JP2022117929A - 車両用窓ガラス及び車両用窓ガラス装置 - Google Patents

車両用窓ガラス及び車両用窓ガラス装置 Download PDF

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Abstract

【課題】導電層を備え、所定の周波数帯の電波を高利得で送受可能な車両用窓ガラスの提供。【解決手段】主面を有する第1ガラス板と、前記第1ガラス板に対して前記主面の側に配置される導電層と、前記第1ガラス板に対して前記主面の側に配置され、前記第1ガラス板の平面視で前記導電層の外縁に沿った内縁を有する導電枠と、前記導電枠に電気的に接続される給電部と、を備え、前記導電枠は、前記導電層よりも低い電気抵抗を有し、所定の周波数帯の電波を送受するアンテナの一部として機能する、車両用窓ガラス。【選択図】図1A

Description

本開示は、車両用窓ガラス及び車両用窓ガラス装置に関する。
従来、ポリビニルブチラール(polyvinyl butyral:PVB)を挟む2枚のガラス板を備える車両のウィンドシールドにおいて、PVBと車内側ガラス板との間にlow-E coatingが配置され、PVBと車外側ガラス板との間にantenna wireが配置された構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
米国特許第7847745号明細書
しかしながら、PVBのような中間膜の厚さは通常1mm未満であり、導体同士であるlow-E coatingとantenna wireとの間には容量結合が生じ得る。そのため、antenna wireの長さ等を調整しても、low-E coatingのような導電層が構成されていると、アンテナ利得を向上させることは容易ではない。
本開示は、導電層を備え、所定の周波数帯の電波を高利得で送受可能な車両用窓ガラス及び車両用窓ガラス装置を提供する。
本開示の一態様では、
主面を有する第1ガラス板と、
前記第1ガラス板に対して前記主面の側に配置される導電層と、
前記第1ガラス板に対して前記主面の側に配置され、前記第1ガラス板の平面視で前記導電層の外縁に沿った内縁を有する導電枠と、
前記導電枠に電気的に接続される給電部と、
を備え、
前記導電枠は、前記導電層よりも低い電気抵抗を有し、所定の周波数帯の電波を送受するアンテナの一部として機能する、車両用窓ガラスが提供される。
また、本開示の他の一態様では、
前記車両用窓ガラスが取り付けられた窓枠を備える、車両用窓ガラス装置が提供される。
本開示の技術によれば、導電層を備え、所定の周波数帯の電波を高利得で送受可能な車両用窓ガラス及び車両用窓ガラス装置を提供できる。
第1実施形態にかかる車両用窓ガラスを備える車両用窓ガラス装置の一構成例を示す平面図である。 第1実施形態にかかる車両用窓ガラスを備える車両用窓ガラス装置の他の構成例を示す平面図である。 第1実施形態にかかる車両用窓ガラスを備える車両用窓ガラス装置の他の構成例を示す平面図である。 導電層と導電枠との重なりを平面視で例示する拡大図である。 給電部から導電枠の内縁に沿ってアース電極に至るまでの2つの経路を例示する図である。 第2実施形態にかかる車両用窓ガラスを備える車両用窓ガラス装置の一構成例を示す平面図である。 給電部から導電枠の内縁に沿ってスタブに至るまでの2つの経路を例示する図である。 各実施形態にかかる車両用窓ガラスの第1構成例を示す分解斜視図である。 各実施形態にかかる車両用窓ガラスの第2構成例を示す分解斜視図である。 各実施形態にかかる車両用窓ガラスの第3構成例を示す分解斜視図である。 各実施形態にかかる車両用窓ガラスの第4構成例を示す分解斜視図である。 各実施形態にかかる車両用窓ガラスの第5構成例を示す分解斜視図である。 各実施形態にかかる車両用窓ガラスによってDAB Band IIIの帯域で得られるアンテナ利得の測定結果の一例を示す図である。 第1実施形態にかかる車両用窓ガラスにおいて、Lの長さ(アース電位が電気的に接続される位置)を変化させたときの、DAB Band IIIの帯域でのアンテナ利得の測定結果の一例を示す図である。 第2実施形態にかかる車両用窓ガラスにおいて、スタブの長さを変化させたときの、DAB Band IIIの帯域でのアンテナ利得の測定結果の一例を示す図である。 各実施形態にかかる車両用窓ガラスによってDAB Band IIIの帯域で得られる反射係数S11の測定結果の一例を示す図である。 導電層と導電枠との重なりを変化させたときのアンテナ利得の測定結果の一例を示す図である。
以下、図面を参照して、本開示にかかる各実施形態について説明する。なお、理解の容易のため、図面における各部の縮尺は、実際とは異なる場合がある。平行、直角、直交、水平、垂直、上下、左右などの方向には、実施形態の効果を損なわない程度のずれが許容される。角部の形状は、直角に限られず、弓状に丸みを帯びてもよい。X軸方向、Y軸方向、Z軸方向は、それぞれ、X軸に平行な方向、Y軸に平行な方向、Z軸に平行な方向を表す。X軸方向とY軸方向とZ軸方向は、互いに直交する。XY平面、YZ平面、ZX平面は、それぞれ、X軸方向及びY軸方向に平行な仮想平面、Y軸方向及びZ軸方向に平行な仮想平面、Z軸方向及びX軸方向に平行な仮想平面を表す。
本実施形態にかかる車両用窓ガラスの例として、車両の後部に取り付けられるリアガラス、車両の前部に取り付けられるフロントガラス、車両の側部に取り付けられるサイドガラスなどがある。車両用窓ガラスは、これらの例に限られない。
