JPH0639638Y2 - 食器洗浄機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、レストランや食堂などで使用される業務用の
食器洗浄機に関する。

従来の技術 この種の装置の従来の一例を第５図及び第６図に基づい
て説明する。筺体状の台座50の上部には、内部に洗浄室
51を有する筺体状の洗浄室ケース52が設けられている。
この洗浄室ケース52は正面が開口しており、この開口し
た部分には蓋53がヒンジ54によって開閉自在に取り付け
られている。また、洗浄室ケース52と蓋53との間には、
蓋53が閉じている場合には二つに折りたたまれ、蓋53が
開いた場合には真っ直に伸びることにより蓋53を水平状
態に維持するストップレバー55が設けられている。一
方、洗浄室51には、洗浄室ケース52の開口に向けて水平
方向に二本のレール56が配設され、これらのレール56に
は食器57を保持する食器ラック58がスライド自在に取り
付けられている。また、洗浄室51の上方と下方とには、
食器ラック58に向けて洗浄湯を噴射する洗浄ノズル59が
それぞれ回転自在に取り付けられている。なお、これら
の洗浄ノズル59の回転中心は、垂直方向に対してわずか
に傾けられている。さらに、これらの洗浄ノズル59に洗
浄湯を加圧して送る機構は台座50の内部に収納されてい
る。

このような構造のものは、加圧機構から洗浄湯が洗浄ノ
ズル59に送られると、回転中心の傾斜によって洗浄ノズ
ル59には回転推進力が生じる。したがって、洗浄ノズル
59は、回転しながら食器ラック58に保持された食器57に
洗浄湯を噴出し、食器57の汚れを落とす。

一方、洗浄室51に食器57を出し入れするには、第６図に
示すように、蓋53を開け、食器ラック56をスライドさせ
て引き出す。この状態で、食器ラック56に食器57を乗せ
るか、または、食器ラック56から食器57を取り出す。こ
の時、洗浄前の食器57に付着している汚れ、または、洗
浄後の食器57に付着している水滴が滴り落ちた場合、こ
の汚れや水滴は水平に維持された蓋53に受けられ、床を
汚すことがない。

次に、従来の別の一例を第７図及び第８図に基づいて説
明する。まず、筺体状の台座60の上部には、内部に洗浄
室61を有する筺体状の洗浄室ケース62が設けられてい
る。この洗浄室ケース62は、正面が開口し、この開口し
た部分が上面の奥行き1/2程度の所までおよんだ形状で
ある。そして、この洗浄室ケース62の開口した部分に
は、1/4円筒状の蓋63がその仮想円筒の中心軸Ａを中心
として回動自在に取り付けられている。したがって、蓋
63が回動することにより、洗浄室ケース62の開口した部
分が開閉自在な構造である。一方、洗浄室61には、洗浄
室ケース62の開口に向けて水平方向に二本のレール64が
配設され、これらのレール64には食器65を保持する食器
ラック66がスライド自在に取り付けられている。また、
洗浄室61の中心部には台座60の内部に収納された洗浄湯
の加圧機構に連結されて洗浄湯が通されるパイプ67ん垂
直方向に配設されている。そして、このパイプ67に連結
させて、洗浄室61の下方には下部洗浄ノズル68が、洗浄
室61の上方には上部洗浄ノズル69が、それぞれ洗浄湯の
噴出方向を食器ラック66の方向に向けて回転自在に取り
付けられている。なお、これらの下部洗浄ノズル68及び
上部洗浄ノズル69の回転中心は、垂直方向に対してわず
かに傾けられている。

このような構造のものも、加圧機構から洗浄湯が下部洗
浄ノズル68に送られると、回転中心の傾斜によって下部
洗浄ノズル68に回転推進力が生じ、下部洗浄ノズル68が
回転しながら食器ラック66に保持された食器65に洗浄湯
を噴出し、食器65の汚れを落とす。この時、上部洗浄ノ
ズル69からも同様に洗浄湯が噴出するが、この洗浄湯は
洗浄のためというよりも、むしろ食器65のすすぎ用とし
て役立つ。

一方、洗浄室61内に食器65を出し入れするには、第８図
に示すように、蓋63を回動させて開く。この状態で、食
器ラック66に対して食器65を出し入れするか、または、
食器ラック66をスライドさせて引き出してからこの食器
ラック66に対して食器65を出し入れする。

