JP2509742Z - - Google Patents

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JP2509742Z
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【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は野菜苗などを圃場に移植する多乗植移植機に関する。 (従来の技術) 野菜苗の移植機として、機体の前部に走行用エンジンに連動する駆動輪を上下
動可能に設け、また、機体後部に移植爪をもつ複数の移植装置を機体幅方向両側
に条間隔をおいて配設して、前記駆動輪の上下調整により所定深さに多条植可能
とした自走歩行形移植機を先に提案した。(実願平1−133282号) (考案が解決しようとする課題) ところが、前記した移植機にあっては、複数の移植装置が、機体に対し上下動
不能に装着されていることから、畦の高さが各条において違っているような場合
、各移植装置による植付深さを一定にできない問題を有していた。 本考案の目的は、乗用形として作業性を向上でき、しかも、多条植ができなが
ら、各移植装置による植付深さを一定にできる多条植移植機を提供することにあ
る。 (課題を解決するための手段) 以上の問題を解決するために、本考案は乗用形移動農機に連結可能とした連結
部(8)をもつ支持フレーム(9)に、移植爪(18)をもつ移植装置(10)を機
体幅方向に条間隔をおいて多数配設して、これら移植装置(10)の各移植フレー
ム(10)を前記支持フレーム(9)に各別にスイング可能に支持すると共に、こ れら各移植フレーム(10)に、地面に接当して各移植フレーム(10)の対地高さ
を制御する検出輪(30)を設ける一方、各移植装置(10)の間隔を調整可能とした
のである。 (作用) 上記構成により、移植機で多条植を行う場合、前記支持フレーム(9)を、例
えばトラクタなどの乗用形移動農機に連結することにより乗用形として用いるこ
とができるので、その作業性を向上でき、また、多条植を行うに際し、各移植装
置(10)を前記検出輪(30)の作動により支持フレーム(9)に対し各別にスイ
ングできるので、畦の高さが各条において違っているような場合、各移植装置(
10)が支持フレーム(9)に対しそれぞれ独立してスイングして、各移植フレー
ム(20)の対地高さが一定になるよう制御されるのであり、これにより、各移植
装置(10)による植付深さを一定にできるのである。 また、移植装置(10)の間隔を調整することで、植付条間隔を変更することがで
きる。 (実施例) 第1図は本考案に係る多条植移植機をトラクタに連結した実施例を示している
。 前記トラクタは、機体(1)の前方上部にエンジン(2)を、また後方上部に
操縦席(3)を搭載すると共に、前記機体(1)の前部両側に前車輪(4)を、
また後部両側に前記エンジン(2)に連動する後車輪(5)をそれぞれ軸架して
、前記エンジン(2)の駆動に伴う前記後車輪(5)の回転駆動により前記機体
(1)を走行させるごとく成している。 また、前記機体(1)の後部には、1本のトップリンク(6)と2本のロアリ
ンク(7)を設け、これらトップリンク(6)及びロアリンク(7)を介して、
後記する多条植移植機を連結し、該トラクタにより、多条植移植機を牽引して多
条植作業を行うべく構成するのである。 しかして、前記多条植移植機は、前記トラクタのトップリンク(6)と各ロア
リンク(7)に連結可能とした連結部(8)をもつ平面視枠状の支持フレーム(
9)に、移植爪(18)をもつ移植装置(10)を機体幅方向に条間隔において多数
配設して、これら移植装置(10)の各移植フレーム(20)を前記支持フレーム (9)に各別にスイング可能に支持すると共に、これら各移植フレーム(20)に
、地面に接当して各移植フレーム(20)の対地高さを制御する検出輪(30)を設
けて構成するのである。 前記支持フレーム(9)は、第2図に示したように機体(1)の前後方向に延
び、所定間隔をおいて相対向する1対の縦杆(91)(92)と、機体(1)の左右
方向に延び、前記縦杆(91)(92)の前後端に連結固定される1対の横杆(93)
(94)とにより平面視方形枠状に形成され、前方横杆(93)の中央部には、該横
杆(93)の前方に突出状に固定される門形固定体(81)と、該固定体(81)の突
出側に支持され、かつ、この固定体(81)の機体幅方向両端部から外方に突出す
る前記ロアリンク(7)の連結軸(82)(82)と、前記固定体(81)の中間部か
ら上方に延び、その上部にトップリンク(6)の連結軸(83)をもつ連結体(84
