JPH07274627A - 苗移植方法並びに移植作業車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 耕起直後の圃場面に苗を移植させ、移植機に
よって移植される苗の植付け深さ及び植付け姿勢を略均
等に得ることができ、粘土質など硬化し易い圃場でも支
障なく移植作業を行うことができるものである。 【構成】 耕起手段１１によって圃場面を耕起する作業
を行った直後に、移植機によって圃場耕起面に苗を移植
する作業を行うことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば圃場の畦上面に
野菜苗を植付ける移植方法並びに移植作業車に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、特願平５−３４３８２５号明細書
に示す如く、トラクタで構成する走行車に、野菜苗の移
植機を装備させ、野菜の苗を圃場面に連続的に植付ける
技術がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記従来技術は、耕耘
畝を作業によって畝を形成した後に雨が降り、その後に
畝表面が乾燥したとき、畝表面の土が硬化するから、そ
の状態で移植機によって苗植付け作業を行っても、植付
爪の土中突入動作が極めて不安定となり、例えば硬化し
た板状の土が割れるように植付爪によって畝上面に孔が
形成され易く、そのため植付爪によって植付けられた苗
周辺に土の塊が形成され、覆土時に苗が損傷し易いと共
に、畝表面の硬化した土が植付爪によって塊状態で押し
退けられ、植付爪によって形成される孔の深さ及び大き
さが不均一になり易く、植付爪の苗植付け深さ及び苗植
付け姿勢が均等に容易に得られず、野菜の成育に悪影響
を及ぼす等の問題があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】然るに、本発明は、耕起
手段によって圃場面を耕起する作業を行った直後に、移
植機によって圃場耕起面に苗を移植する作業を行うもの
で、耕耘作業後に降雨などによって圃場面が硬化して
も、苗を移植する圃場面を移植直前に耕起し、硬化した
表面の土を解し、耕起直後の圃場面に苗を移植させるか
ら、移植機によって移植される苗の植付け深さ及び植付
け姿勢が略均等に得られ、粘土質など硬化し易い圃場で
も支障なく移植作業を行い得るものである。

【０００５】また、移植機前部に耕起手段を設け、該耕
起手段によって圃場面を耕起し乍ら後方の植付爪によっ
て苗の移植を行うように構成したもので、移植機によっ
て移植される苗の植付け深さ及び植付け姿勢が略均等に
得られ、粘土質など硬化し易い圃場でも支障なく移植作
業を行い得ると共に、圃場面の耕起と苗の移植を略同時
に行うから、移植作業能率を向上し得、また耕起位置と
移植位置を容易に一致させ得、耕起手段の小型簡略化な
どを容易に行い得るものである。

【０００６】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述
する。図１はカルチベータを設けた全体の平面図、図２
はカルチベータの平面説明図、図３は同側面図、図４は
同平面図である。図中（１）は作業者が搭乗する走行車
であるトラクタであり、後部両側に左右後輪（２）
（２）を設け、前記後輪（２）（２）の間に運転席
（３）を取付け、前記運転席（３）前方に操向ハンドル
（４）を設け、該ハンドル（４）前方にボンネット
（５）を配設させる。また、従来のトラクタと同様に、
前記ボンネット（５）にエンジンを内設させ、ボンネッ
ト（５）両側下方に左右前輪（６）（６）を装設し、前
輪（６）及び後輪（２）をエンジンによって駆動して前
後進させると共に、操向ハンドル（４）によって前輪
（６）を方向転換させて走行進路を変更するように構成
している。

【０００７】また、運転席（３）右側の昇降レバー
（７）操作によって油圧駆動させるリンク機構（８）を
介して四角パイプ形ツールバー（９）をトラクタ（１）
後側に昇降自在に装着させると共に、左右方向に略水平
に横架させる前記ツールバー（９）に複数のヒッチ（１
０）…を着脱自在に取付け、各ヒッチ（１０）…を介し
て耕起手段である中耕作業用の複数組のカルチベータ
（１１）…を装着させる。

【０００８】さらに、図２乃至図６に示す如く、リフト
アーム（１２）を介して上下に揺動させるリンク機構
（８）にトップリンク（１３）及びロワーリンク（１
４）を備え、各リンク（１３）（１４）を牽引フレーム
（１５）を介してツールバー（９）の左右幅略中央に連
結させると共に、前記ヒッチ（１０）をツールバー
（９）に当て板（１６）を介してボルト（１７）…止め
固定させ、４組のヒッチ（１０）…を取付け間隔調節自
在に略等間隔にツールバー（９）に取付ける。また、図
３に仮想線で示すスタンド（１８）を着脱自在に設ける
筒体（１９）を左右機外側の当て板（１６）（１６）に
一体固定させ、当て板（１６）を介してスタンド（１
８）を取付け、各リンク（１３）（１４）と牽引フレー
ム（１５）を分離させるように構成している。

