JP2003078276A - 電波吸収体 - Google Patents
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Abstract
収し、しかも、従来のλ/4型電波吸収体よりも厚さを
薄くできる電波吸収体を提供する。 【解決手段】 誘電体15を有し、該誘電体15の一方
の表面には位相調整機能を有する電波吸収面12が形成
され、電波吸収面12とは反対側の誘電体15表面には
電波反射面14が形成されている電波吸収体10。
Description
るものであり、特に、特定周波数の電波を選択的に吸収
する電波吸収体に関するものである。
AN等の室内における専用通信の利用が広がりを見せる
なか、情報の漏洩防止や外部からの侵入電波による誤動
作やノイズ防止といった点から、オフィス内での電波環
境を整えることが不可欠になってきている。そのような
電波環境の整備用部材として、既に種々のタイプのもの
が提案されている。
は、金属やフェライトなどの電磁シールド部材をビルの
躯体に付加することで、広い周波数帯域で任意の周波数
の電波を使って情報通信が出来る電磁シールド・インテ
ルジェントビルが提案されている。
金属メッシュ、金属箔などの電波反射体やフェライトな
どの電波吸収体を電磁シールド部材として用いたもので
は、それらの電磁シールド性に周波数選択性が無いた
め、遮蔽しようとする周波数以外の電波まで遮蔽してし
まうという問題があった。
し、受信障害(ゴーストの発生)の原因となるため、用
いることができる箇所が制限される。さらに、電磁シー
ルド部材間の隙間によってシールド性能が大きく低下す
るため、個々の部材が持つシールド性能を十分発揮させ
るには、部材間の接続や接地など施工面での厳密性が要
求される。
は、特開平10−169039号公報に、線状のアンテ
ナ素子を定期的に配列させることで遮蔽しようとする特
定周波数の電波のみを遮蔽し、部材間の接続や接地も必
要ないという建物が提案されている。しかしながら、そ
の遮蔽は反射損失によるものが大部分であるため、オフ
ィス内部において反射電波によるCRT画面の揺らぎや
通信機器の誤動作などが起こる場合があるという問題を
有していた。
に起因する問題を解消するものとしては、特開平9−1
62589号公報や特開平5−335832号公報に、
特定周波数の電波を選択的に吸収する電波吸収体が提案
されている。特開平9−162589号公報の電波吸収
体は、導電体より大きく絶縁体より小さい電気抵抗値を
持つエレメントを配列させて特定周波数(以上)の電波
を吸収するものである。しかしながら、この電波吸収体
による遮蔽は、電波の照射によってエレメント内を流れ
る交番電流の抵抗損失によるものであるため、微小な体
積のエレメントでは、遮蔽しようとする周波数の電波に
おいても実際的には透過が多くなり、吸収可能な電波量
は僅少になるという問題を有していた。
体は、図8に示すように、抵抗体皮膜31と電波反射体
32とが誘電体33(厚さがこの誘電体内における電波
波長の4分の1)を挟んで配置された電波吸収体30で
あり、特定周波数の電波のみを選択的に吸収する、いわ
ゆるλ/4型電波吸収体である。
原理を、図9を参照しながら説明する。一般に、電波が
ある媒体A(誘電体33)中から他の媒体B(電波反射
体32)へ入射する場合、A/B界面での電波の反射係
数SABは、下記式(1)で表される。 SAB=(ZB−ZA)/(ZB+ZA) (1) (式中、ZA は媒体Aの電波特性インピーダンスであ
り、ZB は媒体Bの電波特性インピーダンスである。)
ち導体(ZB ≒0)であるので、S AB≒−1となり、電
波はA/B界面で完全に反射され、媒体A中に大きな定
在波が立つ。この時、媒体A中での負荷インピーダンス
Zの値は、下記式(2)で表されるようにA/B界面
(X=0)で0であり、A/B界面からX=λ/4(λ
は電波の波長)の所で無限大∞になる。 Z=jZA tan2βX (2) (式中、jは素数単位であり、βは伝搬定数の虚数部
(位相定数)であり、XはA/B界面からの距離であ
る。)
の抵抗体皮膜31を置くと、この位置での負荷インピー
ダンスは、Rと∞との並列合成であるのでほぼRとな
り、この位置での反射係数Sλ/4 は、下記式(3)で
