JPH0641511Y2 - 仏壇の緞帳開閉装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は仏壇の緞帳開閉装置に係り、特に仏壇の内部に
設けられた緞帳を自動的に開閉動作させるための仏壇の
緞帳開閉装置に関する。

〔従来の技術〕

一般に、仏壇には、自家の宗旨に基づく本尊の仏像、祖
先の位牌等を安置し、日夜礼拝供養を行なうものであ
り、この仏壇の内部には、安置された仏像等を覆うため
の緞帳が配設されており、この緞帳は、礼拝に際しては
開放するものであるが、それ以外の場合には、閉鎖して
おくことが多い。そして、近年、この緞帳の開閉を自動
的に行なうようにしたものが開発されてきた。

従来から、このような仏壇の緞帳を自動的に開閉する装
置としては、例えば、仏壇の内部に、２枚の緞帳板を左
右に横開き式に配設し、この各緞帳板を仏壇の両側部に
スライドさせることにより、開閉を行なうようにしたも
のや、２枚の緞帳板をその基端部を中心として回動させ
ることにより観音開き式に開閉を行なうものや、曲面状
の２枚の緞帳板をその円弧に沿ってスライドさせて仏壇
の後面側に収納することにより開閉を行なうもの等があ
る。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、このような開閉装置において、前記仏壇の両側
部あるいは後面側に緞帳板を収納する構成の場合は、別
個に緞帳板の収納空間を形成する必要があり、また、緞
帳板を回動により開閉する構成の場合は、この緞帳板が
開閉するための空間が必要であり、前記いずれの装置に
おいても、極めてスペース効率が悪いという問題があっ
た。

本考案はこれらの点に鑑みてなされたものであり、緞帳
板を上下方向に分割して、緞帳板を上下方向に開閉可能
とし、また、スペース効率を向上させることができ、容
易にかつ安価に製造することのできる仏壇の緞帳開閉装
置を提供することを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

前記目的を達成するため本考案に係る仏壇の緞帳開閉装
置は、仏壇の内部に、縦方向に延びる１対のサイドフレ
ームを配設し、これら各サイドフレームの間に上下方向
に複数の緞帳板に分割されるとともに各緞帳板を前記サ
イドフレームに沿って昇降自在としてそれぞれ上下に収
納自在とされた緞帳を配設し、前記各サイドフレームの
内部に一面側にラックギヤア形成された１対の駆動バー
をそれぞれ前記ラックギアが対向するように昇降動作自
在に配設し、一方のサイドフレームの各駆動バーに前記
上下収納位置に近接する位置の緞帳板を連結するととも
に、他方のサイドフレームの各駆動バーに前記上下収納
位置から離隔した位置の緞帳板を連結し、前記各サイド
フレームの各駆動バーの間にラックギアに噛合され前記
各駆動バーを上下方向に移動させる駆動ピニオンを配設
し、前記上下収納位置に近接する位置の緞帳板が連結さ
れた駆動バーの駆動ピニオンに回転駆動装置を接続する
とともに、前記上下収納位置から離隔した位置の緞帳板
が連結された駆動バーの駆動ピニオンにこの離隔した位
置の緞帳板が前記収納位置に近接する位置の緞帳板とほ
ぼ同時に収納されるように異なる回転速度で駆動される
他の回転駆動装置を接続したことを特徴とするものであ
る。

〔作用〕

本考案によれば、各回転駆動装置を駆動して駆動ピニオ
ンを回転駆動させることにより、ラックギアを介して各
駆動バーを駆動させ、これにより、これら駆動バーに連
結されている上下方向に分割された複数枚の緞帳を上下
方向に開閉させるものである。この場合に、異なる速度
で回転駆動される各回転駆動装置の回転力を駆動ピニオ
ンおよびラックギアを介して駆動バーに伝達して各緞帳
板を昇降動作させるようにしているので、回転駆動装置
の回転力を確実に駆動バーに伝達して各回転駆動装置の
回転量に応じた正確な緞帳板の昇降動作を行なうことが
でき、しかも、上下収納位置から離隔した位置の緞帳板
を上下収納位置に近接する位置の緞帳板に対して速い速
度で昇降動作させて各緞帳板をほぼ同時に収納させるこ
とができるものである。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を第１図から第４図を参照して説
明する。

第１図から第４図は本考案の一実施例を示したもので、
図示しない仏壇内部には、上下方向に延びる１対のサイ
ドフレーム1a,1bが所定間隔を有するように配置されて
おり、これら各サイドフレーム1a,1bの上端部および下
端部には、前記各サイドフレーム1a,1bを平行にかつ所
定間隔を有するように保持する連結板2,2が固着されて
いる。