考案が解決しようとする課題 第５図及び第６図に示す構造のものでは、食器57を出し
入れする場合、開いた蓋53が水平に維持されるため、そ
の分だけ食器洗浄機の占有スペースが大きくなる。した
がって、食器洗浄機が設置される厨房等のスペースを狭
めるという欠点を有する。

一方、第７図及び第８図に示す構造のものでは、蓋63の
開閉により食器洗浄機の占有スペースが変動することは
ない。したがって、もしも食器ラック65を引き出すこと
なく食器65の出し入れをすれば、食器洗浄機が設置され
る厨房等のスペースを狭めることもない。しかし、次に
掲げる欠点を有する。

第一に、洗浄室61のスペースが狭くなる。すなわち、蓋
63が1/4円筒状をしているため、第８図に示すような蓋6
3が開いた状態をも考慮に入れると、実質的な洗浄室61
内における食器65の収納スペースは、1/2円筒上内だけ
となる。したがって、長方形等のスペースと比較する
と、その角部に相当する領域の有効スペースが狭まって
しまう。

第二に、蓋63の取り付け構造上、食器ラック66の上方に
洗浄ノズルを配置するのが困難であり、配置できたとし
ても、上部洗浄ノズル69程度のすすぎ用に役立つ大きさ
のものに留まる。したがって、食器65の洗浄力に劣る。

第三に、食器ラック66を引き出すことなく食器65の出し
入れをする場合、洗浄室61の奥の部分では、食器65の出
し入れが困難である。

第四に、食器ラック66を引き出して食器65の出し入れを
する場合、第５図及び第６図に示した構造のものと同様
に食器洗浄機の占有スペースが大きくなる。

第五に、食器ラック66を引き出して食器65の出し入れを
する場合、食器65に付着している汚れや水滴が滴り落
ち、床を汚してしまう。なお、このような欠点に対して
は、第９図に示すように、洗浄室ケース62の開口部分の
下方に水滴受け70を着脱自在に取り付けるということが
従来から行われている。しかし、この水滴受け70を取り
付けると、食器洗浄機の占有スペースが大きくなってし
まい、占有スペースが小さいという第７図及び第８図に
示した構造のものの利点を失わせる結果となってしま
う。

課題を解決するための手段 洗浄ノズルと引き出し自在の食器ラックとを有する洗浄
室の一部を内部に形成してその食器ラックの引き出し方
向に開口を有する筺体状の洗浄室ケースを設け、洗浄室
ケースの開口に連絡する開口を有して洗浄室ケースと共
に上面及び側面が前記洗浄室全体を形成し底面が切欠さ
れた筺体状の洗浄室ドアを設ける。そして、洗浄室の奥
側に近く支点を位置させて、洗浄室ドアの開口が上方を
向く方向にこの洗浄室ドアを洗浄室ケースに回動自在に
連結する連結部を設け、開放された前記洗浄室ドアを水
平に維持するストッパを設ける。さらに、連結部を中心
に一体に回動する洗浄室ドアのほぼ半分を洗浄室ケース
の外側に位置させてその洗浄室ドアが開放されるように
する。

ここで、洗浄室ドアの底面とは、この洗浄室ドアが洗浄
室ケースに対して閉じた状態のときの底面をいう。

作用 洗浄室ケースに対して食器を出し入れするには、洗浄室
ドアを開き、この洗浄室ドアの上に食器ラックを引き出
す。この時、洗浄室ドアはストッパによって水平に維持
されて洗浄室ケースから外部に出っ張るために装置全体
の占有スペースを大きくするが、連結部の支点が洗浄室
の奥側に近く位置するので、その出っ張り長は洗浄室ド
アの全高の半分程度である。また、洗浄室ドアの開口
は、上面及び側面により三方が囲まれているため、食器
に付着した汚れや水滴が滴り落ちた場合、これらを受け
る役割も果たす。

