JPH0643400Y2 - 押下げ解錠型平面ハンドル装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は配電盤収納キャビネット
等の扉に使用される平面ハンドル装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来の一般的な平面ハンドル装置では、
扉に埋め込み固着される固定ケースにハンドルを収容
し、ハンドルの上端部を扉前面と平行な水平方向の枢軸
によって固定ケースの左右側壁板に枢着し、固定ケース
の背壁板に前後方向の枢軸によって止め金板を枢着し、
ハンドルの上端部背面に固設した駆動突起を止め金板の
中央部の受動孔に挿入し、ハンドルを固定ケースから引
き出し回転させる時に、止め金板を前記枢軸を中心に回
転させている。

【０００３】しかしながら、この構造の平面ハンドル装
置では、施錠の最終段階と解錠の当初段階で止め金板の
先端部が固定枠体側の受金板と摺り合うようにして回転
するため、抵抗が大きくて軽快な作動が得られない難点
がある。また、ハンドルの駆動突起の側面が止め金板の
受動孔の縁面で次第に削られ、最悪の場合には駆動時が
止め金板に食い付いて作動不能となったり、駆動突起が
折損する事故も発生した。

【０００４】更に施錠部材として大きな回転半径を有す
る止め金板を使用しているため、止め金板の回転に支障
とならないように扉の端縁部から十分離れた箇所に固定
ケースを固着する必要があり、使い勝手が悪いという難
点もあった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】従って本考案の目的
は、構成部品の作動不良や折損事故の恐れなく、施錠と
解錠の操作が常に軽快になされると共に、必要に応じて
扉の端縁部に極限まで接近させて取り付けることがで
き、押下げ解錠型平面ハンドル装置を提供することであ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】以下、添付図面中の参照
符号を用いて説明すると、本考案の平面ハンドル装置で
は、扉１に埋め込み固着される固定ケース２にハンドル
３を扉前面に沿って押下げ可能に収容し、バネ４によっ
てハンドル３を復帰付勢し、ハンドル３の背面に固設し
た駆動突起５を固定ケース２の背壁板６の中間部の案内
スロット７から突出させ、背壁板６の上端部に受金棒８
を後方に突出させて固設し、固定枠体９に固着される固
定ホルダ１０の側壁板１１の上部に受金棒８が出入りす
る前後方向の細長溝１２を前壁板１３に開口させて設け
る。

【０００７】側壁板１１の中間部にロックレバー１４を
横断枢軸１５によって枢着し、側壁板１１の下部にキー
パーレバー１６を横断枢軸１７によって枢着し、ロック
レバー１４の上部縁面に細長溝１２に交差するカム突起
１８を設け、カム突起１８の前面側の根元部に受金棒８
が係脱する受溝１９を設け、カム突起１８が斜め前方に
向けて配置された時、固定ホルダ１０の前壁板１３の停
止板部２０に当接する停止突起２１をロックレバー１４
の中間部前縁面に設ける。

【０００８】ロックレバー１４の下部縁面に錠止突起２
２を設け、受金棒８が受溝１９に係合した時、錠止突起
２２と係合する制止突起２３をキーパーレバー１６の中
間部上面に設け、キーパーレバー１６の前端部にハンド
ル３の駆動突起５が当接する受動突起２４を設け、停止
突起２１が停止板部２０に当接する方向にロックレバー
１４をバネ２５によって回転付勢し、制止突起２３が錠
止突起２２に係合する方向にキーパーレバー１６をバネ
２６によって回転付勢する。

【０００９】

【作用】扉１が開放状態にある時には、ロックレバー１
４の停止突起２１は固定ホルダ１０の停止板部２０に当
接しており、ロックレバー１４のカム突起１８は斜め前
方に向いて固定ホルダ１０の細長溝１２に交差してい
る。ロックレバー１４はバネ２５の弾発力によって、こ
の待機位置に保持されている。キーパーレバー１６の制
止突起２３はロックレバー１４の停止突起２１と錠止突
起２２の間の周面にバネ２６の弾発力によって押し付け
られている。ハンドル３は固定ケース２内の上限位置に
バネ４によって押上げられている。