また、前記各サイドフレーム1a,1bの互いに逆側の側面
には、上下方向に延在する駆動ガイド溝3,3がそれぞれ
形成されており、前記各サイドフレーム1a,1bの内側面
には、同様に上下方向に延在する保持ガイド溝4,4がそ
れぞれ形成されている。前記サイドフレーム1a,1bの駆
動ガイド溝３および保持ガイド溝４の間には、それぞれ
４枚の緞帳板5a,5b,5c,5dが配設されており、前記緞帳
板５の内、中部上側および中部下側の緞帳板5b,5cは、
一方のサイドフレーム（本実施例においては、右側）1a
の駆動ガイド溝３および他方のサイドフレーム1bの保持
ガイド溝４の間に保持されるとともに、上部および下部
の緞帳板5a,5dは、他方のサイドフレーム（本実施例に
おいては、左側）1bの駆動ガイド溝３および一方のサイ
ドフレーム1aの保持ガイド溝４の間に保持されている。

さらに、前記各緞帳板5a,5b…の前記駆動ガイド溝３側
端部には、前記駆動ガイド溝３の内部に位置するガイド
ローラ６が回転自在に取付けられており、前記中部上側
および中部下側の緞帳板5b,5cは、右側のサイドフレー
ム1aの駆動ガイド溝３および左側のサイドフレーム1bの
保持ガイド溝４に沿って昇降自在とされ、前記上部およ
び下部の緞帳板5a,5dは、左側のサイドフレーム1bの駆
動ガイド溝３および右側のサイドフレーム1aの保持ガイ
ド溝４に沿って昇降自在とされている。

また、前記各サイドフレーム1a,1bの内部には、それぞ
れ２本の駆動バー7,7がサイドフレーム1a,1bに沿って移
動自在に配設されており、前記各駆動バー７の互いに対
向する面には、それぞれラックギア８が形成されてい
る。前記右側のサイドフレーム1aの一方の駆動バー７の
上端部には、前記中部上側緞帳板5bに係合される連結ピ
ン９が突出形成されており、他方の駆動バー７の下端部
には、前記中部下側緞帳板5cに係合される連結ピン９が
突出形成されている。同様に、左側のサイドフレーム1b
の各駆動バー７には、図示しないが、上部緞帳板5aおよ
び下部緞帳板5dにそれぞれ係合される連結ピンが形成さ
れている。さらに、前記各サイドフレーム1a,1bの各駆
動バー７の間には、前記駆動バー７の各ラックギア８に
噛合される駆動ピニオン10,10がそれぞれ配設されてお
り、前記右側のサイドフレーム1aの駆動ピニオン10に
は、回転駆動装置としての中部用駆動モータ11が接続さ
れ、前記左側のサイドフレーム1bの駆動ピニオン10に
は、前記中部用駆動モータ11に対して1/2の回転数で回
転駆動される上下部用駆動モータ12が接続されている。

なお、前記各緞帳板5a,5b…の前面には、各緞帳板5a,5b
…が閉じた状態で１つの絵柄を形成する絵等を描いてお
いてもよいし、また、前記各緞帳板5a,5b…が昇降する
際に変化する動的な絵等を描いておいてもよい。

次に、本実施例の作用について説明する。

まず、第３図に示す全閉状態から緞帳板５を開く場合
は、前記中部用駆動モータ11を駆動することにより、駆
動ピニオン10およびラックギア８を介して各駆動バー７
を互いに逆方向に駆動させる。これにより、前記中部上
側緞帳板5bが上方に、中部下側緞帳板5cが下方にそれぞ
れ駆動ガイド溝３および保持ガイド溝４に沿って移動さ
れる。一方、上下部用駆動モータ12を駆動して駆動ピニ
オン10を介して各駆動バー７を逆方向に駆動することに
より、上部緞帳板5aが上方に、下部緞帳板5dが下方にそ
れぞれ移動される。

そして、上部および中部上側の緞帳板5a,5bは、互いに
重ね合わされながら連結板２の上方に収納されるととも
に、下部および中部下側の緞帳板5c,5dも、それぞれ重
ね合わされながら連結板２の下方に収納され、この状態
で、前記各駆動モータ７が停止され、第４図に示すよう
に、各緞帳板5a,5b…は、完全に開かれた状態に保持さ
れる。この場合において、前記中部用駆動モータ11の回
転数と上下部用駆動モータ12の回転数との比が2:1とな
るように駆動するようにしているので、前記中部の各緞
帳板5b,5cの移動速度が上部および下部の緞帳板5a,5dの
移動速度の２倍となり、各緞帳板5a,5b…は、ほぼ同時
に連結板２の上方および下方に収納されることになる。

