JPH06247745A - 電波透過特性を有する熱線反射ガラス - Google Patents

電波透過特性を有する熱線反射ガラス

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JPH06247745A
JPH06247745A JP3581293A JP3581293A JPH06247745A JP H06247745 A JPH06247745 A JP H06247745A JP 3581293 A JP3581293 A JP 3581293A JP 3581293 A JP3581293 A JP 3581293A JP H06247745 A JPH06247745 A JP H06247745A
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弘 中嶋
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善博 矢野
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昌也 高山
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
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    • C03C17/34Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions
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Abstract

(57)【要約】 【構成】基板に、熱線反射率が高い膜、フイルムもしく
は板状体が貼付された熱線反射ガラスにおいて、該膜、
フイルムもしくは板状体が表面に絶縁層を被覆したテー
プ状あるいは方形状を成すものであって、かつ該膜、フ
イルムもしくは板状体の表面抵抗率が500Ω/口以下
であり、しかも該テープ状あるいは方形状の膜、フイル
ムもしくは板状体の到来電波の電界方向に平行なテープ
あるいは方形の幅を、前記電波の波長λの1/20倍以
下になるようにするとともに、日射透過率を60%以下
とした電波透過特性を有する熱線反射ガラス。 【効果】基板、例えばガラスと同程度に、電波を効率よ
く透過させ、建造物等による電波の障害を防ぎ、しかも
高断熱性能を有し、建築物全体の断熱効果をより向上せ
しめ、かつ同一色系色調とすることもでき、より美観を
呈し、環境に優しく、高居住性となるものを効率よく得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建造物などによる電波
の障害を防ぎ、電波を効率よく透過させ、しかも全面に
被膜したように見せ得、居住者や環境に対し違和感なく
格段に優しい美観を呈する熱線反射ガラスに関する。
【0002】
【従来技術】近年、テレビ電波の受信にあたり、ビルの
反射によるゴースト障害が問題になり、ビルのコンクリ
ート壁などにフェライト電波吸収体を設けることが実用
化されつつある。
【0003】一方、窓ガラスは次第に厚いものが使用さ
れ、しかも金属、金属酸化物などの膜をコーティングし
たり、このような膜を有するフイルムを貼付けた断熱性
能などの機能を付与したものが増加の傾向にある。厚さ
の影響はさほどではないが、ガラスより電波に対して反
射率が高い膜をコーティングしたり、フイルムを貼付け
ると反射率が例えばかなりの高い値となり、電波障害は
避けられない面があった。
【0004】したがって、このような場合には電波の到
来方向の窓は何もコーティングしていないガラスを配設
せざるをえず、同一ビルで色調が異なるという不調和が
さけられなかったし、場合によってはビル全体の窓にお
ける断熱効果を低減させざるを得ないこともあるもので
あった。
【0005】そこで、熱線反射性能と電波透過性能を有
するものとしては、本出願人が既に出願した特願平3ー
215609号に記載したとおり、電波低反射特性を有
する熱線反射ガラスを提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】本発明はこのような
点に鑑みてなされたものであり、TV放送波などの電波
に対して反射率を低減せしめて電波障害が発現しないと
言える、膜を被覆しない素板ガラスに出来るだけ近い電
波反射率の値となり、かつ充分な断熱性能を有する、な
かでも前記本出願人が既に出願した特願平3ー2156
09号に記載したパツチ分割方式における分割溝の幅に
ついてより融通性がある電波透過特性を有する熱線反射
ガラスを提供することを目的とする。
【0007】
【問題点を解決するための手段】前述したように、こと
にパツチ分割方式の分割溝の幅(アパーチヤ幅)が、例
えば0mm、すなわち分割を外観上してないようにして
も、場合によっては重なるようなことが生じても、電波
の反射を格段に低減し、被膜しないガラス自体と同等の
電波透過を実現できる電波透過特性を有する熱線反射ガ
