JPH0639428Y2 - 自動販売機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案は、本体内に区画形成された複数の商品収納室を
個別に冷却するようにした自動販売機に関する。

（従来の技術） 従来、複数の商品収納室を有する自動販売機において
は、各商品収納室毎に別個の冷却器を配設すると共に、
各商品収納室に夫々設けたファンによって室内空気を前
記冷却器に当てて冷却しつつ循環させることにより商品
を冷却するものであり、その温度制御方式は以下のよう
な特徴がある。即ち、冷却器に冷媒を供給するためのコ
ンプレツサの運転を、基準となる一の商品収納室内に設
けた温度センサの検出温度に基き制御する。これ以外の
商品収納室にも夫々温度センサを配設すると共に、基準
となる商品収納室の冷却器に対し他の冷却器を夫々電磁
弁を介して並列接続し、各電磁弁の開閉及び各ファンの
運転を、各温度センサの検出温度に基き個別に制御する
ものである。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、上記従来構成では基準となる一の商品収
納室の温度に基いてコンプレッサの運転を制御する構成
のため、他の商品収納室の冷却が不足しているときでも
基準となる一の商品収納室が設定温度以下に冷却されて
しまえば、その時点でコンプレッサが停止されてしま
い、他の商品収納室は冷却不足のままにおかれる不具合
が発生する。しかも、冷却器への冷媒通路を開閉するた
めに電磁弁を設けているから、その分、冷凍サイクル構
成が複雑化して製造コストの上昇を招く欠点があった。

本考案は上述した欠点を解決しようとするもので、従つ
てその目的は、複数の商品収納室のいずれの室も確実に
冷却できると共に、冷凍サイクル構成の簡単化を図り得
る自動販売機を提供するにある。

［考案の構成］ （問題点を解決するための手段） 本考案の自動販売機は、本体内に区画形成された複数の
商品収納室を冷凍サイクルによって冷却するようにした
ものにおいて、前記冷凍サイクル中に設けた１つの冷却
器を前記複数の商品収納室に跨がるように配置し、前記
複数の商品収納室内の空気を夫々前記冷却器に沿って循
環させて各商品収納室を冷却する複数のファンを設け、
前記各商品収納室内の温度を夫々検出する複数の温度セ
ンサを設けると共に、これら各温度センサの検出温度の
うち１つでもその商品収納室の設定温度以上のものがあ
るときにはコンプレッサを運転させると共に前記設定温
度以上の商品収納室のファンを運転させる制御回路を設
けたものである。

（作用） 冷却運転により、いずれかの商品収納室の温度センサの
検出温度がその商品収納室の設定温度よりも低くなった
ときには、その商品収納室のファンの運転を停止させる
ことによって、その商品収納室の冷却を停止する。この
場合、各温度センサの検出温度のうち１つでもその商品
収納室の設定温度以上のものがあるときには、コンプレ
ッサの運転を停止せず、引続きコンプレッサの運転を継
続して冷却器に冷媒を供給すると同時に、設定温度以上
の商品収納室のファンを運転させることによって、その
室内空気を冷却器により冷却しつつ循環させ、以って当
該商品収納室内の商品を冷却するものである。このた
め、いずれかの商品収納室が冷却不足のままコンプレッ
サの運転が停止されてしまうことはない。しかも、冷凍
サイクル中には１つの冷却器を設けるだけで良いので、
冷凍サイクルの構成が極めて簡単である。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明する。ま
ず冷凍サイクル構成を示す第２図において、１はコンプ
レッサで、これは自動販売機の本体２の底部に配設され
ている。このコンプレッサ１の吐出口1aと吸入口1bとの
間にコンデンサ３、ドライヤ3a、キャピラリーチューブ
４及び一つの冷却器５が順に直列に接続されている。ま
た、本体２内には例えば２つの商品収納室6,7を設けて
夫々に缶入り飲料や瓶入り飲料等の商品を収納する。そ
して、前記冷却器５を両商品収納室6,7に跨がるように
配設すると共に、両商品収納室6,7内の空気を夫々循環
させるために２つのファン8,9を配設して、その循環空
気を前記冷却器５に当てて冷却するようになっている。
更に、両商品収納室6,7内には夫々室内温度を検出する
ための温度センサ12a,13aを配設している。

次に、第１図に基いてコンプレッサ１の運転及びファン
8,9の運転を制御する制御回路10の構成を説明する。11
は電源で、この電源に対しコンプレッサ１及び両ファン
8,9が並列に設けられている。12及び13は夫々ファン8,9
への通電路中に設けた温度調節用スイッチで、両スイッ
チ12,13は夫々商品収納室6,7の温度センサ12a,13aの検
出温度に基き開閉される。具体的には、いずれかの温度
センサの検出温度が、当該商品収納室の設定温度以上に
なったときに当該温度調節用スイッチが閉成され、設定
温度以下となったときに当該温度調節用スイッチが開放
されるようになっている。この場合、商品収納室6,7の
設定温度は同一でも、異なっていても良い。そして、両
ファン8,9には夫々リレー14,15が並列に設けられ、これ
に対応して常開形のリレースイッチ16,17がコンプレッ
サ１への通電路中に並列に設けられている。

