JPH0640752A - 車輌用電波透過熱線反射ガラス - Google Patents

車輌用電波透過熱線反射ガラス

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JPH0640752A
JPH0640752A JP9758492A JP9758492A JPH0640752A JP H0640752 A JPH0640752 A JP H0640752A JP 9758492 A JP9758492 A JP 9758492A JP 9758492 A JP9758492 A JP 9758492A JP H0640752 A JPH0640752 A JP H0640752A
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heat insulating
film
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弘 中嶋
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裕伸 飯田
Yoshihiro Yano
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Abstract

(57)【要約】 【構成】断熱膜並びに各種アンテナを備えた自動車用窓
ガラスにおいて、該アンテナの主要エレメントに直交す
る方向に、前記断熱膜を100mm以下のストライプ幅
になるよう少なくとも分割し、分割溝を形成して定型状
に成る車輌用電波透過熱線反射ガラス。並びに前記断熱
膜を100mm以下のストライプ幅が、到来電波の波長
λの1/20倍以下になるように分割する前記ガラス。
更に前記分割溝の幅が、5mm以下である前記ガラス。
及び前記定型状の分割形状が、ストライプ状または格子
状である前記ガラス。 【効果】FM帯およびVHF帯においては勿論各種放送
電波を充分透過し、本来のガラスアンテナの性能を発揮
でき得、かつ熱線を反射して断熱性能を充分有し、冷暖
房における負荷の低減等ができて、運転者等の搭乗者に
対して安全性並びに居住性に優れ、環境にも優しいもの
となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、断熱膜ならびに各種ア
ンテナを備えた自動車用窓ガラスに係り、ことに電波を
効率よく透過させ、充分な断熱性等を発揮することがで
きる車輌用電波透過熱線反射ガラスに関する。
【0002】
【従来技術】近年、ことに自動車においては、AM放送
およびFM放送等のラジオの受信はもちろんテレビ等の
受信、さらには無線電話等の各種送受信が行われるよう
になってきており、これに対応して自動車用窓ガラス面
上に各種形状で種々の材質のアンテナを配置して、充分
な利得が得られるようにしている。
【0003】一方、特に最近では、自動車用窓ガラスが
大面積化ならびに軽量化等されるなかで、自動車内での
冷暖房効率の向上、および光学上の人的影響の低減ある
いは環境への優しくし、高居住性、高安全性ならびに高
環境性となるようにすることが高まりつつあり、これに
対応して自動車用窓ガラス面上に断熱性能などの各種の
機能を備えた膜層が施されつつある。
【0004】しかしながら、通常例えば断熱性能を高め
れば高めるほど、それ自体導電性を有しよいものとな
り、前記各種送受信波を遮蔽することとなって、前記ア
ンテナの性能、すなわち利得が悪化し、本来のアンテナ
機能を発揮できないこととなるので、これを解消するし
ようとする提案が種々なされている。
【0005】例えば、実公昭63ー49932 号公報にはアン
テナ付き自動車用ウインドガラスが記載されており、該
ウインドガラスは窓枠に嵌め込み固定され、受信用又は
送信用のアンテナ素線を設けたウインドガラス表面に、
少なくとも窓枠の内側に沿った所定幅の部分を残して熱
