JPH0643373Y2 - 立体駐車設備 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は車両の駐車能力の向上を図った立体駐車設備に
関する。

［従来の技術］ 上下方向に循環移動するケージに車両を駐車させる、一
般にゴンドラ式と称される立体駐車設備が知られてい
る。

この立体駐車設備は、第６図に示すように建屋１内に多
段に車両２が収納される駐車スペース３を有し、この駐
車スペース３内の無端チエーン７に懸架された多数のケ
ージ４が駆動装置６で上下方向に循環移動されるように
なっている。そして、出入口５から車両２がケージ４に
収容され、このケージ４が上下方向に移動され車両２を
立体的に多数駐車されるようになっている。

また、この立体駐車設備においては、第７図に示すよう
に、上記立体駐車設備を併設させて駐車台数を多くする
ようにしたものがある。

［考案が解決しようとする課題］ ところで、上述した同形の駐車設備を併設した立体駐車
設備においては、駐車台数を増加させることができる
が、この立体駐車設備より、さらに駐車能力の良い駐車
設備の開発が望まれていた。

本考案は上記課題を解決するために創案されたもので、
その目的は、移動駐車装置とこれを包囲して多段に回廊
棚を形成した固定駐車棚とを設けて駐車能力を向上させ
得る立体駐車設備を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために本考案は、車両を収納する複
数のケージを無端チェーンに懸架して上下方向に循環移
動させる移動駐車装置と、該移動駐車装置を包囲する回
廊状の回廊棚が多段に形成されると共に各棚に沿って車
両を載置するパレットが多数配置された固定駐車棚と、
上記ケージの少なくとも一つに設けられ、各段の回廊棚
の車両受渡し位置のパレット上に車両を受け渡しする車
両移動手段と、上記各段の回廊棚に設けられ、上記パレ
ットをその回廊棚に沿って移動させるパレット循環手段
とを設けて構成されている。

［作用］ このケージ内へ車両を駐車させる場合には、所望のケー
ジを最下段に位置させて車両を収容して駐車させる。出
庫の場合には、同様に所望のケージを最下段に位置させ
て出庫を行う。

固定駐車棚へ車両を駐車させるときには、車両移動手段
を備えたケージを移動駐車装置の最下段に位置させてこ
のケージ内に車両を収容し、この車両を収容したケージ
を所望の段の回廊棚まで上昇させる。次に、車両移動手
段で回廊棚の受渡し位置に置かれる空パレット上に車両
を載置させると共にこの車両を載置したパレットをパレ
ット循環手段で回廊棚に沿って移動させることにより、
回廊棚上に車両を駐車させる。

出庫させる場合には、これとは逆に、所望の車両を載置
したパレットを受渡し位置に移動させ、車両移動手段で
ケージ内に車両を収容させ、この車両を収容したケージ
を移動駐車装置の最下段に移動させて出庫させる。

このように、車両は、移動駐車装置のケージ内あるいは
各段の回廊棚のパレット上に選択的に収容されて駐車さ
せることができ、車両の出庫も選択的に行うことができ
る。また、駐車は、多段に形成された平坦な回廊棚に沿
って駐車させるので、駐車台数が飛躍的に増加し、その
駐車能力が向上する。

［実施例］ 本考案の一実施例を図面に基いて説明する。

本考案の立体駐車設備は、第１図および第２図に示すよ
うに、建屋10内に車両２を駐車させる移動駐車装置11
と、固定駐車棚12とが設けられている。

移動駐車装置11は、建屋10内の上下に配置されたスプロ
ケット13,14を有し、これらスプロケット13,14には無端
チェーン７が掛け渡されており、この無端チェーン７に
は、所定の間隔を隔てて車両２を収納する複数のケージ
４が懸架されている。上部スプロケット13には駆動装置
16が連結され、ケージ４は、チェーン７を介して上下方
向に循環移動されるようになっている。

また、上記ケージ４のうち少なくとも一つ（本実施例で
は１個）には、ケージ４内から上記固定駐車棚12へ車両
２を受け渡しするための車両移動手段15が設けられる。
この車両移動手段15が設けられるケージ４は、第３図に
示すように、車両２が載置される床16が架台状に形成さ
れており、この床16の架台内に車両移動手段15が出没自
在に設けられている。すなわち、車両移動手段15は、第
４図にも示すように、床16に、これより上方に出没自在
にフォーク17が設けられており、このフォーク17は、伸
縮自在に、かつ、多段に形成された伸縮部18を有してお
り、その伸縮部18の先端が固定駐車棚12内まで届くよう
になっいる。このフォーク17の下側には、フォーク17を
昇降自在に支持するリフト装置19が設けられており、フ
ォーク17は、このリフト装置19で上昇されることにより
床16上に載置される車両２を、その伸縮部18上に載置
し、車両２をケージ４内から固定駐車棚12へあるいは固
定駐車棚12からケージ４内へと移動させるようになって
いる。

一方、固定駐車棚12は、上記移動駐車装置11を包囲して
回廊状に形成された回廊棚20を上下方向に多段に有して
いる。各段の回廊棚20には、ケージ４との間で車両２を
受け渡しする受渡し装置21が設けられ、また、各段の回
廊棚20には、これに沿って車両２を載置するパレット22
が多数配置されている。

