JP2523280Y2

JP2523280Y2 - 移植機

Info

Publication number: JP2523280Y2
Application number: JP1990084640U
Authority: JP
Inventors: 修一清水; 英夫中島
Original assignee: Yanma Agricultural Equipment Co Ltd
Current assignee: Yanma Agricultural Equipment Co Ltd
Priority date: 1990-08-09
Filing date: 1990-08-09
Publication date: 1997-01-22
Anticipated expiration: 2005-08-09
Also published as: JPH0441213U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、野菜苗などを圃場に移植する移植機に関す
る。

（従来の技術）従来、野菜苗などを圃場に移植する場合には、例えば
特公平１−59856号公報に示されているように、耕耘装
置と畝成形機及びマルチフィルム敷設装置とを備えた移
動農機を用い、先ず、前記移動農機の耕耘装置で耕耘し
て前記畝成形機で畝を成形し、該畝上に前記マルチフィ
ルム敷設装置でマルチフィルムを敷設し、そして、斯か
る作業を終了した後に、例えば特開昭63−301711号公報
に示されているように、移植爪をもつた移植機を用い
て、前記マルチフィルムが敷設された畝上に野菜苗など
を移植するようにしている。

（考案が解決しようとする課題）ところが、以上のような移植作業を行うにあっては、
種類の異なる２つの農作業機を必要とし、しかも、種類
の異なる農作業機を使用して、２度にわたる作業を行う
必要があって、作業性が悪い問題があった。

本考案の目的は、圃場の耕耘作業と畝成形作業とマル
チフィルムの敷設作業及び移植作業とを、一貫した連続
作業で同時に行えながら、畝の高さが異なっても、植付
高さを常に一定に保持できる移植機を提供することにあ
る。

（課題を解決するための手段）本考案の移植機は、乗用形移動農機に連結可能とした
支持フレーム（１）と、耕耘装置（２）と、畝成形機
（３）と、この畝成形機（３）で成形される畝をマルチ
フィルム（Ｆ）で被覆するマルチフィルム敷設装置
（４）と、移植爪（68）をもつ移植装置（６）とを備
え、前記支持フレーム（１）に、耕耘装置（２）が最前
位置に位置するように、該耕耘装置（２）、畝成形機
（３）、マルチフィルム敷設装置（４）、移植装置
（６）がこの列挙した順序で支持され、移植装置（６）
の前部に畝に接地される接地輪（71）を設けると共に、
後部に移植爪（68）を設けて、移植装置（６）を支持フ
レーム（１）に、前記接地輪（71）の畝への接地位置に
応じて移植装置（６）の前部を中心として上下方向に揺
動可能に弾性支持することを特徴とする。

（作用）野菜苗などの移植作業時には、先ず、前記耕耘装置
（２）で圃場の土壌が耕耘され、前記畝成形機（３）に
より畝が成形されて、この畝上に前記マルチフィルム敷
設装置（４）でマルチフィルム（Ｆ）が敷設され、この
後前記敷設装置（４）に後続する前記移植機（６）の移
植爪（68）により、前記マルチフィルム（Ｆ）が敷設さ
れた畝上に野菜苗などの移植作業が連続して行われるの
であり、換言すれば、圃場の耕耘作業と畝成形機とマル
チフィルムの敷設作業及び移植作業とが、一貫した連続
作業で同時に行われる。

さらに、一貫した連続作業を同時に行えるだけでな
く、前記移植装置（６）は前記支持フレーム（１）に、
前記接地輪（71）の畝への接地位置に応じて移植装置
（６）の前部を中心として上下方向に揺動可能に弾性支
持されているので、前記畝成形機（３）で成形される畝
の高さが異なっているような場合でも、一貫した連続作
業を同時に行いながら、移植作業における植付高さを常
に一定に保持できる。

（実施例）第１図は移植機の全体構造を示しており、乗用形移動
農機の例として示すトラクタ（Ｔ）に、後方に向けて延
びる支持フレーム（１）を着脱可能に連結し、かつ、該
支持フレーム（１）の前部側を前記トラクタ（Ｔ）に設
けた上下昇降機構（Ｋ）に連結する。

そして、前記支持フレーム（１）の前部側に、ロータ
リー耕耘爪（21）をもった耕耘装置（２）を支持し、ま
た、この耕耘装置（２）の後方側で前記支持フレーム
（１）に、複数の畝成形機（３）と、該各畝成形機
（３）で成形される各畝上にマルチフィルム（Ｆ）を被
覆するマルチフィルム敷設装置（４）とをそれぞれ支持
する一方、これら畝成形機（３）と敷設装置（４）との
間に、その両者を跨ぐように覆土装置（５）を設けて、
この覆土装置（５）の後方側で前記支持フレーム（１）
に、複数の移植装置（６）を支持させる。