ラスを効率よく提供するものである。
【0008】すなわち、本発明は、基板に、熱線反射率
が高い膜、フイルムもしくは板状体が貼付された熱線反
射ガラスにおいて、該膜、フイルムもしくは板状体が表
面に絶縁層を被覆したテープ状あるいは方形状を成すも
のであって、かつ該膜、フイルムもしくは板状体の表面
抵抗率が500Ω/口以下であり、しかも該テープ状あ
るいは方形状の膜、フイルムもしくは板状体の到来電波
の電界方向に平行なテープあるいは方形状の幅を、前記
電波の波長λの1/20倍以下になるようにするととも
に、日射透過率を60%以下としたことを特徴とする電
波透過特性を有する熱線反射ガラス。
【0009】ならびに、前記テープ状あるいは方形状の
膜、フイルムもしくは板状体の間隔が、0〜5mmにな
るよう貼付することを特徴とする上述した電波透過特性
を有する熱線反射ガラス。また、前記テープ状あるいは
方形状の膜、フイルムもしくは板状体の周辺部が、少な
くとも重なるように貼付することを特徴とする上述した
電波透過特性を有する熱線反射ガラス。
【0010】さらに、前記テープ状あるいは方形状の
膜、フイルムもしくは板状体が、ストライプ状あるいは
格子状の形状とすることを特徴とする上述した電波透過
特性を有する熱線反射ガラス。
【0011】さらに、前記熱線反射導電性のテープ状あ
るいは方形状の膜、フイルムもしくは板状体に被覆した
絶縁層の厚みが、0.1μm以上であることを特徴とす
る上述した電波透過特性を有する熱線反射ガラスをそれ
ぞれ提供するものである。
【0012】ここで、前記熱線反射率が高いテープ状あ
るいは方形状の膜、フイルムもしくは板状体の表面抵抗
率が500Ω/口以下であるものとしたのは、例えば表
面抵抗率が1kΩ/口以上であれば電波の反射率が低い
ものとなるものの、断熱性能が低下してくることとな
り、したがって表面抵抗率が1kΩ/口以下であれば電
波の反射率が次第に大きくなって、断熱性能が増大して
くるものであるのに対し、電波反射率と日射透過率の両
者が良好な値として500Ω/口以下とした。好ましく
は400Ω/口以下、より好ましくは350Ω/口以下
であり、例えば太陽光の遮断だけでなく、赤外線の反射
による断熱を含めた高断熱ガラスでは、赤外線の反射は
プラズマ振動によるものであるから、反射率は膜の表面
抵抗に支配されるため、スパッタ膜の表面抵抗率として
500Ω/口以下が必要である。
【0013】とくに、表面抵抗率が数Ω/口のLOWー
Eガラスにおいては、反射障害が大きな問題となり、主
に寒冷地で使用するLOWーEガラスでは、昼間の太陽
光を積極的に取り入れるため、日射透過率は通常の断熱
ガラス(例えば、商品名:スカイクール)より大きくな
っているが、赤外線の反射率は非常に高いものであるか
らである。
【0014】また、該熱線反射率が高いテープ状あるい
は方形状の膜、フイルムもしくは板状体は、単層でも多
層でもよいものであり、厚みとしては、例えば約100
0Å程度以下、好ましくは約800Å程度以下、より好
ましくは約500Å程度以下である。
【0015】さらに、前記日射透過率が60%以下とし
たのは、60%を超えると断熱効果が必ずしも充分とは
言えないものとなるためであり、好ましくは約50%程
度以下、より好ましくは約5〜40%程度で、通常の断
熱ガラス(例えば、商品名:スカイクール)とほぼ同程
度のものである。
【0016】つぎに、前記テープ状あるいは方形状の
膜、フイルムもしくは板状体の到来電波の電界方向に平
行なテープあるいは方形の幅を、前記電波の波長λの1
/20倍以下になるようにしたのは、例えば既に同出願
人が提案したように、前記電波の波長λの1/3倍以
下、好ましくは1/4倍以下の前記テープの幅でよいの
であるが、より過酷な環境あるいは条件下でも前述した
所期の目的を達成するために1/20倍以下になるよう
にする必要があり、好ましくは1/30倍以下である。
【0017】なお、例えばスパッタリング膜の厚みが約
300Å程度の薄膜では、電波の吸収は無視でき、シー
ルド効果の減少は電波反射率が低下した結果、生じた現
象である。
【0018】さらについで、前記テープ状あるいは方形
状の膜、フイルムもしくは板状体の間隔が、0〜5mm
になるよう貼付することとしたことについては、該間隔
の幅が大きいほど、電波障害が少なくなるが、例えば通
常の高断熱品の中でも比較的低い抵抗をもつものでは、
表面抵抗率が約50Ω/口程度で日射透過率が約6〜7
%程度であって、電波反射率が約56%(周波数200
MHzにおける)程度であるのに対し、該断熱膜の分割
による断熱性能の低下を、例えば約7%から約19%と
約3倍程度以内、出来れば約14%と約2倍以内程度に
止めることが望ましく、加えて前記間隔の幅が5mm以
上になると次第に意匠性等も欠け易くなるものであっ
て、5mm以下、好ましくは約3mm以下程度であり、
より好ましくは到来電波の波長λの1/1500mm倍
以下(200MHzでは約1mm程度以下に相当する)
である。
【0019】すなわち好ましくは、到来電波の電界方向
に、平行な溝の幅が0〜3mm、直交する溝の幅が0.
