JP2502647Y2 - 食器洗浄機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、多数の食器をラック
により保持して収納し、噴射ノズルから噴射する洗浄湯
によりそれらの食器を洗浄するようにした食器洗浄機に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、この種の食器洗浄機としては、
食器を出し入れするために洗浄槽の上面に開口を形成
し、噴射された洗浄湯が外へ漏れないようにその開口を
蓋又はドアにより密閉状態に保っている。その一例を図
７に基づいて説明する。

【０００３】まず、洗浄槽１の内部の下方には、多数の
噴射ノズル口２を備えた噴射ノズル３が図示しないモー
タおよび洗浄湯発生機構に連結されて水平面内で回転す
るように設けられている。また、前記洗浄槽１の上部隅
部には、下向きに洗浄湯を噴射する上部噴射ノズル４が
配設されている。このような下方の噴射ノズル３と上部
噴射ノズル４との間には、多数の食器５を保持するラッ
ク６が着脱自在に設けられている。

【０００４】しかして、前記洗浄槽１の上面には、前記
食器５を出し入れする大きな開口７が形成されている。
そして、この開口７を密閉的に覆う開閉蓋８が設けられ
ている。この開閉蓋８は、その前縁にハンドル９を有
し、その後縁はヒンジ１０により前記洗浄槽１に連結さ
れている。

【０００５】なお、各部の大きさを寸法的に説明する
と、洗浄槽１自体の高さは、約８０cmであり、開閉蓋８
の前後方向の寸法は、約６０cmである。

【０００６】このような構成において、食器５の洗浄に
当たっては、洗浄すべき多数の食器５をラック６に保持
させてから、開閉蓋８を開放してラック６を洗浄槽１内
に納める。そして、開閉蓋８を閉塞して洗浄槽１を密閉
し、図示しない動作スイッチをオンすることにより、洗
浄湯が噴射されて各食器５は洗浄される。一定時間の洗
浄後に、各機能部の動作を停止させてから開閉蓋８を開
いて洗浄された食器５をラック６ごと取り出す。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】洗浄槽１自体の高さ
は、前述の例であると８０cmであるが、開閉蓋８を完全
に開放したときには、その洗浄槽１の高さにさらに６０
cm加算されることになり、全体の高さとしては、最低１
４０cm必要になる。

【０００８】しかるに、飲食店等においては、スペース
的な制約から食器洗浄機をカウンタの下等に収納し度い
と云う要望が強い。しかしながら、カウンタの下の高さ
は、約１ｍであり、この下に設置して使うためには、開
閉蓋８を開いた状態で少なくとも９５cm程度であること
が必要である。

【０００９】また、カウンタの下などに収納する場合に
限らず、食器洗浄機を設置した上部空間を有効に利用す
るためには、開閉蓋８を開放した状態での全体の高さが
低いことが望ましい。

【００１０】

【課題を解決するための手段】食器を保持するラックと
洗浄湯噴射ノズルとが内部に設けられた洗浄槽の上部に
前記食器を出し入れする開口を形成し、この開口の両側
縁部に互いに平行なガイドレールを水平に形成し、これ
らのガイドレールに下端に設けられたローラを摺動自在
に保持させた少なくとも４枚以上の細長い矩形状の蓋片
を前記ローラを中心として上方へ起伏自在に設け、これ
らの蓋片の側部に平行リンク機構を配設して互いの蓋片
を連結することにより開閉蓋を形成した。

【００１１】

【作用】開閉蓋を開いた場合には、平行リンク機構で連
結された各蓋片はそれぞれ下端に設けられたローラを中
心として上方へ起立するが、開閉蓋を全開状態にしたと
しても、その開閉蓋自体の高さは蓋片の短辺の寸法で良
く、これにより、蓋片の数を増加させることによりその
開放時の高さをきわめて低くすることができ、洗浄槽自
体の高さを低くすることなく高さのない設置場所にも簡
単に設置することができ、かつ、それによる操作性を悪
くすることもなく、また、洗浄槽の上部の開口に形成さ
れたガイドレールに各蓋片のローラが保持されているた
め、開閉蓋を全開状態にしても洗浄槽の内部に入ること
がなく、これにより、洗浄槽の容積全体を有効に利用す
ることができ、また、各蓋片を連結する平行リンク機構
はそれらの各蓋辺が平行リンク機構の一部となることに
よりきわめて簡単に形成されるように構成したものであ
る。

