JP2002076676A - 電波吸収性パネル - Google Patents

電波吸収性パネル

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JP2002076676A
JP2002076676A JP2000263931A JP2000263931A JP2002076676A JP 2002076676 A JP2002076676 A JP 2002076676A JP 2000263931 A JP2000263931 A JP 2000263931A JP 2000263931 A JP2000263931 A JP 2000263931A JP 2002076676 A JP2002076676 A JP 2002076676A
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insulating substrate
radio wave
substrate
film
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JP2000263931A
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English (en)
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Motoyasu Togashi
元康 冨樫
Yasushi Hoshino
康 星野
Kenichi Harakawa
健一 原川
Toshio Saito
俊夫 斎藤
Kenji Murata
健治 村田
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Takenaka Komuten Co Ltd
Nippon Sheet Glass Environment Amenity Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
Takenaka Komuten Co Ltd
Nippon Sheet Glass Environment Amenity Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不燃性を有し、軽量で薄くかつかさばること
がなく、整合用導電膜と分割導電膜の間の層と分割導電
膜と反射用導電膜の間の層が均一であり、電波の入射角
度による電波吸収特性の変化が小さな電波吸収性パネル
を提供する。 【解決手段】 整合用導電膜2を有する第1絶縁性基板
1と、第1絶縁性基板1と対面して配置された反射用導
電体4を有する基板3と、第1絶縁性基板1と基板3の
間で各々に対面させて配置され、分割導電膜6を一面に
有する第2絶縁性基板5から構成される。また、第1絶
縁性基板1と第2絶縁性基板5の間を絶縁しつつ所定距
離以下で接近させる第1接着層7を設けて結合してい
る。さらに、第2絶縁性基板5と基板3の間を所定距離
以下で接近させる第2接着層8を設けて結合している。
この電波吸収性パネルは、第1絶縁性基板1が、到来す
る電波の側に位置するように使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電波吸収性パネル
に関し、特に、オフィス内の無線LAN等が原因で生じ
る電波を吸収することができるガラス製の電波吸収性パ
ネルに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、無線LANなどが利用されるオフ
ィスの普及や無線LANの標準化を企図したBluetooth
(通信プロトコル)が新たな通信ネットワークとして組
み込まれることによって、利用される電波の周波数帯域
が1〜6GHzに急速に拡大され、近くに配置された機
器間の電磁ノイズの相互影響の点で電波環境の悪化が予
想される。また、限られた狭い領域で多数の周波数の電
波が伝播するという状況では、電波の判別処理に時間を
要してデータの通信スピードが著しく低減される。さら
に、電波の使用頻度(発生頻度)が高まると機器から出
る電波の人体に対する影響も無視できない。そのため、
オフィス内の電波を低減することが必要となってきてい
る。それを実現させるために、オフィス内の仕切壁や建
造物の壁や窓に電波の反射を抑制するための電波吸収体
を用いることが考えられてきた。
【0003】現在、用いられている電波吸収体として、
フェライトなどの磁性粉末をゴムに混入したシート状の
電波吸収体あるいはウレタン樹脂の発泡体などに混入し
た電波吸収体がある。また、電波の干渉により反射を抑
える1/4λ型吸収体(抵抗膜型電波吸収パネル)がV
IEW(NHKエンジニアリングサービス友の会会誌)
Vol.19、No.1(2000年1月25日発行)
の第13頁〜第15頁の「電波吸収パネルの動向」、あ
るいはEMC1993.12.5、No.68、第95
頁に開示されている。さらに、整合用導電膜を有する絶
縁性基板と反射用導電膜を有する絶縁性基板の間にスト
ライプ形状または格子状の導電膜(以下「分割導電膜」
という)を平行に配置させた構成から成る電波吸収性パ
ネルが特開平10−275997号公報に開示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術につい
て、フェライトなどの磁性粉末をゴムに混入したシート
状の電波吸収体あるいはウレタン樹脂の発泡体などに混
入した電波吸収体は、不燃材料ではなく、また、重量が
あるため、一般の建築工事の中で建材に組み込んで使う
には、制約や制限が多いという問題点がある。
【0005】さらに、1/4λ型吸収体を用いた場合、
その吸収体の厚さが波長の1/4の大きさを必要とする
ため、無線LANの利用周波数が2.4GHzである場
合には、約31mmの厚さとなる。従って、その吸収体
を壁などに組み込もうとしたときには、その吸収体が厚
すぎるため、かさばってしまうという問題点がある。
【0006】また、1/4λ型吸収体では、ガラスなど
の誘電体を組み合わせることにより、波長短縮効果が得
られるが、それでも、無線LANの上記のごとき周波数
においてはその吸収体の厚さとして約20mmが必要と
なる。十分な波長短縮効果を得るためには、より厚いガ
ラスを用いなければならないので、その吸収体の重量が
さらに重くなり、いっそうかさばるという問題点があ
る。
【0007】さらに、従来の1/4λ型吸収体は、前述
の第2の文献であるEMC1993.12.5,No.
