JP2021072476A - 車両用窓ガラス及び車両用窓ガラス装置 - Google Patents

車両用窓ガラス及び車両用窓ガラス装置 Download PDF

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Abstract

【課題】VHF帯のアンテナ利得の確保と防曇を可能にする。【解決手段】ガラス板と、前記ガラス板に対向する側の第1の面と、前記第1の面とは反対側の第2の面とを有する誘電体と、前記ガラス板と前記第1の面との間に設けられ、導電膜と、前記導電膜に接続される第1のバスバーおよび第2のバスバーと、を有する平面状導体と、前記第2の面の側に設けられる少なくとも一つの給電部と、を備え、前記平面状導体は、前記第1のバスバーと前記第2のバスバーとの間に電圧を印加することによって発熱し、前記給電部は、前記平面状導体に前記誘電体を介して対向し、少なくともVHF帯の電波の受信信号を出力し、受信する前記電波の周波数帯の中心波長をλ、前記ガラス板の波長短縮率をkとするとき、前記第1のバスバーから前記第1の延長導体の先端部までの最長距離D1Aは、1/8×λ×k以上3/8×λ×k以下である、車両用窓ガラス。【選択図】図1

Description

本発明は、車両用窓ガラス及び車両用窓ガラス装置に関する。
車両用窓ガラスには、例えば、AM放送、FM放送、DAB(Digital Audio Broadcast)、リモートキーレスエントリー、地上デジタルテレビ放送、4G通信など、異なる周波数帯にわたって多種用途のアンテナ素子を配置することが求められる。一方、車両用窓ガラス(特に、リアガラス)では、窓ガラス面に形成された透明又は半透明の導電膜を加熱して、窓ガラスの防氷や防曇を行う技術がある。窓ガラスの防曇等のために導電膜を用いる場合、複数本の並走する電熱線を用いる場合に比べて、視界や見栄えが向上する利点がある。このような導電膜とアンテナ素子とを併設した車両用窓ガラスとして、導電膜に重ならないように配置されたDAB用アンテナ素子を備える車両用窓ガラスが知られている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2016/185898号
しかしながら、従来の技術では、VHF(Very High Frequency)帯のアンテナ利得を確保することが難しい場合がある。
本開示は、VHF帯のアンテナ利得を確保でき、防曇等の効果を併せ持つ車両用窓ガラス及び車両用窓ガラス装置を提供する。
本開示の技術は、
ガラス板と、
前記ガラス板に対向する側の第1の面と、前記第1の面とは反対側の第2の面とを有する誘電体と、
前記ガラス板と前記第1の面との間に設けられ、導電膜と、前記導電膜に接続される第1のバスバーおよび第2のバスバーと、を有する平面状導体と、
前記第1のバスバーに一端が接続され、前記第2の面まで延伸する第1の延長導体と、
前記第2のバスバーに一端が接続され、前記第2の面まで延伸する第2の延長導体と、
前記第2の面の側に設けられる少なくとも一つの給電部と、を備え、
前記平面状導体は、前記第1のバスバーと前記第2のバスバーとの間に電圧を印加することによって発熱し、
前記給電部は、前記平面状導体に前記誘電体を介して対向し、少なくともVHF帯の電波の受信信号を出力し、
受信する前記電波の周波数帯の中心波長をλ、前記ガラス板の波長短縮率をkとするとき、前記第1のバスバーから前記第1の延長導体の先端部までの最長距離D1Aは、1/8×λ×k以上3/8×λ×k以下である、
車両用窓ガラス及び車両用窓ガラス装置を提供する。
本開示の技術によれば、VHF帯のアンテナ利得を確保でき、防曇等の効果を併せ持つ車両用窓ガラス及び車両用窓ガラス装置を提供できる。
一実施形態における車両用窓ガラスの一構成例を示す分解斜視図である。 一実施形態における車両用窓ガラスの一構成例を平面視で示す図である。 一実施形態における車両用窓ガラスの一構成例を平面視で示す部分拡大図である。 延長導体の折り返し部を広げて平面的に示した模式図である。 一実施形態における車両用窓ガラスの一構成例を平面視で示す部分拡大図である。 FM放送波帯のアンテナ利得の測定結果の一例を示す図である。 DABのBand IIIのアンテナ利得の測定結果の一例を示す図である。 FM放送波帯のアンテナ利得の測定結果の一例を示す図である。 DABのBand IIIのアンテナ利得の測定結果の一例を示す図である。 FM放送波帯のアンテナ利得の測定結果の一例を示す図である。 DABのBand IIIのアンテナ利得の測定結果の一例を示す図である。
以下、図面を参照して、本開示に係る実施形態について説明する。なお、理解の容易のため、図面における各部材の縮尺は、実際とは異なる場合がある。平行、直角、直交、水平、垂直、上下、左右などの方向には、実施形態の効果を損なわない程度のずれが許容される。角部の形状は、直角に限られず、弓状に丸みを帯びてもよい。X軸に平行な方向(X軸方向)、Y軸に平行な方向(Y軸方向)、Z軸に平行な方向(Z軸方向)は、それぞれ、ガラス板の左右方向(横方向)、ガラス板の上下方向(縦方向)、ガラス板の表面に直角な方向(法線方向とも称する)を表す。X軸方向とY軸方向とZ軸方向は、互いに直交する。
本実施形態における車両用窓ガラスとして、車両の後部に取り付けられるリアガラスが好適である。しかしながら、車両用窓ガラスは、車両の前部に取り付けられるフロントガラス、車両の側部に取り付けられるサイドガラス、車両の天井部に取り付けられるルーフガラスなどでもよい。
