JPH09103398A - 食器洗浄機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 食器洗浄の機能を向上させるとともに全体の
外観を良好にすることである。 【解決手段】 洗浄槽３と洗浄ノズル１０，１５とすす
ぎノズル２３，２５とが配設された本体ケース１に、洗
浄室カバー３２を開閉自在に取り付けて洗浄すべき食器
３０が収納される洗浄室２９を形成し、前記洗浄室カバ
ー３２の天井面３３を前記洗浄ノズル１０，１５及び前
記すすぎノズル２３，２５を含む機能部品の上端に近接
させるとともに、その天井面３３の正面側に大きな傾斜
の前下がりの前傾斜面３４を形成するとともに背面側に
僅かな傾斜の後下がりの後傾斜面３５を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、レストランや食堂
で多量の食器を能率的かつ衛生的に洗浄処理する業務用
の食器洗浄機に関する。

【０００２】

【従来の技術】現在、レストランや食堂で多量の食器を
能率的かつ衛生的に洗浄処理する業務用の食器洗浄機の
一般的な構造は、図３に示すようなものであり、この構
造の食器洗浄機は全体の８０％以上を占めている。その
構造と動作とを次に説明する。

【０００３】まず、直方体状の本体ケース１が脚２によ
り支持されており、この本体ケース１の内部上方には、
上方に開口した洗浄槽３が設けられている。この洗浄槽
３内には、強アルカリ性の洗浄液４が蓄えられている。
そして、前記洗浄槽３の底面に設けられたポンプストレ
ーナ５からポンプ連結管６が下方へ引き出され、このポ
ンプ連結管６の下端には、前記本体ケース１の底面に設
置された洗浄ポンプ７の吸入口側が接続されている。こ
の洗浄ポンプ７の吐出側には、垂直な吐出連結管８が連
結され、この吐出連結管８の上端には、多数のノズル９
が形成された下部噴射ノズル１０（洗浄ノズル）が回転
自在に取り付けられている。また、前記洗浄槽３内にお
ける前記吐出連結管８からは、分岐管１１が後方に向け
て水平に分岐され、この分岐管１１の後端は直角に屈曲
されて垂直分岐管１２となり、さらに、この垂直分岐管
１２の上部が前方に水平に屈曲されて水平分岐管１３と
されている。この水平分岐管１３の先端は、下向きに屈
曲され、その先端に多数のノズル１４が形成された上部
噴射ノズル１５（洗浄ノズル）が回転自在に取り付けら
れている。この上部噴射ノズル１５と前記下部噴射ノズ
ル１０とのそれぞれの回転軸心は略同一軸線上に位置し
ている。

【０００４】ついで、前記本体ケース１の底面には、す
すぎ湯１６が蓄えられたすすぎ湯タンク１７が設けられ
ている。このすすぎ湯タンク１７には、すすぎポンプ１
８の吸入側が接続され、このすすぎポンプ１８の吐出側
には、吐出配管１９が垂直状態で連結されている。この
吐出配管１９の上端からは、下部すすぎ導管２０と上部
すすぎ導管２１とが分岐されている。前記下部すすぎ導
管２０は、前記吐出連結管８の内部に導入され、前記下
部噴射ノズル１０の中心を貫通している。この下部噴射
ノズル１０の上端には、多数の下部すすぎノズル２２を
備えた下部すすぎアーム２３（すすぎノズル）が回転自
在に取り付けられている。また、前記上部すすぎ導管２
１は、前記垂直分岐管１２に沿わせて上昇し、前記上部
噴射ノズル１５に達する経路中で前記垂直分岐管１２又
は前記水平分岐管１３内に導入され、前記上部噴射ノズ
ル１５の中心を貫通している。そして、前記上部すすぎ
導管２１の下端には、多数の上部すすぎノズル２４を備
えた上部すすぎアーム２５（すすぎノズル）が回転自在
に取り付けられている。

