JP2595268Y2 - パネルシャッターの密封装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、シャッター全閉時の
パネルとガイドレールとの間を密閉するパネルシャッタ
ーの密封装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図５は従来のパネルシャッターを示す概
略的な正面図、図６は図５のＣ−Ｃ線拡大断面図であ
る。図において、１はシャッター開閉用開口の両側に起
立配置された左右一対のガイドレールであり、これらの
ガイドレール１は、それぞれの対向面部にパネルガイド
用の縦長開口１ａ（図６参照）を有する中空部材から成
っている。

【０００３】２は前記ガイドレール１の上部に配置され
たパネル収納部であり、このパネル収納部２内における
前記ガイドレール１の上方位置にはパネル昇降駆動系の
スプロケット（図示せず）が配置され、このスプロケッ
トにはチェーン３が噛合している。

【０００４】前記チェーン３には、前記ガイドレール１
の相互間を昇降開閉する上下複数段のパネル４のそれぞ
れ両側上部がロングピンＰを介して回動自在に連繋吊持
させてある。なお、前記ロングピンＰの外端部にはガイ
ドローラＲが回転自在に取り付けられている。

【０００５】以上において、前記ガイドレール１の縦長
開口１ａの両端縁部には、図６に示す如く、前記パネル
４の両端部における室内側と室外側の両面を摺接させる
ためのガイドビード５が取り付けられている。

【０００６】次に動作について説明する。左右のガイド
レール１間に上下複数段のパネル４が全て繰り出された
シャッター全閉状態において、パネル収納部２内のスプ
ロケットがパネル巻上げ方向に回転駆動されると、該ス
プロケットでチェーン３が巻き上げられることにより、
前記ガイドレール１間のパネル４が順次パネル収納部２
内に進入してくる。

【０００７】そして、パネル収納部２内でスプロケット
を通過したパネル４は、その両側の上部ガイドローラＲ
が支持レール（図示せず）上に移行することにより、前
記パネル収納部２内では各パネル４が並行折畳状態に収
納される。

【０００８】このようなパネル収納状態から前記スプロ
ケットがパネル繰出方向に回転駆動させると、前記各パ
ネル４はチェーン３を介してガイドレール１間に繰り出
されることにより、該ガイドレール１間が前記各パネル
４で閉鎖される。

【０００９】

【考案が解決しようとする課題】従来のパネルシャッタ
ーは以上のように構成され、ガイドレール１の縦長開口
１ａの端縁部にはガイドビード５が取り付けられている
にすぎず、シャッター全閉時にガイドレール１と各パネ
ル４との間隙を封鎖する何らの密封手段も講じられてい
ないため、雨天時のシャッター全閉時には、前記ガイド
レール１と各パネル４との隙間から雨水が侵入すること
となり、これに起因して、パネルシャッターをサッシと
して適用できないという課題があった。

【００１０】この考案は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、パネルの昇降動作に関連応動して
シャッター全閉時にガイドレールとパネルとの間隙を自
動的に密封し、外部からの雨水侵入を確実に防止するこ
とができ、且つ、パネルの昇降動作時には前記間隙の密
封が解除されてパネル昇降動作が円滑に行え、サッシの
ような窓としても適用可能なパネルシャッターの密封装
置を提供することを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】請求項１の考案に係るパ
ネルシャッターの密封装置は、シャッター開閉用開口の
両側に起立配置された左右一対のガイドレールの内部
に、該ガイドレール間を昇降開閉する一連のパネルに密
着して該パネルとガイドレールとの間を密封する封止位
置と前記各パネルから離れる封止解除位置とに回動変位
可能な封止部材を有する回転式密封機構を設け、この回
転式密封機構を開閉動作時の前記パネルに連動させ、前
記封止部材が、パネル全閉位置で各パネルに対する封止
位置に回動変位し、且つ、前記パネルの昇降動作時には
前記封止解除位置に回動変位するように構成したもので
ある。

【００１２】請求項２の考案に係るパネルシャッターの
密封装置は、ガイドレールの内壁部に、各パネルのガイ
ドローラをパネル昇降方向へ移動自在に嵌込み係合させ
るパネル横振れ防止用の内部ガイドを設けたものであ
る。