線反射用の導電性被膜を設けたものであって、アンテナ
の給電点と車体間の静電容量を増加せしめることがな
く、熱線反射機能をもたせるようにしたものである。
【0006】また例えば、実開昭61ー121010号公報には
自動車用窓ガラスが記載されており、該窓ガラスは熱線
反射膜または電導性膜とアンテナ線とを備えた自動車用
窓ガラスにおいて、熱線反射膜または電導性膜はアンテ
ナ線が設けられていない部分に設けられているものであ
る。
【0007】さらにまた例えば、特開平2ー177601号公
報には自動車用窓ガラスが記載されており、該窓ガラス
は熱線反射膜とアンテナ導体とを設けてなる自動車用窓
ガラスであって、熱線反射膜は20KΩ/口以上のシー
ト抵抗値を有するものである。
【0008】さらにまた例えば、本出願人が既に出願し
た特開平3ー250797号公報では電波に対して低反射特性
を有する積層板について記載しており、基板に、基板よ
り電波に対する反射率が高い膜、フイルムもしくは板状
体が積層された積層板において、膜、フイルムもしくは
板状体を、一辺の長さが電波の波長λの0.4倍以下に
なるように分割したものについて開示した。
【0009】
【発明が解決しようとする問題点】前述したような、前
記実公昭63ー49932 号公報ならびに特開平2ー177601号
公報に記載のものは、熱線反射膜が表面抵抗率20KΩ
/口以下の膜では、到来電波が遮断される方向となっ
て、電波障害となり、本来のアンテナ性能を発揮できな
くなるものである。また前記実開昭61ー121010号公報に
記載のものは、ガラスアンテナ部位によって、それらを
パターニングして充分熱線反射膜または電導性膜がない
ものとする必要があり、前記ガラスアンテナによって左
右され、充分な断熱性能を全体として発現できないよう
になるものである。さらに前記特開平3ー250797号公報
に記載のものは、建造物等の窓ガラスとしては電波障害
を防ぎ、電波を効率よく透過させる熱線反射ガラスとな
るものの、自動車用窓ガラスとしての要件を必ずしも充
分兼ね備えているものとは言い難いものである。
【0010】
【問題点を解決するための手段】本発明はこのような点
に鑑みてなされたものであり、断熱膜ならびにアンテナ
線を備えた自動車用窓ガラスにおいて、自動車用窓ガラ
スとしての要件を備え、しかもAM放送波あるいはFM
放送波など各種放送波の電波に対して反射率を低減せし
めて電波障害が発現しないと言える、膜を被覆しない素
板ガラスに出来るだけ近い電波透過性とすることがで
き、本来のアンテナ性能を充分発揮し得てかつ充分な断
熱性能を有する車輌用電波透過熱線反射ガラスを提供す
るものである。
【0011】すなわち、本発明は、断熱膜ならびに各種
アンテナを備えた自動車用窓ガラスにおいて、該アンテ
ナの主要エレメントに直交する方向に、前記断熱膜を1
00mm以下のストライプ幅になるよう少なくとも分割
し、分割溝を形成して定型状に成ることを特徴とする車
輌用電波透過熱線反射ガラス。
【0012】ならびに前記断熱膜を100mm以下のス
トライプ幅が、到来電波の波長λの1/20倍以下にな
るように分割することを特徴とする上述した車輌用電波
透過熱線反射ガラス。また前記分割溝の幅が、5mm以
下であることを特徴とする上述した車輌用電波透過熱線
反射ガラス。さらに前記定型状の分割形状が、ストライ
プ状または格子状であることを特徴とする上述した車輌
用電波透過熱線反射ガラスをそれぞれ提供するものであ
る。
【0013】ここで、前記断熱膜については、例えばI
TO薄膜、SnO2 (Sb)薄膜、SnO2 (F)薄膜
あるいは誘電体/Ag薄膜/誘電体等であり、該膜の膜
厚としては例えば500nm程度以下、好ましくは約3
50nm程度以下であり、可視光透過率は例えば50%
以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以
上であり、表面抵抗率は例えば10Ω/口前後程度でも