01〜3mmであり、より好ましくは平行な溝の幅が0
〜3mm、直交する溝の幅が0.03〜3mmであるも
のの、前記テープ状あるいは方形状の膜、フイルムもし
くは板状体の周辺部が、少なくとも重なるように貼付す
るようにしても充分電波が透過することとなり、熱線反
射導電性の膜、フイルムもしくは板状体が全面に貼付さ
れたごとく外見でき、意匠性あるいは断熱性能ならびに
紫外線遮断性に格段に優れるものとすることができる。
【0020】また、水平偏波の場合は水平方向の前記間
隔の幅は零でもよく、垂直偏波の場合は垂直方向の前記
間隔の幅は零でもよいものとなり、ストライプ状でも、
碁盤目状でもよいものである。
【0021】さらについで、ストライプ状の幅の下限に
ついては、例えば上述した通常の高断熱品のものでは、
日射透過率が約5〜30%程度であり、電波の周波数が
200MHzの場合、前記間隔の幅が0.5mmであれ
ば、ストライプの幅が約3mm程度まで断熱効果が期待
できることとなり、例えばストライプの分割幅の範囲は
波長λの2/1000〜1/30程度となる。仮に前記
間隔の幅をさらに小さくすれば、この下限はさらに小さ
くなる。
【0022】さらにまた、前記熱線反射導電性のテープ
状あるいは方形状の膜、フイルムもしくは板状体に被覆
した絶縁層としては、透湿防止性がある絶縁性の樹脂で
あればよく、また例えば紫外線遮蔽性能等の機能性を合
わせ持つ樹脂であればさらによく、具体的には例えばエ
ポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹
脂、アルキツド系樹脂、メラミン系樹脂、フエノール系
樹脂あるいはブチラール系樹脂等をロールコーテイング
法、フローコーテイング法またはデツピング法等により
被覆したものであり、その厚みを0.1μm以上である
こととしたのは、強度上からあまり薄くできず、前記テ
ープ状あるいは方形状の膜、フイルムもしくは板状体の
周辺部が、少なくとも重なるように貼付をするとしても
もしくはたまたま重なるような貼付となったとしても、
充分電波を透過するものとできるためであり、好ましく
は、熱線反射導電性のテープ状あるいは方形状の膜、フ
イルムもしくは板状体の端面部に被覆した絶縁層を介し
て隣会うテープ状あるいは方形状の膜、フイルムもしく
は板状体が密着あるいは当接するよう貼付するものであ
る。好ましくは約0.5〜1000μm程度、より好ま
しくは約1〜500μm程度であり、極端に厚くしても
経済的でないことは言うまでもない。
【0023】
【作用】本発明者らは、断熱ガラスなどの電波に対する
反射率の高い板状体が惹起する電波障害を極力低減すべ
く鋭意研究した結果、基板に対して、特定の高熱線反射
導電性の膜、フイルムもしくは板状体を、特異に絶縁層
を備えるテープ状あるいは方形状物として分割分貼する
ことで、互いに絶縁されるのでパツチ分割方式と同等な
電波透過が得られることに着目して本発明をなしたもの
である。
【0024】上述したように、到来電波の電界方向に平
行な辺の長さ(L)を、電波の波長λの1/20倍以下
に分割分別して貼付することで、素板ガラスにより近い
値の低電波反射率ガラスとなり、電波の反射量が格段に
低下することがわかり、周波数が90MHzのTV放送
波VHF帯から周波数が770MHzのTV放送波UH
F帯全域まで同様の傾向があるものである。
【0025】このことは次のような理由に起因するもの
と思われる。すなわち、任意の散乱体に平面波が入射す
ると、散乱体には導電電流または分極電流が流れ、これ
が2次的な放射源となって電磁波を発生し、電磁波を反
射する。実際には電子が散乱体の端から端まで動くので
はなく、入射電磁波の周波数に同調して、ある点で電子
が振動しているだけである。
【0026】このような電子の振動によって生じた電子
濃度の高い部位が移動する。これが電磁波を反射させる
要因になるもので、板状体等を分割してL/λを小さく
することあるいはこれと同等の状態を得ることにより、
電子が自由に移動できる領域が狭くなりこの結果、単位
面積あたりの反射量が低下するものと推定される。
【0027】また、熱線反射導電性膜の厚さが、到来電
波の波長より比較的小さい範囲において、例えば約20