図1Aは、第1実施形態にかかる車両用窓ガラスを備える車両用窓ガラス装置の一構成例を示す平面図である。図1Aに示す窓ガラス装置201Aは、車両用の窓ガラス100Aと、窓ガラス100Aが取り付けられた導電性の窓枠63とを備える。図1Aは、車両60の一部である車体部62に形成された窓枠63に取り付けられた窓ガラス100Aを車内側からの視点で例示する。窓ガラス100Aが窓枠63に取り付けられた状態において、Z軸方向の正側は、車内側を表し、Z軸方向の負側は、車外側を表す。
本実施形態にかかる車両用窓ガラスは、水平面に垂直な鉛直方向に略平行に設置される窓ガラス(例えば、サイドガラス)に適用すると、垂直偏波と水平偏波の両方の受信感度(アンテナ利得)が向上する点で特に好適である。図1Aは、窓ガラス100Aをサイドガラスに適用した場合を例示する。窓ガラス100Aは、車両のサイドガラス用の窓ガラスの一例である。
窓枠63は、接地可能な導電性の部位であり、フランジとも称される。窓枠63は、窓ガラス100Aによって覆われる開口部を形成する枠辺61を有する。図1Aには、枠辺61a,61b,61c,61dが例示されている。枠辺61は、窓枠63の内縁の一例である。
窓ガラス100Aは、主な構成として、ガラス板10、導電層30、導電枠70及び給電部80を備える単板の窓ガラスである。単板の窓ガラスとは、構成されるガラス板が一枚のガラス板(この例では、ガラス板10)のみの窓ガラスをいう。
ガラス板10は、Z軸方向の正側に面する主面11と、Z軸方向において主面11とは反対側(Z軸方向の負側)に面する主面12とを有する板状の誘電体である。ガラス板10は、透明でも半透明でもよい。主面11は、車内側の表面であり、主面12は、車外側の表面である。ガラス板10は、第1主面を有する第1ガラス板の一例であり、主面11は、第1主面の一例である。
ガラス板10は、外縁13a,13b,13c,13dを含む外周縁13を有する。ガラス板10は、車内側からの平面視で外周縁13が窓枠63と重なるように、窓枠63に取り付けられ、外縁13a,13b,13c,13dは、それぞれに対応する枠辺61a,61b,61c,61dに取り付けられる。なお、窓枠63に取り付けたガラス板10を車内側からの視点で見ると、外縁13a,13b,13c,13dは、車体部62又は窓枠63に隠れるが、図1Aでは、便宜上、実線で示されている。
導電層30は、ガラス板10に対して主面11の側にある平面状導体である。導電層30は、主面11に接する導体でもよいし、透明または半透明の不図示の誘電体を介して主面11の側に配置される導体でもよい。導電層30は、透明でも半透明でもよい。導電層30の具体例として、Ag(銀)膜などの金属膜、ITO(酸化インジウム・スズ)膜などの金属酸化膜、または導電性微粒子を含む樹脂膜、複数種類の膜を積層した積層体などが挙げられる。導電層30は、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂フィルムに蒸着処理等でコーティングされたものでもよい。
導電層30は、ガラス板10の主面11にコーティングされる導電膜でもよい。導電膜の具体例として、低放射性能を発揮するLow-E(Low Emissivity)膜などの低放射膜が挙げられる。
低放射とは、放射による伝熱を低減することをいう。Low-E膜などの低放射膜は、放射による伝熱を抑制することで、断熱性を確保する。低放射膜は、一般的なものであってよく、例えば、透明誘電体膜、赤外線反射膜、および透明誘電体膜をこの順で含む積層膜であってよい。透明誘電体膜としては、金属酸化物や金属窒化物が代表的である。金属酸化物としては、酸化亜鉛や酸化スズが代表的である。赤外線反射膜としては、金属膜が代表的である。金属膜としては、銀(Ag)が代表的である。ここで、赤外線反射膜は、透明誘電体膜同士の間に、1層以上形成されてよい。
導電層30は、Low-E膜などの低放射膜に限られず、導電性の層であれば、他の機能を有してもよい。例えば、導電層30は、電圧印加による発熱によって、窓ガラス100Aの防氷や防曇などの機能を有するものでもよい。
導電枠70は、ガラス板10に対して主面11の側にある枠状導体であり、例えば、ガラス板10に対して主面11の側に導電層30と同一層で配置されてもよいし、導電層30に対してガラス板10の主面11とは反対側に配置されてもよい。導電枠70は、主面11に接しても、不図示の誘電体を介して主面11の側に配置されても、導電層30に接してもよい。導電枠70は、ガラス板10の平面視で導電層30の外縁31に沿った内縁71を有する。導電枠70は、例えば、銅、銀などによって形成されている。
給電部80は、給電用の電極であり、導電枠70に電気的に接続されている。給電部80は、窓ガラス100Aが窓枠63に取り付けられた状態で窓枠63の近傍に位置するように、ガラス板10の外周縁13の近傍に設けられている。給電部80は、コネクタ等の導電性部材を介して、給電線90の一端またはアンプに電気的に接続される。給電線90の他端またはアンプの出力端子は、例えば、受信機等の通信機器に接続される。給電線90は、例えば、信号線91と接地部92を有する同軸ケーブルである。接地部92は、シールド線でもよい。信号線91の一端は、給電部80に電気的に接続され、接地部92の一端は、車体部62(窓枠63でもよい)に接地される。