【００１０】扉１を閉鎖回転すると、固定ケース２の背
面の受金棒８が固定ホルダ１０の細長溝１２に進入す
る。閉鎖回転の終端で受金棒８がロックレバー１４のカ
ム突起１８を押し、バネ２５の付勢に抗してロックレバ
ー１４を図２において枢軸１５を中心に時計回り方向に
回転させる。ロックレバー１４の回転の過程でキーパー
レバー１６の制止突起２３はロックレバー１４の周面に
摺接する。

【００１１】受金棒８の横棒部分８ａが細長溝１２の最
深部にまで到達した時、ロックレバー１４の受溝１９が
該横棒部分８ａをくわえ込み、ロックレバー１４と受金
棒８が深く係合する。この段階では、扉１は完全に閉鎖
されている。キーパーレバー１６の制止突起２３とロッ
クレバー１４の錠止突起２２との係合がバネ２６の弾発
力で維持されることによって、ロックレバー１４の解錠
方向への逆回転が阻止されている。ハンドル３の背面の
駆動突起５は、キーパーレバー１６の受動突起２４の真
上に入り込んでいる。

【００１２】扉１を解錠するには、固定ケース２に指を
指し込み、ハンドル３を押下げればよい。ハンドル３の
押下げ操作によって、ハンドル３の駆動突起５がキーパ
ーレバー１６の受動突起２４を押下げるため、キーパー
レバー１６はバネ２６の付勢に抗して図３において枢軸
１７を中心に反時計回り方向に回転させられる。この回
転によってキーパーレバー１６の制止突起２３がロック
レバー１４の錠止突起２２から離脱するため、ロックレ
バー１４はバネ２５の付勢によって反時計回り方向に急
速回転する。

【００１３】この過程で受金棒８の横棒部分８ａが受溝
１９より脱出し、カム突起１８によって横棒部分８ａが
固定ホルダ１０の細長溝１２から前方に押出される。ロ
ックレバー１４の回転の反動作用によって、扉１は開放
方向に一定角度回転し、ハンドル３に掛けた指先を手前
に引くことによって扉１は更に開放される。

【００１４】

【実施例】図示の実施例では、縦長のハンドル３は固定
ケース２の正面凹部２７にほぼ全体を埋め込まれてい
る。固定ケース２の左右側壁板２８の縦長スロット２９
には、ハンドル３の中間部側面に固設した案内ピン３０
が嵌挿されており、正面凹部２７からのハンドル３の飛
び出しが阻止されている。ハンドル３の上端面と固定ケ
ース２の上壁板３２との間には、指差し込み用空間が確
保されており、ハンドル３の上端部には指先を掛ける湾
曲斜面部３１を形成してある。

【００１５】Ｕ字形に折り曲げた受金棒８は、固定ケー
ス２の一部をなすバックプレート３３に両端部を溶接に
よって直角に固着され、バックプレート３３はビス３４
によって固定ケース２の背壁板６に締め付け固着されて
いる。ハンドル３の復帰付勢用バネ４は、圧縮コイルバ
ネで構成されている。ハンドル３の駆動突起５は、バッ
クプレート３３の縦長スロット３５から後方に直角に突
出している。ハンドル３の上端部には錠前ユニット３６
が内蔵されており、このロータ３７に連動するラッチ棒
３８は、固定ケース２側の受け部３９と係合して、ハン
ドル３の押下げ操作を規制する。

【００１６】ロックレバー１４の付勢用バネ２５は捻り
コイルバネで構成され、一方の端部は側面透孔４０に挿
入され、他方の端部は固定ホルダ１０の後壁板４１に当
接している。キーパーレバー１６の付勢用バネ２６も捻
りコイルバネで構成され、一方の端部は側面透孔４２に
挿入され、他方の端部は固定ホルダ１０の後壁板４１に
当接している。固定ホルダ１０は適当なブラケット４３
を使用して、固定枠体９に固着されている。