)とから成る3点式連結部(8)を設けている。斯くして、手前記ロアリンク(
7)(7)及びトップリンク(6)の連結端に前記連結部(8)の各連結軸(82
)(82)(83)をそれぞれ回動自由で、かつ、着脱可能に連結するのである。 尚、第2図において(82a)は、ロアリンク(7)(7)の連結軸(82)(82
)に対する抜止めピンであり、(83a)は、前記連結軸(83)に螺合するナット
である。 また、前記移植装置(10)は、野菜苗のポット苗が縦横に多数収容された苗収
容体(A)を後方に縦送りする縦搬送部(11)と、この縦搬送部(11)の搬送終
端側で、前記苗収容体(A)からポット苗を1つづつ取出す苗取出爪(12)をも
つ苗取出体(13)と、その左右方向への横送り機構(14)とから成る苗取出部(
15)と、前記苗取出体(13)で取出されたポット苗を下方側に落下案内する一対
の搬送ベルト(16)を備えた上下搬送部(17)と、この上下搬送部(17)から落
下案内されたポット苗を受取り、上下方向に移動する所定の植付動作を行って圃
場に移植する開閉自在の移植爪(18a)をもつ移植部(18)と、前記移植爪(18a
)に同調して上下動する覆土部(19)とを備えている。そして、これら縦搬送部
(11)、苗取出部(15)、上下搬送部(17)及び移植部(19)を支持する移植フ
レーム(20)は、第1図及び第2図に示されているように所定間隔を置いて相対
向する1対の支持杆(21)(22)と、これら支持杆(21)(22)の一端部 を連結する支持筒(23)と、前記支持杆(21)(22)の後端部を連結する逆L形
の支持板(24)とから平面視長方形状に形成されており、該移植フレーム(20)
の前記支持板(24)近くに、前記縦搬送部(11)と苗取出部(15)と上下搬送部
(17)と移植部(18)を支持部材(25)を介して支持し、かつ、前記縦搬送装置
(11)の苗台(26)を前記支持筒(23)側に配設し、その下方に苗収容体(A)
の回収台(27)を配設している。 また、以上のごとく構成する各移植装置(10)を前記支持フレーム(9)にス
イング可能に支持する支持構造としては、前記移植フレーム(20)の支持筒(23
)を支持フレーム(9)の前方横杆(93)外周に嵌入し、前記移植フレーム(20
)を前方横杆(93)を中心軸として回動自由に支持する一方、前記支持板(24)
の上面部に1対の貫通孔(24a)(24a)を形成すると共に、前記後方横杆(94)
の外周に、前記貫通孔(24a)(24a)に符合する1対の支持ピン(95)(95)を
立設した筒軸(96)を回転自由に嵌入し、かつ、前記各支持ピン(95)(95)に
スイングバネ(97)を嵌め込んだ状態で該支持ピン(95)(95)を前記支持板(
24)の前記貫通孔(24a)(24a)に嵌入すると共に、支持ピン(95)(95)の先
端部に前記支持板(24)の抜止用ピン(98)を係止するのである。 また、前記筒軸(96)の両端部には、該筒軸(96)の軸方向への移動を阻止す
る位置保持具(99)(99)が設けられている。 この位置保持具(99)は、例えば後方横杆(94)に挿嵌される保持筒(99a)
と固定ボルト(99b)から成り、前記固定ボルト(99b)を緩めることによって、
前記保持筒(99a)、つまり、筒軸(96)は後方横杆(94)に対し軸方向への移
動が可能となり、これにより、前記筒軸(96)と支持筒(23)とを前後両横杆(
93)(94)の軸方向に移動することにより、所望の植付条間に合わせて移植装置
(10)(10)間の間隔を調節することができる。 尚、この位置保持具(99)は、実施例の如く筒軸(96)側に設ける他、支持筒
(23)側に設けてもよいし、さらに筒軸(96)と支持筒(23)との両方に設けて
もよい。 また、前記各移植フレーム(20)の前記支持筒(23)と移植部(18)との中間
下部位置には、地面に接当して各移植フレーム(20)の対地高さを制御する検出 輪(30)が、緩衝装置(31)を介して支持されている。 この場合、第1図に示したように前記支持杆(21)(22)間に取付部材(27)
を架設し、該取付部材(27)に、前記検出輪(30)を回転自由に支持する揺動ア
ーム(30a)を揺動可能に支持すると共に、前記支持杆(21)(21)の検出輪上
方位置に架設板(28)を取付け、該架設板(28)と前記揺動アーム(30a)との
間に、一端側が架設板(28)に軸方向に移動可能に支持され、他端が前記揺動ア
ーム(30a)の長さ方向中間部に軸支される軸杆(32)と、該軸杆(32)の外周
で、該軸杆(32)の揺動アーム(30a)側と架設板(28)との間に介装され、前
記検出輪(30)の僅かな動きで一体化するスプリング(33)とから成り、微少動