68によると、電波の入射角度によって電波の吸収特性
が大きく変化するという問題点がある。この問題点は、
従来の1/4λ型吸収体の厚さが構造上厚くなるため、
1/4λ吸収体内に入射され、反射膜で反射されてくる
電波の行路長の差が電波の入射角度に依存して大きく変
化するためと考えられる。
【0008】分割導電膜を利用した電波吸収体を実現す
るためには、電波が到来する正面側の整合用導電膜と分
割導電膜との間、および分割導電膜と背面側の反射用導
電膜との間が空気層あるいは樹脂層であるので、整合用
導電膜と分割導電膜の間、分割導電膜と反射用導電膜の
間をそれぞれ固定するために、空気あるいは樹脂とは別
の固定用材料を用いなければならない。従ってこの層が
不均一な層になるという問題点がある。
【0009】本発明の目的は、上記問題を解決するため
になされたもので、不燃性を有し、軽量で薄くかつかさ
ばることがなく、整合用導電膜と分割導電膜の間の層と
分割導電膜と反射用導電膜の間の層が均一であり、電波
の入射角度による電波吸収特性の変化が小さな電波吸収
性パネルを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段および作用】本発明に係る
電波吸収性パネルは、上記の目的を達成するために、次
のように構成される。
【0011】第1の電波吸収性パネル(請求項1に対
応):整合用導電膜を有する第1絶縁性基板と、第1絶
縁性基板と対面して配置された反射用導電体を有する基
板と、第1絶縁性基板と基板の間で各々に対面させて配
置され、分割導電膜を一面に有する第2絶縁性基板を備
えている。また、第1絶縁性基板と第2絶縁性基板の間
を絶縁しつつ所定距離以下で接近させる第1接着層を設
けて結合している。さらに、第2絶縁性基板と基板の間
を所定距離以下で接近させる第2接着層を設けて結合し
ている。この電波吸収性パネルは、第1絶縁性基板が、
到来する電波の側に位置するように使用される。
【0012】第1の電波吸収性パネルによれば、整合用
導電膜と反射用導電膜との間に配置された第2絶縁性基
板の一面に分割導電膜が形成されているので、整合用導
電膜と反射用導電膜の間に巨大な大きさの比誘電率を持
つ一様な媒体を配置したことと同等な効果が得られる。
それにより、整合用導電膜と反射用導電膜の間に入射し
た電波の波長が、電波吸収性パネル外での電波の波長よ
り短くなる。その結果、整合用導電膜と反射用導電膜間
で起こる電波の多重反射によって起こる干渉の結果とし
ての電波の吸収の割合を高めるための整合用導電膜と反
射用導電膜の間の距離も小さくなる。それにより、電波
の入射角度による整合用導電膜と反射用導電膜の間での
行路長差の変化が、小さくなり、電波の入射角度による
電波の吸収率の変化が少なくなる。また、整合用導電膜
と分割導電膜と反射用導電膜との固定を接着層を用いて
行っているので、整合用導電膜と分割導電膜との間と、
分割導電膜と反射用導電膜との間を可能な限り接近させ
ることができ、かつ材質が均一な層にすることができ
る。この構成によって電波吸収性パネルの厚みをより薄
くすることが可能となる。
【0013】第2の電波吸収性パネル(請求項2に対
応)は、上記の構成において、好ましくは、第1絶縁性
基板と第2絶縁性基板と基板が板ガラスであるというこ
とで特徴づけられる。これによって、電波吸収性パネル
に、光に対する透過性を持たせ、また不燃性のパネルと
することが可能となる。
【0014】第3の電波吸収性パネル(請求項3に対
応)は、上記の構成において、好ましくは、第1と第2
の接着層の厚みが1mm以下であるということで特徴づ
けられる。これによって、電波吸収性パネルの厚さがよ
り薄くなり、無線LAN等で使用される周波数帯域の電
波の吸収に有益である。
【0015】第4の電波吸収性パネル(請求項4に対
応)は、上記の構成において、電波の周波数帯域がオフ
ィス内の無線通信システムで使用される周波数帯域であ
るということで特徴づけられる。ここで、無線通信シス
テムは例えば無線LANであり、周波数帯域としては例
えば1〜6GHzである。
【0016】第5の電波吸収性パネル(請求項5に対
