JPH0639685B2 - 硬質黒色性酸化物薄膜の製造方法 - Google Patents
硬質黒色性酸化物薄膜の製造方法Info
- Publication number
- JPH0639685B2 JPH0639685B2 JP61059848A JP5984886A JPH0639685B2 JP H0639685 B2 JPH0639685 B2 JP H0639685B2 JP 61059848 A JP61059848 A JP 61059848A JP 5984886 A JP5984886 A JP 5984886A JP H0639685 B2 JPH0639685 B2 JP H0639685B2
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- titanium
- black
- ion plating
- oxide thin
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、硬質の黒色性薄膜を製造する方法に関する。
さらに詳しくは、反応性イオンプレーティング法によっ
て、適宜な基板の表面に硬質で、光沢の優れた黒色性の
酸化物薄膜を製造する方法に関する。
さらに詳しくは、反応性イオンプレーティング法によっ
て、適宜な基板の表面に硬質で、光沢の優れた黒色性の
酸化物薄膜を製造する方法に関する。
(従来の技術とその課題) 金属、ガラス、セラミックス、プラスチック等の基板の
表面に、金属、無機物、あるいは有機ポリマーなどの蒸
着薄膜を形成する方法のひとつとして、蒸発源から蒸発
した成分粒子、またはガスをグロー放電によってプラズ
マ・イオン化して行う、いわゆるイオンプレーティング
と呼ばれている方法が知られている。このイオンプレー
ティング法は、絶縁膜、反射鏡、光学フィルム、装飾、
さらには表示素子、電子デバイスなどの多様な分野に応
用されており、機能性薄膜の製造技術として今後一層の
発展が期待されているものである。
表面に、金属、無機物、あるいは有機ポリマーなどの蒸
着薄膜を形成する方法のひとつとして、蒸発源から蒸発
した成分粒子、またはガスをグロー放電によってプラズ
マ・イオン化して行う、いわゆるイオンプレーティング
と呼ばれている方法が知られている。このイオンプレー
ティング法は、絶縁膜、反射鏡、光学フィルム、装飾、
さらには表示素子、電子デバイスなどの多様な分野に応
用されており、機能性薄膜の製造技術として今後一層の
発展が期待されているものである。
しかしながら、このイオンプレーティング技術について
は、所望の物性、機能を持った薄膜を製造するために
は、反応装置、反応プロセスにいまだ多くの改善すべき
課題があり、また、その応用については様々な見地から
の検討が必要とされている現状にある。
は、所望の物性、機能を持った薄膜を製造するために
は、反応装置、反応プロセスにいまだ多くの改善すべき
課題があり、また、その応用については様々な見地から
の検討が必要とされている現状にある。
このような課題のひとつとして、これまでの技術、方法
によっては、硬質の、優れた光沢の黒色薄膜を製造する
ことができなかったことがある。
によっては、硬質の、優れた光沢の黒色薄膜を製造する
ことができなかったことがある。
装飾用、あるいは太陽エネルギーの集熱板、熱輻射板、
その他分野への応用に、硬質の黒色薄膜が期待されてい
たが、これまでのイオンプレーティング技術では、この
ような黒色性薄膜を製造することは不可能であると考え
られていた。透明膜、黄色、金色、白色などについては
様々の物質を蒸発源とすることによって薄膜化されてき
ていたが、有機モノマーガスを原料成分とする場合や、
チタンと窒素ガスとの反応性イオンプレーティング(特
開昭56−33475号)という限られた例以外には、
黒色の薄膜を得ることは極めて困難であると考えられて
いた。しかも、これまでの例では、硬質で、光沢に優
れ、耐久性に優れた黒色薄膜を形成することはできなか
った。
その他分野への応用に、硬質の黒色薄膜が期待されてい
たが、これまでのイオンプレーティング技術では、この
ような黒色性薄膜を製造することは不可能であると考え
られていた。透明膜、黄色、金色、白色などについては
様々の物質を蒸発源とすることによって薄膜化されてき
ていたが、有機モノマーガスを原料成分とする場合や、
チタンと窒素ガスとの反応性イオンプレーティング(特
開昭56−33475号)という限られた例以外には、
黒色の薄膜を得ることは極めて困難であると考えられて
いた。しかも、これまでの例では、硬質で、光沢に優
れ、耐久性に優れた黒色薄膜を形成することはできなか
った。
本発明は、このようにこれまでの技術によっては実現す
ることのできなかった良質の黒色性薄膜を製造する方法
を提供することを目的としている。さらに詳しくは、反
応性イオンプレーティング法によって、黒色性の酸化物
薄膜を製造する方法を提供するものである。
ることのできなかった良質の黒色性薄膜を製造する方法
を提供することを目的としている。さらに詳しくは、反
応性イオンプレーティング法によって、黒色性の酸化物
