JPH1132848A - 食器洗浄機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 上方の空間を洗浄処理時の水切り場所として
有効に使うことができる食器洗浄機を得る。 【解決手段】 台構造のキャビネット２内に上部がその
キャビネット２の上面に開放する洗浄槽３を組込み、こ
の洗浄槽３の上部の開放部分から洗浄物を手によって保
持して、洗浄槽３内に形成される洗浄噴流にかざして洗
浄する食器洗浄機本体１に対し、そのキャビネット２の
上面の上方に支柱６により水切容器５を棚状に支持させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、台構造のキャビネ
ット内に洗浄槽が設けられ、洗浄槽の上部の開放部分か
ら洗浄物を保持して、洗浄槽内に形成される洗浄噴流に
かざして洗浄する食器洗浄機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】食器洗浄機には、例えば実公昭５５―３
４０４１号公報や特開平１―１４８２３０号公報に示さ
れているように洗浄槽内にセットされた洗浄物に洗浄液
を噴射することにより洗浄を行なうものが多い。これら
のものは、比較的沢山の洗浄物を一度に洗浄処理するの
に適している。これに対して例えば、特開平７―２６５
２４３号公報に示されている食器洗浄機は、開口部を有
する洗浄槽内に洗浄液を噴出させるようになっており、
手に保持した洗浄物を噴出している洗浄液に直接かざし
て洗浄を行なうもので、洗浄物を個々に一つずつ洗浄処
理するものである。

【０００３】後者は洗浄液の高い運動エネルギーにより
洗浄物の汚れを剥離し洗い落とすものであり、前者に比
べ洗浄処理が短時間で済み、一般の家庭の台所で生じる
程度の量の洗い物には適している。洗浄後の洗浄物の乾
燥処理は、殆どの食器洗浄機が温風や高速の気流の洗浄
物への噴射により行なっている。こうした食器洗浄機は
調理台や流し台やレンジ台等と調和した台構造のキャビ
ネットに組込まれ、システムキッチンの一部を構成して
いることも多くなっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記した従来の個別洗
浄に適した食器洗浄機は、洗浄物を一つずつ手に保持し
て洗浄処理を行なった後に、乾燥機能を働かせて乾燥さ
せ、乾燥処理の済んだ洗浄物を順次収納していく使い方
が、一般的な通常の使い方である。しかしながら、一度
にまとめて洗浄処理し、その後まとめて乾燥処理した
り、洗浄処理だけで乾燥処理は省く使い方も実際には結
構されている。このような場合、洗浄処理の済んだ洗浄
物を順次置いておく置き場所があると便利であり、これ
までは利用者が適宜水切り篭等の容器を食器洗浄機に隣
接する調理台等の上に用意して行なっている。

【０００５】しかし、調理台の上を洗浄物の置き場所に
することは、台所が煩雑化するばかりでなく、調理に係
る一般的な作業を行なう作業面を狭め、作業をし難くし
てしまうことが多い。こうした不具合を解決するには、
例えば特開平７―２９８９３３号公報に示されているよ
うな台所用の組立棚や、篭等を付け得るハンガーボード
等、台所の空間を有効に使うために作られた各種の台所
用品を上手に使うのも一法であるが、食器洗浄機の使用
に伴う洗浄物の置き場所は、食器洗浄機の近くでないと
作業がし辛く、こうした場所に具合よく適合する台所用
品はない。

【０００６】本発明は、上記した従来の問題点を解消す
るためになされたもので、本発明のうち請求項１と請求
項２に係る発明の課題とするところは、上方の空間を洗
浄処理時の水切り場所として有効に使うことができる食
器洗浄機を提供することであり、請求項３〜請求項８ま
でに係る発明の課題とするところは、その食器洗浄機の
水切りについての使い勝手を向上させることや、取付性
を向上させることである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記課題を達成するため
に請求項１の発明は、台構造のキャビネット内に上部が
キャビネットの上面に開放する洗浄槽を組込み、この洗
浄槽の上部の開放部分から洗浄物を手によって保持し
て、洗浄槽内に形成される洗浄噴流にかざして洗浄する
食器洗浄機本体に対して、そのキャビネットの上面の上
方に支柱により水切容器を棚状に支持させる手段を採用
する。

【０００８】前記課題を達成するために請求項２の発明
は、台構造のキャビネット内に上部がキャビネットの上
面に開放する洗浄槽をキャビネットの上面から係脱でき
るように組込み、この洗浄槽の上部の開放部分から洗浄
物を手によって保持して、洗浄槽内に形成される洗浄噴
流にかざして洗浄する食器洗浄機本体に対し、そのキャ
ビネットの上面の洗浄槽の係脱を許容する高さに支柱に
より水切容器を棚状に支持させる手段を採用する。

