JP4435659B2 - 電波吸収体 - Google Patents

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Description

本発明は、無線LAN用に使用される5.2GHzの電波、または、2.45GHzの電波が起因する不要電波を吸収する室内用電波吸収体に関する。
最近では情報伝達手段をケーブルや電線で行う態様から、ケーブルや電線の布設を必要としない、電波を使用した無線による伝達手段への切替えが一段と加速している。特に布設スペースが決まっており、室内のデザインレビューを迅速に、かつ容易にできる点で、無線によるネットワークの構築(無線LAN)が加速的に普及している。
そういった無線によるメリットが起因して、無線LANが普及する一方で、壁や天井などで反射した電波等(不要電波)による機器の誤作動が起こるという問題も増加している。こういった不要電波による機器の誤作動を防ぐ手段として電波吸収体を布設することで当該不要電波を吸収無害化させる対策が採られている。このような電波吸収体としては、特許文献1、特許文献2等が使用されてきたが、これら特許文献に記載されてる電波吸収体は室内の壁や天井に用いられているものであったため、例えば、窓などの透光性を必要とする箇所への設置はできなかった。
このように、不要電波による対策は不十分であり、こういった箇所にも不要電波を無害化させる手段を講じる必要性が出てきた。透光性のある電波吸収体(透明電波吸収体)としては、一般的に、特許文献3に開示されているλ/4型の電波吸収体が公知である(λは、電波の波長を示す)が、この電波吸収体は、透明な誘電体からなる基材(ガラスや透明樹脂)の電波入射側の表面に抵抗膜を、反対側の表面に反射膜を設けた構成になっている。
上記した構成の電波吸収体を作製させるためには、透明な誘電体からなる基材に直接抵抗膜や反射膜を設けても良いのであるが、抵抗膜や反射膜は、まず、フィルムに形成させてフィルム状にする。
そして、その抵抗膜や反射膜を形成したフィルムを透明な誘電体からなる基材に貼り付けるといった手法を採用することが一般的な手法である。
また、抵抗膜や反射膜を外傷から保護するといった点でも、上記したフィルムは抵抗膜、反射膜の表面に設ける必要があった。
しかしながら、一般的に上記したフィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、アクリル、塩化ビニル等から作製されているので、このような材料は、燃えて発煙するということがあり、特に室内で使用した場合の不所望の火災時では延焼の原因になる可能性があるので、室内での使用は不向きであった。
特開平10−107478号公報 特開平10−107479号公報 特開平05−335832号公報
本発明の課題は、上記したような課題を解決することであり、具体的には、(あ)透明(透光率が50%以上)である。
(い)室内の内装として使用できる不燃基準を満足する。
(う)不要電波に対して、20dB以上の反射減衰量、透過減衰量を有する。
電波吸収体を提供することを課題とした。
上記課題は、
(1)無線LAN用に使用される電波が起因する不要電波を吸収する透光率が50%以上の室内用電波吸収体であって、不要電波が入射してくる方向側から以下に示す(A)〜(G)の順に積層してなる室内用電波吸収体、
(A)ガラス層、
(B)PETフィルム、
(C)抵抗膜、
(D)誘電体層、
(E)反射膜、
(F)PETフィルム、
(G)ガラス層、
(2)無線LAN用に使用される電波が起因する不要電波を吸収する透光率が50%以上の室内用電波吸収体であって、以下に示す(A)〜(J)の順に積層してなる室内用電波吸収体、
(A)ガラス層、
(B)PETフィルム、
(C)抵抗膜、
(D)誘電体層、
(E)反射膜、
(F)PETフィルム、
(G)誘電体層、
(H)抵抗膜、
(I)PETフィルム、
(J)ガラス層、
