JPH0639549Y2 - 芝刈機の集草容器支持構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、集草容器の上方開口部を形成する矩形状の口
縁部が保形性を有するように構成され、その口縁部の３
つの側辺部を載置保持する状態で、もう一つの側辺部に
対応する箇所を開放させた平面視Ｕ字状の支持フレーム
を設けると共に、この支持フレームの奥部側フレーム部
分に設けた被係合部に上方から係合する係合部を、前記
口縁部のうちの前記奥部側フレーム部分に載置される一
側辺部に設けてある芝刈機の集草容器支持構造に関す
る。

〔従来の技術〕

この種の芝刈機の集草容器支持構造においては、集草容
器内の刈草の回収を行なう場合には、集草容器を少し上
方へ持ち上げて係合部と被係合部との係合を解除した状
態で平面視Ｕ字状の支持フレームの開放された側へ横移
動させることにより、集草容器の取外しを行ない、又、
前記刈草の回収終了後、集草容器を支持フレームに載せ
つけて係合部と被係合部とを係合させることにより、集
草容器の取付けを行なうようにして、集草容器の着脱を
迅速に行なえるようにしている。

そして、従来においては、集草容器を支持フレームに取
付けた場合には、奥側フレーム部分に突設した被係合部
としての突片と、この突片に上方から係合するべく、口
縁部の一側部に固着した係合部としてもコ字状部材との
係合のみによって支持フレームに対する集草容器の位置
ずれを回避できるようにしていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記コ字状部材と突片との係合時に、こ
れら両者間に製作誤差や係合の容易化のために多少のク
リアランスを有しているものであり、このようなクリア
ランスのために例えば凹凸の激しい箇所や起伏の激しい
傾斜地等を走行する際、集草容器が左右前後に位置ずれ
し、これに伴い口縁部の一部が刈草の重量により変形し
て、支持フレームに載置状態の口縁部の一側辺部がこれ
に対応する支持フレームのフレーム部分から下方へ抜け
落ちる虞れがある。そして、集草容器全体の重量を支持
フレームの被係合部を備えたフレーム部分と前記左右の
フレーム部分のうちの前記口縁部の一側辺部が落ち込ん
だフレーム部分を除いた他のフレーム部分との２箇所で
のみ支持した状態のまま作業を続行していると、口縁部
及びこれに対応する支持フレームのフレーム部分が折れ
曲がることがあった。

本考案の目的は、凹凸の激しい箇所や起伏の激しい傾斜
地等を走行する場合でも、支持フレームに載置状態の口
縁部の一側辺部がこれに対応する支持フレームのフレー
ム部分から下方へ抜け落ちることなく、口縁部を支持フ
レームに確実に載置保持させることができるようにする
点にある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案にかかる芝刈機の集草容器支持構造は、上記目的
を達成するために、冒記構造のものにおいて、前記係合
部と前記被係合部との係合状態において、前記口縁部の
うちの前記係合部を備えた側辺部に隣接する左右の側辺
部を直線状に構成するとともに、この左右の側辺部のそ
れぞれに接当する位置規制部材を、前記支持フレームの
左右のフレーム部分に、前記支持フレームの開放端側寄
りに位置させて設けてあることを特徴構成とする。

かかる特徴構成による作用及び効果は次の通りである。

〔作用〕 凹凸の激しい箇所や起伏の激しい傾斜地等を走行する場
合に機体に発生する振動等により集草容器が左右方向に
位置ずれしようとしても、口縁部の左右の側辺部は位置
規制部材に接当して左右への位置ずれが規制されること
になる。特に、位置規制部材は支持フレームの開放端側
寄りに位置させて設けてあるから、係合部や被係合部が
配設された奥側の側辺部から離れた箇所で位置ずれし易
くなっている箇所において、口縁部の左右の位置ずれを
規制するようにしているので、位置ずれの規制が確実な
ものとなりやすい。よって、支持フレームに載置保持さ
れている口縁部の３つの側辺部が支持フレームの載置フ
レーム部分かた下方へ抜け落ちることを確実に阻止する
ことができる。

〔考案の効果〕

従って、支持フレームに位置規制部材を設けることによ
って、凹凸の激しい箇所や起伏の激しい傾斜地等を走行
する場合であっても、従来のように、口縁部の３つの側
辺部が支持フレームの載置フレーム部分から下方へ落ち
込むことなく、口縁部を支持フレームに確実に載置保持
させることができ、もって、長期間に渡って口縁部及び
これに対応する支持フレームのフレーム部分が折れ曲が
る等のトラブル発生のない芝刈機の集草容器支持構造を
得ることができた。