具体的に説明すると、前記支持フレーム（１）は、前
記トラクタ（Ｔ）の後部側に連結され、かつ、前記上下
揺動機構（Ｋ）に連結される前記耕耘装置（２）の支持
体（11）と、該支持体（11）から後方に延びる連結杆
（12）と、この連結杆（12）の後端に設けたヒッチ金具
（13）に連結される機枠（14）と、該機枠（14）から斜
下方に向けて延び、前記各畝成形機（３）を支持する支
持杆（15）と、前記機枠（14）から後方に向けて水平状
に延び、前記マルフィルム敷設装置（４）及び覆土装置
（５）を支持する平行リンク機構（16）と、この平行リ
ンク機構（16）の後部側に垂設された縦枠（17）と、該
縦枠（17）から後方に向けて延び、前記各移植装置
（６）を支持する移植フレーム（18）とで構成される。

前記支持フレーム（１）の支持杆（15）に支持される
前記各畝成形機（３）は、前記耕耘装置（２）の耕耘爪
（21）で耕耘された土壌を成形して畝立てを行う複数の
畝立器（31）と、該各畝立器（31）で形成される畝の溝
間を転動される複数の転動輪（32）とを備えている。

また、前記支持フレーム（１）の平行リンク機構（1
6）に支持される前記マルチフィルム敷設装置（４）
は、マルチフィルム（Ｆ）を巻装したフィルムロール
（41）と、前記マルチフィルム（Ｆ）の敷設両端を鎮圧
する鎮圧輪（42）とを備えている。

更に、前記平行リンク機構（16）は、平行状に延びる
上下２本のリンク（16a）（16b）と、これら各リンク
（16a）（16b）の前後両側を連結する連結部材（16c）
（16d）とから成り、前記下部リンク（16b）の下部側に
前記縦枠（17）から延びる取付杆（17a）を配設し、こ
の取付杆（17a）と前記下部リンク（16b）との間に架設
したロールホルダー（17b）を介して前記敷設装置
（４）のフィルムロール（41）を支持する。

そして、フィルムロール（41）の後部側に、前記取付
杆（17a）と下部リンク（16b）との間に架設した鎮圧輪
ホルダー（17c）を介して前記鎮圧輪（42）を支持させ
るようにしている。

また、前記平行リンク（16）の上部リンク（16a）と
上部側連結部材（16c）との間に角度調整機構を介装さ
せて、この角度調整機構で前記各リンク（16a）（16b）
を左右方向に揺動させることにより、前記マルチフィル
ム敷設装置（４）と後で詳述する覆土装置（５）と移植
装置（６）との全体を、前記トラクタ（Ｔ）の走行方向
に対し換言すると前記耕耘装置（２）に対し直交方向に
移動させて機体の左又は右にオフセットできるのであ
る。

この結果、前記トラクタ（Ｔ）を圃場で往復走行させ
ながら野菜苗などの移植作業を行うときに、前記耕耘装
置（２）及び畝成形機（３）で畝立てした前行程の畝間
に、前記敷設装置（４）の鎮圧輪（42）を走行してマル
チフィルム（Ｆ）の敷設ができるのであって、敷設され
たマルチフィルム（Ｆ）が、次行程の畝立て時、畝立器
（31）で荒らされたりするのを阻止することができる。

また、前記支持フレーム（１）における畝成形機
（３）とマルチフィルム敷設装置（４）との間には、そ
の前後間を跨ぐように覆土装置（５）を支持するのであ
って、この覆土装置（５）は、前記支持フレーム（１）
を構成する平行リンク（16）における上部リンク（16
a）の長さ方向中間部に設けたホルダー（16e）に支持さ
れ、前記畝成形機（３）の前部側から斜後上方に延びる
揚土部（51）と、該揚土部（51）の後端下方位置に配設
されたホッパー（52）と、このホッパー（52）から斜下
方に延びる複数の配土シュート（53）とを備えている。

そして、前記耕耘装置（２）で耕耘され、前記畝成形
機（３）で畝成形される以前の土壌一部を前記揚土部
（51）で後上方へと持ち上げて、該揚土部（51）の後方
上端から落下される土壌を前記ホッパー（52）で受止
め、このホッパー（52）から前記各シュート（53）を介
して、前記マルチフィルム敷設装置（４）の鎮圧輪（4
2）で鎮圧された前記マルチフィルム（Ｆ）上に覆土す
るようにしている。

