JPH0639535Y2 - ポテトプランタ−を組み込んだ畝成形マルチ作業機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本案は、ポテトプランターを組み込んだ畝成形マルチ作
業機に関するものである。

（従来の技術） 歩行型ポテトプランターでは、２人作業で人力により種
芋の供給を行っている。

また、トラクタ用ポテトプランターでは、２条植えのと
きプランター側に座席があり、補助員が同乗して種芋を
整列して供給している。

又、以上のような植付け作業は、別工程（前工程）で植
付けている。

（考案が解決しようとする問題点） 以上のような種芋の供給では、いずれも全自動種芋供給
はできない。

又、植付け作業は別工程で植付けるものであるため、植
付けた真上に畝立てすることができないし、前工程で植
付けた後、畝立て作業時トラクタのトレッドが制御さ
れ、トラクタの前輪、後輪共に作付け幅に合わせて組み
替え調整をしなければならない。

したがって本案の技術的課題は、前記従来の欠点を解消
し、植付け、畝成形、同時マルチ等の複合作業ができる
畝成形マルチ作業機を得ることを目的とするものであ
る。

（問題を解決するための手段） 以上のような技術的課題を解決する本案の技術的手段に
あっては、ホッパー底部に設けられた馬鈴薯をベルト上
に整列せしめる整列コンベアと、ベルト上に複数の隔板
を植立して隔板間に前記整列コンベアで整列された馬鈴
薯を１個ずつ受けることができ、かつ接地輪の回転に連
動してベルトが駆動される株間送りコンベアとを設ける
とともに、整列コンベアから株間送りコンベアの隔板間
に馬鈴薯が１個ずつ入るように引継ぐ中継装置を設け、
株間送りコンベアの隔板間を作溝器のシューター入口に
臨ましめて、株間送りコンベアから馬鈴薯を作溝器に１
個ずつ落として植付けるようにしたポテトプランターの
作溝器を、畝成形同時マルチ作業機における畝盛ロータ
の前に配置した構成をとっている。

（考案の効果） 本案の技術的手段によれば、全自動種子芋供給により関
連した作業の複合体系が同時に一行程で行え、効率の良
い省力作業ができるし、植付け深さと畝の中央部に植付
位置が安定して萌芽、生育、収穫時期が揃い、生産物の
品質向上を図ることができる。

しかも株間送りコンベアは接地輪の回転に連動して駆動
されるので、馬鈴薯の種芋の植付が正確に行われる。

（実施例） 以下、図面に示す実施例について説明する。

先ず、マルチ作業機から説明する。

第１図において、（１）は走行機体である農用トラクタ
ーで、（２）はそのエンジン、（３）はミッションケー
ス、（４）は前輪、（５）は後輪、（６）は後車輪、
（７）はPTO軸、（８）は運転席、（９）はハンドル、
（10）はロワーリンク、（11）はリフトリンク、（12）
はリフトアーム、（13）は昇降用油圧装置である。

（14）は高畝（15）を形成する畝立作業機で、（16）は
内盛型畝盛成形板、（17）は成形板（16）に耕土を供給
する畝盛ロータ、（18）はロータ（17）をPTO軸（７）
に連動連結する伝動ケースである。

（19）は高畝（15）に合成樹脂シート（20）を被せるマ
ルチ作業機で、マルチユニットを装備している。

（21）はその合成樹脂シート（20）のシートロール、
（22）はそのシート受ロールで、シートロール（21）か
ら繰り出す合成樹脂シート（20）をシート受ロール（2
2）で案内支持させるように形成されている。