〔実施例〕

第４図は、乗用型芝刈機を示している。この乗用型芝刈
機は、機体前部にエンジン（１）、機体後部にミッショ
ンケース（２）、前記エンジン（１）とミッションケー
ス（２）との間に操縦部（３）を備えると共に、前後車
輪（４），（５）の間にモーア（６）、このモーア
（６）からの刈草を機体後端に連結した２つの集草容器
（７），（７）に案内する集草ダクト（８）を設けて、
遠隔操縦をも可能な乗用型芝刈機を構成してある。

前記芝刈機には、衝撃吸収用のリヤバンパーが装着され
ており、このリヤバンパーの取付構造について説明すれ
ば、第１図に示すように、機体フレーム（９）の後端
に、上部開口端から後述の支持フレーム（10）を挿通保
持するための下側フレーム（26），（26）を夫々ボルト
固定し、前記各下側フレーム（26）に付設の第１ステー
（11）と前記機体フレーム（９）の後方側横側部夫々に
付設の第２ステー（12）とに渡って棒状部材（13）をス
ライド移動自在に挿通され、これら両棒状部材（13），
（13）に杆状のガード部材（14）の両端をボルト固定す
ると共に、前記ガード部材（14）と前記第１ステー（1
1），（11）との間に、夫々衝撃吸収用のゴム（15）を
前記棒状部材（13）に外嵌させた状態で配設してある。
尚、図に示す（16）は、後述の支持フレーム（10）に連
結するための連結ロッド（17）を取付けるべく、前記ガ
ード部材（14）に取付けられるステーである。

前記集草ダクト（８）は、前記下側フレーム（26）に固
設された杆状のダクト支持フレーム（18）に挿脱自在に
内嵌されたダクトステー（19）を介して支持されてお
り、集草ダクト（８）内の掃除を行なう場合に、前記モ
ーア（６）のケーシング（6A）及び集草容器（７）から
集草ダクト（８）の両端部を取外したのち、ダクトステ
ー（19）をダクト支持フレーム（18）から抜き取ること
により集草ダクト（８）の取外し作業を迅速に行なえる
ようにしている。

尚、前記集草ダクト（８）の集草容器（７）に対する連
結角度を、第１図に示すように、前後方向に対してθ度
となるように設定してあり、集草ダクト（８）から排出
される刈草が集草容器（７）内に均一に撒けるようにし
てある。又、第１図乃至第３図に示すように、前記集草
ダクト（８）から排出される刈草を集草ダクト（８）の
中央側へ案内する案内板（20）を２つの集草容器
（７），（７）の上方開口部（7A），（7A）を覆うカバ
ー（21）の内面に付設のネット（22）に取付けると共
に、前記集草容器（７）の、前記集草ダクト（８）の連
結箇所とは反対側の横側部に平面視コの字状のスカート
（23）を取付けて、集草ダクト（８）の連結箇所とは反
対側の集草容器（７）の下方へも集草ダクト（８）から
の刈草を確実に導くことができるようにしてある。

又、前記集草容器（７），（７）に対するカバー（21）
には、集草容器（７），（７）内が刈草で満杯になった
ときに、エア抜き用のビニール製のダクトガイド（2
4），（24）を備えると共に、このダクトガイド（2
4），（24）からのエア中に含まれている塵埃等を受け
止めるポケット（25），（25）を集草容器（７），
（７）に夫々取付けてある。