表される値になる。 Sλ/4=(R−ZA)/(R+ZA) (3) すなわち、抵抗体皮膜31のインピーダンスRが、媒質
A(誘電体33)の電波特性インピーダンスZA に完全
に等しければ反射係数Sλ/4 は0となる。
−162589号公報のものに比して大きく、周波数選
択性にも優れる。しかしながら、誘電体の裏側を金属箔
や金属網などの電波反射体で裏打ちするため、遮蔽しよ
うとする周波数以外の電波は反射してしまう、すなわ
ち、その周波数選択性は抵抗体皮膜側から到来する電波
の反射成分に対してのみであるという問題を有してい
た。さらに、電波反射体側から到来する電波は、周波数
に関係なく反射されてしまい、上述したテレビ電波受信
障害の原因となる可能性があった。
的に吸収し、これ以外の電波を双方向に透過させる電波
吸収体としては、特開2000−53484号に、抵抗
体皮膜と、遮蔽しようとする周波数の電波に対応した特
定の長さを有する金属線素子が配設された電波反射面と
が、誘電体を挟んで配置された電波吸収体が提案されて
いる。しかしながら、この電波吸収体をはじめ、従来の
λ/4型電波吸収体においては、遮蔽しようとする電波
の周波数が低くなる、すなわち波長が長くなるにつれ
て、誘電体の厚さλ/4が厚くなり、電波吸収体全体が
厚くなるといった問題を有していた。
は、遮蔽しようとする周波数の電波を選択的に吸収し、
しかも、従来のλ/4型電波吸収体よりも厚さを薄くで
きる電波吸収体を提供することにある。また、本発明の
目的は、さらに、遮蔽しようとする周波数以外の電波を
双方向に透過させることができ、電波吸収体間の接続や
接地の必要がなく施工性に優れる電波吸収体を提供する
ことにある。
誘電体を有し、該誘電体表面には位相調整機能を有する
電波吸収面が形成され、電波吸収面とは反対側の誘電体
表面には電波反射面が形成されていることを特徴とす
る。また、電波吸収面は、独立した複数の金属線素子が
配設されたものであることが望ましい。ここで、金属線
素子は、複数の開放端を有するものであってもよく、環
状のものであってもよい。
波数の電波に対応した特定の長さを有する、独立した複
数の金属線素子が配設されたものであることが望まし
い。ここで、金属線素子は、複数の開放端を有し、該開
放端間の金属線素子の長さが、遮蔽しようとする周波数
の電波の換算誘電率を考慮した波長の2分の1から±2
5%の範囲内であるものであってもよく、また、金属線
素子は、環状であり、その1周の長さが、遮蔽しようと
する周波数の電波の換算誘電率を考慮した波長から±2
5%の範囲内であるものであってもよい。本発明におい
ては、誘電体の誘電率、厚さ、並びに金属線素子の支持
体に用いられているフィルムの誘電率、厚さを含め、等
価的に求めたものを「換算誘電率」と呼ぶこととする。
計で3カ所以上に設けられていてもよい。また、電波反
射面は、複数種類の金属線素子が配設されたものであっ
てもよい。また、電波吸収面は、その表面において反射
される、遮蔽しようとする周波数の電波が40%以下と
なるようなインピーダンスを有するものであることが望
ましい。また、本発明の電波吸収体は、遮蔽しようとす
る周波数から20%以上離れた周波数における電波の透
過損失が、10dB以下であることが望ましい。また、
電波吸収面は、複数設けられていてもよい。
る。図1は、本発明の電波吸収体の一例を示す断面図で
ある。この電波吸収体10は、独立した複数の金属線素
子11が配設された電波吸収面12と、独立した複数の
金属線素子13が配設された電波反射面14とが、誘電
体15を挟んで配置されているものである。また、図
中、矢印I,IIはそれぞれ電波の到来方向を表したもの
である。
数の電波に対応した特定の長さを有する、独立した複数
の金属線素子13が誘電体15表面に配設されたもので
ある。ここで、金属線素子13の材質は、インピーダン
スがほぼ0である導体であることが望ましい。すなわ
ち、電波が到来している場所に、接地されていない金属
棒や金属ワイヤーなどの導体(金属線素子13)を置い
た場合、一部の電波は吸収され、他は導体中を流れる交
番電流が作る電磁界との相互作用によって反射される。
この時、電波の吸収量と反射量との比(吸収量/反射
量)は導体のインピーダンスによって変わり、インピー
ダンスがほぼ0であればその比もほぼ0となる。