【００１３】

【作用】請求項１の考案におけるパネルシャッターの密
封装置によれば、ガイドレール間を下降する一連のパネ
ルが全閉位置に到達する際に、該パネルに連動する回転
式密封機構の封止部材が回動変位して前記一連のパネル
に密着することにより、前記ガイドレールとパネルとの
間隙が密封される。従って、雨天時のシャッター全閉時
にガイドレールとパネルとの間隙より雨水が侵入するよ
うなことがなくなる。また、全閉状態のパネルが上昇動
作を開始すると、前記回転式密封機構の封止部材がパネ
ル封止解除位置に回動変位することにより、前記パネル
の上昇動作および爾後の下降動作が円滑に行われる。

【００１４】請求項２の考案におけるパネルシャッター
の密封装置では、各パネルのガイドローラがガイドレー
ルの内部ガイドに昇降自在に嵌込み係合されていること
により、パネルに対する回転式密封機構の押圧力等によ
る前記パネルの横振れが確実に防止される。

【００１５】

【実施例】以下、この考案の一実施例を図について説明
する。図１はこの考案の一実施例によるパネルシャッタ
ーの概略的な縦断側面図、図２は図１の要部となるガイ
ドレール内部の構成を説明するための拡大縦断側面図、
図３は図２のＡ−Ａ線断面図、図４は図２のＢ−Ｂ線断
面図であり、図５および図６と同一または相当部分には
同一符号を付して重複説明を省略する。

【００１６】図において、４Ａはシャッター全閉状態で
の最上部パネル、４Ｂは同じくシャッター全閉状態での
最下部パネルであり、これらの最上部パネル４Ａと最下
部パネル４Ｂおよびそれら両者間の複数の中間パネル４
Ｃは、それぞれの両側部（縦框）がガイドレール１の縦
長開口１ａに昇降自在に嵌込み係合され、図４に示した
従来の場合と同様にロングピンＰを介してパネル昇降駆
動系のチェーン３で連繋吊持されている。

【００１７】６はパネル収納部２内における前記ガイド
レール１の上方に配置されたパネル昇降駆動系のスプロ
ケットであり、このスプロケット６に前記チェーン３が
噛合している。７はパネル収納部２内に配置され、前記
スプロケット６をパネル収納方向側に通過したパネル４
Ａ〜４Ｃの各ガイドローラＲを転動支承させるパネル収
納用の支持レールである。

【００１８】８はガイドレール１の内部に設けられた回
転式密封機構であり、この回転式密封機構８は、シャッ
ター全閉時にガイドレール１と一連のパネル４Ａ〜４Ｃ
との間隙を密封する封止部材９を有し、この封止部材９
はガイドレール１の全長に亘って縦方向に伸びる水切部
材から成っている。

【００１９】１０は前記封止部材９が先端に取付けられ
た回動フレームであり、この回動フレーム１０は通し縦
軸１１を介してガイドレール１の内部に支持されてい
る。ここで、前記ガイドレール１の内壁部には前記回動
フレーム１０のストッパ１２が一体に設けられ、このス
トッパ１２は、前記封止部材９がパネル４Ａ〜４Ｃの両
側（縦框）に密着する封止位置と、該封止位置から離間
する封止解除位置とに回動変位するように、その回動範
囲を９０度に規制している。

【００２０】前記通し縦軸１１は前記回動フレーム１０
と一体の回転軸から成るもので、その通し縦軸１１には
上部従動歯車１３と下部従動歯車１４のそれぞれが一体
に嵌着され、上部従動歯車１３はシャッター全閉時の最
上部パネル４Ａに対応位置し、且つ、下部従動歯車１４
はシャッター全閉時の最下部４Ｂに対応位置したものと
なっている。

【００２１】１５は前記上部従動歯車１３に噛合した上
部主動歯車、１６は前記下部従動歯車１４に噛合した下
部主動歯車であり、これらの上部主動歯車１５および下
部主動歯車１６は螺旋溝１５ａ，１６ａをそれぞれ有し
ており、これらの螺旋溝１５ａ，１６ａは、前記回動フ
レーム１０を９０度の範囲で往復回動変位させる螺旋角
度に形成されている。