0MHzの場合、表皮厚さが約5μm程度よりも厚い例
えば1mm程度の厚みにおいても、前述したように分割分
貼することによって、電波は透過することになり、これ
らによって、素板ガラスにより近似した到来電波の電波
反射率となるものである。
【0028】ことに、前記熱線反射導電性のテープ状あ
るいは方形状の膜、フイルムもしくは板状体に被覆した
絶縁層が、テープ状あるいは方形状の周辺部が重なるよ
うなことがあったとしても、互いに絶縁されるので、前
記間隔と同等の機能をもつことによって、従来では得る
ことができない電波反射を低減して格段に透過すること
となる。
【0029】一方、断熱性能は、比較的電波反射率の高
い、特定の表面抵抗率を有する特異な膜、フイルムもし
くは板状体を用いて、現行の高性能断熱ガラスに、出来
るだけ限り無く近い断熱効果を発現するようにし、現行
の高性能断熱ガラスと同等の品位とすることができるよ
うになるとともに、熱線反射導電性のテープ状あるいは
方形状の膜、フイルムもしくは板状体を全面に被覆した
ように成し得て、意匠上ならびに機能上等において格段
に優れるものとなるものである。
【0030】すなわち、現行の高性能断熱ガラスでは、
電波障害を解決しずらいものを解決し、TV画像におけ
るゴースト現象を解消し、冷暖房における負荷を低減
し、しかも現行の高性能断熱ガラスと同色系色調にもで
き、環境に優しい、居住性に優れる電波透過特性を有す
る熱線反射ガラスを提供するものである。
【0031】
【実施例】以下、図面を参照しながら、本発明の一実施
例を詳細に説明する。図1および図2は本発明を実施し
た電波透過特性を有する熱線反射ガラスの一部を表す斜
視図であって、図1は絶縁層を被覆した熱線反射導電性
膜付きテープ状フイルムをストライプ型に貼着したも
の、図2は絶縁層を被覆した熱線反射導電性膜付き方形
状フイルムを碁盤目型に貼着したものを示すものであ
り、また図3はガラス基板に貼着するフイルムの構成を
示す断面図であって、(A)は絶縁層を被覆した熱線反
射導電性膜付きのテープ状フイルムならびに方形状フイ
ルムの一側断面を示し、(B)は絶縁層を被覆した熱線
反射導電性膜から成るテープ状フイルム(透視性がある
ものでもよいが不透視性のものでもよく、例えば幅約4
cmのアルミホイル製テープ)ならびに方形状フイルム
の一側断面を示すものであり、さらに図4はそのフイル
ムの貼り合わせ部を部分拡大して示す断面図であって、
(A)はその端面を付き合わせたもの、(B)はその周
辺部を重ねたものをそれぞれ示すものである。
【0032】すなわち、基板1として約520mm角、
板厚約10mmのフロートガラスを用い、DCマグネト
ロンスパッタリング法で、断熱性能を有する熱線反射導
電性膜4をコーティングしたテープ状フイルム2ならび
に方形状フイルム3を、デイツピング法で絶縁層5を被
覆し、このフロートガラス基板1にそれぞれ貼着し、ス
トライプ型ならびに碁盤目型にした例について説明す
る。
【0033】なお、前記断熱性能を有するコーティング
膜は、金属チタンをターゲットとして、約10-3Tor
rに減圧された窒素ガスとアルゴンガス(但し、アルゴ
ンガスと窒素ガスの流量比が0/1〜1/0の範囲)中
で、膜の表面抵抗率が約3Ω/口、約50Ω/口、約1
00Ω/口、約350Ω/口、約500Ω/口、約10
00Ω/口の6種類の熱線反射導電性膜4を作製した。
また前記絶縁層はポリエステル系樹脂でもって約5μm
程度の被膜であった。
【0034】次に、上記の絶縁層を被覆した熱線反射導
電性のスパッタ膜付きテープ状フイルムを貼着し、図1
に示すように、該テープ状フイルム2のストライプ幅
(L+D)が約25mm、約50mm、約100mm、
約150mmのストライプ型から成る熱線反射ガラス板
をそれぞれ作製した。
【0035】上記ストライプ型から成る熱線反射ガラス
板を、隣接するシールドルームの共有する壁に約500
mm角の窓をくり抜き、前記熱線反射ガラス板の周囲約
25mm程度(例えば20〜30mm)を絶縁し、垂直
にした状態で固定し取り付けた。
【0036】該取付け状態で、上記した各熱線反射ガラ
ス板に対し、周波数200MHzの水平偏波を照射し、
電波透過損失を測定したところ、表1に示すような効果