に、開放端20を有し、該開放端20間の金属線素子1
3の長さが、遮蔽しようとする周波数の電波の誘電体1
5中での波長の2分の1とされる。すなわち、導体(金
属線素子13)と電波の相互作用(吸収、反射)は、導
体と電波が共鳴する場合に大きくなり、この共鳴は、開
放端間の導体の長さが電波波長の2分の1の場合に起こ
る。
す線状のものに限定はされず、図3に示すような十字形
のもの、図4に示すようなY字形にものなど、枝分かれ
形状のものであっても構わない。枝分かれ形状のもので
は、その分岐点から開放端20までの長さが、電波波長
の4分の1となる。また、金属線素子13の形状は、図
5〜図7に示す三角、四角、円など環状のものであって
も構わない。環状のものでは、導体と電波との共鳴は、
その1周の長さが、電波波長と同じ長さの場合に起こ
る。
の金属線素子13を同じ長さにすることは困難であり、
開放端20を有するものでは、その長さは、遮蔽しよう
とする周波数の電波の、誘電体15の換算誘電率を考慮
した波長の2分の1から±25%の範囲まで、より好ま
しくは±10%の範囲まで、環状ものでは、その1周の
長さは、遮蔽しようとする周波数の電波の、誘電体15
の換算誘電率を考慮した波長から±25%の範囲まで、
より好ましくは±10%の範囲まで許容される。
反射は、直接、金属線素子13の表面に入射する電波に
対してだけでなく、その金属線素子13周囲の電波に対
しても起こる(ただし、金属線素子13から離れれば離
れる程、吸収や反射量は少なくなる)。すなわち、金属
線素子13が配設された電波反射面14では、金属線素
子13の開放端20間の距離が電波波長の2分の1の場
合に共鳴し、相互作用が大きくなって導体と共鳴する波
長(周波数)の電波は、この面で殆ど反射する。言い換
えると、この長さの金属線素子13と共鳴しない波長
(周波数)の電波にとっては、この電波反射面14は反
射面とはならずにその大部分が透過する。
状導体の持つ性質を利用したもので、遮蔽しようとする
周波数の電波(但し、その波長は誘電体中での波長)と
共鳴するような長さの金属線素子13を配列することで
電波反射面としたものである。このような電波反射面1
4の反射性能は、実際にはあるインピーダンスを持つ個
々の金属線素子13中を流れる交番電流の大きさによっ
て決まるため、その線幅や厚さは大きい程、個々の金属
線素子13間の間隔は小さい程良くなる。しかしなが
ら、同時に、遮蔽しようとする周波数の電波以外の(周
波数が赤外光以上のものを含む)電磁波の金属線素子1
3表面における反射も大きくなるため周波数選択性が悪
くなる。そこで実用上は、反射しようとする周波数の電
波に対する反射性能と周波数選択性を考慮して、金属線
素子13の線幅、厚さ、個々の金属線素子13間の間隔
が決定される。
線素子を図示したが、金属線素子の形状がこれらに限定
されるものでないことは、前記の説明で明らかである。
このような金属線素子は、例えば、誘電体15上に金属
箔を貼付し、金属線素子のパターンにしたがって紫外線
硬化樹脂によるマスキングを行った後、余分な金属箔を
エッチングにより取り除くことによって形成することが
できる。また、電波反射面14は、図1に示すように、
金属線素子13を誘電体15の表面に直接設けたものに
限定はされず、他の高分子フィルムやガラス、セラミッ
クス、紙などの誘電体からなる支持体上に金属線素子を
設け、その支持体を誘電体15表面に配置したものであ
ってもかまわない。また、電波反射面として個々に独立
した金属線素子の配列面を用いているため、電波吸収体
同士の接続や接地は必要ない。このことは施工性を極め
て簡便にするもので、本発明の電波吸収体のもう一つの
大きな利点である。
素子11が誘電体15表面に配設されたものである。ま
た、電波吸収面12は、図1に示すように、金属線素子
11を誘電体15の表面に直接設けたものに限定はされ
ず、他の高分子フィルムやガラス、セラミックス、紙な
どの誘電体からなる支持体上に金属線素子を設け、その
支持体を誘電体15表面に配置したものであってもかま
わない。金属線素子11の形状は、上述の金属線素子1
3と同様に特に限定されるものではなく、例えば、図2
から図7までに示す形状が挙げられる。
うに決定される。上述したように、抵抗体皮膜(電波吸
