JPH063946Y2 - テールゲートのヒンジ構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、例えばバン型車両におけるテールゲートの
ヒンジに関し、詳しくは下開き（上下開きも含む）テー
ルゲートのヒンジ構造に関する。

（従来の技術） 従来、この種のバン型車両１におけるテールゲート２に
おいて下開き、あるいは上下開き（とくに下開き側）ゲ
ート２のヒンジ構造としては、第４図に示すように、こ
のヒンジ３はボデー側ヒンジ金具４とゲート側ヒンジ金
具７とがヒンジ部３ａを構成するヒンジピンを介して回
動可能に設けられ、このボデー側ヒンジ金具４はボデー
パネル１１に取付けられる取付板５と支持板６とが略か
ぎ形状に設けられるとともに、支持板６の先端側にはヒ
ンジ部を構成するヒンジヒメールが形成されている。ま
た、ゲート側ヒンジ金具７は左右に設けられた取付支持
板８間にボデー側ヒンジ金具４のヒンジヒメールとによ
りヒンジ部を構成するヒンジメールが一体に形成される
とともに、取付支持板８の取付端部には支持板６の幅よ
り左右側方へ張出して取付用ボルト１０によりゲートパ
ネル２ａに取付けられる取付片９が設けられている。こ
のように形成されたヒンジ３の両ヒンジ金具４，７はゲ
ートパネル２ａおよびボデーパネル１１の内側面の所定
位置に溶着手段等により予め取付けられたナット１２に
外側より取付用ボルト１０が螺着されてゲート２は両ヒ
ンジ金具４，７を介してヒンジ部３ａを中心として回動
可能に装着されている。

（解決しようとする課題） しかしながら、この従来の構成のヒンジ３では、そのゲ
ート側ヒンジ金具７の取付けはその取付片９がボデー側
ヒンジ金具４の幅より側方へ張出し、かつこの取付片９
を取付用ボルト１０によりゲートパネル２ａに外側より
取付けるとともに、ボデー側パネル１１に対してもボデ
ー側ヒンジ金具４は外側から取付用ボルト１０により取
付けるものであるから、ゲート２を回動して車室を閉止
すると、テールゲート２とボデーパネル１１との間に形
成される隙間Ｇより取付用ボルト１０の頭部全体を目視
により確認することができるので簡単な工具にて取外し
可能なため、車両所有者以外の者によってテールゲート
１が取外されて車内へ不法浸入される可能性があり、解
決すべき課題となっていた。

本考案は上記従来の問題点を解決すべきなされたもの
で、外部からのヒンジ金具の取付用ボルトの取外しを防
止することのできるテールゲートのヒンジ構造を提供す
ることを目的とするものである。

（課題を解決するための手段） 本考案は、上記技術課題を解決するため、リヤボデーに
テールゲートを回動可能に連結するテールゲートのヒン
ジ構造であって、該ヒンジはボデー側ヒンジ金具とゲー
ト側ヒンジ金具とがヒンジピンを介して回動可能に設け
られ、前記ボデー側ヒンジ金具はボデー側への取付板と
同取付板の端部より張出す支持板とにより略Ｌ型状に形
成され、前記取付板には複数の取付孔を貫設し、同取付
孔の少なくとも１個所に取付用ボルトを固着するととも
に、前記テールゲートを回動して車室を閉止した際、テ
ールゲートを取付けたゲート側ヒンジ金具の取付板はボ
デー側ヒンジ金具の支持板と重合状となり、かつゲート
側ヒンジ金具の取付板を取付けた取付用ボルトの頭部の
一部あるいは全体を前記ボデー側ヒンジ金具の支持板に
より遮蔽する構成としたテールゲートのヒンジ構造に存
する。

（作用） ゲート側ヒンジ金具を取付ける取付用ボルトの頭部の全
体、あるいはその一部をボデー側ヒンジ金具により遮蔽
して外部からの工具の使用を不能とする。

（実施例） 次に、本考案の一実施例を図面に従って説明すると、図
中２１はヒンジであって、該ヒンジ２１は車両１のボデ
ー３３のリヤ側パネル３３ａに取付けられるボデー側ヒ
ンジ金具２２とテールゲート２に取付けられるゲート側
ヒンジ金具２７とより構成されている。

このボデー側ヒンジ金具２２はボデー３３のリヤ側パネ
ル３３ａに取付けられる取付板２３と同取付板２３の図
示上端より所定の長さで所定の幅Ｌを有してほぼ直角状
に張出す支持板２４とにより略かぎ形状に形成され、こ
の支持板２４の先端側には二又状にヒンジヒメール２５
が形成されている。また、この取付板２３側には複数個
の取付孔２６（例えば上下に４個所）が所定の間隔で貫
設されるとともに、取付孔の１個所には取付用ボルト１
０ａが挿通されてその頭部１０ｂは取付板２３に溶着手
段等により固着されている。