次に、上記構成の作用について説明する。今、両商品収
納室６つ７の温度センサ12a,13aの検出温度が共に設定
温度以上であるとすると、この場合には両温度調節用ス
イッチ12,13が共に閉成されて両ファン8,9に通電され、
両ファン8,9が運転される。これと同時に、両リレー14,
15にも通電されるから、両リレースイッチ16,17が閉成
されてコンプレッサ１に通電され、コンプレッサ１が運
転される。これによって、コンプレッサ１から吐出され
た冷媒がコンデンサ３で液化され、キャピラリーチュー
ブ４を介して冷却器５に供給された後、コンプレッサ１
に戻るというように循環する。一方、前述したファン8,
9の運転により、両商品収納室6,7内の空気が循環され、
その循環空気が冷却器５に繰返し接触しながら冷却され
て、両商品収納室6,7内の商品を冷却する。その後、例
えば一方の商品収納室６内が設定温度以下に冷却される
と、一方の温度調節用スイッチ12が開放されて、その商
品収納室６のファン８の運転が停止される。これによっ
て、一方の商品収納室６は、冷気の循環が停止されて冷
却停止状態となる。このとき、一方の温度調節用スイッ
チ12の開放により一方のリレー14も断電され、これに伴
って一方のリレースイッチ16が開放される。しかし、他
方の商品収納室７の温度センサ13aの検出温度が設定温
度以上である限り、他方の温度調節用スイッチ13は閉成
状態を維持するから、他方のリレースイッチ17は開放さ
れず引続き閉成状態を維持する。このため、コンプレッ
サ１への通電が維持されてコンプレッサ１が引続き運転
され、冷却器５への冷媒供給が継続される。これと同時
に、他方の商品収納室７のファン９が引続き運転され
て、これによってその商品収納室７内で冷気を循環させ
て商品を冷却する。その後、他方の商品収納室７内も設
定温度以下に冷却されると、他方の温度調節用スイッチ
13も開放されて、その商品収納室７のファン９の運転も
停止される。このとき同時に、他方の温度調節用スイッ
チ13の開放により他方のリレー15も断電され、これに伴
って他方のリレースイッチ17が開放される。これによっ
て、両リレースイッチ16,17が開放された状態になるか
ら、コンプレッサ１が断電されて停止する。

上述の作用は、一方の商品収納室６が先に設定温度以下
に冷却された場合であるが、これとは反対に他方の商品
収納室７が先に設定温度以下に冷却された場合でも、一
方の商品収納室６の温度センサ12aの検出温度が設定温
度以上である限り、一方の温度調節用スイッチ12が閉成
状態を維持するから、一方のファン８及びコンプレッサ
１が引続き運転され、一方の商品収納室６の冷却が継続
される。

一方、コンプレッサ１の停止状態において、両商品収納
室6,7の温度センサ12a,13aの検出温度がいずれか１つで
も設定温度以上に上昇すると、当該温度調節用スイッチ
が閉成して当該ファンの運転を開始する。これと同時
に、当該リレーを介して当該リレースイッチを閉成し、
コンプレッサ１を起動して当該商品収納室の冷却を開始
する。

以上説明した本実施例の場合、両商品収納室6,7の温度
センサ12a,13aの検出温度のうち１つでもその商品収納
室6,7の設定温度以上のものがあるときには、コンプレ
ッサ１が運転され且つ設定温度以上の商品収納室のファ
ンが運転されるから、両商品収納室6,7のいずれの室も
確実に冷却できる。また、従来のように各商品収納室毎
に別個に設けた冷却器への冷媒供給を電磁弁によって遮
断することによってその商品収納室の冷却を停止するも
のとは異なり、冷却器５への冷媒供給を続けたままいず
れかのファンを停止することによってその商品収納室の
冷却を停止するようにしているから、従来の電磁弁が不
要になって冷凍サイクル構成が簡単化し、製造コストの
低減化に寄与できる。

特に、本実施例では１つの冷却器５を全ての商品収納室
6,7に跨がるように設ける構成であるから、冷凍サイク
ル構成を一層簡単化できる。

その他、本考案は商品収納室の数を３つ以上に増加し、
その商品収納室の数に応じてファン、温度センサ等を増
設する構成としても良い等、要旨を逸脱しない範囲内で
種々変形可能である。

［考案の効果］ 本考案は以上の説明から明らかなように、複数の商品収
納室に１つの冷却器を跨がるように配置し、複数の商品
収納室の温度センサの検出温度のうち１つでもその商品
収納室の設定温度以上のものがあるときにはコンプレッ
サを運転させると共に前記設定温度以上の商品収納室の
ファンを運転させるようにしたから、複数の商品収納室
のいずれの室も確実に冷却できると共に、冷凍サイクル
構成の簡単化を図り得るという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示したもので、第１図は電気
回路図、第２図は冷凍サイクル図である。 図面中、１はコンプレッサ、２は本体、５は冷却器、６
及び７は商品収納室、８及び９はファン、10は制御回
路、12及び13は温度調節用スイッチ、12a及び13aは温度
センサである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】本体内に区画形成された複数の商品収納室
   を冷凍サイクルによって冷却するようにした自動販売機
   において、前記冷凍サイクル中に設けられ前記複数の商
   品収納室に跨がるように配置された１つの冷却器と、前
   記複数の商品収納室内の空気を夫々前記冷却器に沿って
   循環させて各商品収納室を冷却する複数のファンと、前
   記各商品収納室内の温度を夫々検出する複数の温度セン
   サと、これら各温度センサの検出温度のうち１つでもそ
   の商品収納室の設定温度以上のものがあるときには前記
   冷凍サイクルのコンプレッサを運転させると共に前記設
   定温度以上の商品収納室のファンを運転させる制御回路
   とを設けたことを特徴とする自動販売機。