【０００９】さらに、前記ヒッチ（１０）にヒッチピン
（２０）を介してヒッチブラケット（２１）を着脱自在
にかつ水平方向回動自在に連結させ、ヒッチブラケット
（２１）に止めボルト（２２）を介して高さ調節自在か
つ着脱自在にカルチベータ（１１）を取付ける。また、
前記ボルト（２２）を介してヒッチブラケット（２１）
に前端垂直部を固定させる側面視Ｌ形のカルチベータフ
レーム（２３）と、取付け間隔調節自在な左右一対の前
爪（２４）（２４）と、左右の前爪（２４）（２４）の
略中間後方に設ける後爪（２５）と、尾輪（２６）と、
均平板（２７）を、前記カルチベータ（１１）に備え
る。前記カルチベータフレーム（２３）の水平部前側に
支点フレーム（２８）中間を溶接固定させ、支点フレー
ム（２８）両端に軸（２９）（２９）を介して水平回転
自在な揺動アーム（３０）（３０）前端側を連結させ、
左右一対の各揺動アーム（３０）（３０）後端側に左右
一対の前爪（２４）（２４）を着脱自在にボルト止め固
定させ、手動回転可能な止め軸（３１）によってカルチ
ベータフレーム（２３）に固定させる間隔調節リンク
（３２）（３２）に各揺動アーム（３０）（３０）後端
を連結させ、カルチベータフレーム（２３）両側に左右
の前爪（２４）（２４）を取付け幅変更自在に設ける。

【００１０】また、前記止め軸（３１）後側のカルチベ
ータフレーム（２３）に角筒状体（３３）を介して円筒
形の支点軸受（３４）を後方に抜取り可能にボルト止め
固定させ、前記軸受（３４）に支点軸（３５）を介して
左右の均平フレーム（３６）（３６）前端を回転自在か
つ取外し自在に軸支させ、カルチベータフレーム（２
３）の上面に当接させる下降規制アーム（３７）を均平
フレーム（３６）に一体固定させると共に、左右均平フ
レーム（３６）（３６）後端に前記均平板（２７）を一
体固定させ、支点軸（３５）を中心に均平板（３７）を
昇降自在に取付け、また下降規制アーム（３７）がカル
チベータフレーム（２３）に当接して前記均平板（２
７）を所定高さ以上に支持するように構成している。

【００１１】さらに、前記角筒状体（３３）後側のカル
チベータフレーム（２３）にブラケット（３８）を介し
て後爪（２５）を着脱自在に固定させ、左右の前爪（２
４）（２４）の略中間後方に後爪（２５）を配置させる
と共に、尾輪（２６）を回転自在に支柱（３９）下部に
軸支させ、支柱（３９）上部をカルチベータフレーム
（２３）後端部にブラケット（４０）を介して高さ調節
自在かつ着脱自在に固定させ、後爪（２５）後方に尾輪
（２６）を配置させるもので、図７に示す如く、耕耘畝
立作業によって形成した畝（４１）上面に前爪（２４）
（２４）及び後爪（２５）の各先端部を突入させ、トラ
クタ（１）の牽引により各爪（２４）（２５）によって
畝（４１）上面を耕起し、耕起によって解した後の畝
（４１）上面の土を均平板（２７）によって均平にする
ように構成している。

【００１２】さらに、図８乃至図１０に示す如く、前記
トラクタ（１）後側の昇降リンク機構（８）に設けるツ
ールバー（４２）を介して昇降自在に取付ける野菜苗の
移植機（４３）を備え、前記ツールバー（４２）を介し
て装設させる左右一対の植付ユニット（４４）（４４）
によって２条植え構造の移植機（４３）を構成するもの
で、ユニットフレーム（４５）と、該フレーム（４５）
に上下レール（４６）（４７）を介して前後方向に往復
摺動させる苗載台（４８）と、苗載台（４８）上面の苗
トレイ（４９）から１株分のポット苗を取出す箸形取出
爪（５０）と、該取出爪（５０）からポット苗を受取っ
て圃場面に植付けるホッパ形植付爪（５１）と、植付爪
（５１）の苗植付部前方の圃場面を鎮圧する均平ローラ
（５２）と、植付爪（５１）によって植付けられたポッ
ト苗の覆土を行う左右一対の培土ローラ（５３）（５
３）を、前記各植付ユニット（２３）（２３）に夫々備
えている。

【００１３】そして、前記取出爪（５０）及び植付爪
（５１）を所定軌跡上で苗取出及び苗植付の各動作を夫
々行わせると共に、苗載台（４８）の前後方向往復移動
による苗横送り並びに苗載台（４８）傾斜下端側への苗
トレイ（４９）移動による苗縦送りの各動作を夫々行わ
せ、所定植付け間隔でポット苗を圃場の畝（４１）上面
に連続的に植付けるもので、耕起手段であるカルチベー
タ（１１）によって圃場面を耕起する作業を行った直後
に、移植機（４３）によって圃場耕起面に苗を移植する
作業を行い、耕耘畝立作業後に降雨などによって圃場の
畝（４１）面が硬化しても、苗を移植する圃場の畝（４
１）面を移植直前に耕起し、硬化した表面の土を解し、
耕起直後の圃場の畝（４１）面に苗を移植させるから、
移植機（４３）によって移植される苗の植付け深さ及び
植付け姿勢を略均等に得ることができ、粘土質など硬化
し易い圃場でも支障なく移植作業を行うことができるも
のである。