給電部80は、ガラス板10の平面視で導電枠70の外側に突出してもよい。これにより、給電線90の一端(信号線91の一端)またはアンプと給電部80とを電気的に接続するコネクタ等の導電性部材を給電部80に接触させることが容易になる。給電部80の形状は、例えば、正方形、略正方形、長方形、略長方形などの方形状や多角形状が実装上好ましいが、これらに限られず、円、略円、楕円、略楕円などの円状のように、他の形状でもよい。
導電枠70は、導電層30の外縁31に沿った内縁71を有するので、導電層30に直接結合又は容量結合で電気的に接続される。したがって、窓ガラス100Aが導電性の窓枠63に取り付けられることで、導電層30及び導電枠70を、パッチアンテナのアンテナ導体として機能させることができ、車体部62及び窓枠63を、パッチアンテナのグランドとして機能させることができる。導電層30及び導電枠70がアンテナ導体として機能することで、導電層30の外縁31に沿った導電枠70に発生する高周波電流を、導電枠70に電気的に接続される給電部80から取り出しできる。また、導電枠70は、導電層30よりも低い電気抵抗を有することで、導電層30の外縁31に沿った導電枠70に発生する高周波電流が流れやすくなるので、導電層30及び導電枠70をアンテナ導体として利用するパッチアンテナのアンテナ利得が向上する。ここで言う「電気抵抗」の高低を評価する指標は、シート抵抗値(単位:Ω/□)が挙げられる。
このように、図1Aに示す構成によれば、導電層30及び導電枠70は、それぞれ、所定の周波数帯の電波を送受(送信と受信のうちの一方又は両方)するパッチアンテナの一部として機能する。したがって、電気抵抗が比較的高い導電層30を使用しても、所定の周波数帯の電波を高利得で送受可能な窓ガラス100A及び窓ガラス装置201Aを提供できる。また、導電枠70は、導電層30の外縁31に沿った幅が、均等(一定)でもよく、異なってもよい。例えば、導電枠70は、枠辺61a,61b,61c,61dのうち、枠辺61dに沿った少なくとも一部が、他の枠辺61a,61b,61cに沿った部分よりも幅広でもよく、任意に設定できる。
導電層30及び導電枠70をアンテナ導体として利用するパッチアンテナを、以下、"パッチアンテナPA"とも称する。パッチアンテナPAは、放送波等の車外の電波を受信する受信用アンテナとして使用されてもよいし、車外の通信機器との間で電波を送受する無線通信用アンテナとして使用されてもよい。
パッチアンテナPAは、例えば、周波数が300MHz~3GHzのUHF(Ultra High Frequency)帯の電波を送受可能に形成されたアンテナである。UHF帯に含まれる周波数帯の具体例として、地上デジタルテレビ放送波の帯域(例えば、470MHz~713MHz)などがある。
パッチアンテナPAは、例えば、周波数が30MHz~300MHzのVHF(Very High Frequency)帯の電波を送受可能に形成されたアンテナでもよい。VHF帯に含まれる周波数帯の具体例として、FM放送波の帯域(例えば、76MHz~108MHz)、DAB Band IIIの帯域(例えば、174MHz~240MHz)などがある。
導電枠70は、閉ループ形状を有すると、導電枠70に高周波電流が流れやすくなるので、パッチアンテナPAのアンテナ利得が向上する。しかし、導電枠70の一部に切り欠きがあってもよい。導電枠70の形状は、略四角形に限られず、略三角形などの他の多角形でもよい。
給電部80は、導電枠70の角部73aの近傍に配置されると、X軸方向(例えば、水平方向)に延伸する枠部70aとY軸方向(例えば、上下方向)に延伸する枠部70cの近傍に位置するので、水平偏波と垂直偏波の両方のアンテナ利得が向上する。
また、給電部80が導電枠70の角部73aの近傍に配置されると、Y軸方向で対向する枠部70a,70bのそれぞれに発生する電界の向きは、Y軸方向の正側又は負側に揃い、X軸方向で対向する枠部70c,70dのそれぞれに発生する電界の向きは、X軸方向の正側又は負側に揃う。このようにそれぞれの電界の向きが揃うことで、パッチアンテナPAの放射効率が向上する。
また、X軸方向に延伸する枠部70a,70bは、Y軸方向の電界を発生させ、Y軸方向に延伸する枠部70c,70dは、X軸方向の電界を発生させる。そのため、給電部80が角部73aの近傍に配置されることで、X軸方向とY軸方向の電界を受けることが容易になるので、窓ガラス100Aが水平面又は鉛直面に対して傾いた搭載環境でも、水平偏波と垂直偏波の両方のアンテナ利得が向上する。
なお、給電部80は、導電枠70の他の角部(例えば、角部73b、角部73c又は角部73d)の近傍に配置されてもよく、角部73aの近傍に配置される場合と同様に、水平偏波と垂直偏波の両方のアンテナ利得が向上する。
また、角部73aからX軸方向に延伸する枠部70aの長さ又は枠部70cと枠部70dとのX軸方向の対向距離をL、角部73aからX軸方向への距離をDとすると、角部73aの近傍とは、0≦D/L≦0.26が成立する領域と定義されてよい。また、角部73aからY軸方向に延伸する枠部70cの長さ又は枠部70aと枠部70bとのY軸方向の対向距離をL、角部73aからY軸方向への距離をDとすると、角部73aの近傍とは、0≦D/L≦0.28が成立する領域と定義されてよい。導電枠70の他の角部(例えば、角部73b、角部73c又は角部73d)の近傍も、同様に定義されてよい。
一方、水平偏波と垂直偏波のうち、一方の直線偏波に対する受信感度を向上させる場合、給電部80は、導電枠70の各辺の中心近傍に配置してもよい。例えば、給電部80が、上記定義において(-1/5+1/2)×L≦D≦(1/5+1/2)×Lを満足すると、垂直偏波に比べて、水平偏波の受信感度(アンテナ利得)を向上できる。なお、給電部80は、(-1/6+1/2)×L≦D≦(1/6+1/2)×Lを満足すると、より好ましい。