【００１２】

【実施例】この考案の一実施例を図１乃至図６に基づい
て説明する。まず、直方体状の洗浄槽１１が形成され、
この洗浄槽１１の上面には、そのほぼ全体にわたって開
口１２が形成され、内部には洗浄室１３が形成されてい
る。この洗浄室１３内には、図示しない洗浄湯噴射ノズ
ルが配設されているとともに多数の食器１４を保持する
ラック１５が出し入れ自在に収納されている。

【００１３】また、前記開口１２の左右両側縁には、断
面Ｌ字状のガイドレール１６が互いに平行に固定的に配
設されている。さらに、前記開口１２の後縁には、前方
に開放された蓋収納部１７が固定的に設けられている。
この蓋収納部１７の内部両側には、上下方向に長いガイ
ド孔１８が形成されている。

【００１４】ついで、前記洗浄槽１１の前記開口１２
は、開閉蓋１９により覆われている。この開閉蓋１９
は、四枚の蓋片２０とこれらの蓋片２０を連結する平行
リンク機構２１とよりなっている。

【００１５】しかして、前記蓋片２０は、奥側に位置す
る一枚の基部蓋片２０ａと手前側に位置する一枚の操作
蓋片２０ｂとこれらの間に配設された二枚の中間蓋片２
０ｃとよりなっている。前記基部蓋片２０ａは、前記蓋
収納部１７内に設けられた前記ガイド孔１８にその両側
に設けられた軸２２が摺動自在に取り付けられており、
前方端側の上方には、段部２３が形成されている。ま
た、前記基部蓋片２０ａと前記操作蓋片２０ｂと前記中
間蓋片２０ｃとのそれぞれの一側縁両側には、支軸２４
で保持されたローラ２５が回転自在に取り付けられてい
る。これらのローラ２５は、前記ガイドレール１６内に
収納され、そのガイドレール１６に沿って移動自在に配
設されている。そして、前記中間蓋片２０ｃの支軸２４
が設けられた一側縁の下部には、上向きの段部２６が形
成されており、また、前記操作蓋片２０ｂと前記中間蓋
片２０ｃとの自由端側には、下向きに切欠された段部２
７が形成されている。さらに、前記操作蓋片２０ｂの上
面には、ハンドル２８が取り付けられている。

【００１６】なお、前記洗浄槽１１の高さは、約８０cm
であり、開口１２の前後方向の寸法を約６０cmとしたと
き、各蓋片２０の高さは、約１５cmである。

【００１７】このような蓋片２０は、一本の短リンク２
９と三本の長リンク３０とによる平行リンク機構２１に
より連結されている。すなわち、前記基部蓋片２０ａの
中間部と奥側の中間蓋片２０ｃの支軸３１とは、一端が
固定軸３２に回動自在に取り付けられた長リンク３０に
より連結されている。また、基部蓋片２０ａの下部と奥
側の中間蓋片２０ｃの中央部と前方の中間蓋片２０ｃの
支軸３１とには、長リンク３０が連結されている。さら
に、奥側の中間蓋片２０ｃの下部と前方の中間蓋片２０
ｃの中央部と操作蓋片２０ｂの支軸３１とには、長リン
ク３０が連結されている。さらにまた、前方の中間蓋片
２０ｃの下部と操作蓋片２０ｂの中央部との間には、短
リンク２９が連結されている。このような短リンク２９
と長リンク３０とは、四本ともに互いに平行に取り付け
られている。

【００１８】このような構成において、開口１２が開放
されている場合には、図３に示すように、各蓋片２０は
立設状態で密接している。この状態において、寸法的に
は各蓋片２０の短辺の長さが約１５cmであるので、洗浄
槽１１を含む全体の高さは、約９５cmで良いことにな
る。