薄膜を製造する方法を提供するものである。
(課題を解決するための手段) 本発明の構成について説明すると、金属、合金、ガラ
ス、セラミック、プラスチック等の適宜な基板材料の表
面に、高周波励起反応性イオンプレーティングによっ
て、チタン、またはチタンとアルミニウムとの金属から
の酸化物硬質黒色性薄膜を形成することを特徴としてい
る。
ス、セラミック、プラスチック等の適宜な基板材料の表
面に、高周波励起反応性イオンプレーティングによっ
て、チタン、またはチタンとアルミニウムとの金属から
の酸化物硬質黒色性薄膜を形成することを特徴としてい
る。
すなわち、本発明の方法においては、酸化物薄膜の形成
のために、蒸発源としてチタン、またはチタンとアルミ
ニウムの金属を用いる。
のために、蒸発源としてチタン、またはチタンとアルミ
ニウムの金属を用いる。
蒸発は、抵抗加熱、電子ビーム、もしくは高周波誘導加
熱等の適宜な手段によって行なうことができる。
熱等の適宜な手段によって行なうことができる。
蒸発させたチタン、またはチタンとアルミニウムの金属
蒸気は、真空反応装置内に導入し、主として酸素ガスか
らなるガスの存在下においてグロー放電によって励起
し、プラズマ・イオン化する。この際のプラズマ・イオ
ン化の手段としては、高周波励起方式を用いることとす
る。
蒸気は、真空反応装置内に導入し、主として酸素ガスか
らなるガスの存在下においてグロー放電によって励起
し、プラズマ・イオン化する。この際のプラズマ・イオ
ン化の手段としては、高周波励起方式を用いることとす
る。
プラズマ・イオン化した金属チタン、またはチタンとア
ルミニウムは、励起された酸素と反応させて酸化物の状
態で基板表面上に蒸着させるが、このような反応性イオ
ンプレーティングに用いる真空反応器内のガス圧につい
ては、酸素ガスの導入前は10-5Torr以下とし、酸素ガ
スの導入によって、ガス圧を3×10-5〜1×10-2To
rrの範囲に調整する。他にアルゴン等の不活性希ガスを
導入してもよいが、全体のガス圧力は、この範囲内にあ
るようにする。基板の温度は、室温〜200℃の範囲と
することができる。温度が高いほど生成した薄膜の硬度
は、一般的にはより大きなものとなる。
ルミニウムは、励起された酸素と反応させて酸化物の状
態で基板表面上に蒸着させるが、このような反応性イオ
ンプレーティングに用いる真空反応器内のガス圧につい
ては、酸素ガスの導入前は10-5Torr以下とし、酸素ガ
スの導入によって、ガス圧を3×10-5〜1×10-2To
rrの範囲に調整する。他にアルゴン等の不活性希ガスを
導入してもよいが、全体のガス圧力は、この範囲内にあ
るようにする。基板の温度は、室温〜200℃の範囲と
することができる。温度が高いほど生成した薄膜の硬度
は、一般的にはより大きなものとなる。
このような構成からなる本発明の方法を行う場合には、
所望とする黒色薄膜の硬度、光沢、基板との密着性、膜
厚、薄膜の形成速度等を考慮して、蒸発物質の蒸発速
度、酸素ガス導入による反応系のガス圧、放電電力等を
適宜に制御する。
所望とする黒色薄膜の硬度、光沢、基板との密着性、膜
厚、薄膜の形成速度等を考慮して、蒸発物質の蒸発速
度、酸素ガス導入による反応系のガス圧、放電電力等を
適宜に制御する。
(作用) 本発明の方法によって、良質な、硬質黒色性酸化物薄膜
を製造することが可能となる。このようなことは、これ
までの技術からは全く予測しえなかったことである。
(実施例) 以下、本発明の実施例を示す。当然にも、本発明は、こ
の実施例に限定されるものではない。
を製造することが可能となる。このようなことは、これ
までの技術からは全く予測しえなかったことである。
(実施例) 以下、本発明の実施例を示す。当然にも、本発明は、こ
の実施例に限定されるものではない。
実施例1 高周波励起方法によるイオンプレーティング装置を用い
て薄膜の製造を行った。基板としては20mm×60mmの
ガラス板を用いた。
て薄膜の製造を行った。基板としては20mm×60mmの
ガラス板を用いた。
蒸発物質として、チタンを用い、酸素ガス導入前の圧力
を9×10-5Torr、酸素ガス導入後のガス圧を8×10
-4Torr、放電電力300W、基板温度100℃で反応性
イオンプレーティングを行った。なお、チタンの蒸発は
抵抗加熱によって行った。
を9×10-5Torr、酸素ガス導入後のガス圧を8×10
-4Torr、放電電力300W、基板温度100℃で反応性
イオンプレーティングを行った。なお、チタンの蒸発は
抵抗加熱によって行った。
約3分後、膜厚0.5μmの光沢のある黒色薄膜を得た。
同様の方法を、酸素導入後のガス圧を2×10-3Torrで
行ったところ、薄膜は透明になり、黒色薄膜は製造でき
なかった。
行ったところ、薄膜は透明になり、黒色薄膜は製造でき
なかった。
X線分析、ESCA等によって評価したところ、黒色薄
膜の場合には、TiO−TiO2の複合状態にあるが、
透明薄膜の場合には、TiO2の安定した酸化物状態に
あることを確認した。
膜の場合には、TiO−TiO2の複合状態にあるが、
透明薄膜の場合には、TiO2の安定した酸化物状態に
あることを確認した。