図1は、一実施形態における車両用窓ガラスの一構成例を示す分解斜視図である。図1において、Z軸方向の正側は、車外側を表し、Z軸方向の負側は、車内側を表す。窓ガラス101は、車外側に配置されるガラス板10と、車内側に配置されるガラス板20とが、中間膜40を介して貼り合わされる合わせガラスの構造を有する。図1は、窓ガラス101の構成要素を、ガラス板10又はガラス板20の表面の法線方向に分離して示している。
窓ガラス101は、車外側に配置されるガラス板10と、車内側に配置されるガラス板20と、合わせガラスの内部に配置される平面状導体50とを備える。
ガラス板10及びガラス板20は、透明な板状の誘電体である。ガラス板10及びガラス板20のいずれか一方又は両方は、半透明でもよい。ガラス板10は、第1のガラス板の一例であり、ガラス板20は、第2のガラス板の一例である。
ガラス板10は、板面11と、Z軸方向において板面11とは反対側の板面12とを有する。板面11は、車内側の表面を表し、板面12は、車外側の表面を表す。特に、板面12は、合わせガラスの車外側の外面に相当する。ガラス板10は、可視光を透過する透過領域14を有する。透過領域14の外側には、可視光を遮光する遮光膜13が設けられている。遮光膜13については後述する。
ガラス板20は、ガラス板10の板面11に対向する側の板面21と、Z軸方向において板面21とは反対側の板面22とを有する。板面21は、車外側の表面を表し、板面22は、車内側の表面を表す。特に、板面22は、合わせガラスの車内側の外面に相当する。板面21は、第1の面の一例であり、板面22は、第2の面の一例である。
中間膜40は、ガラス板10とガラス板20との間に介在する透明又は半透明な誘電体である。ガラス板10とガラス板20とは、中間膜40によって接合される。中間膜40は、例えば、熱可塑性のポリビニルブチラール(PVB)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)等が挙げられる。なお、中間膜40の比誘電率は、2.4以上3.5以下が好ましい。
図1は、平面状導体50が、ガラス板10とガラス板20との間に配置される形態を示す。図1に示す実施形態では、平面状導体50は、ガラス板10の板面11とガラス板20の板面21との間に設けられており、分離されていない一つの導体面により形成されている。
平面状導体50は、導電膜55と、導電膜55に接続される一対のバスバー51,52とを有する。バスバー51は、第1のバスバーの一例であり、バスバー52は、第2のバスバーの一例である。平面状導体50(特に、導電膜55)は、バスバー51とバスバー52との間に電圧を印加することによって発熱する。平面状導体50が発熱することによって、窓ガラス101の防氷や防曇などを実現できる。
バスバー51は、平面状導体50の左縁部に接続される帯状電極であり、バスバー52は、平面状導体50の右縁部に接続される帯状電極である。一対のバスバー51,52は、板面11と板面21との間に配置されている。一対のバスバー51,52は、導電膜55よりも低いシート抵抗(表面抵抗率又は面抵抗率とも呼ばれる)を有する。一対のバスバー51,52には、例えば、銅、銀などの金属箔や薄膜が使用される。
窓ガラス101は、バスバー51にフラットワイヤ53を介して接続される正極37と、バスバー52にフラットワイヤ54を介して接続される負極38とを有する。正極37は、第1の電極の一例であり、負極38は、第2の電極の一例である。図1は、正極37が、車内側から見て板面22の左縁部に設けられ、Y軸方向を長手方向とする矩形状に形成された矩形エレメントであり、負極38が、車内側から見て板面22の右縁部に設けられ、Y軸方向を長手方向とする矩形状に形成された矩形エレメントである形態を示す。しかし、正極37及び負極38の形状は、円形や他の多角形などの他の形状でもよい。
車内側から見てバスバー51が板面21の左縁部に設けられている場合、フラットワイヤ53の一端53aがバスバー51に接続され、フラットワイヤ53の他端53bが正極37に接続される。同様に、車内側から見てバスバー52が板面21の右縁部に設けられている場合、フラットワイヤ54の一端54aがバスバー52に接続され、フラットワイヤ54の他端54bが負極38に接続される。
正極37と負極38との間に電圧を印加することによって、バスバー51とバスバー52との間に電圧が印加されるので、平面状導体50は発熱し、窓ガラス101の防氷や防曇などを実現できる。正極37と負極38は板面22側に露出しているので、一対のバスバー51,52が一対のガラス板10,20の間に挟まれて露出していなくても、一対のバスバー51,52にフラットワイヤ53,54を介して電圧を印加できる。
導電膜55は、中間膜40とガラス板20との間に配置される透明又は半透明な導体であり、例えば、Ag膜などの金属膜、ITO(酸化インジウム・スズ)膜などの金属酸化膜、または導電性微粒子を含む樹脂膜や、複数種類の膜を積層したものが挙げられる。導電膜55は、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂フィルムに蒸着処理等でコーティングされたものでもよい。
導電膜55は、板面22の平面視において、一対のバスバー51,52の間に挟まれており、窓ガラス101を加熱するヒータとして機能する。導電膜55は、直流電圧が一対のバスバー51,52間に印加されることにより窓ガラス101を加熱させて、窓ガラス101の防氷、防曇などを行う。例えば、車内側から見て平面状導体50の左縁部に設けられる一方のバスバー51は、フラットワイヤ53を介して直流電源の正極側に接続され、車内側から見て平面状導体50の右縁部に設けられる他方のバスバー52は、フラットワイヤ54を介して直流電源の負極側に接続される。