)前記誘電体層が、ガラス、ポリカーボネート、またはアクリルである上記(1)または(2)に記載の室内用電波吸収体、
)前記反射膜が、周波数選択性を有する反射膜である上記(1)または(2)に記載の室内用電波吸収体、
)前記無線LAN用に使用される電波の周波数が2.45GHzまたは5.2GHzである上記(1)〜(4)のいずれかに記載の室内用電波吸収体、で解決することができる。
本発明によれば、最表面がガラス層で構成されているので、不所望の火災等による燃焼から保護することができるので、室内への内装材として適用が可能となり、かつ、透光率が50%以上であるので、窓や室内の区画壁(パーティション)等に使用できる。特に、室内の区画壁として使用した場合は、透光性があるので圧迫感を感じることなく従来どおりの住環境を維持したまま、電波環境を快適にできる。
具体的には、不要電波が入射してくる方向側から(A)ガラス層/(B)PETフィルム/(C)抵抗膜/(D)誘電体層/(E)反射膜/(F)PETフィルム/(G)ガラス層という構造とすることで、不燃性、透光性を有して、かつ、一方向から入射してくる不要電波に対して、良好な電波吸収特性を有する電波吸収体が得られる。
また、(A)ガラス層、(B)PETフィルム、(C)抵抗膜、(D)誘電体層、(E)反射膜、(F)PETフィルム、(G)誘電体層、(H)抵抗膜、(I)PETフィルム、(J)ガラス層、という構造とすることで、不燃性、透光性を有して、かつ、両方向から入射してくる不要電波に対して、良好な電波吸収特性を有する電波吸収体が得られる。また、前記した両方向対応の電波吸収体の態様では、(E)反射膜が共通部材として使用できるので、単に電波吸収体を背中合わせに布設した場合に比べ、部品点数を少なくして実施できるので、設置面積、コストの面で有利である。
このような、両方向対応の電波吸収体の構造とすることで、例えば一方向からは、2.45GHzの不要電波、もう一方の側からは5.2GHzの不要電波を良好に吸収することができるので、室内の電波環境が確実に整備される。
さらに、適切な材料構成とすることで、透光性、不燃性を有し、周波数が2.45GHzまたは5.2GHzという無線LANに使用される電波に起因する不要電波に対する電波を無害化できる。
さらに、反射膜を周波数選択性を有するものとすることで、複数の周波数の異なる電波が存在する電波環境下であっても、選択的に対象とする不要電波のみを良好に吸収無害化することが可能となる。
本発明の室内用電波吸収体8は、図1に示すように不要電波が入射してくる方向側Aから、(A)ガラス層1/(B)PETフィルム2/(C)抵抗膜3/(D)誘電体層4/(E)反射膜5/(F)PETフィルム6/(G)ガラス層7の順に積層して構成されてもの(1方向対応の電波吸収体)、
図2に示す(A)ガラス層1/(B)PETフィルム2/(C)抵抗膜3/(D)誘電体層4/(E)反射膜5/(F)PETフィルム6/(G)誘電体層4’/(H)抵抗膜3’/(I)PETフィルム2’/(J)ガラス層1’(両方向対応の電波吸収体)にいるとおり、最表面がガラス層で構成されている点に特徴がある。
本発明に使用される(A)ガラス層1、(G)ガラス層7、(J)ガラス層1’に使用する材料としては公知のものを適用することができる。例えば、ソーダ石灰ガラスを適用する場合は、厚さは、1.0mm〜3.0mmが好ましく、1.0mm未満であると後述する(B)PETフィルム、(F)PETフィルム、(I)PETフィルム2’を炎や熱から保護することが低下する傾向にある。また、3.0mmを超えると、電波吸収特性が低下する傾向にある。