次に、集草容器（７），（７）の取付構造について説明
すれば、第１図に示すように、前記下側フレーム（26）
に支持フレーム（10）から下方に突出した左右の一対の
脚部（27），（27）を嵌入してある。前記支持フレーム
（10）は、平面視Ｕ字状の第１パイプフレーム（10A）
と、この第１パイプフレーム（10A）の中央部に溶接さ
れた一直線状の第２のフレーム（10B）とから構成さ
れ、平面視Ｕ字状の２つのフレームが左右方向で隣り合
って連続的に形成されるようにしてある。尚、各第１パ
イプフレーム（10A）と、第２フレーム（10B）との後端
間は開放された状態となっている。前記ネット状の集草
容器（７）の上方開口部（7A）を形成する矩形状の口縁
部（7B）が保形性を有するようにアルミ製のパイプフレ
ームで構成され、その口縁部（7B）の３つの側辺部（7
a），（7b），（7c）が前記支持フレーム（10）に上方
から載置接当するように２つの集草容器（７），（７）
が夫々セットされる。前記支持フレーム（10）の奥部側
フレーム部分（10b）に板状の被係合部（28）を突設す
ると共に、この被係合部（28）に対して上方から係合す
るコ字状の係合部（29）を、前記口縁部（7B）のうちの
前記奥部側フレーム部分（10b）に載置される一側辺部
（7b）に設けてあり、集草容器（７）の前後左右への位
置ずれを規制するようにしている。そして、前記係合部
（29）と被係合部（28）との係合状態において、前記口
縁部（7B）のうちの前記係合部（29）を備えた側辺部
（7b）に隣接する直線状をなす左右の側辺部（7a），
（7c）に接当する板状の位置規制部材（30），（30）
を、前記支持フレーム（10）の左右フレーム部分（10
a），（10c）における後端寄りに位置させてに設けてあ
り、凹凸の激しい箇所や起伏の激しい傾斜地等を走行す
る場合に機体に発生する振動等により集草容器（７）が
左右方向に位置ずれすることを、位置規制部材（30），
（30）に口縁部（7B）の左右の側辺部（7a），（7c）が
接当して確実に阻止できるようにしてある。

尚、第１図に示す（31），（31）は、前記脚部（27），
（27）に固着の板片（32），（32）に挿通するピン（3
3），（33）に嵌合して前記カバー（21）を上下揺動さ
せるべく、このカバー（21）に取付けた一対のブラケッ
トである。

〔別実施例〕

前記実施例では、２つの集草容器（７），（７）を載置
保持するようにしたが、１つあるいは３つ以上の集草容
器（７）を載置保持するようにしてもよい。

又、前記実施例では、口縁部（7B）をアルミ製のパイプ
フレームで構成したが、鉄製又はプラスチック製のパイ
プフレームで構成してもよく、口縁部（7B）の材質は各
種のものを用いてもよい。又、口縁部（7B）をパイプ状
に形成する他、板状に形成してもよく、口縁部（7B）の
形状は自由に変更できる。

又、前記実施例では、機体後端に支持フレーム（10）を
それの奥部側フレーム部分（10b）が機体前方側に位置
するように設けたが、機体横一側部に支持フレーム（1
0）をそれの奥部側フレーム部分（10b）が機体他側部側
に位置するように設けてもよく、支持フレーム（10）の
機体に対する取付位置及び取付方向は自由に変更でき
る。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利
にする為に符号を記すが、該記入により本考案は添付図
面の構造に限定されるのではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る芝刈機の集草容器支持構造の実施例
を示し、第１図は分解斜視図、第２図は要部の縦断背面
図、第３図は集草容器の縦断側面図、第４図は芝刈機の
全体側面図である。 （７）……集草容器、（7A）……上方開口部、（7B）…
…口縁部、（7a），（7b），（7c）……側辺部、（10）
……支持フレーム、（10a），（10b），（10c）……フ
レーム部分、（28）……被係合部、（29）……係合部、
（30）……位置規制部材。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 藤原 孝次 大阪府堺市石津北町64番地 久保田鉄工株 式会社堺製造所内 (72)考案者 宮田 潤二 大阪府堺市石津北町64番地 久保田鉄工株 式会社堺製造所内 (56)参考文献 実開 昭63−66425（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭61−204434（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】集草容器（７）の上方開口部（7A）を形成
   する矩形状の口縁部（7B）が保形性を有するように構成
   され、その口縁部（7B）の３つの側辺部（7a），（7
   b），（7c）を載置保持する状態で、もう一つの側辺部
   （7d）に対応する箇所を開放させた平面視Ｕ字状の支持
   フレーム（10）を設けると共に、この支持フレーム（1
   0）の奥部側フレーム部分（10b）に設けた被係合部（2
   8）に上方から係合する係合部（29）を、前記口縁部（7
   B）のうちの前記奥部側フレーム部分（10b）に載置され
   る一側辺部（7b）に設けてある芝刈機の集草容器支持構
   造であって、前記係合部（29）と前記被係合部（28）と
   の係合状態において、前記口縁部（7B）のうちの前記係
   合部（29）を備えた側辺部（7b）に隣接する左右の側辺
   部（7a），（7c）を直線状に構成するとともに、この左
   右の側辺部（7a），（7c）のそれぞれに接当する位置規
   制部材（30），（30）を、前記支持フレーム（10）の左
   右のフレーム部分（10a），（10c）に、前記支持フレー
   ム（10）の開放端側寄りに位置させて設けてある芝刈機
   の集草容器支持構造。