JPH0327362Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、移植機の後部に牽引させて使用する
高畦成形機に関するものである。

従来より、ビート、玉ねぎ、とうもろこし等の
畑作物を多くの利点を有する高畦で栽培すること
は広く知られているところである。

この高畦栽培は、従前においては人手または高
畦成形機によつてまず高畦をつくり、当該作物の
苗の移植をその高畦に対し行うようにしていた
が、最近では、先に当該作物の苗を移植機により
浅く植え付けておき、その苗に両側から培土する
ことによつて高畦にすることがより有利であるこ
とに着目し、そのための高畦成形機が提案されて
いる。しかし、既に知られている高畦成形機は、
その培土を、回転する１対のデスク形覆土器で行
う構成のものであるから、高速運転すると土をは
ね上げてしまい折角移植した苗を埋設させる欠点
があつた。

例えば実公昭58−50817号公報記載の装置は、
移植機の後端に固定した副枠の両側にデスク形覆
土器を取り付けるとともに、その副枠の中央部に
取り付けた牽引杆に断面コ字形保護板を設けて、
上記デスク形覆土器による土はねをさけかつ鎮圧
輪により鎮圧して、所期の高畦を形成することに
し、上記欠点を解消している。

しかし、上記装置は凹凸のない平坦な畑地で一
定の作業速度では植え付けた苗が土をかぶること
もなく良好な成績を示すが、畑地の凹凸や土質等
の条件が変化すると土の流動が変わつて培土量が
不足し浅植えとなるとか、あるいは上記保護板の
通過後多量の土がなだれ込んで適正な植付け状態
とはならない欠点がある。そこで、この土のなだ
れ込みを防止するため上記保護板を鎮圧輪の方へ
延長させるということも考えられるが、このよう
にすると今度は土の流動がなくなり鎮圧輪が、そ
の前方に土をだいて押すことになるために高畦の
形状が安定しなくなるという欠点を生じる。

本考案の目的は畑地用移植機の後部に１対のデ
スク形覆土器と１対の鎮圧輪を牽引させ植え付け
た苗に培土、鎮圧して高畦を形成する高畦成形機
において、デスク形覆土器と鎮圧輪との間に接地
回転する弾性円盤を設け、該円盤の前側と後側を
デスク形覆土器と鎮圧輪にオーバーラツプさせた
構成によつて、上記欠点を解決しようとするもの
である。

以下には本考案の実施例を紙筒苗用の移植機に
装着した場合について説明する。

第１図に示す移植機の機枠１の上部に設けられ
た苗台２は、その前方を適宜の手段により機枠１
に取付け、後方を上下高さ調節できる支持杆３を
介して後輪４により支持されている。

５は荷重調節装置で、それは苗台２の荷重の一
部を機枠１にかけるために苗台２の下部に設けら
れ、それに付設したハンドル６を回転させてスプ
リングの締め付けを加減することにより荷重を分
配するようにしてある。

移植機は、機枠１の前方に起立させたフレーム
７に所要の手段を介し連結した図示しないトラク
ター等により牽引すると、機枠１の下方に設けた
レベルホイール８、ローリングコルタ９、駆動輪
１０が接地回転して矢印ａ方向に前進するもので
あり、座席１１に坐つた作業者が苗台２上に載置
した紙筒苗Ｐを１列ずつ剥離し、苗供給装置１２
上に置くと、その列状の紙筒苗Ｐは、該苗供給装
置１２の端部まで搬送されたところでたて送りベ
ルト１３に接して分離状態の各個の紙筒苗Ｐとな
り、さらに下方に搬送される。

たて送りベルト１３の搬送端部にはこれとかわ
す位置に１組のゴム製円盤よりなる植付輪１４が
設けられていて、紙筒苗Ｐは、その葉部方向を植
付輪１４に挟持される。

上記において、苗供給装置１２、たて送りベル
ト１３及び植付輪１４は適宜の手段により前記駆
動輪１０と連動するようにしてあり、したがつ
て、紙筒苗Ｐの受け渡しは連続しかつ植付輪１４
に挟持された紙筒苗Ｐは、オープナー１５が作溝
した溝内に送給されて植え付けられる。

高畦移植をするには、機枠１の後部に設けた植
深調整ハンドル１６を調節して上記植え付けを浅
植えとなし、後続する本考案高畦成形機により両
側から培土するとともに鎮圧して、高畦を形成す
るものである。

