JPH0642887U - 天井クレーンの補助揚重装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 重量物の運搬を対象とする天井クレーンにお
いて軽量物の運搬を効率よく行うことを可能とする。 【構成】 本考案に係る天井クレーン１の補助揚重装置
１４は、天井クレーン１のガーダ４下部に長手方向に沿
って横行自在に設けられた横行部１５と、該横行部１５
に水平旋回自在に設けられた旋回ブーム１６と、該旋回
ブーム１６に沿って移動自在に設けられたホイスト１７
とを備えたことを特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、天井クレーンの補助揚重装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に天井クレーンは、建屋内の天井に走行自在に設けられたガーダと、この ガーダ上に横行自在に設けられたトロリとから主に構成されており、トロリには 荷を巻き上げ下げする巻上装置が設けられている。

【０００３】 特に、発電所で使用されている天井クレーンにおいては、タービンのメンテナ ンス等のために重量物から軽量物まで取扱わなければならず、軽量物を運搬する のに重量物用の巻上装置を用いていたのでは時間がかかって作業性が悪いことか ら、軽量物専用のホイストを備えたものが提案されるに至っている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記天井クレーンにおいては、ガーダの長手方向に沿ってホイ ストを移動自在に設けているだけであったので、軽量物をガーダの走行方向に短 い距離移動させる場合にもその都度ガーダを走行させなければならず、手間およ び時間がかかる欠点がある。発電所における補修作業の場合、軽量物の運搬が作 業全体の９０％を占めるため、軽量物の運搬をいかに効率よく行うかが定期点検 及び補修期間を短縮する上で重要なポイントとなっている。

【０００５】 そこで、本考案の目的は、軽量物の運搬を効率よく行うことができる天井クレ ーンの補助揚重装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案に係る天井クレーンの補助揚重装置は、天井 クレーンのガーダ下部に長手方向に沿って横行自在に設けられた横行部と、該横 行部に水平旋回自在に設けられた旋回ブームと、該旋回ブームに沿って移動自在 に設けられたホイストとを備えたことを特徴としている。

【０００７】

【作用】

上記構成によれば、ガーダの長手方向に沿った横行部の横行、この横行部に設 けられた旋回ブームの旋回およびこの旋回ブームに沿ったホイストの移動により ガーダを走行させることなく軽量物を所定範囲内で自由に運搬することが可能と なり、軽量物の運搬を効率よく行うことができる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。

【０００９】 図１〜図３において、１は天井クレーンで、この天井クレーン１は例えば発電 所の建屋内の両側壁２上部に敷設された走行用レール３間に跨って走行自在に支 持されたガーダ４を備えている。ガーダ４は図示例では一対のガーダ部材４ａ， ４ｂからなっており、両ガーダ部材４ａ，４ｂの両端部に設けたサドル５には上 記走行用レール３上を転動する車輪６を備えた走行装置７が設けられている。

【００１０】 両ガーダ部材４ａ，４ｂの内側上端部にはこれらの長手方向に沿って横行用レ ール８が設けられ、これら横行用レール８上にはこれら横行用レール８上を転動 する車輪９を備えたトロリ１０が横行自在に設けられている。トロリ１０にはフ ック１１ａにより大重量（例えば８０トン以下）の荷を巻き上げ下げする巻上装 置１１等が設けられ、そのフック１１ａが両ガーダ部材４ａ，４ｂ間を通って巻 き上げ下げされるようになっている。なお、図３において、１２は発電機の駆動 タービンであり、タービン１２は建屋内の床１３にガーダ４の長手方向に沿って 設置されると共にガーダ４の走行方向に適宜間隔で複数配置されている。

【００１１】 そして、上記ガーダ４の下部、本実施例では両ガーダ部材４ａ，４ｂの下部に 補助揚重装置１４がそれぞれ設けられている。この補助揚重装置１４は、ガーダ 部材の下部に長手方向に沿って横行自在に設けられた横行部１５と、この横行部 １５に水平旋回自在に設けられた旋回ブーム１６と、この旋回ブーム１６に沿っ て移動自在に設けられたホイスト１７とから主に構成されている。