応)は、上記の各構成において、好ましくは、整合用導
電膜が1000Ω/□以下の表面抵抗値を持つ金属薄膜
から成っており、また、反射用導電膜が40Ω/□以下
の表面抵抗値を持つ金属薄膜から成っており、さらに、
分割導電膜が1mm以下のギャップ幅と10mm以下の
膜幅で形成されかつ40Ω/□以下の表面抵抗値を持つ
金属薄膜から成っていることであることで特徴づけられ
る。これによって、オフィス内の無線通信システムで使
用される周波数である例えば2.4GHzを持つ電波を
効率的に吸収することができる。
【0017】第6の電波吸収性パネル(請求項6に対
応)は、上記の構成において、好ましくは反射用導電体
が一様な金属薄膜から成ることであることで特徴づけら
れる。
【0018】第7の電波吸収性パネル(請求項7に対
応)は、上記の構成において、好ましくは反射用導電体
が金属網からなることであることで特徴づけられる。
【0019】第8の電波吸収性パネル(請求項8に対
応)は、上記の構成において、好ましくは基板として金
属板を用いたことであることで特徴づけられる。
【0020】第9の電波吸収性パネル(請求項9に対
応)は、上記の構成において、好ましくは第1絶縁性基
板の代わりにPETフィルムを用い、第2絶縁性基板と
の間に設けた第1接着層として粘着剤付きフィルムを用
いることであることで特徴づけられる。これによって、
電波吸収性パネルが薄くなり、また、軽量になる。さら
に、整合用導電膜と分割導電膜との間の層が均一な層に
なる。
【0021】第10の電波吸収性パネル(請求項10に
対応)は、上記の構成において、好ましくは基板の代わ
りにPETフィルムを用い、第2絶縁性基板との間に設
けた第2接着層として粘着剤付きフィルムを用いたこと
であることで特徴づけられる。これによって、電波吸収
性パネルがより薄くなり、また、より軽量になる。さら
に、分割導電膜と反射用導電膜との間の層が均一な層に
なる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施形態
を添付図面に基づいて説明する。
【0023】図1および図2に従って本発明の第1の実
施形態を説明する。図1および図2では、絶縁性基板1
と、この絶縁性基板1の片面(内側面)に一様に形成さ
れた整合用導電膜2と、絶縁性基板1と平行に配置され
た基板3と、この基板3の片面(内側面)に一様に形成
された反射用導電膜4が示されている。また、絶縁性基
板1と基板3の間に平行に配置された絶縁性基板5と、
この絶縁性基板5の片面(絶縁性基板1側の面)に形成
された分割導電膜6が示されている。さらに、絶縁性基
板1と基板3と絶縁性基板5を接着するための接着層7
および接着層8が示されている。整合用導電膜2と反射
用導電膜4との距離がdで示されている。絶縁性基板1
と基板5と絶縁性基板3は互いに平行であることが望ま
しいが、厳密に平行である必要はない。対面関係が維持
されれば十分である。
【0024】絶縁性基板1と絶縁性基板5には、好まし
くは板ガラスが用いられる。基板3にも板ガラスを用い
ることが好ましいが、後述するように他の材質を用いる
こともできる。また、絶縁性基板5用の板ガラスには、
5mm以下の厚さで、強度を保つために十分な厚さがあ
ればよい。絶縁性基板1と基板3の板ガラスの厚さは、
強度を保てる程度の厚さであればよい。整合用導電膜2
と反射用導電膜4と分割導電膜6に用いられる導電膜
は、SnO2を主成分とする透明導電膜、In2 3を主
成分とする透明導電膜、Ag,Au,Cu,Alのいず
れかを主成分とする金属膜が用いられる。整合用導電膜
2に用いられる金属膜には、好ましくは、表面抵抗値が
1000Ω/□以下である金属膜を用い、絶縁性基板1
内での電波特性インピーダンスになるようにしている。
反射用導電膜4に用いられる金属膜には、好ましくは表
面抵抗値が40Ω/□以下である金属膜を用い、分割導
電膜6に用いられる金属膜には、好ましくは表面抵抗値
が40Ω/□以下である金属膜を用いる。また、それぞ
れの金属膜の厚さは、金属膜の表面抵抗値が上記の値に