よく、とくに制約されるものではないものであり、日射
透過率については例えば60%程度以下がよく、さらに
各種機能を有するものでも例えば自動車用の合せガラス
等として採用し、充分耐久性等を兼ね備えていればよい
ものである。さらにまた成膜法としては例えばスパッタ
リング法等がよいものであるが、前記性能を有するもの
であれば例えば各種成膜法はもちろんかかる被膜を有す
るフイルム状のものを貼り付けることでもよいことは言
うまでもない。
【0014】また、前記各種アンテナとしては、例えば
自動車用窓ガラスの表面上に銀ペーストなどをプリント
して焼き付けたもの、あるいは細い金属線などを合せガ
ラスの中間膜に配置したものまたはガラス表面に貼着し
たもの、さらには透明導電膜を適宜被膜した膜状のもの
などであり、その形状ならびに部位については特に限定
されないものである。好ましくは前記プリントならびに
細い金属線の両アンテナ、より好ましくは細い金属線ア
ンテナである。
【0015】なお、前記断熱膜と該アンテナとは、前記
ガラス板の同一表面上に配設しない方がよいことはもち
ろんであり、ことに断熱膜の表面抵抗率が例えば20K
Ω/口程度以下、特に導電膜の際においては同一面でな
いことが必要である。また20KΩ/口程度以上の断熱
膜であれば、前記ガラス板の同一表面上に配設してもよ
く、しかも上述した100mm以下のストライプ幅にな
るよう少なくとも分割し、分割溝を形成して定型状に成
るものとすることで、より安定してアンテナ性能を維持
発揮するものとなることは言うまでもない。
【0016】つぎに、前記アンテナの主要エレメントに
直交する方向に、前記断熱膜を100mm以下のストラ
イプ幅になるよう少なくとも分割したものとしたのは、
先ず前記アンテナの主要エレメントと直交するようにす
るのは、一般に散乱体に電波が入射すると、電波の磁界
成分によって、散乱体の表面に磁界に直交する方向に電
波が誘起され、該誘起された電波を検波し増幅する装置
がラジオならびにテレビ等の受信機であることから、自
動車用窓ガラスにおけるガラスアンテナも到来電波の磁
界成分に直交する方向になるよう設置する必要があり、
前記断熱膜を分割するストライプ形状も少なくとも前記
ガラスアンテナに直交する方向のものとする必要がある
ことを見出したからである。例えばVHF波を受信する
際に、垂直方向のガラスアンテナでもって効率よく受信
できる電波は、垂直偏波(電界成分の方向が垂直)であ
り、VHF波をガラスアンテナの手前にある前記断熱膜
で反射させないためには、該断熱膜を水平方向にストラ
プ状に少なくとも分割溝すなわちギャップを設けて定型
状に分割すればよいものである。
【0017】また100mm以下のストライプ幅になる
よう少なくとも分割することとしたのは、該ストライプ
によって成るパッチ分割が誘起電流の流れを束縛する効
果だけでなく、パッチ間の相互作用による効果も大きい
ので、該効果により、電波の透過性を向上させるために
は、例えばパッチを少なくとも5個程度以上並べる必
要、すなわち自動車用窓ガラスにおいては100mm以
下のストライプ幅になるよう少なくとも分割する必要が
ある。
【0018】さらに、前記到来電波の波長λの1/20
倍以下になるように分割したのは、例えば前述したVH
F波の場合、垂直偏波の磁界成分(水平方向)に直交す
る方向、すなわち垂直方向に電流が誘起されるものの、
導電体の長さが波長λの1/20倍以下のため共振でき
ないので、電波は反射できずに断熱膜を透過することと
なって、電波はガラスアンテナに到達するようになるも
のである。好ましくは1/25倍以下、より好ましくは
1/30以下である。
【0019】さらにまた、前記分割溝の幅が、5mm以
下であるとしたのは、すなわち前記分割溝(ギャップま
たはスリットともいう)を、到来電波の電界方向に、平
行な溝の幅ならびに/あるいは直交する溝の幅が5mm
以下であるとしたのは、該分割溝の幅が大きいほど、電
波障害が少なくなるような傾向を示すものである。例え