また、ゲート側ヒンジ金具２７はゲートパネル２ａの取
付けられる略長方形状の取付板２８と同取付板２８の中
央部より略への字形状に屈曲形成される支持片２９が形
成され、同支持片２９の端部にはボデー側ヒンジ金具２
２のヒンジメール２５間に納められて整合されるヒンジ
メール３０が一体に形成されている。また、取付板２８
にはボデー側ヒンジ金具２２の支持板２４の両縁と対応
する位置、すなわちピッチＬで取付用ボルト１０の挿通
孔３１が貫設されている。

このように形成されたボデー側ヒンジ金具２２とゲート
側ヒンジ金具２７とはそのヒンジヒメール２５とヒンジ
メール３０が整合されてヒンジピン３２が挿入されて回
動可能に連結され、それぞれボデー３３およびテールゲ
ート２に取付けられる。

このボデー３３のリヤ側パネル３３ａのヒンジ金具２２
の取付部位には図示はしないが同金具２２の取付孔２６
および取付用ボルト１０ａと対応して孔が貫設されると
ともに、取付用ボルト１０ａを挿通する以外の孔の図示
内側にはナット１２が溶着手段により固着され、また、
同ボデー３３のフロント側パネル３３ｂのヒンジ２１の
取付位置と対応する部位には開口部３３ｃが開設されて
蓋部材３４が着脱可能に取付けられている。このように
形成されたボデー３３の取付部位にはボデー側ヒンジ金
具２２の取付孔２６がナット１２と整合されるととも
に、取付用ボルト１０ａが挿通され、同ボルト１０ａに
はナット１２ａが開口部３３ｃ側より螺着され、また、
各孔２６の外側より取付用ボルト１０がナット１２に螺
着されてボデー側ヒンジ金具２２は取付けられている。
また、テールゲート２はそのゲートパネル２ａに溶着手
段等により予め取付けられたナット１２にゲート側ヒン
ジ金具２７の挿通孔３１が整合されて取付用ボルト１０
が螺着されて、同テールゲート２は回動可能に連結され
ている。このようにして連結されたテールゲート２を回
動して車室を閉止すると、第２図および第３図に示すよ
うに、両ヒンジ金具２２，２７の支持板２４と取付板２
８は重合状となるとともに、ボデー側ヒンジ金具２２の
支持板２４の両縁はテールゲート２を取付けた取付用ボ
ルト１０の頭部１０ｂのほぼ半分を遮蔽した状態で閉止
されている。また、この閉止した状態でテールゲート２
の取付用ボルト１０の頭部１０ｂとボデー側ヒンジ金具
２２の支持板２４との隙間ｔは取付用ボルト１０の掛り
長さより小さく設定されている。

なお、図中３５はボデー３３のフロント側パネル３３ｂ
の開口部３３Ｃを遮蔽状に取付けられる車両の装備品、
例えば燃料タンク等である。

次に、上記のように構成された本実施例の作用および効
果について説明する。

さて、本実施例はリヤボデー３３とテールゲート２との
間に介装されて、テールゲート２を回動可能に連結する
テールゲート２のヒンジ２１であって、該ヒンジ２１は
ボデー３３側に取付けられるヒンジ金具２２とテールゲ
ート２側に取付けられるヒンジ金具２７とがヒンジピン
３２を介して回動可能に設けられ、ボデー側ヒンジ金具
２２はボデー３３側への取付板２３と同取付板２３の端
部より張出す支持板２４とにより略Ｌ型状に形成され、
この取付板２３には複数の取付孔２６を貫設し、同取付
孔２６の少なくとも１個所に取付用ボルト１０ａを挿通
して溶着手段等により固着するとともに、テールゲート
２を回動して車室を閉止した際、テールゲート２を取付
けたゲート側ヒンジ金具２７の取付板２８はボデー側ヒ
ンジ金具２７の支持板２４と重合状となり、かつゲート
側ヒンジ金具２７の取付板２８を取付けた取付用ボルト
１０の頭部１０ａのほぼ半分をボデー側ヒンジ金具２２
の支持板２４により遮蔽する構成としたものである。