さらに、給電部80が、上記定義において(-1/5+1/2)×L≦D≦(1/5+1/2)×Lを満足すると、水平偏波に比べて、垂直偏波の受信感度(アンテナ利得)を向上できる。なお、給電部80は、(-1/6+1/2)×L≦D≦(1/6+1/2)×Lを満足すると、より好ましい。
導電層30は、シート抵抗が200[Ω/□(ohms per square)]以下であると、パッチアンテナPAの利得が向上する。パッチアンテナPAの利得が向上する点で、導電層30のシート抵抗は、100[Ω/□]以下が好ましく、80[Ω/□]以下がより好ましい。導電層30のシート抵抗の下限値は、導電枠70のシート抵抗よりも大きければよく、例えば、5[Ω/□]以上である。
導電枠70のシート抵抗の上限値は、導電層30のシート抵抗よりも小さければよく、パッチアンテナPAの利得が向上する点で、例えば、2[Ω/□]以下がよく、1[Ω/□]以下がより好ましい。このように、導電枠70と導電層30の電気抵抗の大小については、例えば、シート抵抗を指標にして比較できる。
窓ガラス100Aは、導電枠70が車体部62に容量結合可能な距離で車体部62に取り付けられると、パッチアンテナPAの利得を向上できる。導電枠70の周囲に発生する高周波電流がその容量結合を介して車体部62に流れ、高周波電流が流れる導体領域の面積が拡大するからである。例えば、パッチアンテナPAの導電枠70と車体部62との結合容量は、0.4[pF]以上であると、パッチアンテナPAの利得を向上できる。パッチアンテナPAの利得を上げる点で、当該結合容量の下限値は、1.0[pF]以上が好ましく、2.0[pF]以上がより好ましい。なお、当該結合容量の上限値はとくに規定されないが、例えば80[pF]以下に設定できる。
窓枠63の枠辺61は、ガラス板10の平面視で、導電枠70の外縁72の少なくとも一部と一致する部分、又は、導電枠70の外縁72の少なくとも一部よりも外側にある部分を有すると、パッチアンテナPAのアンテナ利得が向上する。図1Aに示す例では、枠辺61の全部分は、ガラス板10の平面視で、外縁72の全部分よりも外側にある。
例えば、窓枠63の枠辺61と導電枠70の外縁72との対向間隔(例えば、窓枠63の枠辺61bと枠部70bの外縁72との対向間隔)は、ガラス板10の平面視で、0mm以上50mm以下であると、パッチアンテナPAのアンテナ利得が向上する。
図2は、導電層と導電枠との重なりを平面視で例示する拡大図である。導電枠70の内縁71は、ガラス板10の平面視で導電層30の外縁31に近づくと、パッチアンテナPAのアンテナ利得が向上する。例えば、ガラス板10の平面視で、導電枠70の少なくとも一部は、導電層30と重なり、且つ、導電枠70の外縁72は、導電層30の外縁31から外側に10mm以内にあると、パッチアンテナPAのアンテナ利得が向上する。この場合、導電枠70の外縁72と導電層30の外縁31との距離dは、10mm以下が好ましいということになる。また、パッチアンテナPAのアンテナ利得の向上の点で、距離dは、5mm以下が好ましく、1mm以上がより好ましい。
また、ガラス板10の平面視で、導電枠70が導電層30と重ならず、且つ、導電枠70の内縁71が、導電層30の外縁31から外側に5mm以内にあると、パッチアンテナPAのアンテナ利得が向上する。パッチアンテナPAのアンテナ利得の向上の点で、導電枠70の内縁71と導電層30の外縁31との距離は、3mm以下が好ましく、1mm以下がより好ましい。なお、導電枠70の幅は、導電層30の少なくとも一部と重なる、重ならないに関わらず適宜設計できるが、例えば、1mm~20mmとしてもよく、2mm~15mmとしてもよく、3mm~10mmとしてもよく、3mm~7mmとしてもよい。
図1Aにおいて、導電枠70は、給電部80から離れた箇所にアース電極75を有してもよい。アース電極75は、アース電位と等価となる接地導体部の一例である。アース電位(例えば、車体部62又は窓枠63のアース電位)に電気的に接続される接地導体部の位置を調整することで、導電枠70に沿って発生する定在波の腹の位置を、当該接地導体部の位置に調整できる。これにより、パッチアンテナPAのアンテナ利得が向上する。
アース電極75は、ガラス板10の平面視で導電枠70の外側に突出してもよい。これにより、アース電位とアース電極75とを電気的に接続するコネクタ等の導電性部材をアース電極75に接触させることが容易になる。アース電極75の形状は、例えば、正方形、略正方形、長方形、略長方形などの方形状や多角形状が実装上好ましいが、これらに限られず、円、略円、楕円、略楕円などの円状のように、他の形状でもよい。
図3は、給電部から導電枠の内縁に沿ってアース電極に至るまでの2つの経路を例示する図である。ここで、給電部80から内縁71に沿ってアース電極75に至るまでの第1経路の長さをL、給電部80から内縁71に沿ってアース電極75に至るまでの第2経路の長さをLとする。この例では、第1経路は、給電部80から時計回りの経路であり、第2経路は、給電部80から反時計回りの経路である。また、パッチアンテナPAが受信する周波数帯の電波の空気中における波長をλ、ガラス板10の波長短縮率をk、M及びMを1以上の整数とする。このとき、
は、Lと異なり、
及びLは、
λ/2×k×M-λ/3×k≦L≦λ/2×k×M+λ/3×k ・・・式1a
λ/2×k×M-λ/3×k≦L≦λ/2×k×M+λ/3×k ・・・式1b