さらに、前記移植装置（６）は、第２図で明らかにし
たように、野菜などのポット苗が多数収容された苗収容
体（Ａ）を後方側へと縦送りする苗台（61a）をもつ縦
搬送部（61）と、この縦搬送部（61）からポット苗を１
つづつ取出す苗取出爪（62）をもつ苗取出体（63）と、
その左右方向への横送り機構（64）とから成る苗取出部
（65）と、前記苗取出体（63）で取出されたポット苗を
下方側に落下案内させる一対の搬送ベルト（66）を備え
た上下搬送部（67）と、該搬送部（67）から落下案内さ
れたポット苗を受取り、所定の植付動作で圃場に移植す
る移植爪（68）をもった移植部（69）と、前記移植爪
（68）で移植されるポット苗に覆土する覆土輪（70）と
を備えている。

また、前記移植部（69）の前部側には、前記畝成形機
（３）で成形される畝上に接地して前記移植部（69）の
高さを調整する接地輪（71）を設けている。

尚、前記移植装置（６）はその駆動源にモータを用い
た電動式とし、前記トラクタ（Ｔ）側から電力の供給を
行うようにしている。斯くすることにより、前記移植装
置（６）をユニット化して取付ける場合、そのユニット
化が簡単に行える。

また、第１図の実施例では、前記縦搬送部（61）の前
部側に突出状に設ける苗台（61a）と、前記縦搬送部（6
1）の下部側に配設する前記苗収容体（Ａ）の回収台（6
1b）とを、前記覆土装置（５）の揚土部（51）に対し一
部重複状に配設して、全体長さを短くコンパクト化する
ようにしている。

また、以上のような各移植装置（６）を支持する前記
支持フレーム（１）の移植フレーム（18）は、第３図で
明らかにしたように、所定間隔を置いて前後方向に延び
る一対の縦杆（81）（82）と、これら各縦杆（81）（8
2）の前後両端に固定された一対の横杆（83）（84）と
で平面視方形状に形成され、この前方横杆（83）の中央
部に門形固定枠（85）を固定して、該固定枠（85）を前
記支持フレーム（１）を構成する縦枠（17）に連結す
る。

この場合、移植フレーム（18）は前記縦枠（17）に対
し、脱着可能に連結することにより、移植フレーム（1
8）を介してユニット化した各移植装置（６）の取付け
取外しが任意に行える。

そして、前記移植フレーム（18）の内部で前記前後横
杆（83）（84）の間には、前記各移植装置（６）を各別
にスイング可能に支持させるのであり、即ち、平行な一
対の支持杆（86）（87）を用いて、その前部側を筒軸
（88）で結合し、又、前記各支持杆（86）（87）の後部
側を概略逆Ｌ形状の支持板（89）で結合して、前記前方
横杆（83）に前記筒軸（87）を挿嵌することにより、こ
の筒軸（87）を中心に前記各支持杆（86）（87）を上下
揺動可能に支持する。

さらに、これら各支持杆（86）（87）の前記支持板
（89）近くに、前記移植装置（６）の各構成部品を支持
部材（90）を介して一体に組付ける一方、前記後方横杆
（84）上に別の筒軸（91）を挿嵌させて、該筒軸（91）
に、前記支持板（89）に設けた一対の貫通孔（89a）に
挿入されるピン（92）をそれぞれ突設させ、この各ピン
（92）上にスイングはね（93）をそれぞれ挿嵌させて、
前記各ピン（92）の突出先端側に抜止用ピン（94）を設
けることによって、前記移植装置（６）の全体を上下揺
動可能に支持させる。

また、前記各支持杆（86）（87）の前部側には、両者
を連結する取付部材（95）を架設して、この取付部材
（95）に揺動アーム（96）を介して前記移植部（69）の
高さを調整する前記接地輪（71）を上下揺動可能に支持
すると共に、前記揺動アーム（96）と前記各支持杆（8
6）（87）側との間に、前記接地輪（71）の僅かな動き
で一体化するスプリングなどを備えた緩衝装置（97）を
介装し、該緩衝装置（97）を介して前記接地輪（71）と
各支持杆（86）（87）との間隔を一定に保持するように
している。