窓ガラス101は、合わせガラスの車内側の外面に配置される給電電極33を備える。給電電極33は、給電部の一例であり、例えば、板面22の側に設けられる導体パターンである。図1は、給電電極33が、X軸方向を長手方向とする矩形状に形成された矩形エレメントである形態を示す。しかし、給電電極33の形状は、円形や他の多角形などの他の形状でもよい。
給電電極33は、平面状導体50が少なくともVHF帯の電波を受信するように、平面状導体50にガラス板20を介して対向する。平面状導体50の少なくとも一部が少なくともVHF帯の電波を受信する放射導体として機能するように、給電電極33は、ガラス板20を介して平面状導体50と対向するので、少なくともVHF帯の電波の受信信号を出力する。受信信号は、例えば、FM放送波帯とDABのBand IIIの少なくとも一方の電波の受信信号を含む。
給電電極33は、誘電体であるガラス板20を介して平面状導体50と対向しているので、平面状導体50と容量結合する。給電電極33と平面状導体50との容量結合部は、VHF帯の波長に比べて十分に長い導体長を有する平面状導体50の電気長を短くする短縮コンデンサとして機能する。これにより、平面状導体50をVHF帯の電波を受信するアンテナの一部として使用できるので、VHF帯(例えば、FM放送波帯)のアンテナ利得を確保できる。
平面状導体50は、少なくともVHF帯の電波の受信信号に対して接地されなくても、VHF帯のアンテナ利得は確保される。この場合、窓ガラス101には、VHF帯の電波の受信のための接地用電極が形成されなくてもよい。その結果、窓ガラス101に接続される複数の配線のうちVHF帯の受信用の接地配線を削減できる。
図1は、給電電極33が、板面22の左側上縁部に設けられる形態を示す。しかし、給電電極33は、平面状導体50の少なくとも一部とガラス板20を介して対向する箇所であれば、板面22の上側左縁部などの他の箇所に配置されてもよい。
VHF帯は、30MHz以上300MHz以下の周波数帯を表す。VHF帯の電波として、例えば、FM放送波、DABのBand IIIの電波などが挙げられる。したがって、給電電極33は、平面状導体50が少なくともFM放送波を受信するように、平面状導体50にガラス板20を介して対向してもよい。あるいは、給電電極33は、平面状導体50が少なくともDABのBand IIIの電波を受信するように、平面状導体50にガラス板20を介して対向してもよい。
また、給電電極33は、少なくともUHF(Ultra high Frequency)帯の電波を受信するように形成されてもよい。つまり、給電電極33は、VHF帯の電波の受信に加え、少なくともUHF帯の電波を受信する放射導体として機能するように形成されてもよい。給電電極33がこのように形成されることにより、VHF帯とUHF帯の共用のアンテナを構成できる。
UHF帯は、300MHz以上3GHz以下の周波数帯を表す。UHF帯の電波として、地上デジタルテレビ放送波、移動体通信用電波などが挙げられる。したがって、給電電極33は、VHF帯の電波の受信に加え、少なくとも地上デジタルテレビ放送波を受信するように形成されてもよいし、少なくとも移動体通信用電波を受信するように形成されてもよい。
給電電極33の少なくとも一部は、ガラス板20を挟んで、バスバー51と導電膜55との少なくとも一方と対向している。給電電極33には、アンプ60の第1の入力部が接続されている。平面状導体50で電波を受信して得られる信号は、平面状導体50と給電電極33との間の容量結合を介してアンプ60の第1の入力部に入力され、給電電極33で電波を受信して得られる信号も、アンプ60の第1の入力部に入力される。第1の入力部に入力された信号は、バンドパスフィルタを介して、アンプ60から出力される。
窓ガラス101は、合わせガラスの車内側の外面に配置される給電電極35を更に備えてもよい。給電電極35は、給電部の一例であり、例えば、板面22の側に設けられる導体パターンである。図1は、給電電極35が、X軸方向を長手方向とする矩形状に形成された矩形エレメントである形態を示す。しかし、給電電極35の形状は、円形や他の多角形などの他の形状でもよい。
給電電極35を、上述の給電電極33と同様の構成にすることで、ダイバーシティアンテナを構成できる。給電電極35の構成についての説明は、上述の説明を援用することで省略する。
給電電極35の少なくとも一部は、ガラス板20を挟んで、バスバー52と導電膜55との少なくとも一方と対向している。給電電極35には、アンプ61の第1の入力部が接続されている。平面状導体50で電波を受信して得られる信号は、平面状導体50と給電電極35との間の容量結合を介してアンプ61の第1の入力部に入力され、給電電極35で電波を受信して得られる信号も、アンプ61の第1の入力部に入力される。第1の入力部に入力された信号は、バンドパスフィルタを介して、アンプ61から出力される。
窓ガラス101は、合わせガラスの車内側の外面に配置される給電電極32を更に備えてもよい。給電電極32は、給電部の一例であり、例えば、板面22の側に設けられる導体パターンである。図1は、給電電極32が、車内側から見て板面22の上縁部に設けられ、X軸方向を長手方向とする矩形状に形成された矩形エレメントである形態を示す。しかし、給電電極32の形状は、円形や他の多角形などの他の形状でもよい。