なるように決定される。接着層7,8は、絶縁性を有す
る接着剤から成る。接着剤としては例えばポリビニルブ
チラールである。また、接着層8は、反射用導電膜4と
絶縁性基板5を結合するために用いる接着層であるた
め、絶縁性を有しない接着剤を用いることもできる。
【0025】分割導電膜6は、金属膜が例えば横方向の
ストライプ形状に形成されたものであり、その金属膜の
幅は、10mm以下であり、金属膜の間隔は1mm以下
になるように形成される。なお図1では分割導電膜6の
ストライプの方向が横方向になっているが、図3に示す
ようにストライプの方向として縦方向のもの6Aを用い
ることもできる。また分割導電膜6として、図4に示す
ような、格子形状導電膜6Bを用いることもできる。
【0026】絶縁性基板1は電波Eの到来する側に配置
され、整合用導電膜2は電波Eの到来する側とは反対側
の面に形成されている。また分割導電膜6は、絶縁性基
板5の整合用導電膜2に近い方の面に形成することが好
ましい。さらに反射用導電膜4は、絶縁性基板5の側の
基板3の面に形成されている。絶縁性基板1と絶縁性基
板5は接着層7によって接着され、絶縁性基板5と基板
3は接着層8によって接着されている。なお整合用導電
膜2は、絶縁性基板1の電波の到来する側の面に形成し
てもよい。また反射用導電膜4は、基板3の絶縁性基板
5とは反対側の面に形成してもよい。
【0027】整合用導電膜2は、絶縁性基板1内での電
波特性インピーダンスをもつように形成してあり、絶縁
性基板1から入射された電波を、反射せずに、100%
透過するために設けられたものである。また反射用導電
膜4は、絶縁性基板5の側から入射された電波を絶縁性
基板5の側に反射するために設けられたものである。分
割導電膜6は、前述の特開平10−275997号公報
に説明されているように、整合用導電膜2と反射用導電
膜4の間に、大きな比誘電率εを持つ一様な誘電体膜が
配置されている場合と同様な機能を持たせるために設け
られたものである。絶縁性基板1と基板3は、整合用導
電膜2と反射用導電膜4の間の距離dが、到来する電波
Eの整合用導電膜2と反射用導電膜4の間での多重反射
の干渉による共鳴が発生するように配置されている。
【0028】次に、図5、6を用いて上記実施形態によ
る電波吸収性パネルの作用を説明するために、上記電波
吸収性パネルに波長λの電波Eが入射された場合を考え
る。
【0029】絶縁性基板1に入射された電波Eの一部
は、絶縁性基板1の表面で反射され、一部は、絶縁性基
板1を透過する。その透過した電波は、一様な導電膜に
よって形成された整合用導電膜2を透過する。その電波
は、接着層7、分割導電膜6、絶縁性基板5、接着層8
を透過し、絶縁性基板1と平行に配置された基板3上に
導電体によって形成された反射用導電膜4によって反射
される。
【0030】その反射された電波は、接着層8、絶縁性
基板5、分割導電膜6、接着層7を透過し、整合用導電
膜2で、一部は反射され、一部は透過して空気中に出
る。
【0031】そのとき、接着層7と接着層8と絶縁性基
板5と分割導電膜6のそれぞれの持つ誘電率から波長短
縮が生じて空気中での電波の波長λよりも短くなる。特
に、分割導電膜6を通過するときの電波の波長は、分割
導電膜6の作用により、比誘電率εが大きくなっている
ために、電波の波長は大幅に短くなる。
【0032】整合用導電膜2と反射用導電膜4との間の
距離dが、電波の多重反射の干渉による共鳴が発生する
ような距離、すなわち、整合用導電膜2と反射用導電膜
4の間での電波の波長の1/4の距離になっているの
で、整合用導電膜2と反射用導電膜4で反射された電波
の多重反射によって干渉による共鳴が起こり、整合用導
電膜2から外側には、出射せず、100%整合用導電膜
2により、分割導電膜6の方向に反射される。これによ
り、電波吸収性パネルに入射された電波Eは、整合用導
電膜2と反射用導電膜4の間に閉じこめられ、整合用導
電膜2と反射用導電膜4の間に存在する絶縁性基板5と
接着層7と接着層8によって吸収される。このようにし
て、電波吸収性パネルに入射した電波は電波吸収性パネ