本発明に使用される(B)PETフィルム2、(F)PETフィルム6、(I)PETフィルム2’は、後述する(C)抵抗膜3、(H)抵抗膜3’、(E)反射膜5を形成させるためのフイルム状の基材である。一般的に、抵抗膜や反射膜を形成できるフィルム状のもので、透光性を有するものであれば特に限定する必要はないが、抵抗膜や反射膜の形成性、透明性、柔軟性、加工性、汎用性等の点でPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを適用することが好ましい。フィルムの厚さは、電波吸収体の作製上、取扱が良いという点で、50μm〜150μmのものが好ましい。50μm未満であると電波吸収体の作製上取扱性が低下し、製品歩留りが低下する傾向にあり、また、PET膜自体が強度的に弱くなり、抵抗膜や反射膜を外傷から保護するという機能が低下する傾向にある。150μmより厚くても電波吸収体の作製上取扱性が低下する傾向にある。
本発明に使用される(C)抵抗膜3、(H)抵抗膜3’は、対象とする電波によってその表面抵抗値を適宜特定したものであれば良く、例えば、5.2GHzの不要電波を良好に吸収する(反射減衰量が20dB以上である)電波吸収体を作製する場合、抵抗膜の表面抵抗値は、280Ω/□〜380Ω/□が好ましく、より好ましくは、320Ω/□〜340Ω/□である。また、2.45GHzの不要電波を良好に吸収する(反射減衰量が20dB以上である)電波吸収体を作製する場合、抵抗膜の表面抵抗値は、350Ω/□〜450Ω/□が好ましく、より好ましくは、390Ω/□〜410Ω/□である。
抵抗膜に使用する材料は、公知の酸化インジウム錫(ITO)、酸化錫、酸化インジウムなどの抵抗膜を適用すればよい。これら抵抗膜は、上記したPETフィルムの表面に蒸着、スッパッタリングで形成させればよく、装置、条件等は公知の技術を適用すればよい。
本発明に使用される(D)誘電体層4、(G)誘電体層4’は、得られる電波吸収体の透光性に影響する部位であり、電波吸収体としての透光性が50%以上であれば特に限定する必要はない。そのような誘電体層に適用できる材料としては、ガラス、ポリカーボネート、アクリルが挙げられる。中でも不燃という点で、ガラスが好ましい。例えば、5.2GHzの不要電波を良好に吸収する(反射減衰量が20dB以上である)電波吸収体を作製する場合、
(1)ガラス(ソーダ石灰ガラス、誘電率7.0)を使用した場合は、厚さが3.5mm〜4.5mmが好ましい。
(2)ポリカーボネート(誘電率2.73)を使用した場合は、厚さが4.5mm〜5.5mmが好ましい。
(3)アクリル(誘電率2.60)をを使用した場合は、厚さが4.5mm〜5.0mmが好ましい。上記した(1)〜(3)の厚さであれば、得られる電波吸収体の透光率も50%以上となる。
また、2.45GHzの不要電波を良好に吸収する(反射減衰量が20dB以上である)電波吸収体を作製する場合、
(4)ガラス(ソーダ石灰ガラス、誘電率7.0)を使用した場合は、厚さが 9mm〜11mmが好ましい。
(5)ポリカーボネート(誘電率2.73)を使用した場合は、厚さが13mm〜15mmが好ましい。
(6)アクリル(誘電率2.60)を使用した場合は、厚さが13mm〜16mmが好ましい。上記した(4)〜(6)の厚さであれば、得られる電波吸収体の透光率も50%以上となる。
本発明に使用される(E)反射膜5は、不要電波を反射させ、電波吸収体から透過する不要電波を抑制するために設けられている。反射膜は、表面抵抗値が3Ω/□〜20Ω/□が好ましく、さらには、5Ω/□〜10Ω/□がより好ましい。表面抵抗値が、3Ω/□未満であると反射膜の厚さが厚くなり、得られる電波吸収体の透光性が低下する傾向にあり、表面抵抗値が20Ω/□を超えると、透過減衰量(電波吸収体を透過してしまう電波の量)が多くなる傾向にある。適用される反射膜としては、例えば、Au、Ag、Cu、Al等があり、中でも表面抵抗値が小さいという点でAgが好ましい。また、反射膜は吸収し切れなかった不要電波を電気エネルギーとして放出する役割も有するので、例えば、反射膜は、後述する導電性を有する枠材と導電体を介して接続される。
