JPH0642888U - 天井クレーン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 過大設備とならずにホイストの作業範囲を拡
大することができる天井クレーンを提供することにあ
る。 【構成】 本考案は天井を走行するガーダ４を備えた天
井クレーン１を前提としている。この天井クレーン１に
おけるガーダ４の長手方向に沿う一側から他側にかけて
Ｕ字状に連続したホイスト用のレール１２が設けられ、
このレール１２にはホイスト１３が移動自在に設けられ
ている。これにより１台のホイストでガーダの両側の作
業が可能となる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ホイストを備えた天井クレーンに係り、特にホイストの作業範囲の 拡大を図った天井クレーンに関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に天井クレーンは、建屋内の天井に走行自在に設けられたガーダと、この ガーダ上に横行自在に設けられたトロリとから主に構成されており、トロリには 荷を巻き上げ下げする巻上装置が設けられている。

【０００３】 特に、発電所で使用されている天井クレーンにおいては、タービンのメンテナ ンス等のために重量物から軽量物まで取扱わなければならず、軽量物を搬送する のに重量物用の巻上装置を用いていたのでは時間が掛かって作業性が悪いことか ら、軽量物専用のホイストを備えたものが提案されるに至っている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記天井クレーンにおいては、ガーダの長手方向に沿う一側に しかホイスト用のレールを設けていなかったので、他側の作業範囲が制限される 欠点があった。なお、ホイストの作業範囲の拡大を図るためにガーダの両側にホ イスト用のレールを設け、それぞれにホイストを設けることが考えられるが、こ の場合過大設備となる問題がある。

【０００５】 そこで、本考案の目的は、過大設備とならずにホイストの作業範囲を拡大する ことができる天井クレーンを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案の天井クレーンは、天井を走行するガーダを 備えた天井クレーンにおいて、上記ガーダの長手方向に沿う一側から他側にかけ てＵ字状に連続したホイスト用のレールを設け、このレールにホイストを移動自 在に設けたことを特徴としている。

【０００７】

【作用】

ガーダの長手方向に沿う一側から他側にかけてＵ字状に連続したホイスト用の レールを設け、このレールにホイストを移動自在に設けたので、１台のホイスト でガーダの両側の作業を行うことが可能となり、過大設備とならずにホイストの 作業範囲の拡大が図れる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。

【０００９】 図１〜図３において、１は天井クレーンで、この天井クレーン１は建屋内の両 側壁２上部に敷設された走行用レール３間に跨って走行自在に支持されたガーダ ４を備えている。ガーダ４は図示例では一対のガーダ部材４ａ，４ｂからなって おり、両ガーダ部材４ａ，４ｂの両端部には上記走行用レール３上を転動する車 輪５を備えたサドル６が設けられている。

【００１０】 両ガーダ部材４ａ，４ｂの内側上端部にはこれらの長手方向に沿って横行用レ ール７が設けられ、これら横行用レール７上にはこれら横行用レール７上を転動 する車輪８を備えたトロリ９が横行自在に設けられている。トロリ９には主巻上 フック１０ａにより大重量（例えば８０トン以下）の荷を巻き上げ下げする主巻 上装置１０と、補巻上フック１１ａにより中重量（例えば２５トン以下）の荷を 巻き上げ下げする補巻上装置１１とが設けられており、主巻上フック１０ａおよ び補巻上フック１１ａが両ガーダ部材４ａ，４ｂ間を通って巻き上げ下げされる ようになっている。

【００１１】 そして、上記ガーダ４の下部にはその長手方向一側から他側にかけてＵ字状に 連続したレール１２が設けられ、このレール１２には軽量（例えば３トン以下） の荷を巻き上げ下げするホイスト１３が移動自在に設けられている。具体的には 、上記ホイスト用のレール１２はＩ型鋼からなり、一方のガーダ部材４ａの外側 下端部および他方のガーダ部材４ｂの外側下端部にレール１２の直線部１２ａ， １２ｂがブラケット１４を介してそれぞれ支持されている。一方のガーダ部材４ ａの一端下部には運転室１５が設けられているため、レール１２の一方の直線部 １２ａは他方の直線部１２ｂよりも短くなっており、直線部１２ａ，１２ｂ同士 を結ぶ曲線部１２ｃが運転室１５とは反対側の端部に配置されている。

【００１２】 ホイスト１３はフック１３ａを巻き上げ下げする巻上装置１６が設けられたホ イスト本体１７を備えており、このホイスト本体１７にはレール１２の下部フラ ンジ部ｄに両側から抱えるように係合されると共に駆動部を備えた車輪１９が設 けられている。

【００１３】 以上のように構成された天井クレーン１によれば、大重量の荷および中重量の 荷はトロリ９に設けられた主巻上装置１０および補巻上装置１１により搬送され 、軽量の荷はホイスト１３により運搬される。特に、ガーダ４の長手方向に沿う 一側から他側にかけてＵ字状に連続したホイスト用のレール１２を設け、このレ ール１２にホイスト１３を移動させるようにしたので、１台のホイスト１３でガ ーダ４の両側の作業を行うことができ、過大設備とならずにホイスト１３の作業 範囲を拡大することができる。すなわち、図５に示すようにガーダ４の走行方向 をＸとし、運転室１５側を走行エンドに位置させた場合、従来の天井クレーンで は運転室側にはホイスト用のレールおよびホイストがなかったためＲｂの範囲の 作業ができなかったが、上記実施例によれば１台のホイストにより従来の天井ク レーンのホイストの作業範囲ＲａだけでなくＲｂの範囲まで作業を行うことがで きるようになった。

【００１４】

【考案の効果】

以上要するに本考案によれば、ガーダの長手方向に沿う一側から他側にかけて Ｕ字状に連続したホイスト用のレールを設け、このレールにホイストを移動自在 に設けたので、１台のホイストでガーダの両側の作業を行うことができ、過大設 備とならずにホイストの作業範囲を拡大することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す天井クレーンの正面図
である。

【図２】図１の天井クレーンの平面図である。

【図３】図１のＡ−Ａ線拡大断面図である。

【図４】図３の要部拡大図である。

【図５】ホイストの作業範囲を説明するための図であ
り、（ａ）は本実施例、（ｂ）は従来例を示す。

【符号の説明】

１ 天井クレーン ４ ガーダ １２ ホイスト用のレール １３ ホイスト

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 天井を走行するガーダを備えた天井クレ
   ーンにおいて、上記ガーダの長手方向に沿う一側から他
   側にかけてＵ字状に連続したホイスト用のレールを設
   け、該レールにホイストを移動自在に設けたことを特徴
   とする天井クレーン。