【００１２】 更に具体的には、図４ないし図５に示すようにガーダ部材４ａ，４ｂの下部に はその長手方向に沿って一対の横行レール１８が設けられ、両レール１８に車輪 １９を介して横行部１５が懸垂支持されて横行するようになっている。横行部１ ５には旋回ブーム１６の基端部に設けた旋回軸２０が軸受２１を介して回転自在 に支持され、横行部１５にはその旋回軸２０を回転駆動する旋回装置２２が設け られている。旋回ブーム１６の下部にはＩ型鋼からなるレール２３が設けられ、 このレール２３には車輪２４を介してホイスト１７が懸垂支持されている。この ホイスト１７は車輪２４を回転駆動する駆動部２５およびフック２６ａを巻き上 げ下げする巻上装置２６を備えている。

【００１３】 なお、一方のガーダ部材４ａの一端下部には運転室２７が設けられているため 、図２に示すように運転室２７側の補助揚重装置１４の横行範囲は他方の補助揚 重装置１４のそれよりも短くなっている。また、ガーダ部材４ａ，４ｂの両端部 には補助揚重装置１４の横行部１５の横行範囲を規制するリミットスイッチ２８ および旋回ブーム１６の旋回範囲を規制するリミットスイッチ２９が配置されて いる。更に、補助揚重装置１４には互いの距離を検知するセンサ３０が設けられ 、旋回ブーム１６同士の衝突を防止するために補助揚重装置１４同士が所定距離 Ｌ以下に接近しないようインターロックされている。

【００１４】 次に上記実施例の作用を述べる。重量物を運搬する場合にはトロリ１０上の巻 上装置１１を用い、ガーダ４の走行およびトロリ１０の横行により重量物を目的 場所まで運搬すればよい。軽量物を運搬する場合には補助揚重装置１４を用い、 この補助揚重装置１４の横行部１５の横行、この横行部１５に設けられた旋回ブ ーム１６の旋回およびこの旋回ブーム１６に沿ったホイスト１７の移動により軽 量物を目的場所まで運搬すればよい。図２に示すように両ガーダ部材４ａ，４ｂ に設けた２台の補助揚重装置１４により広い作業範囲ＲＡをカバーすることがで きるので、その作業範囲ＲＡ内の軽量物の運搬であればガーダ４を走行させるこ となく補助揚重装置１４のみで作業を行うことができ、上記作業範囲ＲＡを越え ていればガーダ４を適宜走行させればよい。

【００１５】 このようにガーダ４の下部に長手方向に沿って横行自在に設けられた横行部１ ５と、この横行部１５に水平旋回自在に設けられた旋回ブーム１６と、この旋回 ブーム１６に沿って移動自在に設けられたホイスト１７とにより天井クレーン１ の補助揚重装置１４を構成したので、天井クレーン１のガーダ４およびトロリ１ ０を運転することなく軽量物を効率よく迅速に運搬することが可能となり、ター ビンの定期点検及び補修期間の短縮が図れる。

【００１６】 なお、上記実施例ではガーダ４に補助揚重装置１４を２台設けた場合が示され ているが、補助揚重装置１４は少なくとも１台あればよい。また、本考案は発電 所だけでなく、他の設備にも適用できること勿論である。

【００１７】

【考案の効果】

以上要するに本考案によれば、ガーダの長手方向に沿った横行部の横行、この 横行部に設けられた旋回ブームの旋回およびこの旋回ブームに沿ったホイストの 移動によりガーダを走行させることなく軽量物を所定範囲内で自由に運搬するこ とが可能となり、軽量物の運搬を効率よく行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す正面図である。

【図２】図１における補助揚重装置の作業範囲を示す平
面図である。

【図３】図１のＡ−Ａ線拡大断面図である。

【図４】図３における補助揚重装置の拡大図である。

【図５】図４における補助揚重装置の側面図である。

【符号の説明】

１ 天井クレーン １４ 補助揚重装置 １５ 横行部 １６ 旋回部 １７ ホイスト

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 天井クレーンのガーダ下部に長手方向に
   沿って横行自在に設けられた横行部と、該横行部に水平
   旋回自在に設けられた旋回ブームと、該旋回ブームに沿
   って移動自在に設けられたホイストとを備えたことを特
   徴とする天井クレーンの補助揚重装置。