が得られた。
【0037】
【表1】
【0038】表1から明らかなように、例えば絶縁層で
被覆した表面抵抗率が約50Ω/口の熱線反射導電性膜
を被膜した50mm幅のテープ状フイルムをストライプ
状に貼着したガラス基板の電波透過損失は表面抵抗率約
500Ω/口の熱線反射膜を全面に被覆したものとほぼ
同等または同等以下である。すなわち、例えば本実施例
から、ストライプ型に分割貼着することにより、比較的
低表面抵抗の膜で日射透過率を約6%程度に維持しなが
ら、全面被覆した日射透過率が約50%程度の比較的高
表面抵抗のものに相当するまでに電波反射量を低減で
き、格段な電波透過特性を有する熱線反射ガラスとな
る。
【0039】さらに前述したように、例えば建築用の熱
線反射ガラスでは、効率よく熱線を遮蔽するには、日射
透過率等の熱的性質の制約から日射透過率として、少な
くとも約30〜40%程度は必要であり、また例えば太
陽光は、薄膜中の自由電子のプラズマ振動によって反射
されるので、日射透過率も薄膜の表面抵抗に支配され、
仮に日射透過率を約30%程度確保するには、被覆膜の
表面抵抗率が約350Ω/口以下であることが必要であ
る等を、充分満足するものである。
【0040】なお、本実施例におけるスパッタリング膜
の厚みは約300Å程度であり、該薄膜では電波の吸収
はほとんど無視できる程度であって、電波透過損失の減
少は電波反射率が低下した結果、生じた現象である。
【0041】なおまた、本発明はこれら好適な前記実施
例に限定されるものではなく、加えて種々の応用が可能
である。本発明の基板上に積層される膜あるいはフイル
ム等は、電波低反射のみであれば、表面抵抗率が1kΩ
/口以上のものであれば効果が期待できるが、断熱性能
を充分兼ね備えるものとしては、表面抵抗率が500Ω
/口以下、好ましくは約400Ω/口以下、より好まし
くは350Ω/口以下の各種の公知の膜、フイルム、例
えばアルミホイル製(テープ状)等を使用することがで
きる。また、基板上に積層される板状体は板ガラス、プ
ラスチック等やまたセラミックス、コンクリートなどの
構築材あるいは反射率が高い金属などであってもよい。
さらに、例えば該高熱線反射膜を分割し、電波低反射と
した表面に、高表面抵抗(例えば、表面抵抗率が1kΩ
/口以上、好ましくは20kΩ/口以上)の薄膜を保護
膜的に被覆してもよいことは言うまでもない。
【0042】また、これらの到来電波の電界方向に平行
な辺の長さは、反射率低減の対象となる電波の周波数に
応じて、TV放送波VHF帯(90MHz〜220MH
z)までの場合には、例えば周波数90MHzで波長
(3333mm)/20であれば約167mm、波長
(3333mm)/30であれば約111mmであり、
周波数220MHzで波長(1364mm)/20であ
れば約68mm、波長(1364mm)/30であれば
約45mmであり、さらに、TV放送波UHF帯(47
0MHz〜770MHz)までの場合には、例えば周波
数470MHzで波長(638mm)/20であれば約
32mm、波長(638mm)/30であれば約21m
mであり、周波数770MHzで波長(390mm)/
20であれば約19mm、波長(390mm)/30で
あれば約13mmとすればよい。
【0043】基板としては、無色あるいは有色を問わ
ず、平板、曲げ板ガラス、ならびに強度アップまたは強
化ガラス等の各種の無機質ガラス、ならびに前記テープ
状あるいは方形状の膜、フイルムあるいは板状体より電
波反射率の低いものであればよく、プラスチック等の有
機質、さらには他の無機質など各種のものを採用するこ
とができる。
【0044】
【発明の効果】本発明の電波透過特性を有する熱線反射
ガラスは、比較的高熱線反射で電波反射率の高い、表面
抵抗率が500Ω/口以下と比較的表面抵抗率の低い高
導電性膜を備え、しかも該表面に絶縁層を被覆した、到
来電波の電界方向に平行な間隔の幅を電波の波長λの1
/20倍以下とするテープ状あるいは方形状の膜、フイ
ルムもしくは板状体でもって成すことにより、日射透過
率は60%以下となり、電波反射率を格段に低減させ、
素板ガラスと同等乃至ほぼ近似した電波透過とし、電波
障害を格段に少なくするとともに、断熱効果を現行の高
