、フランジ取付部の剛性を確保するためにパイプ 全体を肉厚にするもにの比べて、パイプ全体の軽量化、低廉化を図ることができ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の第１実施例を示す上半面を切断した
側面図。

【図２】 同かしめ工程を説明する断面図。

【図３】 本考案の第２実施例を示す要部を破断した側
面図。

【図４】 同かしめ工程を示す要部を破断した側面図。

【図５】 同かしめ工程を示す要部を破断した側面図。

【図６】 本考案の第３実施例を示す要部の側断面図。

【図７】 本考案の第４実施例を示す要部の側断面図。

【図８】 本考案の第５実施例を示す要部の側断面図。

【図９】 本考案の第６実施例を示す要部の側断面図。

【図１０】 従来の取付構造を示す半面切開した側面
図。

【図１１】 同かしめ状態を示す半面切開した側面図。

【符号の説明】

６ パイプ ６ａ 内管部 ６ｂ 外管部 ７ フランジ ８，８ａ，１２，１２ａ かしめ部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 パイプ（６）の外周にフランジ（７）を
   嵌合し、そのフランジ（７）の前後面部におけるパイプ
   を隆起させて偏平状に座屈かしめし、該かしめし部
   （８）（８ａ）によりフランジ（７）を挾着的にパイプ
   （６）に固定するようにしたことを特徴とするパイプに
   対するフランジの取付構造。
2. 【請求項２】 パイプ（６）におけるフランジ取付側端
   を、パイプの外周面側又は内周面側に折曲反転してフラ
   ンジ取付部を内管部（６ａ）と外管部（６ｂ）からなる
   二重管構造とし、外管部（６ｂ）の外周にフランジ
   （７）を嵌合し、そのフランジ（７）の前後面部におけ
   る外管部（６ｂ）を偏平状に座屈かしめし、該かしめ部
   （１２）（１２ａ）によりフランジ（７）を挾着的にパ
   イプ（６）に固定するようにしたことを特徴とするパイ
   プに対するフランジの取付構造。