したがって、本例ヒンジ２１によれば、同ヒンジ２１を
介してテールゲート２により車室を閉止するとゲート側
ヒンジ金具２７の取付板２８はボデー側ヒンジ金具２２
の支持板２４の上部側に重合状に位置するとともに、テ
ールゲート２を取付けた取付板２８の取付用ボルト１０
の頭部１０ｂはそのほぼ半分が支持板２４により遮蔽さ
れているので、従来のように隙間Ｇ側より工具を挿入し
て取付用ボルト１０を取外そうとしても、支持板２４が
邪魔となって弛めることができず、テールゲート２の取
外しを防止して車室内への侵入を未然に防止することが
できる。また、たまさか、ゲート側の取付用ボルト１０
が弛められたとしても、同ボルト１０の頭部１０ｂと支
持板２４との隙間ｔはボルト１０の掛り長さより小さ
く設定したのでボルト１０を離脱することができず、テ
ールゲート２の取外しを防止することができる。また、
ゲート側の取付用ボルト１０の弛めることが不能なこと
から、ボデー側の取付用ボルト１０を取外し、取付用ボ
ルト１０ａを取外そうとしても、同ボルト１０ａはボデ
ー側ヒンジ金具２２の取付板２３に溶着手段等により固
着し、内側よりナット１２ａにより螺着したので、外側
からの取外しは不能であり、また、ボデー３３のフロン
ト側パネル３３ｂの開口部３３ｃは車両装備品等の燃料
タンク３５により遮蔽されているのでナット１２の取外
しは容易でなく、したがって、テールゲート２の取外し
を防止することができる。

なお、上記実施例においてはボデー側ヒンジ金具２２の
支持板２４の幅をＬ寸法に形成してゲート側ヒンジ金具
２７の取付板２８の左右の取付用ボルト１０の頭部１０
ｂのほぼ半分を遮蔽するように例示したが、これに限定
するものではなく、例えば頭部１０ｂのほぼ全体を遮蔽
可能とする幅寸法であってもよい。また、ボデー側ヒン
ジ金具２２の取付板２３に貫設した複数の取付孔２６の
うち１か所に取付用ボルト１０ａを溶着固定してその取
付けを容易にしたが、これに限定するものではなく、全
取付孔２６に取付用ボルト１０ａを固着するものであっ
てもよい。

（考案の効果） さて、本考案はリヤボデーにテールゲートを回動可能に
連結するテールゲートのヒンジ構造であって、該ヒンジ
はボデー側ヒンジ金具とゲート側ヒンジ金具とがヒンジ
ピンを介して回動可能に設けられ、前記ボデー側ヒンジ
金具はボデー側への取付板と同取付板の端部より張出す
支持板とにより略Ｌ型状に形成され、前記取付板には複
数の取付孔を貫設し、同取付孔の少なくとも１個所に取
付用ボルトを固着するとともに、前記テールゲートを回
動して車室を閉止した際、テールゲートを取付けたゲー
ト側ヒンジ金具の取付板はボデー側ヒンジ金具の支持板
と重合状となり、かつゲート側ヒンジ金具の取付板を取
付けた取付用ボルトの頭部の一部あるいは全体を前記ボ
デー側ヒンジ金具の支持板により遮蔽する構成としたこ
とにより、ヒニジを介してテールゲートにより車室を閉
止するとゲート側ヒンジ金具の取付板はボデー側ヒンジ
金具の支持板の上部側に重合状に位置するとともに、テ
ールゲートを取付けた取付板の取付用ボルトの頭部はそ
のほぼ半分が支持板により遮蔽されているので、工具を
挿入して取付用ボルトを取外そうとしても、支持板が邪
魔となって弛めることができず、テールゲートの取外し
を防止して車室内への侵入を未然に防止することができ
る。また、ゲート側の取付用ボルトの弛めることが不能
なことから、ボデー側の取付用ボルトを取外し、取付用
ボルトを取外そうとしても、同ボルトはボデー側ヒンジ
金具の取付板に固着し、内側よりナットにより螺着した
ので、外側からの取外しは不能であり、テールゲートの
取外しを防止することができるので、テールケートのヒ
ンジ構造として極めて実用性に優れた考案である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図はバン型車両の
斜視図、第２図は第１図のII−II線断面図、第３図は第
２図のＡ矢視図、第４図は従来例である。 ２…テールゲート、10,10a…取付用ボルト 10b…頭部、21…ヒンジ 22…ボデー側ヒンジ金具 23,28…取付板、24…支持板 26…取付孔、27…ゲート側ヒンジ金具 32…ヒンジピン、33…ボデー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】リヤボデーにテールゲートを回動可能に連
   結するテールゲートのヒンジ構造であって、該ヒンジは
   ボデー側ヒンジ金具とゲート側ヒンジ金具とがヒンジピ
   ンを介して回動可能に設けられ、前記ボデー側ヒンジ金
   具はボデー側への取付板と同取付板の端部より張出す支
   持板とにより略Ｌ型状に形成され、前記取付板には複数
   の取付孔を貫設し、同取付孔の少なくとも１個所に取付
   用ボルトを固着するとともに、前記テールゲートを回動
   して車室を閉止した際、テールゲートを取付けたゲート
   側ヒンジ金具の取付板はボデー側ヒンジ金具の支持板と
   重合状となり、かつゲート側ヒンジ金具の取付板を取付
   けた取付用ボルトの頭部の一部あるいは全体を前記ボデ
   ー側ヒンジ金具の支持板により遮蔽する構成としたテー
   ルゲートのヒンジ構造。