【００１４】さらに、図１１、図１２に示す如く、前記
移植機（４３）を取付けるツールバー（４２）に支柱
（５４）上端側を着脱自在に固定させると共に、上記カ
ルチベータ（１１）のフレーム（２３）後部を前記支柱
（５４）下端側に高さ調節自在に固定させ、カルチベー
タ（１１）と植付爪（５１）を前後に略直線上に配置さ
せるもので、移植機（４３）前部に耕起手段であるカル
チベータ（１１）を設け、該カルチベータ（１１）によ
って圃場面を耕起し乍ら後方の植付爪（５１）によって
苗の移植を行うように構成する。そして移植機（４３）
によって移植される苗の植付け深さ及び植付け姿勢が略
均等に得られ、粘土質など硬化し易い圃場でも支障なく
移植作業を行うことができると共に、圃場の畝（４１）
面の耕起と苗の移植を略同時に行うから、移植作業能率
を向上させることができ、また耕起位置と移植位置を容
易に一致させることができ、カルチベータ（１１）の小
型簡略化などを容易に行うことができるものである。

【００１５】なお、図１１、図１２において、カルチベ
ータ（１１）をトラクタ（１）の後部に設けたが、トラ
クタ（１）の前部または中間部にカルチベータ（１１）
を取付けることができると共に、カルチベータ（１１）
によって耕起手段を形成したが、回転駆動させる耕耘爪
またはプラウなどによって耕起手段を形成することも行
える。また、図１２に示す如く、２条分の畝（４１）
（４１）を跨ぐ左右後輪（２）（２）の幅内にカルチベ
ータ（１１）及び左右植付爪（５１）（５１）を配設さ
せることにより、移植機（４３）側の重量物を中央前方
寄りに集中させて取付けることができ、しかも左右苗載
台（４８）（４８）を対向させることによって左右植付
ユニット（４４）（４４）を独立して構成し易く、左右
植付ユニット（４４）（４４）別に着脱でき、また２本
の畝（４１）（４１）幅に応じて左右植付ユニット（４
４）（４４）及び左右カルチベータ（１１）（１１）の
左右取付け間隔調節などを容易に行うことができる。

【００１６】

【発明の効果】以上実施例から明らかなように本発明
は、耕起手段（１１）によって圃場面を耕起する作業を
行った直後に、移植機（４３）によって圃場耕起面に苗
を移植する作業を行うもので、耕耘作業後に降雨などに
よって圃場面が硬化しても、苗を移植する圃場面を移植
直前に耕起し、硬化した表面の土を解し、耕起直後の圃
場面に苗を移植させるから、移植機（４３）によって移
植される苗の植付け深さ及び植付け姿勢を略均等に得る
ことができ、粘土質など硬化し易い圃場でも支障なく移
植作業を行うことができるものである。

【００１７】また、移植機（４３）前部に耕起手段（１
１）を設け、該耕起手段（１１）によって圃場面を耕起
し乍ら後方の植付爪（５１）によって苗の移植を行うよ
うに構成したもので、移植機（４３）によって移植され
る苗の植付け深さ及び植付け姿勢が略均等に得られ、粘
土質など硬化し易い圃場でも支障なく移植作業を行うこ
とができると共に、圃場面の耕起と苗の移植を略同時に
行うから、移植作業能率を向上させることができ、また
耕起位置と移植位置を容易に一致させることができ、耕
起手段（１１）の小型簡略化などを容易に行うことがで
きるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】カルチベータを設けた全体の平面図。

【図２】カルチベータの平面説明図。

【図３】同側面図。

【図４】同平面図。

【図５】同拡大側面図。

【図６】同拡大平面図。

【図７】畝の耕起説明図。

【図８】移植機の全体の側面図。

【図９】同平面図。

【図１０】同背面図。

【図１１】カルチベータを設けた移植機の側面図。

【図１２】同平面図。

【符号の説明】

（１１） カルチベータ（耕起手段） （４３） 移植機 （５１） 植付爪

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 耕起手段によって圃場面を耕起する作業
   を行った直後に、移植機によって圃場耕起面に苗を移植
   する作業を行うことを特徴とする苗移植方法。
2. 【請求項２】 移植機前部に耕起手段を設け、該耕起手
   段によって圃場面を耕起し乍ら後方の植付爪によって苗
   の移植を行うように構成したことを特徴とする移植作業
   車。