給電電極32は、平面状導体50が少なくともMF(Medium Frequency)帯の電波を受信するように、平面状導体50にガラス板20を介して対向する。つまり、平面状導体50の少なくとも一部が少なくともMF帯の電波を受信する放射導体として機能するように、給電電極32は、平面状導体50にガラス板20を介して対向する。
あるいは、給電電極32は、平面状導体50が少なくともMF帯とHF(High Frequency)帯の電波を受信するように、平面状導体50にガラス板20を介して対向してもよい。つまり、平面状導体50の少なくとも一部が少なくともMF帯とHF帯の電波を受信する放射導体として機能するように、給電電極32は、平面状導体50にガラス板20を介して対向する。
このような給電電極32が設けられることにより、MF帯(又は、MF帯とHF帯)の電波も受信可能な共用のアンテナを構成できる。MF帯は、300kHz以上3MHz以下の周波数帯を表す。MF帯の電波として、AM放送波などが挙げられる。HF帯は、3MHz以上30MHz以下の周波数帯を表し、SW(Short Wave)帯とも称される。したがって、給電電極32及び平面状導体50は、少なくともAM放送波を受信するように形成されてもよい。なお、AM放送波は、15dBμV以上であれば適切な受信感度が得られるので好ましく、18dBμV以上がより好ましい。
図1では、給電電極32の少なくとも一部は、車内側から見てガラス板20を挟んで、導電膜55の上縁部の少なくとも一部と対向している。給電電極32には、アンプ60の第2の入力部が接続されている。したがって、平面状導体50で電波を受信して得られる信号は、平面状導体50と給電電極32との間の容量結合を介してアンプ60の第2の入力部に入力される。また、平面状導体50で電波を受信して得られる信号は、平面状導体50と給電電極32との間の容量結合を介さずに取り出されてもよい。例えば図2において、第1のチョークコイル81(または第2のチョークコイル83)、キャパシタ82(またはキャパシタ84)、またはチョークトランス86に接続される配線から、平面状導体50で電波を受信して得られる信号を取り出す構造が考えられる。図2の詳細については後述する。
図1において、窓ガラス101は、合わせガラスの車内側の外面に配置される給電電極39を更に備えてもよい。給電電極39は、給電部の一例であり、例えば、板面22の側に設けられる導体パターンである。図1は、給電電極39が、車内側から見て板面22の上縁部に設けられ、X軸方向を長手方向とする矩形状に形成された矩形エレメントである形態を示す。しかし、給電電極39は、板面22の側縁部に設けられてもよいし、下縁部に設けられてもよい。さらに、給電電極39の形状は、円形や他の多角形などの他の形状でもよい。
給電電極39は、少なくともUHF帯の電波を受信するように形成されてもよい。つまり、給電電極39は、それ自体が少なくともUHF帯の電波を受信する放射導体として機能するように形成されてもよい。給電電極33,35,39を使用する3チャネル分のUHFアンテナを構成できる。
給電電極39の少なくとも一部は、ガラス板20を挟んで、導電膜55と対向してもよいし対向してなくてもよい。給電電極39は、平面視で、導電膜55よりも外側に位置する導体パターンでもよい。給電電極39で電波を受信して得られる信号は、アンプ61の第2の入力部に入力される。
ガラス板10は、可視光を遮光する遮光膜13を備えている。遮光膜13は、ガラス板10の外周縁部に設けられている。遮光膜13は、平面視において、一対のバスバー51,52、正極37、負極38、給電電極32,33,35,39及びスタブ71,72,73,74と、ガラス板10の厚さ方向で重複する。重複には、全部が重複する形態に限られず、一部が重複する形態が含まれてもよい。遮光膜13の具体例として、黒色セラミックス膜等のセラミックスが挙げられる。一対のバスバー51,52、正極37、負極38、給電電極32,33,35,39及びスタブ71,72,73,74は、ガラス板10の平面視で遮光膜13と重複する部分が存在する場合、窓ガラス101を車外側から見ると、その重複する部分が視認しにくくなる。よって、窓ガラス101や車両のデザイン性が向上する。
このように、窓ガラス101の平面視において、一対のバスバー51,52、正極37、負極38、給電電極32,33,35,39及びスタブ71,72,73,74は、遮光膜13と重複するので、見栄えの向上と視界の確保を両立できる。
例えば、給電電極32,33,35,39及びスタブ71,72,73,74のうち少なくとも一つは、導電性金属を含有するペースト(例えば、銀ペースト等)を、ガラス板20の板面22にプリントして焼き付けることによって形成されてもよく、金属板(金属箔)で形成されてもよい。
図2は、一実施形態における車両用窓ガラスの一構成例を平面視で示す図であり、車両用窓ガラスを車両に取り付けた状態で車内側から見た図である。つまり、図2において、車両用窓ガラスを車両に取り付けた状態でY軸方向の正の方向は、地表から離れる方向に相当する。
遮光膜13の内縁13aは、平面状導体50の外縁50aよりも内側にある。これにより、外縁50aは、平面視で遮光膜13と重複するので、平面状導体50がある部分とない部分の境目が車外側から見ると遮光膜13により隠れ、見栄えが向上する。