ルにより吸収される。
【0033】また図6に示すように、電波Eの入射角度
を考えた場合、反射膜4に角度θで入射し、角度θで反
射する。そのとき、整合用導電膜2と反射用導電膜4の
間で多重反射する電波の行路長の差は、整合用導電膜2
と反射用導電膜4の間の距離をdとしたとき、d(1/
cosθ−1)の整数倍となり、dが小さいほど、すな
わち、整合用導電膜2と反射用導電膜4の間の距離dが
小さいほど、角度変化による行路長の差の変化も小さく
なる。さらに、整合用導電膜2と反射用導電膜4の間で
の比誘電率が大きいため、屈折率が高くなり、入射角度
が高くなっても、電波吸収性パネルの整合用導電膜2の
面で大きく屈折するため、行路長の差の入射角度依存性
も小さくなる。そのため、電波の入射角度を多少変化さ
せても電波の多重反射の干渉による共鳴が発生する。そ
の結果、電波の入射角度による電波の吸収率の変化が少
なくなる。また、整合導電膜2と分割導電膜6との距離
が小さいほど、電波の入射角度による電波の吸収率の変
化がより少なくなる。
【0034】以上で説明したように、本実施形態による
電波吸収性パネルは、絶縁性基板1および基板3および
絶縁性基板5と、整合用導電膜2と分割導電膜6と反射
用導電膜4と、それらを固定する絶縁性の接着剤から成
る接着層7および接着層8とから形成されているので、
薄く、かさばらないようにすることができる。またパネ
ルの幅が薄く、整合用導電膜2と反射用導電膜4との間
の比誘電率が大きいので、吸収率の入射角度依存性を小
さくすることができる。さらに接着層7,8を用いて結
合しているので、整合用導電膜2と分割導電膜6と反射
用導電膜4との間隔を狭くし、材質が均一な層にするこ
とができる。
【0035】なお第1の実施形態では、反射用導電膜4
として、導電体によって形成された反射用導電膜とした
が、この反射用導電膜4に、図7に示すような一様な金
属薄膜10を用いてもよい。
【0036】また図8に示すように、反射用導電膜4と
して金属網11を用いてもよい。さらに図9に示すよう
に、反射用導電膜4を有する基板3として金属板12を
用いてもよい。このとき、基板上に反射用導電膜を作る
必要がなくなるため、電波吸収性パネルの製造が容易と
なる。
【0037】整合用導電膜2を1000Ω/□以下の表
面抵抗値を持つようにし、反射用導電膜4を40Ω/□
以下の表面抵抗値を持つようにし、分割導電膜6を1m
m以下のギャップ幅と10mm以下の膜の幅で形成され
た40Ω/□以下の表面抵抗値を持つように形成するこ
とにより、無線LAN用の例えば2.4GHz付近の電
波に対して、高い吸収率を持つ電波吸収性パネルを得る
ことができる。
【0038】絶縁性基板1と基板5と絶縁性基板7とし
て、板ガラスを用いているので、可視光を容易に透過す
ることができ、そのため、窓材として用いることができ
る。
【0039】次に図10を参照して本発明の第2実施形
態を説明する。図10では、絶縁性基板の代わりに、P
ET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム20を用
い、整合用導電膜19上にPETフィルムが張り付けら
れている。また、整合用導電膜19と分割導電膜21が
形成された絶縁性基板22との結合には、粘着剤付きフ
ィルム23が用いられている。
【0040】そのため、電波吸収性パネルの重量が軽く
なり、接着をフィルムの粘着剤により行うので、作製が
容易であり、また、整合用導電膜と分割導電膜と反射用
導電膜との間を薄く、かつ均一な層とすることができ
る。そのため、電波の吸収率の入射角度依存性を少なく
することができる。
【0041】図11を参照して本発明の第3実施形態を
説明する。図11では、絶縁性基板の代わりにPETフ
ィルム24を用い、分割導電膜26が形成された絶縁性
基板27と結合するために粘着剤付きフィルム28を用
いている。また、反射用導電膜を有する基板の代わりに
PETフィルム30を用い、分割導電膜26が形成され
た絶縁性基板27との結合に、粘着剤付きフィルム31
を用いている。
【0042】PETフィルムと、粘着剤付きフィルムが