【００２２】１７，１８は前記ガイドレール１の内壁面
に設けられて前記上部主動歯車１５と下部主動歯車１６
をそれぞれ回転自在に支承している軸受部である。１９
は最上部パネル４Ａの両端一側に一体突設された上部係
合ピン、２０は最下部パネル４Ｂの両端一側に一体突設
された下部係合ピンであり、これらの上部係合ピン１９
および下部係合ピン２０は、前記ガイドレール１に沿っ
たパネル４Ａ〜４Ｃの昇降動作時に、上部主動歯車１５
の螺旋溝１５ａおよび下部主動歯車１６の螺旋溝１６ａ
と係脱するようになっている。

【００２３】以上のように、図示例の回転式密封機構８
は、ガイドレール１の全長に亘る縦長の封止部材９を先
端に有する回動フレーム１０と、この回動フレーム１０
の回転支軸となる通し縦軸１１に嵌着された上下の従動
歯車１３，１４と、これらの従動歯車１３，１４に噛合
して個々が螺旋溝１５ａ，１６ａを有する上下の主動歯
車１５，１６と、最上部パネル４Ａと最下部パネル４Ｂ
に設けられ、シャッター開閉動作時に前記螺旋溝１５
ａ，１６ａに係脱させる上下の係合ピン１９，２０とを
備えた主要構成となっている。

【００２４】ここで、上部係合ピン１９と下部係合ピン
２０と上部主動歯車１５の配置関係について述べると、
一般にこの種のシャッター開放状態（パネル収納状態）
において、最下部パネル４Ｂはその下部がマグサ（図１
では天井２１）より下部でガイドレール１の上部に位置
した保持状態となるので、この状態で、下部係合ピン２
０の上方に上部主動歯車１５が位置するように、該上部
主動歯車１５はガイドレール１内の上部に配置されてい
る。これにより、シャッター開閉動作時の前記下部係合
ピン２０は上部主動歯車１５を通過せず、この上部主動
歯車１５の螺旋溝１５ａには上部係合ピン１９のみが係
脱するようになっている。

【００２５】２２はガイドレール１の背壁内面中央部に
設けられてその縦方向全体に伸びる溝レール状の内部ガ
イドで、この内部ガイド２２には、パネル４Ａ〜４Ｃの
昇降動作時にガイドローラＲが嵌まり込んでガイドされ
ることにより、前記パネル４Ａ〜４Ｃの振れが防止され
るようになっている。

【００２６】次に動作について説明する。パネル収納部
２内の支持レール７に全てのパネル４Ａ〜４Ｃが収納吊
持された状態において、スプロケット６がパネル繰出方
向に回転駆動れると、該スプロケット６に噛合したチェ
ーン３を介して最下部パネル４Ｂ、中間パネル４Ｃ、最
上部パネル４Ａがこの順序でガイドレール１間を下降す
る。

【００２７】このようなパネル下降動作過程において、
最下部パネル４Ｂが接地付近にまで到達すると、この最
下部パネル４Ｂの係合ピン２０が下部主動歯車１６の螺
旋溝１６ａに係合すると共に、最上部パネル４Ａの係合
ピン１９が上部主動歯車１５の螺旋溝１５ａに係合す
る。

【００２８】それらの係合後においても、各パネル４Ａ
〜４Ｃが下降動作を継続することにより、前記上下の係
合ピン１９，２０で上下の主動歯車１５，１６が回動
し、これに噛合した従動歯車１３，１４を介して回動フ
レーム１０が図３に示す封止解除位置から図４に示す封
止位置に９０度回動変位する。

【００２９】これによりシャッター全閉状態では、前記
回動フレーム１０の先端の封止部材９が上下一連のパネ
ル４Ａ，４Ｃ，４Ｂの両端縦框のガイドレール１内にお
ける室外側の一側面に密着する。従って、シャッター全
閉時には、ガイドレール１と一連のパネル４Ａ，４Ｃ，
４Ｂとの間が自動的に密封され、それらの間隙から室内
側に雨水等が侵入するようなことがなくなる。

【００３０】このようなシャッター全閉状態からスプロ
ケット６がパネル収納方向に回転駆動されると、チェー
ン３を介して各パネル４Ａ，４Ｃ，４Ｂが上昇動作を開
始するが、このとき、上部係合ピン１９と下部係合ピン
２０によって上部主動歯車１５と下部主動歯車１６が前
記パネル繰出時とは逆方向に回動することにより、それ
らの主動歯車１５，１６に噛合した従動歯車１３，１４
を介して回動フレーム１０が図４の封止位置から図３の
封止解除位置に回動変位し、前記密封が解除される。従
って、各パネル４Ａ，４Ｃ，４Ｂはガイドレール１に沿
って収納方向に円滑に上昇する。