【００１９】この状態で洗浄室１３に食器１４を収納し
てから図６に示すように開閉蓋１９を展張する。すなわ
ち、ハンドル２８を把持して引出す。これにより、図４
に示すように、ローラ２５がガイドレール１６内を転動
して各蓋片２０が水平状態になり、互いの段部２３，２
６，２７が嵌合し、蓋片２０の間を密閉する。これによ
り、洗浄室１３内で噴射ノズルから洗浄湯を噴出させて
も洗浄湯が漏れることがなく、正常な洗浄作業がなされ
る。

【００２０】ついで、洗浄作業が終了してからは、ハン
ドル２８を把持して操作蓋片２０ｂを開くことにより、
図４に示す経過を経て図３に示すように起立した開閉蓋
１９は蓋収納部１７内に収納されることになる。

【００２１】このように、開閉蓋１９を開放した状態に
おいては、洗浄槽１１を含む全体の高さがきわめて低く
なり、飲食店等におけるカウンタの下などへの設置が容
易になる。

【００２２】

【考案の効果】この考案は上述のように、食器を保持す
るラックと洗浄湯噴射ノズルとが内部に設けられた洗浄
槽の上部に前記食器を出し入れする開口を形成し、この
開口の両側縁部に互いに平行なガイドレールを水平に形
成し、これらのガイドレールに下端に設けられたローラ
を摺動自在に保持させた少なくとも４枚以上の細長い矩
形状の蓋片を前記ローラを中心として上方へ起伏自在に
設け、これらの蓋片の側部に平行リンク機構を配設して
互いの蓋片を連結することにより開閉蓋を形成したの
で、開閉蓋を開いた場合には、平行リンク機構で連結さ
れた各蓋片はそれぞれ下端に設けられたローラを中心と
して上方へ起立するが、開閉蓋を全開状態にしたとして
も、その開閉蓋自体の高さは蓋片の短辺の寸法で良く、
これにより、蓋片の数を増加させることによりその開放
時の高さをきわめて低くすることができ、洗浄槽自体の
高さを低くすることなく高さのない設置場所にも簡単に
設置することができ、かつ、それによる操作性を悪くす
ることもなく、また、洗浄槽の上部の開口に形成された
ガイドレールに各蓋片のローラが保持されているため、
開閉蓋を全開状態にしても洗浄槽の内部に入ることがな
く、これにより、洗浄槽の容積全体を有効に利用するこ
とができ、また、各蓋片を連結する平行リンク機構はそ
れらの各蓋辺が平行リンク機構の一部となることにより
きわめて簡単に形成される等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例を示す開閉蓋を途中まで開
いた状態の斜視図である。

【図２】開閉蓋により閉塞した状態の斜視図である。

【図３】開放状態の開閉蓋自体の側面図である。

【図４】開閉途中の開閉蓋の状態を示す側面図である。

【図５】開閉蓋とガイドレールとの関係を示す一部の縦
断正面図である。

【図６】閉塞状態の開閉蓋自体の側面図である。

【図７】従来の一例を示す縦断側面図である。

【符号の説明】

１１ 洗浄槽 １２ 開口 １５ ラック １６ ガイドレール １９ 開閉蓋 ２０ 蓋片 ２１ 平行リンク機構

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 食器を保持するラックと洗浄湯噴射ノズ
   ルとが内部に設けられた洗浄槽の上部に前記食器を出し
   入れする開口を形成し、この開口の両側縁部に互いに平
   行なガイドレールを水平に形成し、これらのガイドレー
   ルに下端に設けられたローラを摺動自在に保持させた少
   なくとも４枚以上の細長い矩形状の蓋片を前記ローラを
   中心として上方へ起伏自在に設け、これらの蓋片の側部
   に平行リンク機構を配設して互いの蓋片を連結すること
   により開閉蓋を形成したことを特徴とする食器洗浄機。