軽量であり、薄いため、さらに、電波吸収性パネルを軽
量かつ薄型にすることができ、また、作製が容易にな
る。
【0043】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように本発明によ
れば、次の効果を奏する。
【0044】整合用導電膜と反射用導電膜との間に配置
された絶縁性基板上に分割導電膜が形成され、絶縁性基
板と絶縁性基板の間を絶縁しつつ接近させて、接着層に
より結合しているので、電波吸収性パネルの厚みを小さ
くでき、電波の入射角度による電波の吸収率の変化を少
なくすることができる。また、整合用導電膜と分割導電
膜との間と、分割導電膜と反射用導電膜との間を材質が
均一な層にすることができる。さらに、絶縁性基板と基
板に板ガラスを用いることによって、不燃性にすること
ができる。反射用導電膜を有する基板の代わりに金属板
を用いることにより、基板に反射膜を形成する必要がな
くなるため、製造が容易となる。PETフィルムと粘着
剤付きフィルムを用いた場合には、電波吸収性パネルを
より薄くでき、また、軽量にすることができる。
【0045】薄く、軽量であるため簡単な施工で取り付
け、取り外しを行うことができ、移動することも簡単に
なり、既存の窓枠に取り付けることも可能となる。ま
た、電波の入射方向で特性が変わらないため、設置場所
を選ばず室内の間仕切りにも使うことができ、整合用導
電膜側から入射してくる無線LAN用の電波を吸収して
電波吸収性パネルを透過しないと同時に、反射用導電膜
側から入射してくる無線LAN用の電波も反射用導電膜
によって反射されることにより、電波吸収性パネルを透
過しないため、設置場所によっては情報漏洩対策に用い
ることができる。さらに板ガラスやPETフィルムなど
の透明で安価な材質を用いた構成であるため、低コスト
で製造でき、またこの電波吸収性パネルを用いて光は通
すが電波は通さない壁を作ることができ、広々とした室
内空間を演出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電波吸収性パネル
の一部の外観斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る電波吸収性パネル
の内部構造を示した要部縦断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る電波吸収性パネル
のストライプ形状の分割導電膜のパターン図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る電波吸収性パネル
の格子形状の分割導電膜のパターン図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る電波吸収性パネル
の作用を説明するための縦断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る電波吸収性パネル
の作用を説明するための縦断面図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る電波吸収性パネル
の変形例の要部縦断面図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る電波吸収性パネル
の変形例の要部縦断面図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係る電波吸収性パネル
の変形例の要部縦断面図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る電波吸収性パネ
ルの要部縦断面図である。
【図11】本発明の第3実施形態に係る電波吸収性パネ
ルの要部縦断面図である。
【符号の説明】