の少なくとも一方を満足すると、導電枠70に沿って発生する定在波の腹の位置がアース電極75の位置にほぼ一致するので、パッチアンテナPAのアンテナ利得が向上する。式1a,1bの両方を満足すると、より好ましい。
なお、λは、パッチアンテナPAが受信する所定の周波数帯に含まれる一部の周波数の電波の空気中における波長でもよく、好ましくは、所定の周波数帯Wに含まれる全ての周波数の電波の空気中における波長でもよい。後述の式のλについても同様である。
また、相互に異なるL及びLは、より好ましくは、
λ/2×k×M-10/31×λ×k≦L≦λ/2×k×M+10/31×λ×k ・・・式1c
λ/2×k×M-10/31×λ×k≦L≦λ/2×k×M+10/31×λ×k ・・・式1d
の少なくとも一方を満足すると、導電枠70に沿って発生する定在波の腹の位置がアース電極75の位置にほぼ一致するので、パッチアンテナPAのアンテナ利得が向上する。式1c,1dの両方を満足すると、より好ましい。
また、相互に異なるL及びLは、さらに好ましくは、
λ/2×k×M-5/16×λ×k≦L≦λ/2×k×M+5/16×λ×k ・・・式1e
λ/2×k×M-5/16×λ×k≦L≦λ/2×k×M+5/16×λ×k ・・・式1f
の少なくとも一方を満足すると、導電枠70に沿って発生する定在波の腹の位置がアース電極75の位置にほぼ一致するので、パッチアンテナPAのアンテナ利得が向上する。式1e,1fの両方を満足すると、さらに好ましい。
図1Bは、第1実施形態にかかる車両用窓ガラスを備える車両用窓ガラス装置の他の構成例を示す平面図である。図1Bに示す窓ガラス装置201Bは、窓ガラス装置201Aに対して、導電枠70の一部が切り離された、切り欠き部15を有する点が異なる。切り欠き部15は、給電部80からアース電極75に至るまでの、導電枠70の2つの経路(時計回り/反時計回り)のうちいずれか一方のみに有し、その数は1箇所だけでなく2箇所以上有してもよい。
窓ガラス装置201Bは、例えば、上記の式1a,1bの一方を満足すればよく、式1c,1dの一方を満足すれば好ましく、式1e,1fの一方を満足すればより好ましい。窓ガラス装置201Bのように、LとLのいずれか一方に切り欠き部15を有する場合は、切り欠き部15を有しない経路について、上記いずれかの式を満足するとよい。
図1Cは、第1実施形態にかかる車両用窓ガラスを備える車両用窓ガラス装置の他の構成例を示す平面図である。図1Cに示す窓ガラス装置201Cは、窓ガラス装置201Aに対して、導電枠70が、給電部80から離れた箇所にアース電極85を有する点が異なる。つまり、導電枠70が、アース電極75(第1アース電極)とアース電極85(第2アース電極)の複数のアース電極を有する。なお、第1アース電極75は、第1接地導体部75とも称し、第2アース電極85は、第2接地導体部85とも称する。
図1Cに示す窓ガラス装置201Cでは、給電部80から導電枠70の内縁71に沿ってアース電極75に至るまでの(時計回りの)第1経路の長さをL、給電部80から導電枠70の内縁71に沿ってアース電極85に至るまでの(反時計回りの)第2経路の長さをLが与えられる。そして、これらの長さL、Lは、上記の式1a,1bの少なくとも一方を満足すればよく、式1c,1dの少なくとも一方を満足すれば好ましく、式1e,1fの少なくとも一方を満足すればより好ましい。このように、窓ガラス装置201Cでは、給電部80から導電枠70の内縁71に沿った、時計回りと反時計回りの2つの経路のうち、最短距離にあるアース電極(第1アース電極75又は第2アース電極85)までの長さを、それぞれ、長さL、Lとして与えられる。そのため、窓ガラス装置201Cは、導電枠70の長さに依存せずに、好ましい長さL、Lを設定でき、ひいては共振周波数を任意に設定できるので、所望の周波数帯における受信感度(アンテナ利得)を向上できる。
図4は、第2実施形態にかかる車両用窓ガラスを備える車両用窓ガラス装置の一構成例を示す平面図である。第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成及び効果についての説明は、上述の説明を援用することで、省略する。図4に示す窓ガラス装置202は、車両用の窓ガラス100Bと、窓ガラス100Bが取り付けられた導電性の窓枠63とを備える。第1実施形態のアース電極75のような接地導体部に代えて、導電枠70は、給電部80から離れた箇所に接続され、開放端76bを有するスタブ76を含む。スタブ76と導電枠70との電気的な接続点76aの位置及びスタブ76の長さを調整することで、導電枠70に沿って発生する定在波の腹の位置を、接続点76aの位置に調整できる。これにより、パッチアンテナPAのアンテナ利得が向上する。
図5は、給電部から導電枠の内縁に沿ってスタブに至るまでの2つの経路を例示する図である。給電部80から内縁71に沿ってスタブ76に至るまでの第1経路の長さをL、給電部80から内縁71に沿ってスタブ76に至るまでの第2経路の長さをLとする。この例では、第1経路は、給電部80から時計回りで接続点76aに至るまでの経路であり、第2経路は、給電部80から反時計回りで接続点76aに至るまでの経路である。また、パッチアンテナPAが受信する周波数帯の電波の空気中における波長をλ、ガラス板10の波長短縮率をk、N及びNを1以上の整数とする。このとき、
は、Lと異なり、
及びLは、
λ/2×k×N-λ/3×k≦L≦λ/2×k×N+λ/3×k ・・・式2a
λ/2×k×N-λ/3×k≦L≦λ/2×k×N+λ/3×k ・・・式2b