（23）は接地輪としてのゲージホイルであり、（24）は
合成樹脂シート（20）の両側縁を高畝（15）の両側の裾
部に押付ける鎮圧輪である。

（25）は覆土輪で、内側の覆土輪（25）にはこれを補助
するために覆土板（26）がある。

以上のものは、馬鈴薯の種芋の２条植付けのもので、ト
ラクター（１）によって畝立作業機（14）及びマルチ作
業機（19）を牽引し、またトラクター（１）のPTO出力
によってディスクロータ（17）を駆動させ、該ディスク
ロータ（17）によって耕土を中央に寄せ集め、畝盛成形
板（16）によって高畝（15）を形成するとともに、シー
トロール（21）から繰り出す合成樹脂シート（20）はシ
ート受ロール（22）を介して鎮圧輪（24）の下側に送給
され、鎮圧輪（24）に押えられた合成樹脂シート（20）
側縁に覆土輪（25）により土を被せ、高畝（15）を合成
樹脂シート（20）で覆うものである。

通常は、植付け作業を別工程で植付けているが、本案に
あってはポテトプランターを以上のような畝成形マルチ
作業機に組み込むもので、その作溝器を畝成形同時マル
チ作業機のロータリの前に配置し、畝成形、同時マルチ
等の複合作業ができるようにしたものである。

そのポテトプランターを第４図をもとにして説明すれ
ば、（27）はホッパーで、この底部に馬鈴薯を１列に整
列する整列コンベア（28）がある。

以上のような装置の具体的構造は、ホッパー（27）の底
面が開口しており、この開口に沿って整列コンベア（2
8）のベルト（28a）が移動する。

ホッパー（27）のベルト前進方向に仕切枠（36）があ
り、この仕切枠（36）に面したホッパー（27）の側板
（27b）の下端はベルト（28a）との間に馬鈴薯１個分の
大きさを通す間隔があいており、仕切枠（36）は馬鈴薯
が整列された状態を維持するような空間とベルト（28
a）との間に間隔がないようになっている。したがって
ベルト（28a）が移動するとホッパー（27）に入れられ
た馬鈴薯は側板（27b）に制止され、下端の間隔から馬
鈴薯が１個ずつ通過して馬鈴薯は仕切枠（36）の壁につ
き当たり、ベルト（28a）の進行方向に対して横方向１
列ずつ整列するようになる。

この整列コンベア（28）から種芋を１個ずつ作溝器（2
9）に供給するために、株間送りコンベア（30）があ
り、この株間送りコンベア（30）と整列コンベア（28）
との間に中継装置（31）がある。

中継装置（31）は真空パッド（32）で、整列コンベア
（28）から横１列の４個同時に吸着して株間送りコンベ
ア（30）の隔板（30b）間に１個ずつ入るように供給す
るもので、コンプレッサーにつながるアーム（33）に真
空パッド（32）が取付けられており、アーム（33）は平
行四辺形運動を行うようになっている。

すなわち、整列コンベア（28）の仕切枠（36）の空間に
横１列に整列された馬鈴薯に向かって、下降してパッド
（32）で種芋を吸着する→種芋を吸着したアーム（33）
が上昇する→上昇したアーム（33）が株間送りコンベア
（30）上に横移動→下降してパッド（32）の吸着をとい
て種芋を株間送りコンベア（30）に供給する→種芋を株
間送りコンベア（30）に供給したアーム（33）は上昇す
る→アーム（33）は整列コンベア（28）上に復帰すると
いう運動を繰り返して行うもので、アーム（33）の平行
四辺形運動は上下シリンダーと左右シリンダーとの組み
合わせで行うことができる。

そして株間送りコンベア（30）には、ベルト（30a）に
馬鈴薯１個を入れることができる間隔に隔板（30b）が
複数植立されており、仕切枠（36）の横１列の馬鈴薯が
中継装置（31）から株間送りコンベア（30）のベルト
（30a）の進行方向に相前後して並ぶ隔板（30b）間に１
個ずつ馬鈴薯が供給される。

したがって株間送りコンベア（30）は、間隔板間の１仕
切に種芋を１個ずつ収めて、１個ずつ作溝器（29）にシ
ューター（35）を通じて供給するようになっている。

シューター（35）に向かって１個ずつ種芋は株間送りコ
ンベア（30）から供給されるが、これは接地輪であるゲ
ージホイル（23）からの適宜の伝動機構により、株間送
りコンベア（30）が間欠作動することによりなされる。

