JPH0640074Y2 - 自動２輪車の継目カバー取着構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） この考案はスクータ等の自動２輪車の継目カバー取着構
造に係り、特にレッグシールドとサイドカバーの継目部
に覆設される継目カバーの取着構造に関する。

（従来の技術） スクータ等の自動２輪車においては、第７図に示すよう
にレッグシールド１の後端部と図示しないサイドカバー
の前端部に形成される継目部を鞍形の継目カバー２で覆
って装飾効果を持たせ、継目部付近の美的外観の向上を
図ったものがある。

従来の継目カバー２は、鋼板をプレス成形にてほぼＵ字
状をなす鞍形に成形し、成形された継目カバー２をレッ
グシールド１の後部に締付ねじ３で共締めして取付けて
いた。

（考案が解決しようとする課題） 従来の自動２輪車に用いられる継目カバー２は鋼板をプ
レス加工により鞍形形状に成形加工しているため、プレ
ス加工の工程数が多かったり、また、プレス加工による
成形後にメッキや塗装等により表面処理をしなければな
らず、継目カバー２の成形加工作業が複雑でコストアッ
プの要因となっていた。

また、鞍形に成形された継目カバー２はレッグシールド
１の後部に締付ねじ３で共締めされるが、この共締箇所
が左右一箇所であるため、取付けによるがた付き発生の
原因となったり、このがた付きを防止するために、継目
カバー２とレッグシールド１の間にクッション材を介装
させる必要があった。さらに、樹脂製レッグシールド１
に鋼板製継目カバー２を覆設すると、両者の接触部分に
損傷が発生し、樹脂製レッグシールドが傷付き易い等の
問題があった。

この考案は上述した事情を考慮してなされたもので、継
目カバーのレッグシールドへの取付を容易にかつ安定的
に行なうことができる自動２輪車の継目カバー取着構造
を提供することを目的とする。

この考案の他の目的は、継目カバーの成形が容易でコス
トダウンを図ることができ、しかも、接触による損傷が
発生しにくい自動２輪車の継目カバー取着構造を提供す
るこにある。

〔考案の構成〕

（課題を解決するための手段） この考案に係る自動２輪車の継目カバー取着構造は、上
述した課題を達成するためにレッグシールドとサイドカ
バーとの継目部に継目カバーを覆設した自動２輪車の継
目カバー取着構造において、前記継目カバーはレッグシ
ールドの取付孔に嵌め込まれる取付ボスを前側に備え、
その後側はレッグシールドとサイドカバーを重ねて共締
めしたものである。

また、この自動２輪車の継目カバー取着構造は、請求項
２に記載したように継目カバーは可撓性樹脂材料で鞍形
に成形されるとともに、取付ボス近傍にダンパ機能を有
する薄板片を一体成形により設けたものである。

（作用） この自動２輪車の継目カバー取着構造は、継目カバーの
前側に、レッグシールドの取付孔に嵌め込まれる取付ボ
スを備え、継目カバーの後側をレッグシールドとサイド
カバーを重ねて共締めしたから、継目カバーはレッグシ
ールドに前後複数箇所で装着され、レッグシールドに安
定的かつ容易に取付けられる。

また、継目カバーは可撓性樹脂材料で鞍形に成形される
から、継目カバーの型成形が容易となり、形状の自由度
を向上させ、コストダウンを図ることができるととも
に、レッグシールドとの接触が樹脂同士の接触となるた
め、損傷が発生しにくくなり、また、継目カバーの取付
ボス部近傍にダンパ機能を有する薄板片を一体成形によ
り設けたので、ダンパ機能を利用した継目カバーの取付
けができ、この取付けがより一層簡単になる。

（実施例） 以下、この考案に係る自動２輪車の継目カバー取着構造
の一実施例について添付図面を参照して説明する。

第２図はこの考案に係る継目カバー取着構造を備えたス
クータ等の自動２輪車を示し、この自動２輪車はエンジ
ン10を搭載した車体フレーム11の前側がレッグシールド
12により覆われ、その後側がサイドカバー13で覆われて
おり、このサイドカバー13の上部にシールド14が設置さ
れる。

一方、自動２輪車は、レッグシールド12とサイドカバー
13との間に継目が形成され、この継目部15を鞍形の樹脂
製継目カバー16が外側から覆設される。この継目カバー
16はレッグシールド12とサイドカバー13の継目部15を覆
うとともに装飾効果を有し、継目部15廻りの美的外観を
向上させている。