【０００５】前記本体ケース１の上部には、その本体ケ
ース１に設けられた上面開口の洗浄槽３の上部を覆う洗
浄室カバー２６が昇降自在に取り付けられている。この
洗浄室カバー２６は、下方に開放した直方体形状であ
り、前後左右に平面状の側壁２７を有するとともに、上
端には平面状の天井面２８を有する。そして、上方開口
の前記本体ケース１とともに前記洗浄室カバー２６によ
りその内部に洗浄室２９が形成されている。この洗浄室
２９は、前記洗浄室カバー２６を上昇させることにより
前記本体ケース１の左右及び前方が開放されるものであ
り、前記洗浄室カバー２６の上昇可能寸法は、約４０cm
である。そして、前記洗浄槽３内には、多数の食器３０
を収納する食器ラック３１が出し入れ自在に設けられて
いる。

【０００６】このような構成において、洗浄室２９内に
多数の食器３０を保持する食器ラック３１を収納し、洗
浄室カバー２６を下降させて洗浄室２９を密閉する。こ
の状態で洗浄工程が実行される。すなわち、洗浄ポンプ
７を駆動すると、下部噴射ノズル１０と上部噴射ノズル
１５とのそれぞれのノズル９，１４から洗浄液４が食器
３０に向けて噴射される。この時、ノズル９，１４から
噴射される洗浄液４の反力により、下部噴射ノズル１０
と上部噴射ノズル１５とは回転し、食器３０に対して
は、あらゆる方角から洗浄液４を吹き付けて洗浄が行な
われる。そのため、食器３０の隅々まで洗浄液４の噴射
が行き渡る。このような洗浄工程は、通常は４０秒から
９０秒の時間をかけて行なわれる。そして、この洗浄工
程においては、食器３０に付着していた食物汚れや油汚
れは強アルカリ性の洗浄液４が使用されるため、有効に
落される。そのため、洗浄が終了した状態では、食器３
０の表面に強アルカリ性の洗浄液４の膜が残っているこ
とになり、このままでは、洗浄したことにならない。そ
のため、洗浄工程が終了した後には、すすぎ工程が実行
される。まず、洗浄ポンプ７が停止してから、すすぎポ
ンプ１８が始動し、吐出配管１９・下部すすぎ導管２０
・上部すすぎ導管２１とを経て下部すすぎノズル２２と
上部すすぎノズル２４とからすすぎ湯１６が噴射する。
この時、下部すすぎノズル２２と上部すすぎノズル２４
とから噴射するすすぎ湯１６の反力により、下部すすぎ
アーム２３と上部すすぎアーム２５とが回転する。これ
により、洗浄工程の場合と同様に、すすぎ湯１６が食器
３０の隅々に渡って噴射され、食器３０の表面に残って
いた洗浄液４は取り除かれる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】このような工程によ
り、まず、強アルカリ性の洗浄液４を食器３０の上下に
配設された回転する下部噴射ノズル１０と上部噴射ノズ
ル１５とのノズル９，１４から噴射させて食器３０に付
着している油脂分やその他の汚れを落し、つぎに、きれ
いなすすぎ湯１６を食器３０の上下からスプレーして食
器３０の表面に残っていた洗浄液４を洗い流すと云う工
程を自動的に行なうものである。この時、洗浄工程にお
いては、洗浄液４は洗浄槽３に溜められており、洗浄ポ
ンプ７により吸入されてから噴射され、洗浄後には再び
洗浄槽３に戻される循環噴射である。これに反して、す
すぎ工程においては、すすぎ湯１６はすすぎポンプ１８
で加圧されて食器３０表面の洗浄液４を洗い流した後
は、洗浄槽３に落下して洗浄液４と混じり合ってしま
う。そのため、すすぎ湯１６は、１回スプレーして放出
したものを再使用することはできない。このすすぎ湯１
６は、通常、殺菌や食器の乾燥を促進するため、８０℃
ないし８５℃の熱湯であるため、水道水を加熱して熱湯
にするためには、相当のガス代や電気代がかかり、食器
洗浄機を使う場合のランニングコストの大半は、すすぎ
湯１６のコストであると云っても良い。そのため、食器
洗浄機のランニングコストを低下させるためには、１回
あたりに使用するすすぎ湯１６の湯量を極力少なくする
ことが工夫されている。

