JPH0639211Y2 - 強制給気式の燃焼装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［利用分野及び考案の概要］ 本考案は、燃焼装置、特に、密閉燃焼室内に多数の単位
バーナを収容する形式の燃焼装置に関するものである。

そして、多数の単位バーナからなるバーナ組立体の組み
付け及び修理点検を簡素化できるようにするものであ
る。

［従来技術及びその解決課題］ 強制給気式の給湯器等では、吸気側及び排気側のみを開
放した密閉の缶体内にバーナを収容する構成となってお
り、特に、前記給湯器等では熱交換器の下方に配設され
るバーナの燃焼能力を高めるとともに炎孔部の火力分布
を均一化するため、小さな単位バーナを多数並設して、
バーナ組立体を構成し、給気室の底部から強制的に供給
する給気を分散板を介してバーナ組立体に供給する方式
を採用する。

このものでは、各単位バーナについての燃焼条件を満足
させることで、安定な燃焼が確保でき、１つの大型バー
ナを使用する場合のような燃焼条件に関する不安定要素
が少くなるからである。

一方、この種の器具では、缶体構成壁のうちの一つの側
壁が取り外し可能に構成されていることから、このバー
ナ組立体等を缶体内に組み込む際、前記側壁を取り外し
て、その開放部から各部を組み込む。修理点検の際に
も、前記側壁を取り外して缶体を一部開放状態とする。

ところが、上記形式のバーナでは、多数の小型の単位バ
ーナを多数並設するものであることから、又、分散板と
の関係を適正にする必要があることから、その組立及び
缶体内への組込みが面倒であるとともにバーナの修理点
検の際には、多くの部分を分解する必要がある。

本考案は、このような『多数の単位バーナ（30）（30）
を組み合せてバーナ組立体（３）を構成し、このバーナ
組立体（３）を直方体状の缶体（１）内に収容固定し、
この缶体（１）の側壁が取り外し可能に構成されると共
に、前記缶体（１）内の前記バーナ組立体（３）の下方
を給気室（10）として、その底部（11）を給気用ファン
（２）の吐出口（21）を開口させ、前記給気用ファン
（２）からの給気を分散板（４）を介して前記バーナ組
立体（３）に供給するようにした強制給気式の燃焼装
置』において、バーナ組立体（３）の缶体への組み付け
を簡素化するとともに、缶体の一部の分解によってバー
ナ組立体（３）の全体が缶体から取出せるようにするこ
とを課題とする。

［技術的手段］ 上記技術的課題を解決するために講じた本考案の技術的
手段は『分散板（４）を缶体（１）の断面の長手方向に
沿ってその中央部に配設固定するとともに、その断面を
下方の吸気室（10）側に突出する給気分散部（41）とそ
の両側に続いて配設される受け部（42）（42）とを具備
する構成とし、前記受け部（42）（42）の長辺側端縁を
缶体（１）に於ける取外し可能の側壁を挟んで対向する
対向側壁内面に対接固定させ、バーナ組立体（３）の下
端部に設けられ且単位バーナ（30）（30）を一体的に支
持する為の矩形の基板部の一方の平行側縁部を前記受け
部（42）（42）によって支持し、取外し可能の側壁に前
記バーナ組立体（３）の上昇移動を阻止する係合部を設
けると共に、これの反対側の側壁にはバーナ組立体
（３）の端部の上昇移動を阻止する為の係合部を水平方
向に突出させた』ことである。

［作用］ 本考案の上記技術的手段は次のように作用する。

バーナ組立体（３）は、多数の単位バーナ（30）（30）
が一体に組立てられているからこのバーナ組立体（３）
は単一のバーナと同様に取り扱える。

そして、缶体（１）内への組み付けに際しては、缶体
（１）の構成壁の取外し可能の側壁を開放して缶体
（１）の下部の給気室（10）に配設される分散板（４）
の受け部（42）（42）によってバーナ組立体（３）の基
板部の両側縁部を支持させる。その後、取外し可能の側
壁を取付けて前記開放壁面を閉塞することにより、バー
ナ組立体を缶体（１）内の所定位置に固定すると、分散
板（４）とバーナ組立体（３）との関係が適正にセット
された状態に取付けられる。