しかして以上の移植機で圃場に野菜苗などの移植作業
を行うときには、前記トラクタ（Ｔ）上に搭乗して、該
トラクタ（Ｔ）で前記支持フレーム（１）の全体を牽引
することにより、先ず、前記耕耘装置（２）で土壌が耕
耘されて、前記畝成形機（３）で複数の畝が成形され、
この後前記マルチフィルム敷設装置（４）で前記各畝上
にマルチフィルム（Ｆ）が被覆され、これに連続してマ
ルチフィルム（Ｆ）が敷設された各畝上に、前記各移植
装置（６）によりポット苗の移植作業が行われる。

つまり、前記耕耘装置（２）による圃場の耕耘作業
と、前記畝成形機（３）による各畝の成形作業と、前記
マルチフィルム敷設装置（４）によるマルチフィルム
（Ｆ）の各畝上への敷設作業と、前記各移植装置（６）
による多条移植作業とが、一貫した連続作業で同時に行
われるのである。

さらに、以上のような多条移植作業時に、前記畝成形
機（３）で成形される畝の高さが異なっているような場
合には、前記各移植装置（６）は前記移植フレーム（1
8）に対し上下方向に揺動可能に弾性支持され、また、
前記接地輪（71）の上下動による前記緩衝装置（97）の
動作により、前記各移植装置（６）の植付高さが常に一
定に保持される。

尚、以上の実施例では、前記支持フレーム（１）を、
支持体（11）、連結杆（12）、機枠（14）、四連リンク
機構（16）、縦枠（17）及び移植フレーム（18）等によ
り構成したが、一つの基体フレームを用いて、このフレ
ームに、耕耘装置（２）、畝成形機（３）、マルチフィ
ルム敷設装置（４）及び移植装置（６）を支持してもよ
いし、また、移植装置は、多条植えタイプについて説明
したが、一条植えタイプにも適用できることは勿論であ
る。

（考案の効果）以上説明したように、本考案の移植機は、乗用形移動
農機に連結可能とした支持フレーム（１）と、耕耘装置
（２）と、畝成形機（３）と、この畝成形機（３）で成
形される畝をマルチフィルム（Ｆ）で被覆するマルチフ
ィルム敷設装置（４）と、移植爪（68）をもつ移植装置
（６）とを備え、前記支持フレーム（１）に、耕耘装置
（２）が最前位置に位置するように、該耕耘装置
（２）、畝成形機（３）、マルチフィルム敷設装置
（４）、移植装置（６）がこの列挙した順序で支持さ
れ、移植装置（６）の前部に畝に接地される接地輪（7
1）を設けると共に、後部に移植爪（68）を設けて、移
植装置（６）を支持フレーム（１）に、前記接地輪（7
1）の畝への接地位置に応じて移植装置（６）の前部を
中心として上下方向に揺動可能に弾性支持させたから、
従来のように、野菜苗などの移植作業を行うにあたっ
て、種類の異なる２つの農作業機を用い、２度にわたる
作業を行ったりすることなく、１つの移植機を用い１回
の作業でもって移植作業の全作業、つまり、圃場の耕耘
作業と畝成形作業とマルチフィルムの敷設作業及び移植
作業とを、一貫した連続作業で同時に行うことができな
がら、前記畝成形機（３）で成形される畝の高さが異な
っているような場合でも、植付高さを常に一定に保持で
きるので、作業性を著しく向上できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる移植機の全体構造を示す側面
図、第２図はその移植装置部分の拡大側面図、第３図は
同平面図である。（１）……支持フレーム（２）……耕耘装置（３）……畝成形機（４）……マルチフィルム敷設装置（６）……移植装置（68）……移植爪（71）……接地輪

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】乗用形移動農機に連結可能とした支持フレ
ーム（１）と、耕耘装置（２）と、畝成形機（３）と、
この畝成形機（３）で形成される畝をマルチフィルム
（Ｆ）で被覆するマルチフィルム敷設装置（４）と、移
植爪（68）をもつ移植装置（６）とを備え、前記支持フレーム（１）に、耕耘装置（２）が最前位置
に位置するように、該耕耘装置（２）、畝成形機
（３）、マルチフィルム敷設装置（４）、移植装置
（６）がこの列挙した順序で支持され、移植装置（６）の前部に畝に接地される接地輪（71）を
設けると共に、後部に移植爪（68）を設けて、移植装置
（６）を支持フィルム（１）に、前記接地輪（71）の畝
への接地位置に応じて移植装置（６）の前部を中心とし
て上下方向に揺動可能に弾性支持していることを特徴と
する移植機。