【０００８】この工夫の一つとして、洗浄工程とすすぎ
工程との間に、一定の休止時間を設定することがある。
例えば、通常のレストラン等で使用される食器洗浄機
は、１回の洗浄工程に要する時間は、約１分間である
が、その内容は、洗浄工程が４５秒であり、その後に、
５秒の休止時間をおいて、１０秒間のすすぎ工程を実行
している。この洗浄工程とすすぎ工程との間に、５秒間
の休止時間を設けているのは、すすぎ湯１６を節減する
ための工夫である。すなわち、最初の強アルカリ性の洗
浄液４による噴射が終わった直後は、食器３０の表面や
洗浄室カバー２６の天井面２８の内面等に洗浄液４の水
滴が付着している。この状態における５秒の休止時間
は、重力の作用で洗浄液４が滴り落ちるのを待つ時間で
ある。これにより、休止時間後にすすぎ工程に入ると、
少量のすすぎ湯１６で食器３０表面から洗浄液４を有効
に除去することができるものである。

【０００９】しかしながら、洗浄室カバー２６の天井面
２８が平面状であるため、５秒の休止時間ではその内面
に付着した洗浄液４が十分に滴り落ちないことが多く、
場合によっては、洗浄室カバー２６を上方に開いた時の
振動により、折角、すすいだ食器３０に洗浄室カバー２
６に付着していた洗浄液４が滴下するということもあり
得る。

【００１０】このようなことから、洗浄室カバー２６の
天井面２８の形状を図４に示すように、四角錐形状にし
たり、図５に示すように、後下がりの一方傾斜面とした
りすることが考えられている。しかしながら、このよう
な形状のものは、図４及び図５で一点鎖線で示した位置
が、従来の平面状の天井面２８の位置であるため、洗浄
室２９の容積が大きくなり、しかも、外観も不必要に大
型化した感じになり、美観を損なうものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】洗浄槽と洗浄ノズルとす
すぎノズルとが配設された本体ケースに、洗浄室カバー
を開閉自在に取り付けて洗浄すべき食器が収納される洗
浄室を形成し、前記洗浄室カバーの天井面を前記洗浄ノ
ズル及び前記すすぎノズルを含む機能部品の上端に近接
させるとともに、その天井面の正面側に大きな傾斜の前
下がりの前傾斜面を形成するとともに背面側に僅かな傾
斜の後下がりの後傾斜面を形成した。

【００１２】

【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態を図１及び
図２に基づいて説明する。図３について説明した部分と
同一構造部分は同一符号を用い説明も省略する。食器洗
浄機としての内部構造とその動作については、図３に示
した従来のものと全く同様である。そこで、図３に示し
たものと異なる部分と図３では説明しなかった部分とを
以下に説明する。まず、図３に示した洗浄室カバー２６
とは、その形状が異なる。すなわち、洗浄室カバー３２
は、その天井面３３の形状が大きな傾斜の前下がりの前
傾斜面３４と僅かな傾斜の後下がりの後傾斜面３５とに
より形成されているものである。そして、前記天井面３
３の高さは、図３に示す従来の平面的な天井面２８の位
置よりも殆ど上方には位置していない。そのため、洗浄
室２９の正面側の上部の空間は、前傾斜面３４により狭
められているが、この部分はデッドスペースであった部
分であり、洗浄及びすすぎ作用には全く影響がないもの
である。

【００１３】また、前記洗浄室カバー３２は、本体ケー
ス１の後面側両側に立設されたレール状の支柱３６に沿
って上下するように構成されているものであるが、この
支柱３６の上端には、前記洗浄室カバー３２の前方を囲
繞するコの字形のハンドル３７の後端が回動自在に取り
付けられており、このハンドル３７の前方と前記洗浄室
カバー３２の前方下部との間は、連結杆３８により連結
されている。また、前記ハンドル３７の後部側と前記支
柱３６の下部との間には、前記洗浄室カバー３２の自重
を補償するためのダンパー３９が取り付けられている。
そのため、ハンドル３７の手前側の水平部分を把持して
洗浄室カバー３２を開閉するが、ダンパー３９により可
成の重さが負担されているため、比較的軽い力で洗浄室
カバー３２を開閉することができる。