また、反射膜の態様としては、ある特定の周波数のみを選択的に反射する周波数選択性を有する反射膜を適用してもよく、例えば、携帯電話の周波数(0.8GHz、1.5GHz、1.9GHz)の電波(不要電波)に対しては、自由(吸収・反射されることなく)に伝送できるが、無線LANに使用される周波数の不要電波は反射するといった選択性をもつものが好ましい。このような周波数選択性を有する反射膜の態様としては、例えば、特許3141098号公報に記載されているものが挙げられる。
本発明の室内用電波吸収体の作製方法について説明する。
まず、ロール巻されたPETフィルムを送り出して蒸着機内で(C)抵抗膜(例えば:ITO)をPETフィルムの片面に形成させた後に巻取る。同様にして、反射膜(例えば:Ag)をPETフィルム上に形成したものを作製する。
次に1方向対応の電波吸収体の作製方法を説明する。
所定の大きさの誘電体層に、電波が入射する側の面に抵抗膜を形成させたPETフィルム(抵抗膜を誘電体層に対向させる)、ガラス層を配置し、電波が入射する側とは反対の面に反射膜を形成させたPETフィルム(反射膜を誘電体層に対向させる)、ガラス層を配置させて、貼り合わせる。貼り合わせる際には、粘着剤を用いても良いし、枠材を使用して物理的に積層構造を固定しても良く、これらの複合させた態様でも良い。図3に枠材を用いた電波吸収体の態様を示す。枠材を使用することで、側面からの保護が確実に行え、かつ、界面へ異物(水分・埃等)が入り込むことを防ぐので好ましい。
枠材は、特に限定する必要はないが、反射膜に溜まる電荷を放出させるために導電性を有する材質(例えば金属材料)で構成されることが好ましく、加えて、電波吸収体の全体の重量を軽減し、環境へ耐性を有する点でアルミニウム製のものを適用することが特に好ましい。
また、反射膜と枠材とを導通させる手段としては、図4に示すように、積層させる際に、反射膜の端部に金属フィルム等の導電体10を挟んで該金属フィルムを枠材と導通するように組立てれば良い。
また、両方向対応の電波吸収体の作製方法を説明する。
反射膜を形成したPETフィルムの両面に誘電体層および抵抗膜を形成したPETフィルムをそれぞれ配置し、最表面としてそれぞれガラス層を配置して、貼り合わせる。貼り合わせる際には、1方向対応の電波吸収体の作製方法と同じように接着剤を用いても良いし、枠材を使用して物理的に積層構造を固定しても良く、これらの複合させた態様でも良い。
また、反射膜と枠材とを導通させる手段としては、図示はしないが、積層させる際に、反射膜の端部に金属フィルム等の導電体を挟んで該金属フィルムを枠材と導通するように組立てれば良い。
以下に、本発明の実施例を示すが、これらに限られるものではない。
実施例1〜3は、不要電波を2.45GHzの電波とした場合の電波吸収体であり、実施例4〜6は、不要電波を5.2GHzの電波とした場合の室内用電波吸収体である(図1の態様)。
実施例7は、両面側から不要電波が入射してくる場合を想定した電波吸収体である(図2の態様)。
各部材は、粘着剤で接着し、枠材(アルミニウム製)で固定した。
また、枠材と反射膜は、アルミニウム箔(導電体)を介して導通させた。
(実施例1)
(構造)電波が入射してくる方向側から、
(A)ガラス層(ソーダ石灰ガラス、厚さ2.0mm)
(B)PETフィルム(厚さ100μm)
(C)抵抗膜(表面抵抗値400Ω/□(ITO))
(D)誘電体層(ポリカーボネート、厚さ14mm、誘電率2.73)
(E)反射膜(表面抵抗値6.6Ω/□(Ag))
(F)PETフィルム(厚さ50μm)
(G)ガラス層(ソーダ石灰ガラス、厚さ2.0mm)
(実施例2)
(構造)電波が入射してくる方向側から、
(A)ガラス層(ソーダ石灰ガラス、厚さ2.0mm)
(B)PETフィルム(厚さ100μm)
(C)抵抗膜(表面抵抗値400Ω/□(ITO))
(D)誘電体層(アクリル、厚さ14mm、誘電率2.60)
(E)反射膜(表面抵抗値6.6Ω/□(Ag))
(F)PETフィルム(厚さ50μm)
(G)ガラス層(ソーダ石灰ガラス、厚さ2.0mm)
(実施例3)
(構造)電波が入射してくる方向側から、
(A)ガラス層(ソーダ石灰ガラス、厚さ2.0mm)
(B)PETフィルム(厚さ100μm)
