JPH06703Y2 - トンネル内に導水管を設置する装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本願考案はダムの下流側へ堀設したトンネル内の導水管
を設置する装置に係る。

［従来の技術］ トンネル内の導水管は上流側の貯水を下流側へ流出する
役目を果すもので、トンネル内に複数の管路を設けるこ
ともある。

従来トンネル内の導水管の据付工事においてはある長さ
のブロックに、工場で加工した導水管をトンネルの下部
に設置した軌条に沿って走行する台車上に載置し、トン
ネル内の所要の箇所まで搬入し、そこで三つ又状の吊具
を組立る等の方法によって据付けが行なわれている。

第３図イ，ロ，ハは従来の導水管Ｐａの据付ける方法を
図解したもので、図イはトンネル１ａ内の下面に敷設さ
れた軌条３ａを走行する台車４ａに導水管Ｐａを載置し
て搬入する状態を示す。図ロは台車４ａから導水管Ｐａ
を三つ又は１００とチェンブロック１０１を使用して下
す状態を示す。又図ハは導水管Ｐａを固定台６ａ上に三
つ又１００を操作して移動する状態を示す。

また、移動作業を機械手段に置き換えた従来技術も提案
されており、たとえば「トンネル内配管据付装置」（特
開昭６１−１６７７８９号公報・第４図）もある。これ
は図に示すとおり、トンネル１ｂ内の配管基盤に配設さ
れた軌条３ｂ上を走行する門型枠体の移送台車４ｂの上
に進行方向と直角方向に伸縮自在のモノレール１０２を
配設し、このモノレールにホイスト５２ｂを移動自在に
取付け配管Ｐｂを所望の位置に移動するものである。

［発明が解決しようとする課題］ 前掲の従来技術のうち最初の方法については、トンネル
内の狭隘場所に三つ又状の吊具を組立たり導水管を管路
と直角方向に移動させたり（横持ち）、接続部を合わせ
るために導水管を回動したりする重くて細かい移動を、
作業員の入力に頼った作業を強いられ、安全面からも好
ましくない課題を残していた。

また二番目の手段では機械化が進み、省力化と安全面で
の貢献は大きいと思われるが、移送台車４ｂが管体Ｐｂ
の搬送と設置を兼用している。従って所定の位置へ管体
Ｐｂを設置する作業を行なっている間、次の管体Ｐｂは
搬入できないことになる。それと逆に管体Ｐｂを搬送し
ている間は、設置作業はできないので作業員の手待ち時
間となるなどの欠点があった。

本考案は前記三つ又による人力作業をなくし搬送と設置
を分離し同時進行も可能とするトンネル内に導水管を設
置する装置の提供を目的とする。

［課題を解決するための手段］ 本願考案に係るトンネル内に導水管を設置する装置は、
トンネル下部の基台上に、断面が上下２面の水平面と該
２面を繋ぐ垂直面よりなる型鋼を２本平行に並べて形成
した１組の軌条と、該軌条の上平面を転走する車輪を装
着した走行台車と、該軌条の上下２面間を転走し、軌条
の軸線と直角方向へ移動自在の吊上げ・吊下し手段を具
えた門横とで構成することによって前記の課題を解決し
た。

［作用］ 第１図は本願考案の実施例の断面図を示す。

図に基いて本願考案の作用を説明すると、トンネル１内
の基台２上に１組の軌条３を敷設する。

軌条３は断面が上下二面の水平面３１，３２とこの２面
を繋ぐ垂直面３３とよりなる型鋼を使用し、Ｉ型，Ｈ
型，「コ」字状の半Ｉ型の何れの形状であってもよい。

走行台車４は軌条の上平面３１の上を転走する複数の車
輪４１を具え、台車上に単位長さに製作した導水管Ｐを
積載してトンネル外の置場から管路継合せの現場まで搬
送する。

これとは別に継合せ現場には門横５が軌条３の外向きの
開口面である上下二面間３４内へ転動自在に車輪５１を
嵌装し、走行台車３とは相互に拘束を受けることなく独
立した移動をすることができる。

門横５には軌条の軸線と直角方向へ移動自在の吊上げ・
吊下し手段５２を具えているから走行台車３上に載積さ
れて運ばれてきた導水管Ｐを吊り上げ、軌条に沿って、
又は軌条方向と直角に搬送して所望の位置に達し、吊り
下して管路の一部に供する役割を全うする。

図の実施例では門横の頂面は軌条の軸線と直角方向へ軌
条外まで延設しているので、軌条内で吊上げた導水管Ｐ
は軌条外へ吊下すことができ、作業範囲を拡張する特有
の作用を有している。

［実施例］ 以下本願実施例を重複を避けて第１図および第２図に基
いて補足説明する。

ダムの下方に設けた仮排水路用のトンネル１内の下側
に、水Ｗを避けた位置に基台２を設置し、基台２の上に
断面「コ」字形の形鋼からなる軌条３を敷設している。

走行台車４はトンネル外の導水管仮置場から導水管Ｐを
積載して運搬し、導水管設置場所に待機している門横５
の内側に入り込んで、吊具５２によって導水管Ｐを懸吊
し、所定の位置に軌条と直角方向に横移動した導水管Ｐ
は架台６上に架設される。導水管Ｐを巻回するロープの
代りに、本願出願人の先願（特開平2-236080号公報）に
提案したようにローラーチエン１０を使用することによ
って導水管Ｐ同志の管端面の合せ作業がさらに容易とな
る。

このようにして走行台車４に載置した導水管Ｐを門横５
が受け取ると、走行台車を移動させて導水管仮置場か
ら、次に必要な導水管Ｐを搬送することができる。その
間に門横５は受け取った導水管Ｐを設置する作業に使用
される。

また走行台車４は導水管Ｐのみならず、ダムの建設用機
材等の運搬に供することができることは言うまでもな
い。

［考案の効果］ 本願考案に係る装置は以上述べたように、門横内を走行
台車が潜り抜けることができるので、門横を使用して導
水管の設置作業を行いながら走行台車は次の作業に必要
な導水管を搬入することができ、連続して導水管の据付
作業が行え、少い作業員数で、工期を短縮できるという
優れた効果を奏する。

さらに台車は工事用機材の搬送に供することができると
いう従来からの利点はそのまま維持している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本願考案の実施例を示す断面図、第２図は同じ
く正面図、第３図と第４図はそれぞれ異る従来の技術を
示す断面図。 １……トンネル ２……基台 ３……軌条 31……上平面 32……下平面 33……垂直面 34……開口面 ４……走行台車 41…車輪 ５……門構 51……車輪 52……吊上・吊下し手段

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】トンネル下部の基台上に、断面が上下２面
   の水平面と該２面を繋ぐ垂直面よりなる型鋼を２本平行
   に並べて形成した１組の軌条と、該軌条の上平面を転走
   する車輪を装着した走行台車と、該軌条の上下二面間を
   転走し、軌条の軸線と直角方向へ移動自在の吊上げ・吊
   下し手段を具えた門構とよりなることを特徴とするトン
   ネル内に導水管を設置する装置。