ここで、前記取外し可能の側壁にはバーナ組立体（３）
の上昇移動を阻止する係合部が、これの反対側の側壁に
は、バーナ組立体（３）の上昇移動を阻止する為の係合
部が水平方向に突出しているから、前記バーナ組立体
（３）の両端部はこれら係合部によって上方への移動が
阻止されたものとなる。

修理点検に際しては、缶体の取外し可能の側壁を取外す
と缶体（１）の一つの側面が開放し、この開放状態で
は、バーナ組立体（３）は分散板（４）によって支持さ
れ、このバーナ組立体（３）の奥側の端縁部は、缶体側
壁から水平方向に突出する係合部により上昇移動が阻止
された状態にあるだけであるから、分散板（４）に支持
された状態で他の部分を分解することなくバーナ組立体
（３）が取出せる。

［効果］ 本考案は上記構成であるから次の特有の効果を有する。

缶体の側壁の一部を取外した状態においてバーナ組立体
（３）が簡単に挿入又は取出すことができるから、バー
ナ組立体（３）の組み付け及び修理点検の為の取出しが
簡単である。

しかも、バーナ組立体（３）の組み付け状態では、これ
が直接分散板（４）の受け部（42）（42）によって支持
されているから、分散板（４）とバーナ組立体（３）と
の関係位置が適正にセットされることとなり、給気の分
散バランスが良好なものとなる。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を第１図から第５図に基いて説明
する。

この実施例のものは、強制給気式の給湯器に実施したも
のであり、缶体（１）は、熱交換器を具備する上箱（1
a）とバーナ組立体（３）を収容し且下部に給気室（1
0）を具備する下箱（1b）とから構成され、この下箱（1
b）の底部（11）に給気用ファン（２）が取付けられて
いる。そして、前記上箱（1a）・下箱（1b）相互はその
接合面に張出させたフランジ相互によってネジ止めされ
て一体化されている。

上記下箱（1b）は正面側と上方とが開放された主体部
と、この主体部の正面側開放部を閉塞する正面板（12）
とから構成される。下箱（1b）の底部（11）は、器具の
正面から背面に向って降下する傾斜面となっており、こ
の底面の中心から器具正面側に一定度合偏心した位置に
吐出口（21）が位置するように、給気用ファン（２）が
取付けられている。

又、下箱（1b）に収容されるバーナ組立体（３）は、第
２図及び第３図に示すように、多数の単位バーナ（30）
（30）を下箱（1b）の正面側から背面側に並設した構成
となっており、各単位バーナは断面逆Ｕ字状の保持枠
（32）と角皿状の支持板（33）とによって挟持されて組
み立てられ、これら単位バーナ（30）（30）の組立体が
バーナ組立体（３）として機能する。

各単位バーナ（30）は、第２図に示すように、ベンチュ
リ部（34）が下端に位置してこれら混合管部が上方に延
長せしめられ、この混合管部の上端に末広がりのバーナ
ヘッド部を連設し、その上端部を炎孔部（31）としたも
のである。従って、この単位バーナ（30）（30）からな
るユニット全体がバーナ組立体（３）として機能し、単
位バーナ（30）の炎孔部（31）が下箱（1b）内で正面か
ら背面にかけて一定間隔で連続することとなる。

なお、前記支持板（33）と保持枠（32）との関係は、第
３図・第４図のように保持枠（32）の一対の側面板（32
a）（32a）の下端部が支持板（33）の長辺側部に外嵌
し、前記側面板（32a）（32a）の長手方向の両端下端部
に設けた折曲げ片（32b）（32b）が支持板（33）の長手
方向の両端に形成した折曲げ片（33a）にネジ止めされ
て一体的に結合されている。又、前記支持板（33）の頂
面から保持枠（32）の頂面までの間隔は、単位バーナ
（30）の全体の高さに適合させてあり、保持枠（32）の
頂面には単位バーナ（30）（30）の配列に適合させてバ
ーナヘッド部嵌合用の開口（35）（35）が開設され、単
位バーナ（30）の炎孔部（31）の両端に形成した突出部
（36）以外の部分が前記開口（35）に丁度嵌入するよう
になっている。又、支持板（33）には、単位バーナ（3
0）（30）の配列に適合させてベンチュリ部（34）が丁
度嵌入する大きさの多数の孔部（37）（37）を開口させ
ている。従って、前記各孔部（37）にベンチュリ部（3
4）を一致させるようにして、単位バーナ（30）（30を
並設し、この上方から保持枠（32）をかぶせて各単位バ
ーナ（30）のバーナヘッド部を開口（35）に嵌入させ、
保持枠（32）と支持板（33）の両端の折曲げ片相互をネ
ジ止めすると、第１図・第２図のように、多数の単位バ
ーナ（30）（30）が保持枠（32）と支持板（33）に挟持
された態様で一体的に組立てられることとなる。