(C)抵抗膜(表面抵抗値400Ω/□(ITO))
(D)誘電体層(ソーダ石灰ガラス、厚さ10mm、誘電率7.0)
(E)反射膜(表面抵抗値6.6Ω/□(Ag))
(F)PETフィルム(厚さ50μm)
(G)ガラス層(ソーダ石灰ガラス、厚さ2.0mm)
(実施例4)
(構造)電波が入射してくる方向側から、
(A)ガラス層(ソーダ石灰ガラス、厚さ2.0mm)
(B)PETフィルム(厚さ100μm)
(C)抵抗膜(表面抵抗値330Ω/□(ITO))
(D)誘電体層(ポリカーボネート、厚さ5mm、誘電率2.73)
(E)反射膜(表面抵抗値6.6Ω/□(Ag))
(F)PETフィルム(厚さ50μm)
(G)ガラス層(ソーダ石灰ガラス、厚さ2.0mm)
(実施例5)
(構造)電波が入射してくる方向側から、
(A)ガラス層(ソーダ石灰ガラス、厚さ2.0mm)
(B)PETフィルム(厚さ100μm)
(C)抵抗膜(表面抵抗値330Ω/□(ITO))
(D)誘電体層(アクリル、厚さ5.0mm、誘電率2.60)
(E)反射膜(表面抵抗値6.6Ω/□(Ag))
(F)PETフィルム(厚さ50μm)
(G)ガラス層(ソーダ石灰ガラス、厚さ2.0mm)
(実施例6)
(構造)電波が入射してくる方向側から、
(A)ガラス層(ソーダ石灰ガラス、厚さ2.0mm)
(B)PETフィルム(厚さ100μm)
(C)抵抗膜(表面抵抗値330Ω/□(ITO))
(D)誘電体層(ソーダ石灰ガラス、厚さ4mm、誘電率7.0)
(E)反射膜(表面抵抗値6.6Ω/□(Ag))
(F)PETフィルム(厚さ50μm)
(G)ガラス層(ソーダ石灰ガラス、厚さ2.0mm)
(実施例7)
(構造)電波が入射してくる方向側(図2のA側)から、
(A)ガラス層(ソーダ石灰ガラス、厚さ2.0mm)
(B)PETフィルム(厚さ100μm)
(C)抵抗膜(表面抵抗値330Ω/□(ITO))
(D)誘電体層(ソーダ石灰ガラス、厚さ4mm、誘電率7.0)
(E)反射膜(表面抵抗値6.6Ω/□(Ag))
(F)PETフィルム(厚さ50μm)
(G)誘電体層(ソーダ石灰ガラス、厚さ10mm、誘電率7.0)
(H)抵抗膜(表面抵抗値400Ω/□(ITO))
(I)PETフィルム(厚さ100μm)
(J)ガラス層(ソーダ石灰ガラス、厚さ2.0mm)
(比較例1)
(A)PETフィルム(厚さ100μm)
(B)抵抗膜(表面抵抗値400Ω/□(ITO))
(C)誘電体層(ポリカーボネート、厚さ18mm、誘電率2.73)
(D)導電膜(表面抵抗値6.6Ω/□(Ag))
(E)PETフィルム(厚さ50μm)
(比較例2)
(A)ガラス層(ソーダ石灰ガラス、厚さ2.0mm)
(B)PETフィルム(厚さ100μm)
(C)抵抗膜(表面抵抗値400Ω/□(ITO))
(D)誘電体層(ポリエチレン、厚さ15mm、誘電率2.3)
(E)導電膜(表面抵抗値6.6Ω/□(Ag))
(F)PETフィルム(厚さ50μm)
(G)ガラス層(ソーダ石灰ガラス、厚さ2.0mm)
(比較例3)
(A)ガラス層(ソーダ石灰ガラス、厚さ2.0mm)
(B)PETフィルム(厚さ100μm)
(C)抵抗膜(表面抵抗値400Ω/□(ITO))
(D)誘電体層(シリコーンゴム、厚さ14mm、誘電率3.0)
(E)導電膜(表面抵抗値6.6Ω/□(Ag))
(F)PETフィルム(厚さ50μm)
(G)ガラス層(ソーダ石灰ガラス、厚さ2.0mm)
上記した実施例、比較例の電波吸収体で以下の特性を評価した。
<電波吸収特性>
・反射減衰量
入射角度15°で、所定の周波数の電波(2.45GHzまたは5.2GHz)で実施例、比較例の電波吸収体に電波を入射させて、その時の反射減衰量測定し、反射減衰量が20dB以上のものを合格とした。
・透過減衰量