各段の回廊棚20には、第２図に示すように、回廊棚20に
沿って（図中矢印の方向）パレット22を移動させるパレ
ット循環手段23が設けられる。ここで、各段の回廊棚20
のパレット22は、空スペースを１個設けるように配置さ
れている。すなわち、図示するように、バレット22は、
10個の駐車スペースに対して１個の空スペース24を形成
するように配置されており、バレット22の移動は、この
空スペース24を利用して順送りされるようになってい
る。

パレット循環手段23は、図示するように、各段の回廊棚
20上に、これを横断するように多数のローラ25が配列さ
れて設けられており、このローラ25の両側には、パレッ
ト22を移動させるための無端状の循環チェーン26が設け
られている。この循環チェーン26には、第５図に示すよ
うに、これより上方に突起し、パレット22の後方に当接
してパレット22を押し進めるための押圧突起部27が設け
られており、パレット22は、循環チェーン26の移動と共
に移動するこの押圧突起部27に押圧されてローラ25上を
移動するようになっている。

また、各段の回廊棚20の角部では、パレット22の移動方
向が90度変化するので、ローラ25は、この移動方向の変
化に対応するように設けられている。すなわち、各段の
回廊棚20の角部には、その軸方向がパレット22の移動方
向に対して直角方向に配置されるローラ28と、その軸方
向を、ローラ28の軸方向に対して直角方向に配置される
ローラ29とが設けられ、両ローラ28,29は、図示しない
駆動装置により、互いにパレット22の移動を干渉しない
ように上下動自在に設けられている。

次に、本実施例の作用を説明する。

移動駐車装置11に車両２を駐車させる場合には、空ケー
ジ４を移動駐車装置11の最下段位置に移動させ、このケ
ージ４に車両２を収容して駐車させる。出庫の場合に
は、出庫させる車両２が駐車されたケージ４を移動駐車
装置11の最下段に異動させればよい。

次に、固定駐車棚12に車両２を駐車させる場合には、車
両移動手段15を備えたケージ４を移動駐車装置11の最下
段に位置させ、このケージ４内の床16上に車両２を収容
し、この車両２を収容したケージ４を所望の段の回廊棚
20の位置に上昇させて停止させる。次に、フォーク17を
リフト装置19で上昇させて車両２を持ち上げるると共
に、フォーク17の伸縮部18を伸長させて回廊棚20の受渡
し位置21に位置するパレット22の上方に、その伸縮部18
を位置させると共にフォーク17を下降させてパレット22
上に車両２を載置させる（第３図）。車両２が載置され
たパレット22は、パレット循環手段23で回廊棚20に沿っ
て（第２図中の矢印方向）移動されると共に、回廊棚20
の受渡し位置21には、空パレット22が、次に駐車される
車両２を受け取るべく位置されて待機する。このように
して、車両２は、各段の回廊棚22内に順次駐車される。

また、固定駐車棚12から車両２を出庫する場合には、所
望の車両２が駐車される段の回路棚20のパレット22を、
第２図中の矢印方向に移動させ、その回廊棚20の受渡し
位置21に位置させる。一方、移動駐車装置11は車両移動
手段15が備えられたケージ４を出庫させる段の回廊棚20
の位置に停止させる。

その後、前述とは逆に、フォーク17の伸縮部18で車両２
を受け取りケージ４内の床16上に収容し、この車両２を
収容したケージ４を移動駐車装置11の最下段に移動さ
せ、車両２を出庫させる。

このようにして、車両２は、移動駐車装置11あるいは固
定駐車棚12へ選択的に駐車され、出庫の際も、所望の車
両２を効果的に出庫させることができる。また、固定駐
車棚12への駐車は、回廊棚20に沿って駐車するので、駐
車台数が飛躍的に増加し駐車能力が向上する。

［考案の効果］ 本考案によれば、移動駐車装置およびこれを包囲した各
段の回廊棚の循環パレットに車両が駐車できるので、駐
車台数が飛躍的に増加し、駐車能力が向上する。また、
所望に応じて移動駐車装置あるいは固定駐車棚へ選択的
に駐車することができ、所望の車両を効果的に出庫させ
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す概略断面図、第２図は
第１図のII-II線断面図、第３図は車両移動手段を有す
るケージの縦断面図、第４図は第２図のIV-IV線断面
図、第５図は第４図のV-V線断面図、第６図および第７
図は従来の立体駐車設備の概略断面図である。 図中、２は車両、４はケージ、７は無端チエーン、11は
移動駐車装置、12は固定駐車棚、15は車両移動手段、20
は回廊棚、21は受渡し位置、22はパレット、23はパレッ
ト循環手段である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車両を収納する複数のケージを無端チェー
   ンに懸架して上下方向に循環移動させる移動駐車装置
   と、該移動駐車装置を包囲する回廊状の回廊棚が多段に
   形成されると共に各棚に沿って車両を載置するパレット
   が多数配置された固定駐車棚と、上記ケージの少なくと
   も一つに設けられ、各段の回廊棚の車両受渡し位置のパ
   レット上に車両を受け渡しする車両移動手段と、上記各
   段の回廊棚に設けられ、上記パレットをその回廊棚に沿
   って移動させるパレット循環手段とを設けたことを特徴
   とする立体駐車設備。