ばことに通常の高断熱品の中でも比較的低い抵抗をもつ
ものでは、表面抵抗率が約10Ω/口前後程度で日射透
過率が約50%前後あるいはそれ以下程度であって、該
断熱膜の分割幅を広げていくと電波反射が通常の無膜ガ
ラスにはほど遠いものであっても多少減少するものの、
断熱性能の低下をより招くこととなり、加えて前記溝の
幅が5mm以上になると次第に運転手等搭乗者に対する
違和感等が発現することとなり、さらに意匠性等も好ま
しいとは言い難くなるものであって、5mm以下、好ま
しくは約3mm以下程度であり、より好ましくは到来電
波の波長λの1/1500mm倍以下(200MHzで
は約1mm程度以下に相当する)である。
【0020】さらについで、前記定型状の分割形状が、
ストライプ状または格子状であるとしたのは、前述した
ように、水平偏波の場合は水平方向の溝の幅は零でもよ
く、垂直偏波の場合は垂直方向の溝の幅は零でもよく、
さらに水平方向の溝の幅および垂直方向の溝の幅が同時
ギャップを有するものでもよいものとなり、ガラスアン
テナの主要エレメントにおける方向に対応せしめること
により、縦あるいは横ストライプ状でも、格子状でもよ
いものである。
【0021】なお、ストライプ状の幅の下限について
は、例えば上述した通常の高断熱品のものでは、日射透
過率が約60%程度以下であり、電波の周波数が200
MHzの場合、前記溝の幅が0.5mmであれば、スト
ライプの幅が約3mm程度まで断熱効果が期待できるこ
ととなり、例えばストライプの分割幅の範囲は波長λの
2/1000〜1/30程度となる。仮に前記溝の幅を
さらに小さくすれば、この下限はさらに小さくなる。な
お一方、前記溝の幅を小さくし過ぎると、TV放送帯は
高周波であるため、Maxwellの定義した変位電流
により、前記溝のギャップを電流が飛び越え、電気的に
は断熱膜は連続体となってしまうという現象がある。し
かし、レーザで加工できる前記溝幅約0.05mm程度
で、例えば到来電波が周波数10GHzの高周波でも、
前記溝の役目を果たし、該到来電波を透過した。
【0022】
【作用】本発明者らは、断熱ガラスなどの電波に対する
反射率の高い板状体が惹起する電波障害を極力低減すべ
く鋭意研究した結果、基板に被覆する特定の高熱線反射
の断熱膜あるいは断熱フイルム等を、特異に分割するこ
とに着目して本発明をなしたものである。
【0023】上述したように、到来電波の電界方向に平
行な辺の長さ(L)を、電波の波長λの1/20倍以下
に分割することで、素板ガラスにより近い値の低電波反
射率ガラスとなり、反射量が格段に低下することがわか
り、周波数が90MHzのTV放送波、VHF帯から周
波数が770MHzのTV放送波、UHF帯全域まで同
様の傾向があるものである。
【0024】このことは次のような理由に起因するもの
と思われる。すなわち、任意の散乱体に平面波が入射す
ると、散乱体には導電電流または分極電流が流れ、これ
が2次的な放射源となって電磁波を発生し、電磁波を反
射する。実際には電子が散乱体の端から端まで動くので
はなく、入射電磁波の周波数に同調して、ある点で電子
が振動しているだけである。
【0025】このような電子の振動によって生じた電子
濃度の高い部位が移動する。これが電磁波を反射させる
要因になるもので、板状体等を分割してL/λを小さく
することにより、電子が自由に移動できる領域が狭くな
りこの結果、単位面積あたりの反射量が低下するものと
推定される。
【0026】また、厚さx(m)の導電性の膜あるいは
フイルム等に周波数がfの電波を垂直方向に照射する
と、電波の透過度EはE=exp(ーαx)となる。こ
こで、αは導電性の膜の減衰定数でα=4.82・π・
1/2 〔単位:1/m〕と表されるので、例えばxを5
0nm、fを100MHzとすると透過度Eは0.98
となりほとんど吸収されず、かつ分割することによって
反射量も低減されているので、電波を効率よく透過する
ことがわかる。