【００３１】なお、上記実施例において、上部主動歯車
１５とこれに噛合する上部従動歯車１３は、シャッター
開閉動作時に下部係合ピン２０が前記上部主動歯車１５
を通過する位置に配置されたものであってもよい。この
場合、下部係合ピン２０は、上部主動歯車１５の螺旋溝
１５ａとは全く係合せず、下部主動歯車１６の螺旋溝１
６ａとのみ係合するように、上部係合ピン１９よりも長
さを短くすればよく、この場合であっても同様の作用効
果が得られる。

【００３２】また、上記実施例におけるガイドレール１
内のストッパ１２と、これにパネル封止位置で当接する
回動フレーム１０の当接面部との少なくとも何れか一方
にはシール部材を設けてもよく、この場合、シャッター
全閉時における密封性能が一層向上する。

【００３３】

【考案の効果】以上のように、請求項１の考案によれ
ば、ガイドレール間を下降する一連のパネルが全閉位置
に到達する際に、該パネルに連動する回転式密封機構の
封止部材が回動変位して前記一連のパネルに密着する構
成としたので、シャッター全閉時における前記ガイドレ
ールとパネルとの間隙を自動的に且つ確実に密封するこ
とができる。従って、雨天時にガイドレールとパネルと
の間隙より雨水が侵入するようなことがなくなるという
効果がある。また、全閉状態のパネルが上昇動作を開始
すると、前記回転式密封機構の封止部材がパネル封止解
除位置に回動変位することにより、前記パネルの上昇動
作および爾後の下降動作が円滑に行われるという効果が
ある。

【００３４】請求項２の考案によれば、各パネルのガイ
ドローラがシャッター開閉動作時にガイドレールの内部
ガイドに昇降自在に嵌込み係合される構成としたことに
より、パネルに対する回転式密封機構の押圧力等による
前記パネルの振れ現象が確実に防止されるという効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例によるパネルシャッターの
概略的な縦断側面図である。

【図２】図１の要部となるガイドレール内部の構成を説
明するための拡大縦断側面図である。

【図３】図２のＡ−Ａ線断面図で、パネル封止解除状態
を示す。

【図４】図２のＢ−Ｂ線断面図で、パネル封止状態を示
す。

【図５】従来のパネルシャッターを示す概略的な正面図
である。

【図６】図５のＣ−Ｃ線拡大断面図である。

【符号の説明】

１ ガイドレール １ａ 縦長開口 ４Ａ，４Ｂ，４Ｃ パネル ８ 回転式密封機構 ９ 封止部材 ２２ 内部ガイド Ｒ ガイドローラ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) E06B 9/06 E06B 9/17

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シャッター開閉用開口の両側に起立配置
   され、それぞれの対向面部にパネルガイド用の縦長開口
   を有する左右一対のガイドレールと、これらのガイドレ
   ールの前記縦長開口に両側部が昇降自在に嵌込み係合さ
   れ、前記ガイドレール間を昇降開閉すべく連繋された一
   連のパネルとを備えて成るパネルシャッターの密封装置
   であって、前記ガイドレールの内部には、前記各パネル
   に密着して該パネルとガイドレールとの間を密封する封
   止位置と前記各パネルから離れる封止解除位置とに回動
   変位可能な封止部材を有する回転式密封機構を設け、こ
   の回転式密封機構を開閉動作時の前記パネルに連動さ
   せ、前記封止部材が、パネル全閉位置で各パネルに対す
   る封止位置に回動変位し、且つ、前記パネルの昇降動作
   時には前記封止解除位置に回動変位するように構成した
   ことを特徴とするパネルシャッターの密封装置。
2. 【請求項２】 前記各パネルの両側部にはガイドローラ
   が回転自在に設けられ、前記ガイドレールの内壁部に
   は、前記ガイドローラをパネル昇降方向へ移動自在に嵌
   込み係合させるパネル横振れ防止用の内部ガイドが設け
   られていることを特徴とする請求項１記載のパネルシャ
   ッターの密封装置。