断熱品と同等乃至ほぼ近似した断熱性能とし、しかも全
面に熱線反射導電性膜を被覆したようにできて全体を同
色系色調ともなし得、居住性ならびに環境性に優れるも
のとすることができるものである。
【0045】したがって、ビル等の建築物の窓等におい
て、電波が到来する窓面に本発明の例えば断熱性能を有
する電波透過特性を有する熱線反射ガラスを配設し、そ
の他の部分に従来用いている通常の熱線反射ガラスを配
設すれば、建築物全体がより高断熱効果を奏するものと
なるとともに、同じ色調とすることができるので美観上
も好ましいものとなるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であって、絶縁層を被覆した
熱線反射導電性膜付きテープ状フイルムをストライプ型
に貼着した電波透過特性を有する熱線反射ガラスを示す
斜視図である。
【図2】本発明の他の実施例であって、絶縁層を被覆し
た熱線反射導電性膜付き方形状フイルムを碁盤目型に貼
着した電波透過特性を有する熱線反射ガラスを示す斜視
図である。
【図3】本発明の一実施例であって、(A)は絶縁層を
被覆した熱線反射導電性膜付きの、(B)は絶縁層を被
覆した熱線反射導電性膜から成る、ぞれぞれテープ状フ
イルムならびに方形状フイルムの一側断面を示す断面図
である。
【図4】本発明の一実施例であって、絶縁層を被覆した
熱線反射導電性膜付きのテープ状フイルムを貼着した際
における、貼り合わせ部を部分拡大した断面図であっ
て、(A)はその端面を付き合わせたもの、(B)はそ
の周辺部を重ねたものをそれぞれ示す図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 テープ状フイルム 3 方形状フイルム 4 熱線反射導電性膜 5 絶縁層 6 間隔

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板に、熱線反射率が高い膜、フイルム
    もしくは板状体が貼付された熱線反射ガラスにおいて、
    該膜、フイルムもしくは板状体が表面に絶縁層を被覆し
    たテープ状あるいは方形状を成すものであって、かつ該
    膜、フイルムもしくは板状体の表面抵抗率が500Ω/
    口以下であり、しかも該テープ状あるいは方形状の膜、
    フイルムもしくは板状体の到来電波の電界方向に平行な
    テープあるいは方形の幅を、前記電波の波長λの1/2
    0倍以下になるようにするとともに、日射透過率を60
    %以下としたことを特徴とする電波透過特性を有する熱
    線反射ガラス。
  2. 【請求項2】 前記テープ状あるいは方形状の膜、フイ
    ルムもしくは板状体の間隔が、0〜5mmになるよう貼
    付することを特徴とする請求項1記載の電波透過特性を
    有する熱線反射ガラス。
  3. 【請求項3】 前記テープ状あるいは方形状の膜、フイ
    ルムもしくは板状体の周辺部が、少なくとも重なるよう
    に貼付することを特徴とする請求項1記載の電波透過特
    性を有する熱線反射ガラス。
  4. 【請求項4】 前記テープ状あるいは方形状の膜、フイ
    ルムもしくは板状体が、ストライプ状あるいは格子状の
    形状とすることを特徴とする請求項1乃至3記載の電波
    透過特性を有する熱線反射ガラス。
  5. 【請求項5】 前記熱線反射導電性のテープ状あるいは
    方形状の膜、フイルムもしくは板状体に被覆した絶縁層
    の厚みが、0.1μm以上であることを特徴とする請求
    項1乃至4記載の電波透過特性を有する熱線反射ガラ
    ス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002061280A (ja) * 2000-08-11 2002-02-28 Sumitomo Fudosan Kk 耐候シールド壁
JP2016143501A (ja) * 2015-01-30 2016-08-08 大日本印刷株式会社 加熱電極装置、通電加熱ガラス
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