収面12)のインピーダンスRが媒質A(誘電体15)
の電波特性インピーダンスZA に完全に等しければ、電
波吸収面の表面での反射係数は0となるので、電波吸収
面12は抵抗体皮膜は、そのインピーダンスRが媒質A
の電波特性インピーダンスZA に近いものが好ましい。
インピーダンスRを有するようなものであれば、電波吸
収面12に用いられる金属線素子の材質は、本質的な限
定を受けるものではない。ここで媒質Aが空気や真空で
あれば電波特性インピーダンスZA は自由空間の電波特
性インピーダンス(≒377Ω)となり、ガラスや有機
高分子などの場合にはその内部での電波特性インピーダ
ンスとなる。
1からなる電波吸収面12のインピーダンスRは、自由
空間の電波特性インピーダンスにくらべ低く、電波特性
インピーダンスZA に近づけることは困難である。そこ
で、実用上問題がない電波吸収体を得るには、電波吸収
面12は、その表面における、遮蔽しようとする周波数
の電波の反射を好ましくは40%以下、より好ましくは
35%以下にするようなインピーダンスRを有するもの
とされる。また、I方向から到来する、遮蔽しようとす
る周波数の電波を十分に吸収するためには、電波吸収面
12の表面において進行波と反射波との間でインピーダ
ンスをマッチングさせる必要がある。そのため、電波吸
収面12のインピーダンスやインダクタンス、コンダク
タンスは、伝送線路理論や電磁界解析を用いて決定する
ことが望ましい。
る周波数の電波の位相を、透過電波と、金属線素子から
再放射される電波との合成によりシフトさせる働き(位
相調整機能)を兼ね備えるものである。遮蔽しようとす
る周波数の電波の位相をシフトさせることにより、上記
式(2)で表される媒体A中での負荷インピーダンスZ
の値は、A/B界面からX=λ/4(λは電波の波長)
の所で無限大∞にならずに、位相のシフトに応じて媒体
A中での負荷インピーダンスZが無限大になる位置Xも
またシフトする。したがって、位相シフトの程度を調整
することによって、電波反射面14(A/B界面)から
の電波吸収層12の位置(X)を調整すること、すなわ
ち電波吸収体10の厚さの変更が可能となる。
る周波数の電波を反射せずに、位相をシフトさせてこれ
を通過させるためには、開放端を有するものの場合、遮
蔽しようとする周波数の電波の、誘電体15の換算誘電
率を考慮した波長の2分の1から±2%以上異なるもの
であることが好ましい。より好ましくは±10%以上異
なるものである。長さが波長の2分の1から±2%未満
の金属線素子では、遮蔽しようとする周波数の電波の反
射が大きくなるおそれがある。環状のものの場合、金属
線素子11の1周の長さは、遮蔽しようとする周波数の
電波の、誘電体15の換算誘電率を考慮した波長から±
2%以上異なるものであることが好ましい。より好まし
くは±10%以上異なるものである。長さが波長から±
2%未満の金属線素子では、遮蔽しようとする周波数の
電波の反射が大きくなるおそれがある。
置を近く、すなわち電波吸収体10の厚さを薄くするた
めには、具体的には、金属線素子11の長さは、開放端
を有するものの場合、遮蔽しようとする周波数の電波の
誘電体15中での波長の2分の1に対し、35%〜95
%の範囲が適当であり、40%〜60%の範囲がより好
ましい。金属線素子11の長さが電波波長の2分の1の
35%未満では、位相を変化させる能力が低下し、95
%を超えると、遮蔽しようとする周波数の電波の反射が
大きくなるおそれがある。また、環状のものの場合、金
属線素子11の1周の長さは、遮蔽しようとする周波数
の電波の、誘電体15の換算誘電率を考慮した波長に対
し、35%〜95%の範囲が適当であり、40%〜60
%の範囲がより好ましい。
ガラス、セラミックス、有機高分子などその材質に本質
的な制限を受けるものではなく、複数の材質を組み合わ
せて用いることもできる。また、本発明における誘電体
には、真空、空気、その他のガスも含まれるものとす
る。
蔽しようとする電波の周波数、電波吸収面12における
位相シフトの程度によって適宜、決定される。誘電体1
5の厚さ決定についても、伝送線路理論や電磁界解析を
用いることが有効である。
波吸収面12が位相調整機能を有しているので、電波吸
収面12による位相シフトの程度に応じて電波吸収面1
2と電波反射面14との間隔を調整することができ、遮