の少なくとも一方を満足すると、導電枠70に沿って発生する定在波の腹の位置が接続点76aの位置にほぼ一致するので、パッチアンテナPAのアンテナ利得が向上する。式2a,2bの両方を満足すると、より好ましい。
また、相互に異なるL及びLは、より好ましくは、
λ/2×k×M-10/31×λ×k≦L≦λ/2×k×M+10/31×λ×k ・・・式2c
λ/2×k×M-10/31×λ×k≦L≦λ/2×k×M+10/31×λ×k ・・・式2d
の少なくとも一方を満足すると、導電枠70に沿って発生する定在波の腹の位置が接続点76aの位置にほぼ一致するので、パッチアンテナPAのアンテナ利得が向上する。式2c,2dの両方を満足すると、より好ましい。
また、相互に異なるL及びLは、さらに好ましくは、
λ/2×k×M-5/16×λ×k≦L≦λ/2×k×M+5/16×λ×k ・・・式2e
λ/2×k×M-5/16×λ×k≦L≦λ/2×k×M+5/16×λ×k ・・・式2f
の少なくとも一方を満足すると、導電枠70に沿って発生する定在波の腹の位置が接続点76aの位置にほぼ一致するので、パッチアンテナPAのアンテナ利得が向上する。式2e,2fの両方を満足すると、さらに好ましい。
スタブ76の長さをD、パッチアンテナPAが受信する周波数帯の電波の空気中における波長をλ、ガラス板10の波長短縮率をk、Pを1以上の整数とする。この例では、長さDは、接続点76aから開放端76bまでの経路長である。このとき、Dは、
λ/4×k×(2×P-1)-λ/6×k≦D≦λ/4×k×(2×P-1)+λ/6×k ・・・式3a
を満足すると、スタブ76は"λ/4スタブ"として効果的に機能するので、パッチアンテナPAのアンテナ利得が向上する。
また、Dは、より好ましくは、
λ/4×k×(2×P-1)-λ/7×k≦D≦λ/4×k×(2×P-1)+λ/7×k ・・・式3b
を満足すると、スタブ76は"λ/4スタブ"としてより効果的に機能するので、パッチアンテナPAのアンテナ利得が向上する。
また、Dは、さらに好ましくは、
λ/4×k×(2×P-1)-λ/8×k≦D≦λ/4×k×(2×P-1)+λ/8×k ・・・式3c
を満足すると、スタブ76は"λ/4スタブ"としてさらに効果的に機能するので、パッチアンテナPAのアンテナ利得が向上する。
スタブ76の幅Wは、0.5mm以上20mm以下であると、パッチアンテナPAのアンテナ利得が向上する。幅Wは、0.5mm未満であると、製造上の困難が生じ、20mm超であると、パッチアンテナPAの小型化が難しい。パッチアンテナPAのアンテナ利得向上の点で、幅Wは、1mm以上18mm以下が好ましい。
図6~図10は、それぞれ、各実施形態にかかる車両用窓ガラスの構成例を示す分解図である。上記の窓ガラス100A,100Bは、図6~図10に示すいずれの積層構造を有してもよい。
図6~図10において、窓ガラス101~105は、それぞれ、ガラス板10に対して主面11側にある遮光部50を有してもよい。遮光部50は、例えば、可視光を遮光する遮光膜である。遮光膜の具体例として、黒色セラミックス膜等のセラミックスが挙げられる。遮光部50は、導電枠70の少なくとも一部にガラス板10の平面視で重なる。これにより、Z軸方向(車外側又は車内側)から窓ガラス101を見ると、その重なる部分が視認しにくくなるので、窓ガラス101や車両のデザイン性などの見栄えが向上する。
図6,図8~図10に示す例では、遮光部50は、ガラス板10と導電枠70との間に配置される。図6,図8に示すように、遮光部50は、導電層30と導電枠70との間に配置されてもよい。また、図7に示すように、導電枠70は、遮光部50と導電層30との間に配置されてもよい。また、遮光部50は、ガラス板10と導電層30との間に配置されてもよい(例えば図9において、ガラス板20及び中間膜40が無い構成)。
さらに、図8~図10に示すように、窓ガラス103,104,105は、ガラス板10に対して導電層30が配置される側にガラス板20を備えてもよい。ガラス板20は、第2ガラス板の一例である。図8では、ガラス板20は、ガラス板10と導電枠70との間に配置される。図9では、ガラス板20は、導電層30と導電枠70との間に配置される。図10では、ガラス板20は、ガラス板10と導電層30との間に配置される。
図11は、各実施形態にかかる車両用窓ガラスによってDAB Band IIIの帯域で得られるアンテナ利得の測定結果の一例を示す図である。図11は、アース電位に電気的に接続されたアース電極75を有する窓ガラス100A(図1参照)、スタブ76を有する窓ガラス100B(図4参照)、アース電位に電気的に接続されたアース電極75を有さない窓ガラス100A("窓ガラス100"と称する)の場合を示す。窓ガラス100によれば、比較的低い帯域のアンテナ利得が向上する。窓ガラス100A,100Bによれば、DAB Band IIIの全帯域にわたって、アンテナ利得が向上する。
なお、図11の測定時のアンテナの各部の寸法等の条件は、
:930[mm]
:1000[mm]
D:260[mm]
W:5[mm]
d:5[mm]
導電層30のシート抵抗:10[Ω/□]
導電枠70のシート抵抗:0.02[Ω/□]
とした。DAB Band IIIの空気中の波長は、λ=1249mm~1723mmであり、窓ガラス(ガラス板10)の波長短縮率は、k=0.67、N=N=2とすると、図11の測定時のL,Lの各寸法は、すべての波長λ(=1249mm~1723mm)において、上記の式2a,2c,2e,式2b,2d,2fを満たした。また、P=1として、図11の測定時のDの寸法は、すべての波長λ(=1249mm~1723mm)において、上記の式3a,3b,3cを満たした。
