JPH0641301Y2 - 電気機器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案は、電気機器に関し、特に、裸架空線をブッシン
グを介してガス絶縁開閉装置等に直接引込む場合に有用
な電気機器に関する。

（従来の技術） 一般に、密閉型電気機器の耐電圧試験や特性試験等を現
地で行なう場合、密閉型電気機器に直結されたブッシン
グと、予備移動機器に直結された課電用ブッシング間を
裸架空線で接続することが行われている。

第３図はガス絶縁開閉装置等の密閉型電気機器の概略説
明図、第４図はガス絶縁開閉装置を構成する機器ケース
とブッシングとの直結状況を示す拡大断面図を示してい
る。これらの図において、ガス絶縁開閉装置１に直結さ
れたブッシング２内の中心位置には、導体引出棒３が配
設されており、この導体引出棒３の先端部には、上記の
裸架空線（不図示）が電気的に接続されている。

一方、上記のブッシング２は、ガス絶縁開閉装置１の機
器ケース４の開口部５を封止するように設けられてお
り、上記の導体引出棒３の下端部は電気機器本体（不図
示）の充電部６に電気的に接続されている。符号７は、
上記の機器ケース４内およびブッシング２内に工場にお
いて封入されたSF₆ガスを示しており、このSF₆ガス７
は、ガス絶縁開閉装置１の充電部と機器ケース４間の絶
縁離隔距離（三相の場合は異相間の絶縁離隔距離）を短
かくして機器ケース４全体を小型化するために封入され
ている。

図中、符号８は架空線に電気的に接続される導電性の円
板、９は導体引出棒３と円板８との接続部、10は導体引
出棒３と電気機器本体の充電部６との接続部、11はシー
ルドを示している。

（考案が解決しようとする問題点） ところで、かかる構成のガス絶縁開閉装置１において
は、機器ケース４およびブッシング２内にSF₆ガス７を
封入した状態で、すなわち機器ケース４の上部にブッシ
ング２を直結させた状態でガス絶縁開閉装置１が現地に
搬入されるので、ブッシング２が輸送上の障害となる欠
点があった。

本考案はかかる従来の欠点を解消すべくなされたもの
で、ブッシングを直結しない状態でガス絶縁開閉装置等
の電気機器を現地に搬入し、かつ現地においてブッシン
グを、機器ケースに簡便に直結しうる電気機器を提供す
ることを目的とする。

［考案の構成］ （問題点を解決するための手段） 本考案の電気機器は、電気機器本体を被包し内部に絶縁
流体を封入した機器ケースと、現地において前記機器ケ
ースに着脱自在に直結される架空線引込み用のブッシン
グとを備え、前記機器ケースの外表面には、前記電気機
器本体に電気的に接続された雌接続子が気密に露出され
ており、この雌接続子に、前記ブッシングを構成する導
体引出棒の下端部がプラグイン接続される如く構成され
ていることを特徴としている。

（作用） 本考案では上述したように、機器ケースの外表面に、電
気機器本体に電気的に接続された雌接続子を気密に露出
させ、この雌接続子に、架空線引込み用のブッシングを
構成する導体引出棒の下端部をプラグイン方式で装着で
きるようにしているので、ブッシングを直結しなくて
も、機器ケース側のガスシールが可能となり、この結
果、ブッシングを直結しない状態で電気機器を現地に搬
入することができ、ひいては電気機器の輸送上の障害を
解消することができる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面を用いて説明する。

第１図は、本考案の一実施例を示すガス絶縁開閉装置12
等の電気機器の要部縦断面図、第２図は電気機器を構成
する機器ケースにブッシングを直結させた状態を示す要
部縦断面図である。第１図において、遮断器や断路器等
の電気機器本体（図示せず）を被包する機器ケース13の
上部には例えば３個の開口部14が設けられており、この
開口部14は凹陥部15を有する封止体16でそれぞれ気密に
封止されている。

封止体16は、その大径部側にフランジ17を有するエポキ
シ套管等の小ブッシング18と、小ブッシング18の小径部
側の開口部に、エポキシモールド等によってこの開口部
14を気密に封止するように設けられた縦断面略凸状の充
電部19と、この充電部19のボス20にその一方の肩部に接
触保持させた雌接続子21とで主に構成されている。

雌接続子21は、例えば断面凹状の複数の接触子22と、こ
れらの接触子を円筒状に配列したものの外周に巻回され
たガータースプリング23とで構成されており、それ自身
の内径が径方向に伸縮するように構成されている。