【００１７】

【考案の効果】以上のように本考案の平面ハンドル装置
では、固定ケース２にハンドル３を押下げ摺動可能に収
容し、ハンドル３の背面の駆動突起５を固定ケース２の
背壁板６の案内スロット７から突出させ、後方に突出す
る受金棒８を背壁板６に固設し、固定ホルダ１０の側壁
板１１の上部に前後方向の細長溝１２を設け、側壁板１
１の中間部にロックレバー１４を枢着し、側壁板１１の
下部にキーパーレバー１６を枢着し、ロックレバー１４
に前記細長溝１２に交差するカム突起１８を設け、カム
突起１８の根元部に受溝１９を設け、固定ホルダ１０の
停止板部２０に当接する停止突起２１をロックレバー１
４の中間部前縁面に設け、ロックレバー１４の下部縁面
に錠止突起２２を設け、該錠止突起２２と係合する制止
突起２３をキーパーレバー１６の中間部上面に設け、キ
ーパーレバー１６の前端部に前記駆動突起５が当接する
受動突起２４を設け、停止突起２１が停止板部２０に当
接する方向にロックレバー１４をバネ２５で回転付勢
し、制止突起２３が錠止突起２２に係合する方向にキー
パーレバー１６をバネ２６で回転付勢したので、扉１の
施錠と解錠がロックレバー１４と受金棒８の係脱動作の
みによって、構成部品の作動不良や折損事故の恐れな
く、常に軽快かつ確実になされる。

【００１８】また、この押下げ解錠型の平面ハンドル装
置は、扉１の背面に沿った面内で回転する施錠部材を備
えていないので、必要に応じて扉１の端縁部に極限まで
接近させて固定ケース２を取り付けることができ、使い
勝手に優れている。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る押下げ解錠型平面ハン
ドル装置の正面図である。

【図２】該平面ハンドル装置の解錠状態の右側面図であ
る。

【図３】該平面ハンドル装置の施錠状態の縦断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 扉 ２ 固定ケース ３ ハンドル ４ ハンドルの復帰付勢用バネ ５ 駆動突起 ６ 固定ケースの背壁板 ７ 案内スロット ８ 受金棒 ９ 固定枠体 １０ 固定ホルダ １１ 固定ホルダの側壁板 １２ 細長溝 １３ 固定ホルダの前壁板 １４ ロックレバー １５ 枢軸 １６ キーパーレバー １７ 枢軸 １８ カム突起 １９ 受溝 ２０ 停止板部 ２１ 停止突起 ２２ 錠止突起 ２３ 制止突起 ２４ 受動突起 ２５ 付勢用バネ ２６ 付勢用バネ ２７ 正面凹部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 扉１に埋め込み固着される固定ケース２
   にハンドル３を扉前面に沿って押下げ可能に収容し、バ
   ネ４によってハンドル３を復帰付勢し、ハンドル３の背
   面に固設した駆動突起５を固定ケース２の背壁板６の中
   間部の案内スロット７から突出させ、背壁板６の上端部
   に受金棒８を後方に突出させて固設し、固定枠体９に固
   着される固定ホルダ１０の側壁板１１の上部に受金棒８
   が出入りする前後方向の細長溝１２を前壁板１３に開口
   させて設け、側壁板１１の中間部にロックレバー１４を
   横断枢軸１５によって枢着し、側壁板１１の下部にキー
   パーレバー１６を横断枢軸１７によって枢着し、ロック
   レバー１４の上部縁面に細長溝１２に交差するカム突起
   １８を設け、カム突起１８の前面側の根元部に受金棒８
   が係脱する受溝１９を設け、カム突起１８が斜め前方に
   向けて配置された時、固定ホルダ１０の前壁板１３の停
   止板部２０に当接する停止突起２１をロックレバー１４
   の中間部前縁面に設け、ロックレバー１４の下部縁面に
   錠止突起２２を設け、受金棒８が受溝１９に係合した
   時、錠止突起２２と係合する制止突起２３をキーパーレ
   バー１６の中間部上面に設け、キーパーレバー１６の前
   端部にハンドル３の駆動突起５が当接する受動突起２４
   を設け、停止突起２１が停止板部２０に当接する方向に
   ロックレバー１４をバネ２５によって回転付勢し、制止
   突起２３が錠止突起２２に係合する方向にキーパーレバ
   ー１６をバネ２６によって回転付勢した押下げ解錠型平
   面ハンドル装置。