図12は、第1実施形態にかかる車両用窓ガラス(窓ガラス100A)において、Lの長さ(アース電位が電気的に接続される位置)を変化させたときの、DAB Band IIIの帯域でのアンテナ利得の測定結果の一例を示す図である。Lは、給電部80から導電枠70の内縁71に沿ってアース電極75に至るまでの第1経路の長さを表す。L=930mmは、アース電極75が給電部80のほぼ対角に位置する場合を表す。L=930mmとすることで、フラットな周波数特性が得られた。
なお、図12の測定時のアンテナの各部の寸法等の条件は、Lを除いて、図11の測定時の上記の条件と同じとした。とくに、L=930mm及びL=980mmにおいては、すべての波長λ(=1249mm~1723mm)において、上記の式2a,2c,2eを満たした。
図13は、第2実施形態にかかる車両用窓ガラス(窓ガラス100B)において、スタブの長さDを変化させたときの、DAB Band IIIでの帯域のアンテナ利得の測定結果の一例を示す図である。D=260mmとすることで、アンテナ利得が特に向上した。
なお、図13の測定時のアンテナの各部の寸法等の条件は、Dを除いて、図11の測定時の上記の条件と同じとした。D=120mm~300mmは、すべての波長λ(=1249mm~1723mm)において、上記の式3aを満たし、D=180~300mmは、全ての波長(=1249mm~1723mm)において式3a,3b,3cを満たした。さらに、D=0mmにおいて、M=2とすると、L(=930mm),L(=1000mm)の各寸法は、すべての波長λ(=1249mm~1723mm)において、上記の式1a,1c,1e,式1b,1d,1fを満たした。
図14は、各実施形態にかかる車両用窓ガラスによってDAB Band IIIの帯域で得られる反射係数S11のシミュレーション結果の一例を示す図である。図14は、アース電位に電気的に接続されたアース電極75を有する窓ガラス100A(図1参照)、スタブ76を有する窓ガラス100B(図4参照)、アース電位に電気的に接続されたアース電極75を有さない窓ガラス100A("窓ガラス100"と称する)の場合を示す。窓ガラス100によれば、DAB Band IIIの帯域の低域側の175MHz付近でマッチングが得られた。窓ガラス100A,100Bによれば、DAB Band IIIの帯域の中心寄りの200MHz~210MHzでマッチングが得られた。
なお、図14のシミュレーション時のアンテナの各部の寸法等の条件は、
:845[mm]
:1265[mm]
D:200[mm]
W:5[mm]
d:5[mm]
導電層30のシート抵抗:10[Ω/□]
導電枠70のシート抵抗:0[Ω/□]
とした。シミュレーションのLの寸法は、すべての波長λ(=1249mm~1723mm)において、上記の式2a,2c,2eを満たし、Dの寸法は、すべての波長λ(=1249mm~1723mm)において、式3a,3b,3cを満たした。
図15は、導電層と導電枠との重なりを変化させたときのアンテナ利得のシミュレーション結果の一例を示す図である。図2において、枠幅5mmの導電枠70の大きさを固定し、導電層30の大きさを変化させた。d=0は、導電枠70の外縁と導電層30の外縁のサイズが同じ状態を示し、導電枠70と導電層30との重なり幅は5mmになった。図15に示すように、d=0では、アンテナ利得が低く、導電層30を小さくして距離dを増やすと、アンテナ利得は上がった。導電層30をさらに小さくすると、d=4mm(重なり幅1mm)からアンテナ利得は落ち始める。アンテナ利得がピークから2dB落ちる距離dは、8.3mm(外縁31が内縁71から内側に3.3mmの位置)、3dB落ちる距離dは、10.1mm(外縁31が内縁71から内側に5.1mmの位置)となった。
以上、実施形態を説明したが、本開示の技術は上記の実施形態に限定されない。他の実施形態の一部又は全部との組み合わせや置換などの種々の変形及び改良が可能である。
10 ガラス板
11 主面
12 主面
13a,13b,13c,13d 外縁
15 切り欠き部
20 ガラス板
30 導電層
31 外縁
40 中間膜
50 遮光部
60 車両
61 枠辺
62 車体部
63 窓枠
70 導電枠
71 内縁
72 外縁
73a,73b,73c,73d 角部
75,85 アース電極
76 スタブ
80 給電部
90 給電線
91 信号線
92 接地部
100A,100B,101,102,103,104,105 窓ガラス
201A,201B,201C,202 窓ガラス装置

Claims (30)

  1. 主面を有する第1ガラス板と、
    前記第1ガラス板に対して前記主面の側に配置される導電層と、
    前記第1ガラス板に対して前記主面の側に配置され、前記第1ガラス板の平面視で前記導電層の外縁に沿った内縁を有する導電枠と、
    前記導電枠に電気的に接続される給電部と、
    を備え、
    前記導電枠は、前記導電層よりも低い電気抵抗を有し、所定の周波数帯の電波を送受するアンテナの一部として機能する、車両用窓ガラス。
  2. 前記第1ガラス板に対して前記導電層が配置される側に第2ガラス板を備える、請求項1に記載の車両用窓ガラス。
  3. 前記第2ガラス板は、前記第1ガラス板と前記導電枠との間に配置される、請求項2に記載の車両用窓ガラス。
  4. 前記第2ガラス板は、前記導電層と前記導電枠との間に配置される、請求項3に記載の車両用窓ガラス。