【0027】これらによって、素板ガラスにより近似し
た到来電波の電波反射率となるものである。一方、断熱
性能は、比較的電波反射率の高い、特定の表面抵抗率を
有する特異な薄膜を用いて、現行の高性能断熱ガラス
に、出来るだけ限り無く近い断熱効果を発現するように
し、現行の高性能断熱ガラスと同等の品位とすることが
できるようになるものである。
【0028】すなわち、現行の高性能断熱ガラスでは、
電波障害を解決しずらいものを解決し、非膜素板ガラス
にできるだけ近い電波透過性とでき、本来のガラスアン
テナの性能を発揮し、冷暖房における負荷を低減し、し
かも現行の高性能断熱ガラスの薄膜をそのまま利用で
き、環境に優しい、居住性に優れる車輌用電波透過熱線
反射ガラスを提供するものである。
【0029】
【実施例】以下、図面を参照しながら、本発明の一実施
例を詳細に説明する。ただし本発明はかかる実施例に限
定されるものではない。
【0030】図1は本発明を実施した車輌用電波透過熱
線反射ガラスの一例を表す平面図、および図2は図1に
おいるXーX視した断面図である。すなわち、自動車の
リア窓ガラス用としての車輌用電波透過熱線反射ガラス
は、先ず板厚約2mmのクリアフロートガラスを用
い、この板ガラスにDCマグネトロンスパッタリング法
で、断熱性能を有する膜を表1に示すような構成および
厚みに各々コーティングして断熱膜を得、次に該断熱ス
パッタ膜をYAGレーザでもって分割溝であるギャップ
4に切断し、図7と同様に横ストライプ状タイプ断熱膜
3を施した車外側ガラス7と、また別途一方の表面に銀
ペーストをプリントし焼結して防曇線9を焼き付けた、
板厚2.3mmのブロンズフロートガラスである車内側
ガラス6の他方の表面に、図3に示すように給電点5を
配設する微細な金属線製のAタイプ(垂直2対)ガラス
アンテナ2を配置貼着した接着用中間膜であるPVB膜
8の表面に仮接着してなる車内側ガラス6とを、前記断
熱膜面と前記PVB膜面とで合わせることで、車外側ガ
ラス7/断熱膜3/PVB膜8/ガラスアンテナ2/防
曇線9付き車内側ガラス6の構成から成る合せガラスと
した自動車用窓ガラスである。
【0031】以下の各実施例は該構成の合せガラスと同
様な構成を基本として種々行い、表1に示す3種類の断
熱膜について、図3乃至図5に示すような主要エレメン
トの形状がAタイプ(垂直2対)、Bタイプ(垂直1
本)およびCタイプ(水平2本)の各ガラスアンテナ、
ならびに図6乃至図8に示すような分割したストライプ
の定型状が格子状タイプ、横ストライプ状タイプおよび
縦ストライプ状タイプの断熱膜のパッチをそれぞれ組み
合わせて変化させたものを自動車のリアウインドウに取
り付けて評価したもののうちの一部を示すものである。
【0032】実施例1 上述した合せガラスと基本的に同様な構成であって、表
1に示すように、膜構成が膜厚約300nmのITO膜
であって、その特性は表面抵抗率Rsが約12Ω/口、
可視光透過率Tvが約76%および日射透過率Tsが約
58%である断熱膜に、ギャップ幅が約1mmでもって
約20mmのストライプ幅を施したものを用い、かつガ
ラスアンテナの主要エレメントの形状が図3のAタイプ
(垂直2対)カラスアンテナを用いて組み合わせたもの
とした。
【0033】表2は、該合せガラスの断熱膜を、図6の
格子状タイプ、図7の横ストライプ状タイプ、図8の縦
ストライプ状タイプおよび全面膜付きタイプの形状にし
たものと、さらに膜なしタイプについて、水平偏波にお
ける平均の受信利得を測定して、標準のダイポールアン
テナの受信利得を0dBとした際の利得差をダイポール
比(dB)として表したものであって、ことにFM帯と
VHF帯において利得の測定を行って評価したものであ
る。
【0034】該表2に示すように、前述した種々のタイ
プの合せガラスのうち、膜なしタイプに対しての差は、
FM帯では格子状タイプが+0.2dB、横ストライプ
状タイプが−0.1dB、またVHF帯では格子状タイ