このバーナ組立体は、下箱（1b）の両側面板間に架設さ
れる断面円弧状の分散板（４）によって支持されるが、
支持板（33）の下方にはこれの正面側及び背面側の端部
間に架設されるマニホールド（５）が位置し、このマニ
ホールドの両端に具備させたフランジ（52）（52）が前
記支持板（33）の両端部にネジ止めされて一体化されて
いる。このマニホールド（５）の頂部には、多数のノズ
ル（51）（51）が一定間隔で連続し、これらノズルが支
持板（33）の頂面に形成された多数の孔部（37）（37）
と各別に対向する。

尚、分散板（４）は、第２図及び第５図のように、ベン
チュリ部（34）をその曲率中心とする円弧状の給気分散
部（41）と、その両端に続く平面状の受け部（42）（4
2）と、これに続いて垂下する取付け部（43）（43）と
からなる断面形状で、支持板（33）の中央部下方域を覆
うと共に、給気分散部（41）内にマニホールド（５）が
位置するように、下箱（1b）の側壁間に架設固定され
る。そして、この分散板（４）の配設域は、第１図のよ
うに、バーナ組立体（３）の中央域下方に設定され、こ
の部分を広い範囲に亙って被覆している。尚、この分散
板（４）の給気分散部（41）には、第５図のように、無
開口部（45）の両側に多数の小孔（44）（44）が配設さ
れている。そして、前記無開口部（45）が吐出口（21）
の中心の延長線と一致する様になっている。

上記構成の給湯器の場合には、給気用ファン（２）が底
部（11）の中心から偏心した位置にあっても、この底部
（11）が傾斜状態にあるから、給気用ファン（２）によ
って供給される燃焼用の空気は、下箱（1b）の給気室
（10）の中心部に達して分散板（４）に衝突し、ここで
分散せしめられる。

この給気の衝突部は、無開口部（45）と成っているから
給気は全方向に分散されて小孔（44）（44）及び分散板
（４）の両端部の開放域（46）（46）から支持板（33）
側に供給される。このとき、分散板（４）の大部分が給
気分散部（41）と成っているから、吐出口（21）からの
給気が、円滑に支持板（33）側に導かれることとなる。

又、給気分散部（41）の断面形状は円弧状となっている
から、第２図において、吐出口（21）の方向が左右に若
干ズレていたとしても、又、吐出口（21）からの給気の
吐出方向角度にずれがあったとしても、給気分散部（4
1）に衝突した給気の左右への分配アンバランスが生じ
にくいものとなる。特に、この実施例では、給気分散部
（41）を円弧状としたこと、この給気分散部（41）を無
開口部（45）とその両側の小孔（44）（44）群配設部と
から構成したこと、さらには、分散板（４）の両側に開
放域（46）（46）を設けたことから、吐出口（21）から
の給気がバランス良く分散されてバーナ組立体（３）に
供給されることとなる。

又、前記支持板（33）には、孔部（37）（37）が開口す
るとともに、第３図のように、両側縁近傍には多数の通
気口（38）（38）が開口するから、吐出口（21）からの
給気の一部は孔部（37）（37）から吸引され、他の一部
は上方に流れて、保持枠（32）の頂面に形成した多数の
二次空気孔（39）（39）から燃焼部に供給される。

このように、この実施例のものでは、給気用ファン
（２）が底部（11）の中心に対して偏心した位置に取付
けられるものであっても、給気のアンバランスが生じる
ことがなく、炎孔部（31）に形成される炎が安定すると
ともに燃焼不良も生じない。