【０００９】前記課題を達成するために請求項３の発明
は、請求項１又は請求項２のいずれかに係る前記手段に
おける水切容器を、洗浄槽の開方部分の範囲内に収める
手段を採用する。

【００１０】前記課題を達成するために請求項４の発明
は、請求項１〜請求項３までのいずれかに係る前記手段
における支柱を、伸縮可能に構成し、この支柱をキャビ
ネットの上面とこれに対向する備品や建物の面との間に
着脱可能に支保状態に設ける手段を採用する。

【００１１】前記課題を達成するために請求項５の発明
は、請求項４に係る前記手段における支柱にその伸縮を
規制する固定手段を設ける手段を採用する。

【００１２】前記課題を達成するために請求項６の発明
は、請求項４に係る前記手段における支柱に伸長方向へ
の突っ張り機能を持たせる手段を採用する。

【００１３】前記課題を達成するために請求項７の発明
は、請求項１〜請求項６までのいずれかに係る前記手段
における水切容器を、支柱に設けた受棚上に支持させる
とともに、受棚を二本の支柱に向い合わせに設けた受け
面の延出する棚板により構成する手段を採用する。

【００１４】前記課題を達成するために請求項８の発明
は、請求項７に係る前記手段における棚板の前後に立上
りを設ける手段を採用する。

【００１５】

【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
基づいて説明する。図１に示すこの実施の形態の食器洗
浄機は、調理台や流し台やレンジ台等とともに台構造の
キャビネットに組込まれ、システムキッチンの一部を構
成しているものである。食器洗浄機本体１は、キャビネ
ット２と、この中に構成された洗浄装置とから構成され
ている。キャビネット２は上面が平面の台構造の箱体で
ある。洗浄装置は、洗浄槽３と、高速の気流を生成する
送風系と、この送風系による高速の気流に洗浄液を供給
する洗浄液供給系と、高速の気流に洗浄液供給系から供
給される洗浄液の液滴が混在する気液混合噴流を洗浄槽
３内に生成する気液混合噴流生成手段により構成されて
いる。洗浄槽３は、上部が洗浄物を出入れする出入口４
として開口した深底容器体であり、キャビネット２の上
面中央に開口した開口部から出入口４を上にしてキャビ
ネット２内に係脱可能に収め込まれている（図３参
照）。

【００１６】この食器洗浄機本体１には、そのキャビネ
ット２の上面の上方に図６に示すようなトレー形態や図
７に示すような篭形態に構成された水切容器５が棚状に
二本の支柱６により横架支持されている。支柱６は、伸
縮可能なパイプで構成され、キャビネット２の上面の奥
側と、これに対向する吊り戸棚７等の備品の下面や天井
面との間に着脱可能に洗浄槽３の出入口４を跨ぐように
一端に設けた回転伸縮部８により支保状態に立てられて
いる（図１，２，３，４参照）。各支柱６には回転伸縮
部８の他に、ねじ締めにより支柱６の伸縮を規制し支柱
６を支保状態に固定するための固定手段９と、水切容器
５を受ける棚板１０とが備えられている。回転伸縮部８
は、回転操作部１１を回転させることにより、軸方向に
動く端部構造である。棚板１０は図５に示すように立ち
面１２と受け面１３とからなるＬ型に構成され、その立
ち面１２と受け面１３の前後の縁部にはそれぞれ立上り
１４が形成されている。

【００１７】棚板１０はその立ち面１２と受け面１３と
の入隅部に形成された支柱挿通孔１５を支柱６に通し、
立ち面１２に形成された案内面１６に支柱６を沿わせ
て、受け面１３同士が向き合ってほぼ水平に横に張り出
すようにそれぞれの支柱６にねじにより固定されてい
る。二つの棚板１０は左右対称であり張り出した二つの
受け面１３により水切容器５を受け支える受棚１７が構
成されている（図４参照）。棚板１０のキャビネット２
の上面から受け面１３までの高さは、洗浄槽３のキャビ
ネット２の上部からの係脱を妨害しない高さ、即ち洗浄
槽３の高さ寸法より若干大きく設定されている。各棚板
１０で画成される受棚１７は、洗浄槽３の出入口４のほ
ぼ直上にあり、その平面積は洗浄槽３の出入口４の開口
面より若干広くなっている。