シューター（35）には欠株感知器を組み込み、欠株のあ
るとき装置を停止するようにする。

かくして、作溝と同時に、作溝器（29）中に１個ずつ種
芋は落とされ植付けられる。

本案のポテトプランターを組み込んだ畝成形マルチ作業
機による作業は、前作後の荒れた状態の畑面に対し植付
け作業をするのではなく、植付けられる状態に予め整地
された畑面に対して行うものである。

この整地に当たっては、別の耕耘機を用いるか、耕耘装
置をこのポテトプランターを組み込んだ畝成形マルチ作
業機の前側に組み込み設置したものを用いる。

畝作業機（14）における作溝器（29）は、この整地され
た畑面に対し、作溝するとともにこの作溝内に種芋を投
下供給する。

次いで、その後方において、作溝器（29）より外側にあ
る畝盛ロータ（17）によって、作溝中の種芋の上に畝盛
りをするとともに、次の内盛型畝盛成形板（16）にて、
その畝盛りを成形して高畝（15）を成形する。

このように種芋の上に畝立てされた後は、第１図に示す
ようにこれに続くマルチ作業機（19）におけるシートロ
ール（21）より合成樹脂シート（20）を繰出して、これ
を上記の畝盛りされた高畝（15）に被覆するのである
が、第３図に示すように、広幅のシートロール（21）よ
り繰出される合成樹脂シート（20）は、次の円弧状をな
すシート受ロール（22）を介して高畝（15）面に被覆さ
れるとともに、鎮圧輪ローラー（24）をもって合成樹脂
シート（20）を、高畝（15）の裾部において地面に鎮圧
するとともに、次の覆土輪（25）をもって裾部に覆土す
る。さらに内側にあっては、覆土板（26）をもって覆土
する。

以上のように、本案のものによれば、種芋の植付け、畝
成形、合成樹脂シートの被覆のマルチ等の複合作業が全
自動で行うことができる。

また、作溝器（29）による種芋の植付け位置と、畝盛ロ
ータ（17）の位置とは進行方向に対して異なるのである
から、この畝盛ロータ（17）によって、植付けられた種
芋が掻き混ぜられることはない。

【図面の簡単な説明】

第１図は畝成形マルチ作業機の全体図、 第２図は同上平面図、 第３図は同上背面図、 第４図及び第５図はポテトプランターの概念図であっ
て、第４図はプランター本体の、第５図は植付け、畝成
形、同マルチ迄の工程を示す、 第６図はポテトプランターを装着した作業機の部分正面
図である。 （14）……畝立作業機 （19）……マルチ作業機 （23）……ゲージホイル （27）……ホッパー （28）……整列コンベア （29）……作溝器 （30）……株間送りコンベア （31）……中継装置 （32）……真空パッド （33）……アーム （35）……シューター

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ホッパー底部に設けられた馬鈴薯をベルト
   上に整列せしめる整列コンベアと、ベルト上に複数の隔
   板を植立して隔板間に前記整列コンベアで整列された馬
   鈴薯を１個ずつ受けることができ、かつ接地輪の回転に
   連動してベルトが駆動される株間送りコンベアとを設け
   るとともに、整列コンベアから株間送りコンベアの隔板
   間に馬鈴薯が１個ずつ入るように引継ぐ中継装置を設
   け、株間送りコンベアの隔板間を作溝器のシューター入
   口に臨ましめて、株間送りコンベアから馬鈴薯を作溝器
   に１個ずつ落として植付けるようにしたポテトプランタ
   ーの作溝器を、畝成形同時マルチ作業機における畝盛ロ
   ータの前に配置したことを特徴とするポテトプランター
   を組み込んだ畝成形マルチ作業機。