窓ガラス装置1010は、車両用窓ガラス装置の一例である。窓ガラス装置1010は、窓ガラス101と、正極37に接続される第1のチョークコイル81と、負極38に接続される第2のチョークコイル83とを備える。第1のチョークコイル81,第2のチョークコイル83は、少なくともVHF帯の電波の受信信号を遮断する。これにより、VHF帯の高周波信号が直流電源80及びグランド側に漏洩することを抑制できる。第1のチョークコイル81,第2のチョークコイル83は、例えば、VHF帯の電波の受信信号のうち、FM放送波とDABのBand IIIの少なくとも一方の周波数帯の信号を遮断する。
第1のチョークコイル81の正極37とは反対側は、キャパシタ82を介してグランドに接続されてもよいし、第2のチョークコイル83の負極38とは反対側は、キャパシタ84を介してグランドに接続されてもよい。キャパシタ82,84によって、配線のインピーダンスを調整できる。例えば、平面状導体50でMF帯の電波を受信する場合、キャパシタ82、キャパシタ84は、MF帯でハイインピーダンスとなるような値に設定することが好ましい。
なお、正極37と直流電源80との間を結ぶ配線が少なくともVHF帯の電波の受信信号を遮断するインダクタンスを有すれば、第1のチョークコイル81は、無くてもよい。負極38とグランドとの間を結ぶ配線が少なくともVHF帯の電波の受信信号を遮断するインダクタンスを有すれば、第2のチョークコイル83は、無くてもよい。
窓ガラス装置1010は、正極37と負極38に接続されるチョークトランス86を更に備える。チョークトランス86は、少なくともMF帯の信号を遮断する。チョークトランス86は、1次側コイルと2次側コイルを有するトランス構造を有する。正極37は、1次側コイルを介して、直流電源80の正極側に接続され、負極38は、2次側コイルを介して、直流電源80の負極側に接続される。そのため、とくに平面状導体50でMF帯の電波を受信する場合、チョークトランス86の挿入により、AM放送波等のMF帯の電波を平面状導体50で受信して得られる受信信号が直流電源80及びグランド側に漏洩することを抑制できる。
窓ガラス101は、一端が板面21側の第1のバスバー51に接続され、他端が板面22まで延伸する第1の延長導体75と、一端が板面21側の第2のバスバー52に接続され、他端が板面22まで延伸する第2の延長導体76とを備える。
図1,2に示す形態では、第1の延長導体75は、一端53aが第1のバスバー51に板面21側で接続されるフラットワイヤ53と、フラットワイヤ53の他端53bに板面22側で接続される正極37と、正極37に板面22側で接続されるスタブ71,72とを有する。同様に、図1,2に示す形態では、第2の延長導体76は、一端54aが第2のバスバー52に板面22側で接続されるフラットワイヤ54と、フラットワイヤ54の他端54bに板面22側で接続される負極38と、負極38に板面22側で接続されるスタブ73,74とを有する。
第1の延長導体75,第2の延長導体76が板面22まで延伸することで、一対のバスバー51,52が一対のガラス板10,20の間に配置されていても、一対のバスバー51,52に第1の延長導体75,第2の延長導体76を介して電圧を印加できる。
図3は、一実施形態における車両用窓ガラスの一構成例を平面視で示す部分拡大図であり、第1の延長導体75とその周辺部を拡大して示している。第1の延長導体75は、ガラス板20の外縁20aでフラットワイヤ53により折り返されている。図4は、フラットワイヤ53により図3のように折り返された第1の延長導体75の折り返し部を広げて平面的に示した模式図である。
VHF帯において受信する電波の周波数帯(以下、周波数帯WHとも称する)の中心波長をλ、ガラス板10の波長短縮率をkとする。このとき、第1のバスバー51から第1の延長導体75の先端部までの最長距離D1Aは、1/8×λ×k以上3/8×λ×k以下であると、周波数帯WH(例えば、DABのBand III)のアンテナ利得が向上する。周波数帯WHのアンテナ利得を向上させる点で、最長距離D1Aは、3/16×λ×k以上3/8×λ×k以下がより好ましい。
例えば、DABのBand III(170MHz〜240MHz)のアンテナ利得を向上させる場合、中心波長λは1.46mであるので、k=0.64とすると、最長距離D1Aを117mm以上350mm以下に調整すればよい。
最長距離D1Aは、第1のバスバー51から第1の延長導体75の先端部までの最長の中心経路長を表す。図4の場合、最長距離D1Aは、フラットワイヤ53と第1のバスバー51との接続点である一端53aから、フラットワイヤ53と正極37との接続点である他端53bを経由して、スタブ71の先端部71aまでの中心経路長(=L1+L2+L3)を表す。なお、正極37の幅は、スタブ71の幅およびスタブ72の幅の少なくとも一方と、同一でも異なってもよい。正極37の幅、スタブ71の幅およびスタブ72の幅は、遮光膜13の正極37側の内縁13aに沿う方向と略直交する。同様に、負極38の幅は、スタブ73の幅およびスタブ74の幅の少なくとも一方と、同一でも異なってもよい。負極38の幅、スタブ73の幅およびスタブ74の幅は、遮光膜13の負極38側の内縁13aに沿う方向と略直交する。例えば、正極37の幅が、スタブ71,72の幅よりも広く、負極38の幅がスタブ73,74の幅よりも広くてもよい。
図4において、
L1:一端53aから他端53bまでの導体長と、他端53bからフラットワイヤ53の長手方向における正極37の中心までの導体長との和
L2:フラットワイヤ53の長手方向における正極37の中心から正極37の方向78側の先端部までの導体長
L3:スタブ71の方向78における導体長
L4:フラットワイヤ53の長手方向における正極37の中心から正極37の方向79側の先端部までの導体長
L5:スタブ72の方向79における導体長