【００１８】上記のように構成された食器洗浄機は、洗
浄物の個別洗浄も複数のまとめ洗浄も選択的に行なうこ
とができる。個別洗浄では洗浄物を手で保持して、洗浄
槽３の洗浄空間に、出入口４から洗浄する面を気液混合
噴流生成手段に対向させることにより洗浄動作が行なわ
れる。即ち、使用者が手にした洗浄物を出入口４から洗
浄空間内に差し出すと、洗浄物が検知され送風機の駆動
と洗浄液が供給され、気液混合噴流生成手段から高速の
気流が噴射され、これに併行して新鮮水である洗浄液が
供給されて気液混合噴流生成手段からの高速の気液混合
噴流が洗浄物に噴射されることになる。

【００１９】洗浄空間に向かって噴出した気液混合噴流
は洗浄物に衝突し、高速の液滴流の衝撃力と水の流れ落
ちる作用と、さらに高速の気流の衝突による払拭作用を
同時的に発揮する。これにより、洗浄物に付着していた
汚れは、極短時間で剥離され押し流され吹飛ばされて除
去される。汚れを含んだ液滴は洗浄物の表面に沿ってそ
の端部まで気流により速やかに押しやられ、洗浄物から
剥離されて洗浄槽３の底側に流下して、排水管から下水
道等に排水される。

【００２０】洗浄物の洗浄が完了した時点で、手にした
洗浄物を一旦洗浄空間から待避させる。この待避動作に
よって、洗浄液の供給の停止と送風機の駆動が停止され
る。この後、使用者が洗浄物を洗浄空間に再度差し出す
ことにより、水切り開始信号が形成されこれを受けて、
送風機のみが運転される。これにより高速の気流が洗浄
空間に向けて噴出され、洗浄物に付着した液滴を、飛散
させ押しやって洗浄物から払拭し、洗浄物を水切りす
る。洗浄物の端部での液滴の表面張力よりも、気流が液
滴に与える力の方が勝っているため、液滴は洗浄物から
引き剥され水切りされ乾燥処理されることになる。

【００２１】複数の食器類をまとめて洗浄する場合に
は、操作パネル１８において運転モードを切換える。こ
の運転モードでは洗浄運転だけで、乾燥運転は行なわれ
ない。この場合、洗浄処理の済んだ洗浄物を順次、すぐ
上にある水切容器５に収納していけばよい。これまでは
利用者が適宜水切り篭等の容器を食器洗浄機に隣接する
調理台等の上に用意して行なっていたが、この食器洗浄
機では洗浄作業に邪魔にならない洗浄作業場所の直上に
水切容器５があるので、調理台の上を洗浄物の置き場所
にすることなく、調理作業をし難くすることもなく洗浄
の済んだ洗浄物を水切容器５に収納していくことができ
る。

【００２２】水切容器５に置かれた洗浄物に付着してい
る水は、逐次自然流下して篭形態の場合には水切容器５
から滴下し、洗浄槽３の出入口４から洗浄槽３に流下し
洗浄槽３をつうじて排水される。このように、篭形態の
場合、水切容器５を洗浄槽３の出入口４の平面積の範囲
内の大きさにすることにより、水切りした水の排水を洗
浄槽３によって行なうことができ、キャビネット２の上
面を濡らさずに済み使い易い。また、棚板１０には立上
り１４が有るので、受棚１７に載せた水切容器５が洗浄
物の収納に伴う衝撃等により離脱し落下するようなこと
もなく、使い易い。

【００２３】水切容器５は作業の邪魔にならない高さに
あり、そのままでも洗浄槽３の清掃時には洗浄槽３をキ
ャビネット２の開口部から上方へ引上げて取り外し、ま
た、再装着することができる。支柱６の取付けは、支柱
６を取付場所の高さに応じて伸長させておいて固定手段
９により伸縮を規制し支柱６を倒れない仮止め状態にし
ておいて、回転伸縮部８を回転操作部１１により伸ばせ
ば、支柱６を安定した突っ張り状態にすることができ、
取付途中の状態で仮止めできるので支柱６の取付作業は
容易である。受棚１７は対向する棚板１０で構成されて
いるので、これを跨ぐ大きさの容器であれば専用の水切
容器５でなくても利用することができ便利である。この
ようにこの食器洗浄機によれば、食器洗浄機のキャビネ
ット２の上方の空間を、洗浄物の水切場所や保管場所と
して有効に利用でき、しかも洗浄作業にも支障をきたさ
ないという使い勝手の良さが得られる。なお、支柱６と
しては、図８に示すようなバネ１９を内蔵した伸長方向
への突っ張り機能を具備するものを使えば、より簡易に
構成することができる。