本考案高畦成形機は、上記移植機の機枠１に固
定したヨーク１７に装着して使用するもので、そ
の構成は次のとおりである。

前方を立ち上がらせＬ字形をなす取付杆１８の
前方を上記ヨーク１７に連結固定し、水平部を前
記植付輪１４の進行後方に位置させている。

２０は取付杆１８の水平部上面に立ち上がらせ
たステー１９の上部に横架した横杆、２１，２１
はその横杆２０の両端部であつて当該畦の幅と対
応する間隔で回動自在に支持した竪杆、２２，２
２はその竪杆２１，２１の上部に固定したアジヤ
ストスパナ、２３，２３は竪杆２１，２１の下部
に所要の回動ができるようにして設けたデスク形
覆土器で、このデスク形覆土器２３，２３はアジ
ヤストスパナ２２，２２の操作により竪杆２１，
２１を介して回動しその開度を適宜調節できるも
のである。

デスク形覆土器２３，２３は、上記移植機の前
進により回転し、前記のようにして植え付けられ
た紙筒苗Ｐの周囲に土を寄せるが、その寄せられ
る土の量はアジヤストスパナ２２，２２を内方向
に向けると多くなり外方向に向けると少なくなる
ように設定してある。

したがつて、左右同量の土が寄せられるように
すると前記した浅植えとなつた紙筒苗Ｐの左右周
辺に土がより高畦が作られることになる。

デスク形覆土器２３，２３は内側に向かう椀状
をなしていて、上記の回転により土を一旦持ち上
げて落下させるので、圃場条件が悪化すると、こ
のデスク形覆土器２３，２３により盛り上げられ
た土が植え付けられている紙筒苗Ｐを埋め込む状
態になだれ込み、それが取付杆１８の端部に設け
た鎮圧輪２４，２４により鎮圧されることになり
適正な植え付けを阻害する。

従来、このような場合には、デスク形覆土器２
３，２３の角度をアジヤストスパナ２２，２２で
常時調節をすることにより、そのなだれ込みを防
止せざるを得なかつたものである。

しかし、本考案においては、上記デスク形覆土
器２３，２３の後方であつて、かつ、鎮圧輪２
４，２４の前方に１対のの弾性円盤２５，２５
を、その前側と後側がデスク形覆土器２３，２３
及び鎮圧輪２４，２４とこれらの内側においてオ
ーバーラツプするようにして取付杆１８に回転自
在に取り付けている。

この弾性円盤２５，２５は、通常３mm程度の肉
厚のゴム板を使用するが、これと同じ程度の物性
を有する弾性円盤ならばゴム板以外でも使用でき
る。

また、弾性円盤２５，２５の取付杆１８への装
着は次のようにしおこなつている。すなわち、取
付杆１８に取付金具２６をその両側を斜めに立ち
上がらせて固定し、その立上がり部に直角方向に
向けて設けた軸２７に軸受２８を回転自在に取り
付け、該軸受２８の周辺に固定したバツクアツプ
プレート２９の周辺に、弾性円盤２５，２５の中
央部を固定することによつて取り付けているもの
である。

この弾性円盤２５，２５を設けたことにより前
記高畦形成時の土のなだれ込みは防止され、かつ
それが鎮圧輪２４，２４とオーバーラツプしてい
るので、鎮圧時になだれ込む土を押し付けて植付
姿勢を崩すようなことはない。

以上詳述の如く、本考案は、弾性円盤が高畦形
成時の土のなだれ込みを防止するものであり、し
かも弾性円盤はその弾性によりなだれ込み時の土
圧により変形するにより、紙筒苗Ｐを埋めてしま
うような土量となるのを防止する。

なお、本考案の高畦成形機は前記紙筒苗移植機
のほか各種畑用移植機に適用することができ、過
量の覆土を防止できるものである。

【図面の簡単な説明】

図面第１図は本考案の高畦成形機を装着して示
す紙筒苗移植機の側面図、第２図は本考案の高畦
成形機の平面図、第３図は同上の背面図、第４図
は弾性円盤の取付け状態を示す要部の拡大断面図
である。 ２３……デスク形覆土器、２４……鎮圧輪、２
５……弾性円盤、１８……取付杆。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 畑地用移植機の後部に１対のデスク形覆土器と
   １対の鎮圧輪を牽引させ植え付けた苗に培土、鎮
   圧して高畦を形成する高畦成形機において、デス
   ク形覆土器と鎮圧輪との間に接地回転する弾性円
   盤を設け、該円盤の前側と後側をデスク形覆土器
   と鎮圧輪にオーバーラツプさせたことを特徴とす
   る高畦成形機。