JPH0640041Y2 - バンパサイドの取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車におけるバンパサイドの取付構造に関す
るものである。

（従来の技術） 最近自動車用バンパとして合成樹脂製バンパが用いられ
ることが多くなってきたが、この合成樹脂製バンパ衝撃
を受けて変形した場合、修復が困難で、バンパ全体を取
替える必要がある。そこで小さな衝撃によってはバンパ
が変形したり破損しないよう、バンパを車体に対し前後
方向スライド可能に取付けたものが考案されている。こ
のようなスライド構造を採用すると、バンパの熱交換変
形を吸収することもできて好都合である。

第４図及び第５図には、このようなスライド構造を備え
たバンパの従来例を示している。この従来例は、バンパ
のサイド部、すなわちバンパサイドａにレール部ｂを一
体形成し、ボデーｃ側に固定したガイド部材ｄによって
バンパサイドａを前後方向スライド可能に案内支持した
構成となっている。

（考案が解決しようとする課題） ところが上記従来例によると、バンパサイドａの端辺折
曲部ｅに、ガイド部剤ｄをレール部ｂに差し込むための
切欠きｆを設けなければならず見栄えが悪くなる。又第
５図に示すように、バンパーの樹脂成形時にレール部ｂ
が形成される部位の外面にヒケと称される凹部ｇ、ｇが
生じ、商品価値の低下を招くという問題があった。

このような問題を解決するため、実開昭61-199451号公
報に開示される技術は、スライド支持手段をバンパと別
体に形成し、両者をネジ等で結合するようにしている。
第６図は上記技術を参考にして本発明者が試作したバン
パサイドの取付構造を示している。これはガイド部材ｈ
とスライダーｉとを組み合わせてなるスライド支持手段
ｊをボデーｋ側に取付け、バンパサイドｌの折曲部ｍと
前記スライダーｉの端面とをタッピングネジｎで結合す
ることによって、バンパｐを前後方向スライド可能にボ
デーｋに取付けたものである。ところが第６図に示すも
のは、タッピングネジｎの締結時にスライダーｉが押さ
れて締結作業がスムースに行われず、バンパサイドｌと
スライダーｉとの間に相対動が生じるという問題があっ
た。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記問題点を解決するため、ボデー側に固定さ
れるガイド部材と、このガイド部材に前後動可能に支持
されるスライダーとを組み合わせてなるスライド支持手
段を備えると共に、バンパサイドの端辺に車幅方向に屈
曲する折曲部を形成し、この折曲部と前記スライダーの
端面とを締結子を用いて締結する一方、前記スライダー
のバンパサイドに対する相対前後動を前記折曲部と共働
して拘束するリブをバンパサイドに一体に設けたことを
特徴とする。

（作用） 本考案によれば、スライド支持手段をボデー側に固定し
た後、バンパサイドの折曲部とスライダーの端面とを締
結子を用いて締結することにより、バンパサイドをスラ
イド支持手段を介して前後動可能にボデーに取付けるこ
とができる。そしてバンパサイドの取付時にスライダー
は前記折曲部とバンパサイドに一体に設けたリブとによ
って前後動を拘束されるので、前記折曲部とスライダー
の端面とは一体関係となり、両者を締結子を用いて締結
する作業を円滑に行うことができる。

（実施例） 本考案の実施例を第１図ないし第３図に基いて説明す
る。自動車の後端に取付けた合成樹脂リヤバンパ１のサ
イド部、すなわちバンパサイド２はスライド支持手段３
を介してボデー（ホイールハウス）４に前後スライド可
能に取付けられている。

スライド支持手段３は、ボデー４側に固定されるガイド
部材５と、このガイド部材５に前後動可能に支持される
スライダー６とを組み合わせてなるものであって、アッ
センブリー化されている。ガイド部材５は合成樹脂一体
成形品であって、上下１対の係合突子7,7、基板８、上
下１対の案内部９、９を備えている。係合突子７はボデ
ー４に設けた支持孔10に圧入時に弾性変形して挿入さ
れ、その後復元することによりボデー４に固定される。
スライダー６は合成樹脂一体形成品であって上下１対の
スライド孔11、11を備えると共にその端面12に複数のタ
ッピング孔13を有している。このスライダー６は前記基
板８及び前記スライド孔11を貫通する前記案内部９に案
内支持され、前後動スライド可能にガイド部材５に取付
けられている。

スライド支持手段３は前記係合突固定７、７を前記支持
孔10、10に圧入固定することにより、ボデー４に取付け
られる。その後において、バンパサイド２がスライド支
持手段３に取付けられる。バンパサイド２の端辺は車輛
方向内方に屈曲する折曲部14となっており、ここに前記
タッピング孔13に対応する複数のネジ挿通孔15が形成さ
れている。又、バンパサイド２の内面には、前記スライ
ダー６のバンパサイド２に対する相対前後動を前記折曲
部14と共働して拘束するリブ16が一体に設けられてい
る。このリブ16はバンパサイド２の剛性を高める本来の
働きをすると共に、タッピングネジ17を用いて前記折曲
部14とスライダー６の端面12とを締結する際に、両者を
一体関係に保ち、タッピングネジ17の締結作業を円滑に
行わせる働きをも有している。

かくして第１図に示すように、バンパサイド２は、その
折曲部14とリブ16との間にスライダー６を嵌め込むよう
にして、スライド支持手段３に組合せ、次いでタッピン
グネジ17を用いて前記折曲部14とスライダー６の端面12
とを締結することにより、スライド支持手段３に取付け
られる。

本考案は上記実施例に示す外、種々の態様に構成するこ
とができ、例えばタッピングネジ17に代わる締結子とし
て通常のビスなどを用いることができる。

（考案の効果） 本考案によれば、第４図及び第５図に示す従来例におい
て必要であった切欠きが不要となり、又バンパサイドの
表面にヒケが生じるというような問題点がなくなり、見
栄えの向上を図ることができる。

又本考案によれば、ボデーに固定したスライド支持手段
にバンパサイドを締結子を用いて取付ける際、スライド
支持手段のスライダーがバンパサイドに対し前後動が拘
束されているので、その締結作業を円滑に行うことがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の縦断平面図、第２図はその分
解斜視図、第３図は全体を示す概略側面図、第４図は従
来例の分解斜視図、第５図はその横断面図、第６図は本
考案者が本考案に到る途中で試作した例の縦断面図であ
る。 ２……バンパサイド、３……スライド支持手段 ４……ボデー、５……ガイド部材 ６……スライダー、12……スライダーの端面 14……バンパサイドの折曲部、16……リブ 17……締結子

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ボデー側に固定されるガイド部材と、この
   ガイド部材に前後動可能に支持されるスライダーとを組
   み合わせてなるスライド支持手段を備えると共に、バン
   パサイドの端辺に車幅方向に屈曲する折曲部を形成し、
   この折曲部と前記スライダーの端面とを締結子を用いて
   締結する一方、前記スライダーのバンパサイドに対する
   相対前後動を前記折曲部と共働して拘束するリブをバン
   パサイドに一体に設けたことを特徴とするバンパサイド
   の取付構造。