実施例 本考案の一実施例を第１図ないし第４図に基づいて説明
する。図示しない加圧機構等を収納する台座１が設けら
れ、この台座１の上には筺体状の洗浄室ケース２が設け
られている。この洗浄室ケース２には、正面に開口2aが
形成され、この開口2aを形成する上部の正面壁は、距離
αだけ奥に引っ込んでいる。そして、この洗浄室ケース
２の開口2aには、把手３を有する洗浄室ドア４が開閉自
在に取り付けられている。すなわち、この洗浄室ドア４
は、前述した距離α分の深さを有する筺体であり、その
開口4aは前記開口2aに合致する形状と大きさに形成され
ている。また、その洗浄室ドア４の一面は切欠された切
欠面4bとされ、この切欠面4bは前記洗浄室ケース２に対
して閉じた前記洗浄室ドア４の底面に位置する。そし
て、このような洗浄室ドア４は、連結部としての一対の
連結ピン５によって前記洗浄室ケース２に回動自在に取
り付けられている。ここで、それらの連結ピン５の配置
位置は、前記洗浄室ドア４の切欠面4bに近く、かつ、こ
の洗浄室ドア４の開口2aに近い位置である。したがっ
て、前記洗浄室ドア４は、前記連結ピン５を支点Ａとし
て開口4aが上方を向く方向に回動する。そして、90度だ
け回動して水平状態になった前記洗浄室ドア４に当接
し、この洗浄室ドア４を水平状態に維持するストッパ６
が前記洗浄室ケース２の開口2aに連続する部分に設けら
れている。

次に、前記洗浄室ケース２と前記洗浄室ドア４との連続
した内部空間には、洗浄室７が形成されている。この洗
浄室７内には、前記開口2aに向けて二本のラックレール
８が水平状態で平行に配設されている。そして、これら
のラックレール８には、複数種類の食器９を保持する食
器ラック10がスライド自在に取り付けられている。な
お、前記ラックレール８は、引き出された前記食器ラッ
ク10が開かれた前記洗浄室ドア４の内壁上をスライドし
うる配置関係となるように位置付けられている。さら
に、前記洗浄室７内には、上方に上部洗浄ノズル11及び
上部すすぎノズル12が同一軸心に回転自在に取り付けら
れ、下方に下部洗浄ノズル13及び下部すすぎノズル14が
同一軸心に回転自在に取り付けられている。なお、これ
らの各ノズル11,12,13,14の回転中心は、垂直方向より
もやや傾斜した方向である。そして、これらの各ノズル
11,12,13,14には、前記台座１内の図示しない加圧機構
に連結された連結パイプ15が接続され、その加圧機構か
ら洗浄湯が加圧状態で送られる。

このような構成において、洗浄室７内の食器ラック10に
保持された食器９は、上部洗浄ノズル11及び下部洗浄ノ
ズル13から噴出する洗浄湯によりその汚れが落とされ、
上部すすぎノズル12及び下部すすぎノズル14から噴出す
る洗浄湯によりすすがれる。すなわち、各ノズル11,12,
13,14に対しては、台座１内の加圧機構から洗浄湯が連
結パイプ15を介して加圧状態で送られる。すると、各ノ
ズル11,12,13,14は、その回転中心の傾斜により与えら
れた回転推進力によって回転しながら洗浄湯を食器９に
噴出し、食器９の汚れ落しとすすぎとを行う。この際、
上部洗浄ノズル11及び下部洗浄ノズル13は、共にある程
度の大きさを有するため、食器９の汚れに対する洗浄力
が大きい。

次に、洗浄室７に食器９を出し入れするには、把手３を
つかんで洗浄室ドア４を開く。すると、第４図に示すよ
うに、洗浄室ドア４は連結ピン５を支点Ａとして回動
し、自重により回動しようとするのをストッパ６により
止められて水平状態に維持される。この状態で、洗浄室
ドア４の上まで食器ラック10を引き出す。この時、洗浄
室ドア４の内壁上を食器ラック10がスライドし、食器ラ
ック10の引き出し動作が容易になる。そして、洗浄室ド
ア４の上まで食器ラック10が引き出されれば、食器ラッ
ク10に食器９を乗せるか、または、食器ラック10から食
器９を取り出す。この時、洗浄前の食器９に付着してい
る汚れ、または、洗浄後の食器９に付着している水滴が
滴り落ちた場合、この汚れや水滴は洗浄室ドア４に受け
られ、床を汚すことがない。また、第４図において、洗
浄室ドア４は洗浄室ケース２から距離βだけ突出する
が、この距離βは、連結ピン５が洗浄室７の奥側に近く
位置するために、著しく大きくなることはない。したが
って、食器９の出し入れに際して装置全体の占有スペー
スを広げる程度が少なく、狭い場所への設置にも適す
る。なお、洗浄室ドア４が閉じた状態を第３図（ａ）
に、洗浄室ドア４が開いて食器９を出し入れする時の状
態を第３図（ｂ）にそれぞれ示す。