【００２４】

【発明の効果】以上、実施の形態による説明でも明らか
なように請求項１の発明によれば、上方の空間を洗浄処
理時の水切り場所として有効に使うことができる食器洗
浄機が得られる。

【００２５】請求項２の発明によれば、上方の空間を洗
浄作業に邪魔にならない洗浄処理時の水切り場所として
有効に使うことができる食器洗浄機が得られる。

【００２６】請求項３の発明によれば、請求項１又は請
求項２のいずれかに係る前記効果とともに水切容器から
滴下する水を洗浄槽において処理でき、使い勝手が向上
する。

【００２７】請求項４の発明によれば、請求項１〜請求
項３までのいずれかに係る前記効果とともに水切り部分
の取付性が向上する。

【００２８】請求項５の発明によれば、請求項４に係る
前記効果とともに支柱の取付性が向上する。

【００２９】請求項６の発明によれば、請求項４に係る
前記効果とともに支柱を簡易化できる。

【００３０】請求項７の発明によれば、請求項１〜請求
項６までのいずれかに係る前記効果とともに大きさの異
なる水切容器を適宜利用することができる。

【００３１】請求項８の発明によれば、請求項７に係る
前記効果とともに水切容器の落下を防止でき、使い勝手
が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 実施の形態の食器洗浄機を示す斜視図であ
る。

【図２】 実施の形態の食器洗浄機の要部の正面図であ
る。

【図３】 実施の形態の食器洗浄機の側面図である。

【図４】 実施の形態の食器洗浄機の要部の平面図であ
る。

【図５】 実施の形態の食器洗浄機の棚板を示す斜視図
である。

【図６】 実施の形態の食器洗浄機の使用形態の一例を
示す斜視図である。

【図７】 実施の形態の食器洗浄機の使用形態の一例を
示す斜視図である。

【図８】 実施の形態の食器洗浄機の他の支柱の構成を
示す部分断面図である。

【符号の説明】

１ 食器洗浄機本体、 ２ キャビネット、 ３ 洗浄
槽、 ４ 出入口、５ 水切容器、 ６ 支柱、 ７
吊り戸棚、 ９ 固定手段、 １０ 棚板、１２ 立ち
面、 １３ 受け面、 １４ 立上り、 １７ 受棚。

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 台構造のキャビネット内に上部がそのキ
   ャビネットの上面に開放する洗浄槽を組込み、この洗浄
   槽の上部の開放部分から洗浄物を手によって保持して、
   前記洗浄槽内に形成される洗浄噴流にかざして洗浄する
   食器洗浄機本体に対し、そのキャビネットの上面の上方
   に支柱により水切容器を棚状に支持させた食器洗浄機。
2. 【請求項２】 台構造のキャビネット内に上部がそのキ
   ャビネットの上面に開放する洗浄槽をそのキャビネット
   の上面から係脱できるように組込み、この洗浄槽の上部
   の開放部分から洗浄物を手によって保持して、前記洗浄
   槽内に形成される洗浄噴流にかざして洗浄する食器洗浄
   機本体に対し、そのキャビネットの上面の前記洗浄槽の
   係脱を許容する高さに支柱により水切容器を棚状に支持
   させた食器洗浄機。
3. 【請求項３】 請求項１又は請求項２のいずれかに記載
   の食器洗浄機であって、水切容器を洗浄槽の開方部分の
   範囲内に収めた食器洗浄機。
4. 【請求項４】 請求項１〜請求項３までのいずれかに記
   載の食器洗浄機であって、支柱を伸縮可能に構成し、こ
   の支柱をキャビネットの上面とこれに対向する備品や建
   物の面との間に着脱可能に支保状態に設けた食器洗浄
   機。
5. 【請求項５】 請求項４に記載の食器洗浄機であって、
   支柱にその伸縮を規制する固定手段を設けた食器洗浄
   機。
6. 【請求項６】 請求項４に記載の食器洗浄機であって、
   支柱に伸長方向への突っ張り機能を持たせた食器洗浄
   機。
7. 【請求項７】 請求項１〜請求項６までのいずれかに記
   載の食器洗浄機であって、水切容器を支柱に設けた受棚
   上に支持させるとともに、この受棚を二本の支柱に向い
   合わせに設けた受け面の延出する棚板により構成した食
   器洗浄機。
8. 【請求項８】 請求項７に記載の食器洗浄機であって、
   棚板の前後に立上りを設けた食器洗浄機。