鉛筆硬度試験では4Hの優れた硬度を有し、人工汗96
時間浸漬試験でも腐食は認められなかった。
時間浸漬試験でも腐食は認められなかった。
実施例2 実施例1と同様にして、チタンとアルミニウム(蒸発重
量比8:2)を用いて反応性イオンプレーティングを行
った。酸素ガス導入後のガス圧は、7.5×10-4Torrと
した。
量比8:2)を用いて反応性イオンプレーティングを行
った。酸素ガス導入後のガス圧は、7.5×10-4Torrと
した。
硬質の黒色酸化物薄膜を得た。
実施例3 実施例1において、放電電力を250W、基板温度を1
80℃として反応性イオンプレーティングを行った。同
様にして、硬質の酸化物黒色薄膜を得た。
80℃として反応性イオンプレーティングを行った。同
様にして、硬質の酸化物黒色薄膜を得た。
実施例4 実施例1において、基板としてステンレス板を用いた。
同様にして、硬質の酸化物黒色薄膜を得た。
同様にして、硬質の酸化物黒色薄膜を得た。
180°折り曲げ試験による密着性は良好で、また鉛筆
硬度試験においても4Hの優れた硬度性能を有してい
た。
硬度試験においても4Hの優れた硬度性能を有してい
た。
なお、高周波励起方式に代えて直流平行平板型イオンプ
レーティング方式で薄膜形成したところ、黒色の色調に
はむらがあり、鉛筆硬度もHBと劣っていた。
レーティング方式で薄膜形成したところ、黒色の色調に
はむらがあり、鉛筆硬度もHBと劣っていた。
(発明の効果) 本発明により、以上詳しく説明した通り、硬度、付着強
度、美観性に優れた硬質黒色薄膜を提供することができ
る。
度、美観性に優れた硬質黒色薄膜を提供することができ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】チタンまたはチタンとアルミニウムの金属
を蒸発させ、酸素ガスの導入下に、3×10-5〜1×1
0-2Torrのガス圧で高周波励起反応性イオンプレーティ
ングを行い、酸化物黒色性薄膜を形成することを特徴と
する硬質黒色性酸化物薄膜の製造方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61059848A JPH0639685B2 (ja) | 1986-03-18 | 1986-03-18 | 硬質黒色性酸化物薄膜の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61059848A JPH0639685B2 (ja) | 1986-03-18 | 1986-03-18 | 硬質黒色性酸化物薄膜の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62218550A JPS62218550A (ja) | 1987-09-25 |
JPH0639685B2 true JPH0639685B2 (ja) | 1994-05-25 |
Family
ID=13125028
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61059848A Expired - Lifetime JPH0639685B2 (ja) | 1986-03-18 | 1986-03-18 | 硬質黒色性酸化物薄膜の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0639685B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0417702B1 (en) * | 1989-09-11 | 1997-01-08 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Suspension control system |
US5629884A (en) * | 1995-07-28 | 1997-05-13 | Motorola, Inc. | Log converter utilizing offset and method of use thereof |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5853716B2 (ja) * | 1979-08-24 | 1983-11-30 | セイコーインスツルメンツ株式会社 | 外装部品の製造方法 |
JPS6213567A (ja) * | 1985-07-09 | 1987-01-22 | Citizen Watch Co Ltd | 装飾部品の製造方法 |
JPH0742568B2 (ja) * | 1985-10-22 | 1995-05-10 | セイコーエプソン株式会社 | 時計用外装部品 |
-
1986
- 1986-03-18 JP JP61059848A patent/JPH0639685B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62218550A (ja) | 1987-09-25 |
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