プが+2dB、横ストライプ状タイプが−0.3dBと
なって、膜を被覆しない素板ガラスにできるだけ近い電
波透過性となるものである。
【0035】すなわち、ガラスアンテナの主要エレメン
トに直交する方向に、断熱膜を100mm以下のストラ
イプ幅になるよう少なくとも分割し、分割溝(ギャッ
プ)を形成して定型状に成るようにしたことにより、F
M帯およびVHF帯においてはもちろん各種放送電波を
充分透過し、本来のアンテナ性能を発揮でき得、かつ熱
線を反射して断熱性能を充分有し、冷暖房における負荷
の低減等ができて、運転者等の搭乗者に対して安全性な
らびに居住性に優れるものとなる等、有用な車輌用電波
透過熱線反射ガラスであった。
【0036】実施例2 前述した実施例と同様に、表1に示すような膜構成であ
って、該膜の特性が表1に示す表面抵抗率Rs、可視光
透過率Tvおよび日射透過率Tsを有する断熱膜に、実
施例1と同一のギャップ幅で同一のストライプ幅を施し
たものを用い、かつガラスアンテナの主要エレメントの
形状が図4のBタイプ(垂直1本)ガラスアンテナを用
いて組み合わせた合せガラスとした。
【0037】表2は、該合せガラスの断熱膜を、実施例
1と同様に、各分割形状等と、さらに膜なしタイプにつ
いて、ことにFM帯とVHF帯において利得の測定を行
って評価したものである。
【0038】該表2に示すように、前述した種々のタイ
プの合せガラスのうち、膜なしタイプに対しての差は、
FM帯では格子状タイプが−0.2dB、横ストライプ
状タイプが+0.1dB、またVHF帯では格子状タイ
プが−0.1dB、横ストライプ状タイプが+0.2d
Bとなって、膜を被覆しない素板ガラスにできるだけ近
い電波透過性となるものである。
【0039】すなわち、実施例1と同様に、ガラスアン
テナの主要エレメントに直交する方向に、断熱膜を10
0mm以下のストライプ幅になるよう少なくとも分割
し、分割溝(ギャップ)を形成して定型状に成るように
したことにより、実施例1と同様に、所期の優れた各種
特性を備えた、有用な車輌用電波透過熱線反射ガラスで
あった。
【0040】実施例3 前述した実施例と同様に、表1に示すような膜構成であ
って、該膜の特性が表1に示す表面抵抗率Rs、可視光
透過率Tvおよび日射透過率Tsを有する断熱膜に、実
施例1と同一のギャップ幅で同一のストライプ幅を施し
たものを用い、かつガラスアンテナの主要エレメントの
形状が図5のCタイプ(水平2本)ガラスアンテナを用
いて組み合わせた合せガラスとした。
【0041】表2は、該合せガラスの断熱膜を、実施例
1と同様に、各分割形状等と、さらに膜なしタイプにつ
いて、ことにFM帯とVHF帯において利得の測定を行
って評価したものである。
【0042】該表2に示すように、前述した種々のタイ
プの合せガラスのうち、膜なしタイプに対しての差は、
FM帯では格子状タイプが−0.2dB、縦ストライプ
状タイプが−0.3dB、またVHF帯では格子状タイ
プが−0.1dB、縦ストライプ状タイプが+0.1d
Bとなって、膜を被覆しない素板ガラスにできるだけ近
い電波透過性となるものである。
【0043】すなわち、実施例1と同様に、ガラスアン
テナの主要エレメントに直交する方向に、断熱膜を10
0mm以下のストライプ幅になるよう少なくとも分割
し、分割溝(ギャップ)を形成して定型状に成るように
したことにより、実施例1および2と同様に、所期の優
れた各種特性を備えた、有用な車輌用電波透過熱線反射
ガラスであった。
【0044】なおまた、本発明はこれら好適な前記実施
例に限定されるものではなく、種々の応用が可能であ
る。自動車用窓ガラスとしては、前記車内外ガラスに係
わりなく、無色あるいは有色でもよく、平板、曲げ板ガ
ラス、ならびに強度アップまたは強化ガラス等の各種の
加工処理ガラス以外にも、合せガラスはもちろん単板ガ
ラスまたは複層ガラスでもよく、さらに分割される膜ま
たはフイルムより電波反射率の低いものであればよく、