また、各緞帳板５を閉じる場合は、前記中部用駆動モー
タ11および上下部用駆動モータ12を逆方向に回転駆動し
て駆動ピニオン10を介して各駆動バー７を開放時と逆方
向に駆動させることにより、各緞帳板5a,5b,5c,5dは、
駆動ガイド溝３および保持ガイド溝４に沿って下降およ
び上昇され、中部の各緞帳板5b,5cの端面が当接するこ
とにより、各駆動モータ11,12が停止され、第３図に示
すように、各緞帳板5a,5b…が閉じられる。

したがって、本実施例においては、各駆動モータ11,12
の駆動により、容易にかつ確実に緞帳板5a,5b…の開閉
駆動を行なうことができ、しかも、各駆動モータ11,12
により駆動ピニオン10を回転駆動してラックギア８を介
して駆動バー７を上下方向に駆動させることにより、各
緞帳板5a,5b…を昇降動作させるようにしているので、
駆動モータ11,12の回転力を確実に駆動バー７に伝達し
て各駆動モータ11,12の回転量に応じた正確な緞帳板5a,
5b…の昇降動作を行なうことができる。また、サイドフ
レーム1a,1bに収容された駆動バー７により、４枚の緞
帳板5a,5b…を開閉させるようにしているので、厚さ方
向の寸法を著しく低減させることができ、スペース効率
を著しく向上させることができ、しかも、構造が簡単
で、容易に製造することができ、製造コストの低減を図
ることができる。さらに、緞帳を上下に分離するように
して開放したり閉塞されるため、本尊等に不敬とならな
い。

なお、前記実施例においては、緞帳板が４枚の場合につ
いて説明したが、緞帳板を３枚にして中部緞帳板を上方
あるいは下方に移動させてもよいし、さらに、緞帳板を
２枚に形成するようにしてもよい。

また、本考案は前記各実施例に限定されるものではな
く、必要に応じて種々変更することが可能である。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案に係る仏壇の緞帳開閉装置は、
各回転駆動装置を異なる速度で駆動することにより、容
易にかつ正確な緞帳板の昇降動作を行なうことができる
とともに、収納位置から離隔した位置の緞帳板と収納位
置に近接する位置の緞帳板とをほぼ同時に収納させるこ
とができる。また、サイドフレームに収容された駆動バ
ーにより、各緞帳板を開閉させるようにしているので、
厚さ方向の寸法を著しく低減させることができ、スペー
ス効率を著しく向上させることができ、しかも、構造が
簡単で、容易に製造することができ、製造コストの低減
を図ることができる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る緞帳開閉装置の一実施例を示す斜
視図、第２図は第１図の内部機構を示す一部の分解斜視
図、第３図は各緞帳板が閉じた状態を示す概略説明図、
第４図は各緞帳板が開いた状態を示す概略説明図であ
る。 １……サイドフレーム、３……駆動ガイド溝、４……保
持ガイド溝、５……緞帳板、６……ガイドローラ、７…
…駆動バー、８……ラックギア、10……駆動ピニオン、
11……中部用駆動モータ、12……上下部用駆動モータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】仏壇の内部に、縦方向に延びる１対のサイ
   ドフレームを配設し、これら各サイドフレームの間に上
   下方向に複数の緞帳板に分割されるとともに各緞帳板を
   前記サイドフレームに沿って昇降自在としてそれぞれ上
   下に収納自在とされた緞帳を配設し、前記各サイドフレ
   ームの内部に一面側にラックギアが形成された１対の駆
   動バーをそれぞれ前記ラックギアが対向するように昇降
   動作自在に配設し、一方のサイドフレームの各駆動バー
   に前記上下収納位置に近接する位置の緞帳板を連結する
   とともに、他方のサイドフレームの各駆動バーに前記上
   下収納位置から離隔した位置の緞帳板を連結し、前記各
   サイドフレームの各駆動バーの間にラックギアに噛合さ
   れ前記各駆動バーを上下方向に移動させる駆動ピニオン
   を配設し、前記上下収納位置に近接する位置の緞帳板が
   連結された駆動バーの駆動ピニオンに回転駆動装置を接
   続するとともに、前記上下収納位置から離隔した位置の
   緞帳板が連結された駆動バーの駆動ピニオンにこの離隔
   した位置の緞帳板が前記収納位置に近接する位置の緞帳
   板とほぼ同時に収納されるように異なる回転速度で駆動
   される他の回転駆動装置を接続したことを特徴とする仏
   壇の緞帳開閉装置。