作を吸収する緩衝装置(31)を配設して、この緩衝装置(31)を介して前記検出
輪(30)と移植フレーム(20)の間隔を一定に保持すべく構成している。 尚、前記各移植装置(10)の駆動は、例えば、前記トラクタの後部に設けるPT
O 軸(図示せず)に、多数の動力取出軸をもつ取出装置(図示せず)を設け、該
取出装置の各取出軸と前記各移植装置(10)における伝動装置(40)の入力軸(
図示せず)とを可撓駆動軸(図示せず)を介してそれぞれ連動連結するのである
。そして、移植装置(10)でポット苗を畦上面に移植する場合には、前記各移植
装置(10)の前進に伴って株間検出スイッチ(図示せず)により株間を検出し、
該検出スイッチの検出信号に基づいて、前記伝動装置(40)への駆動力を、電磁
クラッチ等により間歇的に取出して、前記縦搬送部(11)、苗取出部(15)、上
下搬送部(17)及び移植部(19)を間歇的に駆動させてポット苗を畦上面に移植
するのである。 しかして、以上の如く構成する多条植移植機で移植を行う場合、オペレータは
トラクタに乗り、該トラクタで、移植装置(10)を機体幅方向に条間隔をおいて
多数配設した支持フレーム(9)を牽引することにより多条植が行えるのであり
、これにより、自走歩行形移植機に比べ、その作業性を著しく向上でき、しかも
、多条植を行うに際し、各移植装置(10)が支持フレーム(9)に対し各別にス
イングできるので、畦の高さが各条において違っているような場合、第3図に示
したように各移植装置(10)、つまり、移植フレーム(20)が支持フレーム(9
)に対しそれぞれ独立して検出輪(30)の畦面への接当を基にスイングバネ(97
) を圧縮又は伸縮してスイングし、各移植フレーム(20)の対地高さが一定になる
よう制御されるのであり、これにより、各移植装置(10)による植付深さを一定
にできるのである。 また、実施例のごとく、前記縦搬送装置(11)の苗台(26)が前記支持筒(23
)側、つまり、操縦席(3)の後方位置に位置するよう配設することにより、各
苗台(26)への苗の補給が操縦席(3)より容易に行うことができる。 また、前記各移植装置(10)(10)間の間隔を調節したい場合には、前記固定
ボルト(99a)を緩めることにより、前記保持筒(99a)、つまり、筒軸(96)が
後方横杆(94)に対し軸方向への移動が可能となり、この結果、前記筒軸(96)
と支持筒(23)とを前後両横杆(93)(94)の軸方向に移動することにより、移
植装置(10)を移動させることができ、これにより、所望の植付条間に合わせて
移植装置(10)(10)間の間隔を調節することができるのである。 (考案の効果) 本考案は以上のように乗用形移動農機に連結可能とした連結部(8)をもつ支
持フレーム(9)に、移植爪(18)をもつ移植装置(10)を機体幅方向に条間隔
をおいて多数配設して、これら移植装置(10)の各移植フレーム(20)を前記支
持フレーム(9)に各別にスイング可能に支持すると共に、これら各移植フレー
ム(20)に、地面に接当して各移植フレーム(20)の対地高さを制御する検出輪
(30)を設けたものであるから、乗用形として作業性を向上でき、しかも、多条
植ができながら、各移植装置(10)による植付深さを一定にできるのである。 また、植付条の間隔を変更することができるので、機械で多条植え可能な作物
の対象を広げることができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本考案に係る多条植移植機をトラクタに連結した状態の一部切欠き側
面図、第2図は多条移植機の平面図、第3図はスイング状態を示す説明図である
。 (8)……連結部 (9)……支持フレーム (10)……移植装置 (18)……移植爪 (20)……移植フレーム (30)……検出輪

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】乗用形移動農機に連結可能とした連結部(8)をもつ支持フレーム
    (9)に、移植爪(18)をもつ移植装置(10)を機体幅方向に条間隔をおいて多
    数配設して、これら移植装置(10)の各移植フレーム(20)を前記支持フレーム
    (9)に各別にスイング可能に支持すると共に、これら各移植フレーム(20)に
    、地面に接当して各移植フレーム(20)の対地高さを制御する検出輪(30)を設
    ける一方、各移植装置(10)の間隔を調整可能としたことを特徴とする多条植移植
    機。

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