蔽しようとする電波の周波数が同じである従来のλ/4
型電波吸収体にくらべ、厚さを薄くすることができる。
また、抵抗体としても機能する電波吸収面12と電波反
射面14とが誘電体15を挟んで配置されているので、
I方向から到来する電波のうち、電波吸収面12と電波
反射面14との間隔および電波吸収面12による位相シ
フトの程度に応じた、特定の周波数の電波を吸収するこ
とができる。
る周波数の電波に対応した特定の長さを有する金属線素
子13が配設されたものであるので、遮蔽しようとする
周波数の電波のうち、II方向から到来する電波を反射し
つつ、遮蔽しようとする周波数以外の電波を双方向に透
過させることができ、電波吸収体間の接続や接地の必要
がなく施工性に優れる。また、電波反射面14が、金属
線素子13が配設されたものであるので、誘電体15と
して光の透過率の高い材質を用いれば、得られる電波吸
収体は、光の透過率の高いものとなり、窓ガラスなどに
も貼設することができる。
波を双方向に透過させることができるとは、遮蔽しよう
とする周波数から20%以上離れた周波数における電波
の透過損失が、10dB以下となる状態をいう。
波吸収体10の形態のものに限定はされず、誘電体を有
し、該誘電体の一方の表面には位相調整機能を有する電
波吸収面が形成され、電波吸収面とは反対側の誘電体表
面には電波反射面が形成されているものであれば、例え
ば、(1) 電波反射面の両側に、誘電体、電波吸収面が設
けられているもの、(2) 電波吸収面および/または電波
反射面の表面に、プラスチックフィルムやガラスなどか
らなる保護層などが設けられたもの、などであっても構
わない。
子が配設されたものであってもよい。このような電波反
射面を有する電波吸収体は、複数の周波数の電波を反射
することができる。さらに、この電波反射面で反射され
る複数の周波数の電波のそれぞれの波長に応じた位置
に、複数の電波吸収面を設ければ、複数の周波数の電波
を吸収することができる。
(誘電体15)表面に、金属線素子11を有するフィル
ム(L:2pf、R:0.01Ω/□)[at2.45
GHz]を貼り付けた。また、この発泡スチロール(誘
電体15)の裏面に、金属線素子13を有するフィルム
(R:0.01Ω/□)[at2.45GHz]を貼り
付け、図1に示すような電波吸収体を作製した。
する電波に対する2.45GHzにおける透過減衰量測
定および反射減衰量の測定を行った。結果を表1に示
す。透過減衰量測定は透過損失法を用い、電波吸収体が
ない場合に比べて何dB透過量が減少したかを測定し
た。反射減衰量測定は反射電力法を用い、同じサイズの
金属板と比較して何dB反射量が減少したかを測定し
た。測定範囲は、2GHzから20GHzとし、ネット
ワークアナライザー(ヒューレッドパッカード社製、H
P8522C)のS21モードにおいて測定した。
ロール(誘電体)表面に、抵抗体皮膜(R:377Ω/
□)を有するフィルムを貼り付けた。また、この発泡ス
チロール(誘電体)の裏面に、金属線素子を有するフィ
ルム(R:0.01Ω/□)[at2.45GHz]を
貼り付け、抵抗体皮膜と電波反射面とが誘電体を挟んで
配置された電波吸収体を作製した。この電波吸収体につ
いて、実施例1と同様にして透過減衰量測定および反射
減衰量の測定を行った。結果を表1に示す。
電波吸収体は、十分な性能を維持しつつ、従来の電波吸
収体にくらべ厚さを大幅に薄くすることができることが
確認された。
収体は、誘電体を有し、該誘電体表面には位相調整機能
を有する電波吸収面が形成され、電波吸収面とは反対側
の誘電体表面には電波反射面が形成されているので、電
波吸収面側から到来する、遮蔽しようとする周波数の電
波を選択的に吸収し、電波反射面側から到来する電波は
反射し、しかも、従来のλ/4型電波吸収体よりも厚さ
を薄くすることができる。本発明の電波吸収体を用いて
電波遮蔽室等を形成すると、室内での専用通信(事業所
内簡易型携帯電話や無線LANなど)に使用する電波の
室内での反射や室外からの侵入に起因する画面の揺らぎ
や専用通信の誤動作などの発生を防止できるとともに、
外部との通信や公共放送の受信などが可能である。
線素子が配設されたものであれば、遮蔽しようとする周
波数以外の電波を双方向に透過させることができ、電波