前記継目カバー16は、第２図乃至第４図に示すように、
ポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂、ゴム等の樹脂
材料を型成形により鞍形に成形したものであり、樹脂材
料で成形するため形状の自由度が大きくなる。この継目
カバー16は前側内側部に内方に突出する取付ボス18が一
体成形され、この取付ボス18はレッグシールド12の取付
孔19に嵌め込まれて取付けられる一方、この取付ボス18
の付近にダンパ機能を有する舌状片等の薄板片20が一体
成形により設けられる。この薄板片20は継目カバー16の
前側天井肩部から取付ボス18にかけて例えば複数枚設け
られる。

継目カバー16の後側には、側面に取付穴22を穿設すると
ともに、この取付穴22の周りに、内方に突出するスリー
ブボス23が穿設され、このスリーブボス23の先端にバー
リングワッシャ24が嵌め込まれて装着される。バーリン
グワッシャ24は耳片13aに当接せしめられる一方、この
耳片13aはサイドカバー13から段部を形成して前方に延
設される。耳片13aはサイドカバー13と一体成形により
構成され、レッグシールド12の後部側方に外側から重ね
合される。レッグシールド12には鍔付ナットやインサー
トナット等のナット25が設けられる。

この自動２輪車において、レッグシールド12とサイドカ
バー13との継目部15を覆うように鞍形の継目カバー16を
取付ける場合、継目カバー16の両側縁部を、第３図に一
点鎖線で示すように、外側方に拡開して、その取付ボス
18をレッグシールド12の取付孔19に嵌め込み、継目カバ
ー16の前側を第５図に示すように、レッグシールド12に
取付ける。このとき、継目カバー16に設けられた舌状の
薄板片20は継目カバー16とレッグシールド12との間にあ
ってダンパ機能を発揮している。

継目カバー16の後側は、第４図および第６図に示すよう
に構成され、レッグシールド12に外側から重ね合された
サイドカバー13の耳片13aに、スリーブボス23のバーリ
ングワッシャ24が当接し、継目カバー16の取付穴22から
締付ねじ26を挿入し、この締付ねじ26をレッグシールド
12に設けられたナット25にねじ結合させることにより、
継目カバー16はレッグシールド12に耳片13aを介して共
締めされる。共締手段は締付ねじ26やナット25に代えて
公知の固定手段を用いてもよい。

このように、継目カバー16は樹脂材料で成形され、可撓
生を有し、成形の自由度が増すとともに、レッグシール
ド12の両側部に前後方向の２箇所で固定されるので、安
定的な取付けが可能になる。また、継目カバー16を着色
成形すれば、表面処理を省略して廃止することができ、
大幅なコストダウンを図ることができる。

〔考案の効果〕

以上に述べたようにこの考案に係る自動２輪車の継目カ
バー取着構造において、継目カバーの前側にレッグシー
ルドの取付孔に嵌め込まれる取付ボスを備え、継目カバ
ーの後側をレッグシールドとサイドカバーを重ねて共締
めしたから、継目カバーはレッグシールドに前後方向の
複数箇所で取付けることができ、安定した取付を行なう
ことができる。

また、継目カバーを可撓性樹脂材料で鞍形に成形した場
合、成形が容易で形状の自由度が向上するとともに、可
撓性を利用した取付けが可能となり、コストダウンを図
ることができる。さらに、継目カバーはレッグシールド
と樹脂同士の接触となるため、接触による損傷を効果的
に防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る自動２輪車の継目カバー取着構
造の一実施例を示す図、第２図は上記継目カバーを取着
した自動２輪車の側面図、第３図は第１図のIII-III線
に沿う右側断面図、第４図は第１図のIV-IV線に沿う右
側断面図、第５図および第６図は継目カバーの前側およ
び後側の取付状態を示す説明図、第７図は従来の自動２
輪車の継目カバー取着構造を示す斜視図である。 10…エンジン、11…車体フレーム、12…レッグシール
ド、13…サイドカバー、15…継目部、16…継目カバー、
18…取付ボス、19…取付孔、20…薄板片、22…取付穴、
23…スリーブボス、24…バーリングワッシャ、25…ナッ
ト、26…締付ねじ。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】レッグシールドとサイドカバーとの継目部
   に継目カバーを覆設した自動２輪車の継目カバー取着構
   造において、前記継目カバーはレッグシールドの取付孔
   に嵌め込まれる取付ボスを前側に備え、その後側はレッ
   グシールドとサイドカバーを重ねて共締めしたことを特
   徴とする自動２輪車の継目カバー取着構造。
2. 【請求項２】継目カバーは可撓性樹脂材料で鞍形に成形
   されるとともに、取付ボス近傍にダンパ機能を有する薄
   板片を一体成形により設けた請求項１記載の自動２輪車
   の継目カバー取着構造。