B:L2+L3
C:L4+L5
を表す。
上述の通り、図1,2において、給電電極33と平面状導体50との容量結合部により、平面状導体50を、VHF帯内で上記の周波数帯WHより低い所望の周波数帯(以下、周波数帯WLともいう)の電波を受信するアンテナの一部として使用できるので、周波数帯WLのアンテナ利得を確保できる。周波数帯WLの一例として、FM放送波帯がある。一方、周波数帯WLよりも高い周波数帯WH(例えば、DABのBand III)の高周波信号は、給電電極33と平面状導体50との容量結合部を通過してしまう。しかし、周波数帯WHの高周波信号は、第1のチョークコイル81や配線などのインダクタンスで遮断されるので、第1の延長導体75は、周波数帯WHの高周波信号に対するオープンスタブとして動作する。したがって、最長距離D1Aを周波数帯WHで共振が生ずる長さ(1/8×λ×k以上3/8×λ×k以下の長さ)に調整することで、周波数帯WL(例えば、FM放送波帯)と周波数帯WH(例えば、DABのBand III)との両方で共振する広帯域のアンテナを窓ガラス101に形成できる。
図3,4において、正極37の大きさは、正極37に接続されるコネクタの大きさに応じて変わるので、スタブ71の導体長L3とスタブ72の導体長L5との少なくとも一方を調整することで、最長距離D1Aを所望の長さに容易に調整できる。
図3,4において、第1の延長導体75は、板面22の平面視において、屈曲部77を有する。屈曲部77は、第1の延長導体75の延伸方向が変化する部分を表し、例えば、第1の延長導体75の延伸方向が30°以上150°以下の角度で変化する少なくとも1箇所の部分を表す。
図3,4は、屈曲部77が方向78と方向79に分岐するT字状部である形態を例示する。屈曲部77がこのようなT字状部であると、周波数帯WHのアンテナ利得が向上する。方向79は、方向78とは反対側の方向を表すが、完全に180°反対向きでなくてもよい。
第1の延長導体75において、第1のバスバー51から方向78の先端部71aまでの延伸距離を最長距離D1Aとし、第1のバスバー51から方向79の先端部72aまでの延伸距離をD1Bとする。周波数帯WH(例えば、DABのBand III)のアンテナ利得を向上させる点で、(D1A/D1B)は、1.0以上3.0以下が好ましく、1.0以上2.7以下がより好ましく、1.0以上2.0以下がさらに好ましい。
延伸距離D1Bは、図4の場合、フラットワイヤ53と第1のバスバー51との接続点である一端53aから、フラットワイヤ53と正極37との接続点である他端53bを経由して、スタブ72の先端部72aまでの中心経路長(=L1+L4+L5)を表す。
なお、第1の延長導体75において、第1のバスバー51から方向78の先端部71aまでの延伸距離が最長距離D1Aである形態の場合、方向78が第1の方向の一例であり、方向79が第2の方向の一例である。逆に、第1の延長導体75において、第1のバスバー51から方向79の先端部72aまでの延伸距離が最長距離D1Aである形態の場合、方向79が第1の方向の一例であり、方向78が第2の方向の一例である。
屈曲部77は、方向79に折れ曲がらずに、方向78に折れ曲がるL字状部(C=0)でもよい。屈曲部77がL字状部であると、周波数帯WHのアンテナ利得が向上する。屈曲部77は、方向78に折れ曲がらずに、方向79に折れ曲がるL字状部(B=0)でもよい。
屈曲部77がL字状部の第1の延長導体75において、第1のバスバー51から方向78の先端部71aまでの延伸距離を最長距離D1Aとし、第1のバスバー51から屈曲部77までの延伸距離をD1Cとする。周波数帯WH(例えば、DABのBand III)のアンテナ利得を向上させる点で、(D1A/D1C)は、1.1以上3.8以下が好ましく、1.1以上3.5以下がより好ましい。延伸距離D1Cは、図4の場合、導体長L1を表す。
図4に示すように、窓ガラス101は、第1の延長導体75の先端部71aに接続され、第1の延長導体75よりも細い第1の線条導体91を備えてもよい。第1の線条導体91は、例えば、正極37及びスタブ71よりも狭い幅を有する。窓ガラス101が第1の線条導体91を備えると、周波数帯WH(例えば、DABのBand III)のアンテナ利得が向上する。周波数帯WHのアンテナ利得を向上させる点で、第1の線条導体91は、30mm以上80mm以下の長さが好ましく、40mm以上70mm以下の長さがより好ましい。周波数帯WHのアンテナ利得を向上させる点で、第1の線条導体91は、0.3mm以上5mm以下の幅を有することが好ましく、0.5mm以上4mm以下の幅を有することがより好ましい。
図5は、一実施形態における車両用窓ガラスの一構成例を平面視で示す部分拡大図であり、第2の延長導体76とその周辺部を拡大して示している。第2の延長導体76は、ガラス板20の外縁20aでフラットワイヤ54により折り返されている。
窓ガラス101の左縁部に設けられる第1の延長導体75と同じ構成を、窓ガラス101の右縁部に設けられる第2の延長導体76にも適用できる。例えば、第2のバスバー52から第2の延長導体76の先端部73aまでの最長距離D2Aは、1/8×λ×k以上3/8×λ×k以下であると、周波数帯WH(例えば、DABのBand III)のアンテナ利得が向上する。周波数帯WHのアンテナ利得を向上させる点で、最長距離D2Aは、3/16×λ×k以上3/8×λ×k以下がより好ましい。