特に、この実施例のものでは、分散板（４）は、その垂
下片部（43）（43）によって下箱（1b）の側壁に予め固
定されている。又、正面板（12）の下部から押さえ板
（14）が水平方向に突出し、背面板（13）から押さえ板
（15）が水平方向に突出する。そして、この突出位置
は、分散板（４）の両側の受け部（42）（42）にバーナ
組立体（３）を載置した状態で、上記折曲げ片（32b）
（32b）の上端に略一致する位置に設定されており、正
面板（12）から突出させた押さえ板（14）と折曲げ片
（32b）（32b）との係合により、又、背面板（13）から
突出させた押さえ板（15）と折曲げ片（32b）（32b）と
の係合によってバーナ組立体（３）が上昇移動阻止状態
となっている。しかも、折曲げ片（32b）（32b）を含め
た保持枠（32）の下端の各幅は、下箱（1b）の側壁相互
間の間隔に略一致させてある。

従って、下箱（1b）の正面板（12）を取外すと、多数の
単位バーナ（30）（30）からなるバーナ組立体（３）が
正面側に引き出せることとなり、バーナの交換修理が簡
単である。又、組立の際にも、バーナ組立体（３）の一
部を分散板（４）の受け部（42）（42）に載置した状態
で正面開放状態にある下箱（1b）の主体部に挿入して正
面板（12）をネジ止めすると、缶体（１）内に水平移動
阻止状態にはめ込まれた状態に支持され、しかも、押さ
え板（14）（15）と上記折曲げ片（32b）（32b）との係
合により、このバーナ組立体が所定の位置に固定される
こととなる。即ち、前記分散板（４）の受け部（42）
（42）がバーナ組立体（３）の組み付け及び分解の際の
レールとして機能することとなる。

この実施例の場合、上記支持板（33）と折曲げ片（32
b）（32b）が上記技術的手段の項に記載した基板部とな
る。

尚、この実施例では、バーナ組立体（３）とマニホール
ド（５）とが一体に結合されているから、バーナ組立体
（３）の正面側の固定には、上記押さえ板（14）を用い
ることなく、正面板（12）に形成した開口とフランジ
（52）とに係合によって上下方向の移動を阻止するよう
にしてもよい。

さらに、この実施例のものでは、第１図のように、底部
（11）が正面側から背面側に向って降下するから、ケー
シングの正面板（16）を取外したとき、給気用ファン
（２）を固定するための取付けネジ（22）（22）に工具
を対応させ易い。従って、給気用ファン（２）の修理・
点検が容易になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の要部側面図，第２図はその要部
断面図，第３図は保持枠（32）と支持板（33）の関係斜
視図，第４図は単位バーナ（30）と前記保持枠等との関
係の詳細図，第５図は分散板（４）の斜視図であり、図
中， （１）……缶体 （11）……底部 （２）……給気用ファン （21）……吐出口 （３）……バーナ組立体 （30）……単位バーナ （31）……炎孔部 （４）……分散板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】多数の単位バーナ（30）（30）を組み合せ
   てバーナ組立体（３）を構成し、このバーナ組立体
   （３）を直方体状の缶体（１）内に収容固定し、この缶
   体（１）の側壁が取り外し可能に構成されると共に、前
   記缶体（１）内の前記バーナ組立体（３）の下方を給気
   室（10）として、その底部（11）に給気用ファン（２）
   の吐出口（21）を開口させ、前記給気用ファン（２）か
   らの給気を分散板（４）を介して前記バーナ組立体
   （３）に供給するようにした強制給気式の燃焼装置にお
   いて、前記分散板（４）を缶体（１）の断面の長手方向
   に沿ってその中央部に配設固定するとともに、その断面
   を下方の吸気室（10）側に突出する給気分散部（41）と
   その両側に続いて配設される受け部（42）（42）とを具
   備する構成とし、前記受け部（42）（42）の長辺側端縁
   を缶体（１）に於ける取外し可能の側壁を挟んで対向す
   る対向側壁内面に対接固定させ、バーナ組立体（３）の
   下端部に設けられ且単位バーナ（30）（30）を一体的に
   支持する為の矩形の基板部の一方の平行側縁部を前記受
   け部（42）（42）によって支持し、取外し可能の側壁に
   前記バーナ組立体（３）の上昇移動を阻止する係合部を
   設けると共に、これの反対側の側壁にはバーナ組立体
   （３）の端部の上昇移動を阻止する為の係合部を水平方
   向に突出させた強制給気式の燃焼装置。