  5. 前記第2ガラス板は、前記第1ガラス板と前記導電層との間に配置される、請求項3に記載の車両用窓ガラス。
  6. 構成されるガラス板は、前記第1ガラス板のみである、請求項1に記載の車両用窓ガラス。
  7. 前記導電枠は、前記導電層に対して前記主面とは反対側に配置される、請求項1から6のいずれか一項に記載の車両用窓ガラス。
  8. 前記導電枠は、閉ループ形状を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の車両用窓ガラス。
  9. 前記給電部は、前記導電枠の角部の近傍に配置される、請求項1から8のいずれか一項に記載の車両用窓ガラス。
  10. 前記給電部は、前記導電枠の辺の中心近傍に配置される、請求項1から8のいずれか一項に記載の車両用窓ガラス。
  11. 前記導電枠は、前記給電部から離れた箇所に、アース電位と等価となる接地導体部を有する、請求項1から10のいずれか一項に記載の車両用窓ガラス。
  12. 前記給電部から前記内縁に沿って前記接地導体部に至るまでの第1経路の長さをL、前記給電部から前記内縁に沿って前記接地導体部に至るまでの第2経路の長さをL、前記周波数帯の電波の空気中における波長をλ、前記第1ガラス板の波長短縮率をk、M及びMを1以上の整数とするとき、
    は、Lと異なり、
    及びLは、
    λ/2×k×M-λ/3×k≦L≦λ/2×k×M+λ/3×k、
    λ/2×k×M-λ/3×k≦L≦λ/2×k×M+λ/3×k、
    の少なくとも一方を満足する、請求項11に記載の車両用窓ガラス。
  13. 前記第1経路の長さLは、前記給電部から第1接地導体部に至るまでの長さであり、前記第2経路の長さLは、前記給電部から第2接地導体部に至るまでの長さである、請求項12に記載の車両用窓ガラス。
  14. 前記導電枠は、前記給電部から離れた箇所に接続され、開放端を有するスタブを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の車両用窓ガラス。
  15. 前記給電部から前記内縁に沿って前記スタブに至るまでの第1経路の長さをL、前記給電部から前記内縁に沿って前記スタブに至るまでの第2経路の長さをL、前記周波数帯の電波の空気中における波長をλ、前記第1ガラス板の波長短縮率をk、N及びNを1以上の整数とするとき、
    は、Lと異なり、
    及びLは、
    λ/2×k×N-λ/3×k≦L≦λ/2×k×N+λ/3×k、
    λ/2×k×N-λ/3×k≦L≦λ/2×k×N+λ/3×k、
    の少なくとも一方を満足する、請求項14に記載の車両用窓ガラス。
  16. 前記スタブの長さをD、前記周波数帯の電波の空気中における波長をλ、前記第1ガラス板の波長短縮率をk、Pを1以上の整数とするとき、Dは、
    λ/4×k×(2×P-1)-λ/6×k≦D≦λ/4×k×(2×P-1)+λ/6×k、
    を満足する、請求項14又は15に記載の車両用窓ガラス。
  17. 前記スタブの幅は、0.5mm以上20mm以下である、請求項14から16のいずれか一項に記載の車両用窓ガラス。
  18. 前記第1ガラス板に対して前記主面の側に配置される遮光部を備え、
    前記遮光部は、前記導電枠の少なくとも一部に前記第1ガラス板の平面視で重なる、請求項1から17のいずれか一項に記載の車両用窓ガラス。
  19. 前記導電層は、シート抵抗が5[Ω/□]以上200[Ω/□]以下である、請求項1から18のいずれか一項に記載の車両用窓ガラス。
  20. 前記導電層は、低放射膜である、請求項1から19のいずれか一項に記載の車両用窓ガラス。
  21. 前記給電部は、前記第1ガラス板の平面視で前記導電枠の外側に突出する、請求項1から20のいずれか一項に記載の車両用窓ガラス。
  22. 前記導電枠の外縁は、前記第1ガラス板の平面視で前記導電層の外縁の外側にある、請求項1から21のいずれか一項に記載の車両用窓ガラス。
  23. 前記第1ガラス板の平面視で、前記導電枠の少なくとも一部は、前記導電層に重なり、且つ、前記導電枠の外縁は、前記導電層の外縁から外側に10mm以内にある、請求項22に記載の車両用窓ガラス。
  24. 前記第1ガラス板の平面視で、前記導電枠は前記導電層と重ならず、且つ、前記導電枠の内縁は、前記導電層の外縁から外側に5mm以内にある、請求項22に記載の車両用窓ガラス。
  25. 前記周波数帯は、VHF帯である、請求項1から24のいずれか一項に記載の車両用窓ガラス。
  26. 前記周波数帯は、UHF帯である、請求項1から24のいずれか一項に記載の車両用窓ガラス。
  27. 車両のサイドガラス用の、請求項1から26のいずれか一項に記載の車両用窓ガラス。
  28. 請求項1から27のいずれか一項に記載の車両用窓ガラスと、前記車両用窓ガラスが取り付けられた導電性の窓枠とを備える、車両用窓ガラス装置。
  29. 前記窓枠の内縁は、前記第1ガラス板の平面視で、前記導電枠の外縁の少なくとも一部と一致する部分、又は、前記導電枠の外縁の少なくとも一部よりも外側にある部分を有する、請求項28に記載の車両用窓ガラス装置。
  30. 前記窓枠の内縁と前記導電枠の外縁との対向間隔は、前記第1ガラス板の平面視で、0mm以上50mm以下である、請求項29に記載の車両用窓ガラス装置。
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