図5に示すように、窓ガラス101は、第2の延長導体76の先端部73bに接続され、第2の延長導体76よりも細い第2の線条導体92を備えてもよい。窓ガラス101が第2の線条導体92を備えると、周波数帯WH(例えば、DABのBand III)のアンテナ利得が向上する。周波数帯WHのアンテナ利得を向上させる点で、第2の線条導体92は、30mm以上80mm以下の長さが好ましく、40mm以上70mm以下の長さがより好ましい。周波数帯WHのアンテナ利得を向上させる点で、第2の線条導体92は、0.3mm以上5mm以下の幅を有することが好ましく、0.5mm以上4mm以下の幅を有することがより好ましい。
図5に示すように、窓ガラス101は、給電電極35に接続され、給電電極35よりも細い第3の線条導体93を備えてもよい。窓ガラス101が第3の線条導体93を備えると、UHF帯(例えば、地上デジタルテレビ放送波帯)のアンテナ利得が向上する。同様に、給電電極33よりも細い線条導体を給電電極33(図1,2参照)に接続しても、UHF帯(例えば、地上デジタルテレビ放送波帯)のアンテナ利得が向上する。
図5に示すように、窓ガラス101は、給電電極39に接続され、給電電極39よりも細い第4の線条導体94を備えてもよい。窓ガラス101が第4の線条導体94を備えると、UHF帯(例えば、地上デジタルテレビ放送波帯)のアンテナ利得が向上する。
図1は、平面状導体50がガラス板20の板面21に形成される形態を示す。例えば、ガラス板20の板面21に蒸着処理されることにより板面21にコーティングされた導電膜に、平面状導体50が形成される。
しかしながら、平面状導体50は、ガラス板10の板面11に形成されてもよい。例えば、ガラス板10の板面11にスパッタリング処理により板面11にコーティングされた導電膜に、平面状導体50が形成される。平面状導体50と給電電極32との間には、ガラス板20だけでなく、中間膜40が存在してもよい。あるいは、平面状導体50が、中間膜と中間膜との間に挟まれた形態でもよい。
また、本開示に係る車両用窓ガラスは、合わせガラスに限らない。この場合、平面状導体50と給電電極32との間に存在する誘電体は、ガラス板10と同じ大きさでなくてもよく、給電電極32を少なくとも形成できる程度の大きさの誘電体基板や誘電体フィルムなどであればよい。
Figure 2021072476
表1は、窓ガラス101において、ヨーロッパと日本で使用される周波数帯で測定されたアンテナ利得の平均値を示す(単位:dB)。ヨーロッパで使用される周波数帯として、FM(87〜108MHz)及びDAB(170〜240MHz)を選定し、日本で使用される周波数帯として、FM(76〜108MHz)を選定した。ANT1は、給電電極33から得られる信号のアンテナ利得を表し、ANT2は、給電電極35から得られる信号のアンテナ利得を表す。"スタブ無"は、窓ガラス101においてスタブ71,72,73,74が無く、最長距離D1Aが1/8×λ×k以上3/8×λ×k以下を満たさない形態を示す。"スタブ有"は、窓ガラス101においてスタブ71,72,73,74が有り、最長距離D1Aが1/8×λ×k以上3/8×λ×k以下を満たす形態を示す。
表1に示すように、DAB(170〜240MHz)のアンテナ利得(帯域平均利得)が、"スタブ無"に比べて、"スタブ有"の方が向上する結果が得られた。
図6〜11は、給電電極33の導体長Aとスタブ71を含む導体長Bとスタブ72を含む導体長Cとの関係を調べるために、水平偏波において、窓ガラス101の給電電極33から得られる信号のアンテナ利得を測定した結果を示す。なお、導体長L1(図4参照)は、いずれの場合においても、144mmである。
図6は、Aを40mmにCを35mmに固定してBを可変したときのFM放送波帯のアンテナ利得の測定結果の一例を示す図である。図7は、Aを40mmにCを35mmに固定してBを可変したときのDABのアンテナ利得の測定結果の一例を示す図である。図6および図7に示すように、スタブ71,72は、FM放送波帯のアンテナ利得には大きな変化を与えず、DABの周波数特性とアンテナ利得を改善させる効果があるという結果が得られた。このとき、表2に示すとおり、(D1A/D1B)は、1.0以上3.0以下であり、最長距離D1Aが1/8×λ×k以上3/8×λ×k以下であった。
Figure 2021072476
図8は、Aを40mmにBを35mmに固定してCを可変したときのFM放送波帯のアンテナ利得の測定結果の一例を示す図である。図9は、Aを40mmにBを35mmに固定してCを可変したときのDABのアンテナ利得の測定結果の一例を示す図である。図8および図9に示すように、スタブ71,72は、FM放送波帯のアンテナ利得には大きな変化を与えず、DABの周波数特性とアンテナ利得を改善させる効果があるという結果が得られた。このとき、表3に示すとおり、(D1A/D1B)は、1.0以上3.0以下であり、最長距離D1Aが1/8×λ×k以上3/8×λ×k以下であった。
Figure 2021072476
図10は、Aを40mmに固定してB,Cを可変したときのFM放送波帯のアンテナ利得の測定結果の一例を示す図である。図11は、Aを40mmに固定してB,Cを可変したときのDABのアンテナ利得の測定結果の一例を示す図である。図10及び図11に示すように、スタブ71,72は、FM放送波帯のアンテナ利得には大きな変化を与えず、DABの周波数特性とアンテナ利得を改善させる効果があるという結果が得られた。このとき、表4に示すとおり、(D1A/D1B)は、1.0以上3.0以下(1.0固定)であり、最長距離D1Aが1/8×λ×k以上3/8×λ×k以下であった。また、導体長B,Cがそれぞれ60mm以上あれば、DABの周波数特性をフラットにする効果が見られた。