考案の効果 本考案は上述のように、洗浄ノズルと引き出し自在の食
器ラックとを有する洗浄室の一部を内部に形成してその
食器ラックの引き出し方向に開口を有する筺体状の洗浄
室ケースと、この洗浄室ケースの開口に連絡する開口を
有してその洗浄室ケースと共に上面及び側面が前記洗浄
室の全体を形成し底面が切欠された筺体状の洗浄室ドア
と、前記洗浄室の奥側に近く支点を位置させて前記洗浄
室ドアの開口が上方を向く方向にこの洗浄室ドアを前記
洗浄室ケースに回動自在に連結する連結部と、開放され
た前記洗浄室ドアを水平に維持するストッパとよりな
り、前記連結部を中心に一体に回動する前記洗浄室ドア
のほぼ半分を前記洗浄室ケースの外側に位置させてその
洗浄室ドアが開放されるようにしたので、洗浄室ドアを
開放して水平状態に維持したとしても連結部の支点が洗
浄室の奥側に位置するため装置本体から洗浄室ドアが出
っ張る長さをこの洗浄室ドアの全高の半分程度にするこ
とができ、したがって、装置全体の占有スペースをそれ
程広げることなく食器を出し入れすることができ、ま
た、水平状態に維持される洗浄室ドアの上に食器ラック
を引き出して食器を出し入れすることにより食器の出し
入れを容易にすることができ、しかも、この時に滴り落
ちることがある食器に付着した汚れや水滴は、洗浄室ド
アの開口が上面及び側面により三方が囲まれているため
に床に落ちることなく、床面の汚れを防止することがで
き、さらに、洗浄室の製造にあたってその形状に制約が
加えられず、したがって、洗浄室を食器の効率の良い収
納や所望の洗浄ノズルの設置に適した形状にすることに
より、多くの食器を充分な洗浄力をもって一度に洗浄す
ることができる等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す全体の縦断側面図、第
２図は洗浄室ドアの斜視図、第３図（ａ）は洗浄室ドア
が閉じた状態の斜視図、第３図（ｂ）は洗浄室ドアが開
いた状態の斜視図、第４図はその状態の洗浄室を示す縦
断側面図、第５図は従来の一例を示す蓋が閉じた状態の
縦断側面図、第６図はその蓋が開いた状態の縦断側面
図、第７図は従来の別の一例を示す蓋が閉じた状態の縦
断側面図、第８図はその蓋が開いた状態の縦断側面図、
第９図は水滴受けを取り付けた場合の縦断側面図であ
る。 ２…洗浄室ケース、４…洗浄室ドア、５…連結ピン（連
結部）、６…ストッパ、７…洗浄室、10…食器ラック、
11…上部洗浄ノズル（洗浄ノズル）、13…下部洗浄ノズ
ル（洗浄ノズル）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】洗浄ノズルと引き出し自在の食器ラックと
   を有する洗浄室の一部を内部に形成してその食器ラック
   の引き出し方向に開口を有する筐体状の洗浄室ケース
   と、この洗浄室ケースの開口に連絡する開口を有してそ
   の洗浄室ケースと共に上面及び側面が前記洗浄室の全体
   を形成し底面が切欠された筐体状の洗浄室ドアと、前記
   洗浄室の奥側に近く支点を位置させて前記洗浄室ドアの
   開口が上方を向く方向にこの洗浄室ドアを前記洗浄室ケ
   ースに回動自在に連結する連結部と、開放された前記洗
   浄室ドアを水平に維持するストッパとよりなり、前記連
   結部を中心に一体に回動する前記洗浄室ドアのほぼ半分
   を前記洗浄室ケースの外側に位置させてその洗浄室ドア
   が開放されるようにしたことを特徴とする食器洗浄機。