吸収体間の接続や接地の必要がなく施工性に優れる。ま
た、誘電体として光の透過率の高い材質を用いれば、得
られる電波吸収体は、光の透過率の高いものとなり、窓
ガラスなどにも貼設することができる。
波数の電波に対応した特定の長さを有する、独立した複
数の金属線素子が配設されたものであれば、遮蔽しよう
とする周波数の電波のうち、電波反射面側から到来する
電波は反射し、遮蔽しようとする周波数以外の電波を双
方向に透過させることができ、電波吸収体間の接続や接
地の必要がなく施工性に優れる。また、誘電体として光
の透過率の高い材質を用いれば、得られる電波吸収体
は、光の透過率の高いものとなり、窓ガラスなどにも貼
設することができる。
計で3カ所以上に設けられていれば、複数の周波数の電
波を反射することができる。また、電波反射面が、複数
種類の金属線素子が配設されたものであれば、複数の周
波数の電波を反射することができる。また、電波吸収面
が、その表面において反射される、遮蔽しようとする周
波数の電波が40%以下となるようなインピーダンスを
有するものであれば、電波吸収面での反射を抑えつつ、
遮蔽しようとする周波数の電波を効率よく吸収すること
ができる。また、本発明の電波吸収体が、遮蔽しようと
する周波数から20%以上離れた周波数における電波の
透過損失が10dB以下であれば、電波吸収体を透過す
る、遮蔽しようとする周波数以外の電波の透過量が十分
な量となる。また、電波吸収面が、複数設けられていれ
ば、複数の周波数の電波を吸収することができる。
る。
属線素子の配設の一形態例を示す図である。
属線素子の配設の他の形態例を示す図である。
属線素子の配設の他の形態例を示す図である。
属線素子の配設の他の形態例を示す図である。
属線素子の配設の他の形態例を示す図である。
属線素子の配設の他の形態例を示す図である。
る。
めの概念図である。
Claims (12)
- 【請求項1】 誘電体を有し、該誘電体表面には位相調
整機能を有する電波吸収面が形成され、電波吸収面とは
反対側の誘電体表面には電波反射面が形成されているこ
とを特徴とする電波吸収体。 - 【請求項2】 電波吸収面が、独立した複数の金属線素
子が配設されたものであることを特徴とする請求項1記
載の電波吸収体。 - 【請求項3】 電波吸収面の金属線素子が、複数の開放
端を有することを特徴とする請求項2記載の電波吸収
体。 - 【請求項4】 電波吸収面の金属線素子が、環状である
ことを特徴とする請求項2記載の電波吸収体。 - 【請求項5】 電波反射面が、遮蔽しようとする周波数
の電波に対応した特定の長さを有する、独立した複数の
金属線素子が配設されたものであることを特徴とする請
求項1ないし4いずれか一項に記載の電波吸収体。 - 【請求項6】 電波反射面の金属線素子が、複数の開放
端を有し、 該開放端間の金属線素子の長さが、遮蔽しようとする周
波数の電波の換算誘電率を考慮した波長の2分の1から
±25%の範囲内であることを特徴とする請求項5記載
の電波吸収体。 - 【請求項7】 電波反射面の金属線素子が、環状であ
り、 その1周の長さが、遮蔽しようとする周波数の電波の換
算誘電率を考慮した波長から±25%の範囲内であるこ
とを特徴とする請求項5記載の電波吸収体。 - 【請求項8】 電波吸収面および電波反射面が合計で3
カ所以上に設けられていることを特徴とする請求項1な
いし7いずれか一項に記載の電波吸収体。 - 【請求項9】 電波反射面が、複数種類の金属線素子が
配設されたものであることを特徴とする請求項1ないし
8いずれか一項に記載の電波吸収体。 - 【請求項10】 電波吸収面が、その表面において反射
される、遮蔽しようとする周波数の電波が40%以下と
なるようなインピーダンスを有することを特徴とする請
求項1ないし9いずれか一項に記載の電波吸収体。 - 【請求項11】 遮蔽しようとする周波数から20%以
上離れた周波数における電波の透過損失が、10dB以
下であることを特徴とする請求項1ないし10いずれか
一項に記載の電波吸収体。 - 【請求項12】 電波吸収面が複数箇所に設けられてい
ることを特徴とする請求項1ないし11いずれか一項に
記載の電波吸収体。
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