Figure 2021072476
以上、実施形態を説明したが、本開示の技術は上記の実施形態に限定されるものではない。他の実施形態の一部又は全部との組み合わせや置換などの種々の変形及び改良が可能である。
10 ガラス板
13 遮光膜
14 透過領域
20 ガラス板
21 板面
22 板面
33,35 給電電極
40 中間膜
50 平面状導体
51 第1のバスバー
52 第2のバスバー
55 導電膜
71〜74 スタブ
75 第1の延長導体
76 第2の延長導体
77 屈曲部
78 方向
79 方向
91 第1の線条導体
92 第2の線条導体
93 第3の線条導体
101 窓ガラス
1010 窓ガラス装置

Claims (18)

  1. ガラス板と、
    前記ガラス板に対向する側の第1の面と、前記第1の面とは反対側の第2の面とを有する誘電体と、
    前記ガラス板と前記第1の面との間に設けられ、導電膜と、前記導電膜に接続される第1のバスバーおよび第2のバスバーと、を有する平面状導体と、
    前記第1のバスバーに一端が接続され、前記第2の面まで延伸する第1の延長導体と、
    前記第2のバスバーに一端が接続され、前記第2の面まで延伸する第2の延長導体と、
    前記第2の面の側に設けられる少なくとも一つの給電部と、を備え、
    前記平面状導体は、前記第1のバスバーと前記第2のバスバーとの間に電圧を印加することによって発熱し、
    前記給電部は、前記平面状導体に前記誘電体を介して対向し、少なくともVHF帯の電波の受信信号を出力し、
    受信する前記電波の周波数帯の中心波長をλ、前記ガラス板の波長短縮率をkとするとき、前記第1のバスバーから前記第1の延長導体の先端部までの最長距離D1Aは、1/8×λ×k以上3/8×λ×k以下である、車両用窓ガラス。
  2. 前記第1の延長導体は、前記第2の面の平面視において、屈曲部を有する、請求項1に記載の車両用窓ガラス。
  3. 前記屈曲部は、第1の方向と第2の方向に分岐するT字状部である、請求項2に記載の車両用窓ガラス。
  4. 前記第1の延長導体において、前記第1のバスバーから前記第1の方向の先端部までの延伸距離を前記最長距離D1Aとし、前記第1のバスバーから前記第2の方向の先端部までの延伸距離をD1Bとするとき、
    (D1A/D1B)は、1.0以上3.0以下である、請求項3に記載の車両用窓ガラス。
  5. 前記屈曲部は、第1の方向に折れ曲がるL字状部である、請求項2に記載の車両用窓ガラス。
  6. 前記第1の延長導体において、前記第1のバスバーから前記第1の方向の先端部までの延伸距離を前記最長距離D1Aとし、前記第1のバスバーから前記屈曲部までの延伸距離をD1Cとするとき、
    (D1A/D1C)は、1.1以上3.8以下である、請求項5に記載の車両用窓ガラス。
  7. 前記第1の延長導体の先端部に接続され、前記第1の延長導体よりも細い第1の線条導体をさらに備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の車両用窓ガラス。
  8. 前記第1の線条導体は、30mm以上80mm以下の長さで延伸する、請求項7に記載の車両用窓ガラス。
  9. 前記第1の線条導体は、0.3mm以上5mm以下の幅を有する、請求項7又は8に記載の車両用窓ガラス。
  10. 前記第2のバスバーから前記第2の延長導体の先端部までの最長距離D2Aは、1/8×λ×k以上3/8×λ×k以下である、請求項1から9のいずれか一項に記載の車両用窓ガラス。
  11. 前記第2の延長導体の先端部に接続され、前記第2の延長導体よりも細い第2の線条導体をさらに備える、請求項10に記載の車両用窓ガラス。
  12. 前記第2の線条導体は、30mm以上80mm以下の長さで延伸する、請求項11に記載の車両用窓ガラス。
  13. 前記給電部に接続され、前記給電部よりも細い第3の線条導体をさらに備える、請求項1から12のいずれか一項に記載の車両用窓ガラス。
  14. 前記受信信号は、FM放送波帯とDABのBand IIIの少なくとも一方の電波の受信信号を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の車両用窓ガラス。
  15. 前記ガラス板は、可視光を透過する透過領域を有し、可視光を遮る遮光膜が前記透過領域の外側に設けられ、
    前記遮光膜は、平面視において、前記給電部、前記第1のバスバー、前記第2のバスバー、前記第1の延長導体及び前記第2の延長導体と重複する、請求項1から14のいずれか一項に記載の車両用窓ガラス。
  16. 前記ガラス板が、第1のガラス板であり、前記誘電体が第2のガラス板であり、
    前記第1のガラス板と前記第2のガラス板とが中間膜を介して貼り合わされる合わせガラスの構造を有する、請求項1から15のいずれか一項に記載の車両用窓ガラス。
  17. 請求項1から16のいずれか一項に記載の車両用窓ガラスと、
    前記第1の延長導体に接続される第1のチョークコイルと、
    前記第2の延長導体に接続される第2のチョークコイルと、を備え、
    前記第1のチョークコイルおよび前記第2のチョークコイルは、少なくともVHF帯の電波の受信信号を遮断する、車両用窓ガラス装置。
  18. 前記平面状導体は、少なくともVHF帯の電波の受信信号に対して接地されない、請求項17に記載の車両用窓ガラス装置。
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