上記の封止体16は、以下の如くして機器ケース13に取着
されている。すなわち、小ブッシング18のフランジ17を
機器ケース13の開口部14周縁の内壁にパッキング24を介
して当接し、円周方向に等配した図示しないボルトによ
り、フランジ17と機器ケース13とを一体に締結する。

機器ケース13の開口部14は以上の如くして気密に封止さ
れる。

しかして、工場において機器ケース13内にSF₆ガス等の
絶縁流体25を封入し、かつ開口部14を盲板26で閉塞した
後、この状態ですなわち開口部14に後述する架空線引込
み用のブッシングを直結しない状態でガス絶縁開閉装置
12等の電気機器を現地に搬入する。

符号Ｂは、現地に搬入したガス絶縁開閉装置12等の電気
機器に直結される架空線引込み用のブッシングを示して
おり、このブッシングＢは、次のようにして電気機器に
直結される。すなわち、先ず、盲板26を取り外し、第２
図に示すように開口部14に、必要により筒状のシールド
27を開口部14と同心的に配設する。

次いで、ブッシングＢを構成する碍管28の底部に固着さ
れた環状底板29を開口部14周縁の外壁にパッキング24′
を介して当接し円周方向に等配した図示しないボルトに
より、碍管28の環状底板29を、機器ケース13の外壁に直
結する。そして碍管28の頂部に設けられた上部金具29の
挿通孔30より、棒状の導体引出棒31を碍管28内に挿入
し、その下端部に装着されたプラグ（図示せず）を雌接
続子21にプラグイン接続し、導体引出棒31の上端部をク
ランプ32で固定する。次に、たとえば上部金具29に設け
られたコネクタ33を介して碍管28内にSF₆ガス等の絶縁
流体25′を封入する。

なお、碍管28の上部より突出された導体引出棒31の上端
部と、予備移動機器（不図示）に直結された課電用ブッ
シングの上端部（不図示）間は、裸架空線（不図示）で
電気的に接続されている。

図中、符号34は両覆、35は埋込金具、36はパッキングを
示している。

なお、前述の実施例においては、機器ケース13の上部に
凹陥部15を設けた場合について述べてあるが、本考案は
これに限定されず、例えば、凹陥部を有しない機器ケー
ス13の外表面に雌接続子21を気密に露出させてもよく、
また機器ケース13およびまたはブッシングＢ内に封入す
るSF₆ガスに代えて絶縁油を充填してもよい。さらに本
考案においては、機器ケース13内に収納される開閉器等
に代えてトランス等の電気機器を収納してもよい。

［考案の効果］ 以上、説明したように本考案によれば、ガス絶縁開閉装
置等の電気機器に架空線引込み用のブッシングを直結し
なくても機器ケース側のガスシールを行なうことができ
るので、ブッシングを直結しない状態で電気機器を現地
に搬入することができ、ひいては電気機器の輸送上の障
害を解消することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るガス絶縁開閉装置等の電気機器の
要部縦断面図、第２図は第１図の機器ケースにブッシン
グを直結させた状態を示す要部縦断面図、第３図は従来
のガス絶縁開閉装置の概略説明図、第４図は機器ケース
とブッシングとの直結状況を示す拡大断面図である。 12……ガス絶縁開閉装置 13……機器ケース 14……開口部 15……凹陥部 16……封止体 21……雌接続子 25……絶縁流体 26……盲板 28……碍管 31……導体引出棒 Ｂ……ブッシング

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 吉川 英雄 神奈川県川崎市川崎区小田栄２丁目１番１ 号 昭和電線電纜株式会社内 (56)参考文献 実公 昭55−33771（ＪＰ，Ｙ２)

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】電気機器本体を被包し内部に絶縁流体を封
   入した機器ケースと、現地において前記機器ケースに着
   脱自在に直結される架空線引込み用のブッシングとを備
   え、前記機器ケースの外表面には、前記電気機器本体に
   電気的に接続された雌接続子が気密に露出されており、
   この雌接続子に、前記ブッシングを構成する導体引出棒
   の下端部がプラグイン接続される如く構成されているこ
   とを特徴とする電気機器。
2. 【請求項２】機器ケースの上部に設けられた開口部を、
   凹陥部を有する封止体で封止し、この封止体の凹陥部の
   底部に雌接続子を配設して成ることを特徴とする実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の電気機器。