【００１４】このような構成において、食器３０の洗浄
における洗浄工程と休止時間とすすぎ工程との時間的な
比率は従来と同様であるとした場合、洗浄工程終了時
に、洗浄室カバー３２の天井面３３の内面に付着した洗
浄液４の水滴は、その前面側においては、前傾斜面３４
の傾斜角度が大きいため、５秒の休止時間中に急速に滴
り落ちる。また、後面側においても、後傾斜面３５が存
在するため、前面側ほど急速ではないが、休止時間中に
その内面に付着した水滴が滴下する。そのため、すすぎ
工程でのすすぎ湯１６の使用量が少なくても食器３０や
洗浄室カバー３２に付着した強アルカリ性の洗浄液４を
すすぐことが確実に行なわれる。また、その後のすすぎ
工程において、すすぎ湯１６の水滴が洗浄室カバー３２
の内面から急速に滴り落ちる。従って、すすぎ工程を終
了した後に、食器ラック３１を取り出すために、洗浄室
カバー３２を上方に移動させて洗浄室２９を開放した時
に、洗浄室カバー３２の内面に付着した水滴が食器３０
の上に落下するようなこともない。

【００１５】このように、食器３０を洗浄するための機
能について、洗浄室カバー３２に形成した前傾斜面３４
と後傾斜面３５とが前述のように有効に作用するもので
あるが、前傾斜面３４の傾斜角度が大きいため、食器洗
浄機全体の外観が従来のものと大きく相違する。すなわ
ち、上部前面が手前側に傾斜しているため、全体の大き
さがきわめて小型に感じるものであり、しかも、手前下
がりの形状は、看者にきわめてソフトが印象を与える。
そのため、食器洗浄機が設置される厨房の雰囲気が良く
なる。

【００１６】

【発明の効果】本発明は上述のように、洗浄槽と洗浄ノ
ズルとすすぎノズルとが配設された本体ケースに、洗浄
室カバーを開閉自在に取り付けて洗浄すべき食器が収納
される洗浄室を形成し、前記洗浄室カバーの天井面を前
記洗浄ノズル及び前記すすぎノズルを含む機能部品の上
端に近接させるとともに、その天井面の正面側に大きな
傾斜の前下がりの前傾斜面を形成するとともに背面側に
僅かな傾斜の後下がりの後傾斜面を形成したので、洗浄
工程及びすすぎ工程終了後に洗浄室カバーの内面に付着
する水滴を急速に滴り落すことができ、これにより、す
すぎ湯の使用量が少なくても洗浄液の水滴をすみやかに
除去することができ、しかも、洗浄後の食器の取出時に
滴下する水滴で食器を汚すこともなく、さらに、洗浄機
カバーの手前側が傾斜しているため、全体を小型に感じ
させるとともにソフトな印象を与えることができ、食器
洗浄の機能を向上させつつ外観の美観をも向上させるこ
とができると云う効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の態様の一例を示す縦断側面図で
ある。

【図２】その全体の斜視図である。

【図３】従来の一例を示す縦断側面図である。

【図４】従来の洗浄室カバーの形状の一例を示す縦断側
面図である。

【図５】従来の洗浄室カバーの形状の他の例を示す縦断
側面図である。

【符号の説明】

１ 本体ケース ３ 洗浄槽 １０ 洗浄ノズル １５ 洗浄ノズル ２３ すすぎノズル ２５ すすぎノズル ２９ 洗浄室 ３０ 食器 ３２ 洗浄室カバー ３３ 天井面 ３４ 前傾斜面 ３５ 後傾斜面

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗浄槽と洗浄ノズルとすすぎノズルとが
   配設された本体ケースに、洗浄室カバーを開閉自在に取
   り付けて洗浄すべき食器が収納される洗浄室を形成し、
   前記洗浄室カバーの天井面を前記洗浄ノズル及び前記す
   すぎノズルを含む機能部品の上端に近接させるととも
   に、その天井面の正面側に大きな傾斜の前下がりの前傾
   斜面を形成するとともに背面側に僅かな傾斜の後下がり
   の後傾斜面を形成したことを特徴とする食器洗浄機。