1 絶縁性基板 2 整合用導電膜 3 基板 4 反射用導電膜 5 絶縁性基板 6 分割導電膜 7 接着層 8 接着層 d 整合用導電膜と反射用導電膜との距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 冨樫 元康 東京都港区芝一丁目11番11号 日本板硝子 環境アメニティ株式会社内 (72)発明者 星野 康 東京都港区芝一丁目11番11号 日本板硝子 環境アメニティ株式会社内 (72)発明者 原川 健一 千葉県印西市大塚一丁目5番地1 株式会 社竹中工務店技術研究所内 (72)発明者 斎藤 俊夫 千葉県印西市大塚一丁目5番地1 株式会 社竹中工務店技術研究所内 (72)発明者 村田 健治 大阪市中央区道修町三丁目5番11号 日本 板硝子株式会社内 Fターム(参考) 2E001 DH01 FA03 FA07 FA32 GA23 GA42 HA11 HB01 HD11 LA04 LA16 4F100 AB01A AB01B AG00A AG00B AG00C AK01D AK01E AK42A AR00A AR00B AR00C AR00D BA05 BA07 BA10A BA10B DC16B DC22C GB07 JD08 JG01A JG01B JG01C JG04A JG04D JJ07 JL03 JL13D JL13E JM02A JM02C JN06B YY00A YY00B YY00C YY00D 5E321 AA46 BB25 BB41 CC16 GG05 GG12 GH01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 整合用導電膜を有する第1絶縁性基板
    と、 前記第1絶縁性基板と対面して配置された反射用導電体
    を有する基板と、 前記第1絶縁性基板と前記基板の間で各々に対面させて
    配置され、分割導電膜を一面に有する第2絶縁性基板を
    備え、 前記第1絶縁性基板と前記第2絶縁性基板の間を絶縁し
    つつ所定距離以下で接近させる第1接着層を設けて結合
    し、 前記第2絶縁性基板と前記基板の間を所定距離以下で接
    近させる第2接着層を設けて結合し、 前記第1絶縁性基板が、到来する電波の側に位置するよ
    うに使用されることを特徴とする電波吸収性パネル。
  2. 【請求項2】 前記第1絶縁性基板と前記第2絶縁性基
    板と前記基板は板ガラスであることを特徴とする請求項
    1記載の電波吸収性パネル。
  3. 【請求項3】 前記第1と第2の接着層の厚みは1mm
    以下であることを特徴とする請求項1記載の電波吸収性
    パネル。
  4. 【請求項4】 前記電波の周波数帯域はオフィス内の無
    線通信システムで使用される周波数帯域であることを特
    徴とする請求項1記載の電波吸収性パネル。
  5. 【請求項5】 前記整合用導電膜が1000Ω/□以下
    の表面抵抗値を持つ金属薄膜から成り、前記反射用導電
    膜が40Ω/□以下の表面抵抗値を持つ金属薄膜から成
    り、前記分割導電膜が1mm以下のギャップ幅と10m
    m以下の膜幅で形成されかつ40Ω/□以下の表面抵抗
    値を持つ金属薄膜から成ることを特徴とする請求項1〜
    4のいずれか1項に記載の電波吸収性パネル。
  6. 【請求項6】 前記反射用導電体が一様な金属薄膜から
    成ることを特徴とする請求項1記載の電波吸収性パネ
    ル。
  7. 【請求項7】 前記反射用導電体が金属網から成ること
    を特徴とする請求項1記載の電波吸収性パネル。
  8. 【請求項8】 前記基板として金属板を用いたことを特
    徴とする請求項1記載の電波吸収性パネル。
  9. 【請求項9】 前記第1絶縁性基板の代わりにPETフ
    ィルムを用い、前記第2絶縁性基板との間に設けた第1
    接着層として粘着剤付きフィルムを用いたことを特徴と
    する請求項1記載の電波吸収性パネル。
  10. 【請求項10】 前記基板の代わりにPETフィルムを
    用い、前記第2絶縁性基板との間に設けた前記第2接着
    層として粘着剤付きフィルムを用いたことを特徴とする
    請求項1または9記載の電波吸収性パネル。
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