プラスチック等の有機質、無機質など各種のものを採用
することができるものである。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】本発明の車輌用電波透過熱線反射ガラス
は、比較的電波反射率の高い、表面抵抗率が20KΩ/
口以下、さらには500Ω/口以下のような表面抵抗率
が比較的低い断熱膜を特定したストライプで定型状のパ
ッチに分割した自動車用窓ガラスとしたことにより、F
M帯およびVHF帯においてはもちろん各種放送電波を
充分透過し、本来のアンテナ性能を発揮でき得、かつ熱
線を反射して断熱性能を充分有し、冷暖房における負荷
の低減等ができて、運転者等の搭乗者に対して安全性な
らびに居住性に優れ、環境にも優しいものとなる等、有
用な車輌用電波透過熱線反射ガラスを提供するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である、主要エレメント形状
がAタイプ(垂直2対)ガラスアンテナと横ストライプ
タイプの断熱膜を備えた車輌用電波透過熱線反射ガラス
を示す平面図である。
【図2】図1の車輌用電波透過熱線反射ガラスにおい
て、XーX視した際の断面図である。
【図3】本発明で実施した車輌用電波透過熱線反射ガラ
スにおいて、自動車用窓ガラスの車内側ガラスとPVB
膜間に配置したAタイプ(垂直2対)ガラスアンテナを
示す平面図である。
【図4】本発明で実施した車輌用電波透過熱線反射ガラ
スにおいて、自動車用窓ガラスの車内側ガラスとPVB
膜間に配置したBタイプ(垂直1本)ガラスアンテナを
示す平面図である。
【図5】本発明で実施した車輌用電波透過熱線反射ガラ
スにおいて、自動車用窓ガラスの車内側ガラスとPVB
膜間に配置したCタイプ(水平2本)ガラスアンテナを
示す平面図である。
【図6】本発明で実施した車輌用電波透過熱線反射ガラ
スにおいて、自動車用窓ガラスの車外側ガラスに施した
断熱膜の分割形状が格子状タイプの場合を示す平面図で
ある。
【図7】本発明で実施した車輌用電波透過熱線反射ガラ
スにおいて、自動車用窓ガラスの車外側ガラスに施した
断熱膜の分割形状が横ストライプ状タイプの場合を示す
平面図である。
【図8】本発明で実施した車輌用電波透過熱線反射ガラ
スにおいて、自動車用窓ガラスの車外側ガラスに施した
断熱膜の分割形状が縦ストライプ状タイプの場合を示す
平面図である。
【符号の説明】 車輌用電波透過熱線反射ガラス 2 Aタイプ(垂直2対)ガラスアンテナ 3 横ストライプ状タイプ断熱膜 4 ギャップ 6 車内側ガラス 7 車街側ガラス 8 PVB膜 10 格子状タイプ断熱膜 11 縦ストライプ状タイプ断熱膜 12 Bタイプ(垂直1本)ガラスアンテナ 13 Cタイプ(水平2本)ガラスアンテナ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】断熱膜ならびに各種アンテナを備えた自動
    車用窓ガラスにおいて、該アンテナの主要エレメントに
    直交する方向に、前記断熱膜を100mm以下のストラ
    イプ幅になるよう少なくとも分割し、分割溝を形成して
    定型状に成ることを特徴とする車輌用電波透過熱線反射
    ガラス。
  2. 【請求項2】前記断熱膜を100mm以下のストライプ
    幅が、到来電波の波長λの1/20倍以下になるように
    分割することを特徴とする請求項1記載の車輌用電波透
    過熱線反射ガラス。
  3. 【請求項3】前記分割溝の幅が、5mm以下であること
    を特徴とする請求項1記載の車輌用電波透過熱線反射ガ
    ラス。
  4. 【請求項4】前記定型状の分割形状が、ストライプ状ま
    たは格子状であることを特徴とする請求項1乃至3記載
    の車輌用電波透過熱線反射ガラス。
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