標準利得ホーンアンテナ(EMCO社製、Model 3160−06)2個を、地上1.6mの位置で3m隔てて対向させ、一方のアンテナに標準信号発生器から所定の周波数の電波(2.45GHzまたは5.2GHz)を供給し、他方のアンテナの受信レベルV0を測定した。次に各実施例、比較例の電波吸収体を対向するアンテナの中間に、アンテナ軸と直角に設置したときの受信レベルV1を測定した。このときの透明電波吸収体の透過減衰量を、V0−V1として求めた。透過減衰量が20dB以上を合格とした。
<透光率>
JIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」に準拠した全光線透過率の測定方法を行い、透光率が50%以上のものを合格とした。
<不燃性>
建築基準法で定められた、内装材として使用可能である条件を満たしている。
実施例1〜3は、2.45GHzの電波に対し、20dB以上の反射減衰量を示し、20dB以上の透過減衰量を示し、透光率は50%以上で、建築基準法で定められた、内装材として使用可能である条件を満たした。
実施例4〜6は、5.2GHzの電波に対し、20dB以上の反射減衰量を示し、20dB以上の透過減衰量を示し、透光率は50%以上で、建築基準法で定められた、内装材として使用可能である条件を満たした。
実施例7は、A側から入射した5.2GHzの電波に対し、20dB以上の反射減衰量を示し、20dB以上の透過減衰量を示し、A’側から入射した2.45GHzの電波に対し、20dB以上の反射減衰量を示し、20dB以上の透過減衰量を示し、、透光率は50%以上で、建築基準法で定められた、内装材として使用可能である条件を満たした。
比較例1は、2.45GHzの電波に対し、20dB以上の反射減衰量を示し、20dB以上の透過減衰量を示し、透光率は50%以上であるが、建築基準法で定められた、内装材として使用可能である条件を満足しなかった。
比較例2は、5.2GHzの電波に対し、20dB以上の反射減衰量を示し、20dB以上の透過減衰量を示し、建築基準法で定められた、内装材として使用可能である条件を満たすが、透光率は50%未満であった。
本発明の電波吸収体の構造を模式的に示す図である。 本発明の電波吸収体の実施態様の一例を示す略図である。 本発明の電波吸収体の実施態様の一例を示す略図である。 反射膜と枠材とを導電体を介して導通させた箇所の構造を示す略図である。
符号の説明
1、1’、7 ガラス層
2、2’6 PETフィルム
3、3’ 抵抗膜
4、4’ 誘電体層
5 反射膜
8 電波吸収体
9、9a、9b、9c、9d 枠材
10 導電体
A、A’ 電波が入射してくる方向

Claims (5)

  1. 無線LAN用に使用される電波が起因する不要電波を吸収する透光率が50%以上の室内用電波吸収体であって、不要電波が入射してくる方向側から以下に示す(A)〜(G)の順に積層してなる室内用電波吸収体。
    (A)ガラス層、
    (B)PETフィルム、
    (C)抵抗膜、
    (D)誘電体層、
    (E)反射膜、
    (F)PETフィルム、
    (G)ガラス層
  2. 無線LAN用に使用される電波が起因する不要電波を吸収する透光率が50%以上の室内用電波吸収体であって、以下に示す(A)〜(J)の順に積層してなる室内用電波吸収体。
    (A)ガラス層、
    (B)PETフィルム、
    (C)抵抗膜、
    (D)誘電体層、
    (E)反射膜、
    (F)PETフィルム、
    (G)誘電体層、
    (H)抵抗膜、
    (I)PETフィルム、
    (J)ガラス層
  3. 前記誘電体層が、ガラス、ポリカーボネート、またはアクリルである請求項1または請求項2に記載の室内用電波吸収体。
  4. 前記反射膜が、周波数選択性を有する反射膜である請求項1または請求項2に記載の室内用電波吸収体。
  5. 前記無線LAN用に使用される電波の周波数が2.45GHzまたは5.2GHzである請求項1〜請求項4のいずれかに記載の室内用電波吸収体。
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