JPH063840A - 電子写真用感光体 - Google Patents

電子写真用感光体

Info

Publication number
JPH063840A
JPH063840A JP18314392A JP18314392A JPH063840A JP H063840 A JPH063840 A JP H063840A JP 18314392 A JP18314392 A JP 18314392A JP 18314392 A JP18314392 A JP 18314392A JP H063840 A JPH063840 A JP H063840A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
substituted
chemical
general formula
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP18314392A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoyuki Shimada
知幸 島田
Masaomi Sasaki
正臣 佐々木
Mitsuru Hashimoto
充 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP18314392A priority Critical patent/JPH063840A/ja
Publication of JPH063840A publication Critical patent/JPH063840A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 電子写真用感光体の導電性支持体上に、下記
の一般式化1で示されるビスアゾ顔料を有効成分として
含有する層を形成させる。 【化1】 【効果】 可視域全般にわたって優れた感度を有し、且
つ耐久性にも優れている。また、製造上も有利なもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真用の感光体に関
し、更に詳しくは、光を照射したとき電荷担体を発生す
る物質(以下「電荷発生物質」という)としてビスアゾ
顔料を含有する感光層を設けた電子写真用感光体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電子写真用の感光体として、無機物系の
ものではセレン及びその合金を用いたもの、あるいは色
素増感した酸化亜鉛を結着樹脂中に分散した感光体など
が、また有機物系のものでは2,4,7−トリニトロ−
9−フルオレノン(以下「TNF」という)とポリ−N
−ビニルカルバゾール(以下「PVK」という)との電
荷移動錯体を用いたものなどが代表的なものして知られ
ている。
【0003】しかし、これらの感光体は、多くの長所を
持っていると同時に、さまざまな欠点を持っている。例
えば、現在広く用いられているセレン感光体は、製造す
る条件がむずかしく、製造コストが高かったり、可撓性
がないためにベルト状に加工することがむずかしく、ま
た熱や機械的な衝撃に鋭敏なため取扱いに注意を要す
る。酸化亜鉛感光体は、安価な酸化亜鉛を用いて支持体
への塗布で製造することが出来るためコストは低いが、
一般に感度が低かったり、表面の平滑性、硬度、引っ張
り強度、耐摩擦性などの機械的な欠点があり、通常反復
して使用する普通紙複写機用の感光体としては耐久性な
どに問題が多い。また、TNFとPVKとの電荷移動錯
体を用いた感光体は感度が低く、高速複写機用の感光体
としては不適当である。
【0004】近年、これらの感光体の欠点を排除するた
めに広範な研究が進められ、特に有機物系のさまざまな
感光体が提案されている。中でも、有機顔料の薄膜を導
電性支持体上に形成し(電荷発生層)、この上に電荷搬
送物質を主体とする層(電荷搬送層)を形成した積層型
の感光体が、従来の有機物系の感光体に比べ、一般に感
度が高く帯電性が安定していることなどの点から、普通
紙複写機用の感光体として注目されていおり、一部実用
に供されているものがある。
【0005】この種の従来の積層型の感光体として、
(1) 電荷発生層としてペリレン誘導体を真空蒸着した薄
層を用い、電荷搬送層にオキサジアゾール誘導体を用い
たもの(米国特許第3871882号明細書参照)、(2) 電荷発
生層としてクロルダイアンブルーの有機アミン溶液を塗
布して形成した薄層を用い、電荷搬送層にヒドラゾン化
合物を用いたもの(特公昭55-42380号公報参照)、(3) 電
荷発生層としてジスチリルベンゼン系ビスアゾ化合物の
有機溶媒分散液を塗布して形成した薄層を用い、電荷搬
送層にヒドラゾン化合物を用いたもの(特開昭55-84943
号公報参照)、などが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
の積層型の感光体においても、従来のものは多くの長所
を持っていると同時に、さまざまな欠点をもっているこ
とも事実である。即ち、次のごとき欠点がある。
【0007】(1)で示したペリレン誘導体とオキサジア
ゾール誘導体とを用いた感光体は、実用上は問題がない
としても、より高速な複写機用としては感度が低い。ま
た、この感光体の分光感度を支配する電荷発生物質であ
るペリレン誘導体は、可視域全般にわたっては吸収がな
いため、カラー複写機用感光体としては不適当である。
【0008】(2)で示したクロルダイアンブルーとヒド
ラゾン化合物とを用いた感光体は、比較的感度は高いも
のの、電荷発生層を形成するための塗布溶剤として、一
般に取り扱いにくい有機アミン(例えばエチレンジアミ
ン)を用いる必要があり、感光体作成上の欠点が多い。
【0009】(3)で示したジスチリルベンゼン系ビスア
ゾ化合物とヒドラゾン化合物とを用いた感光体は、ビス
アゾ化合物の分散液の塗布により容易に電荷発生層を形
成できることから製造上は大変有利なものであるが、若
干感度が低いため高速複写機用の感光体としては不充分
である。一方、近年レーザープリンター用感光体の要求
も高まっており、特に半導体レーザーの波長域における
高感度感光体の開発が望まれているが、上述の感光体
は、これら半導体レーザーに対し、極めて感度が低く、
実用に供し得ないのが実情である。
【0010】従って、本発明の目的は、上記課題が解決
された、即ち、可視域全般及び半導体レーザーの発振波
長域にわたってフラットな感度を有し、またその製造方
法も容易な電子写真用及びレーザープリンター用感光体
を提供することにある。
【0011】
【課題が解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、電荷発生物質として特
定の非対称ビスアゾ顔料を含有した電子写真用感光体が
上記目的に適合することを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0012】即ち、本発明によれば、導電性支持体上に
下記一般式化1で示されるビスアゾ顔料の少なくとも一
種を有効成分として含有する層を形成せしめたことを特
徴とする電子写真用感光体が提供される。
【化1】
【0013】本発明の電子写真用感光体は、電荷発生物
質として上記一般式化1で示される非対称ビスアゾ顔料
を含有したことにより、可視域全般及び半導体レーザー
の発振波長域にわたって優れた感度を有し、しかも製造
上も有利なものであり、且つ耐久性にも優れたものとな
る。
【0014】以下、本発明の電子写真用感光体について
詳しく説明する。本発明においては、電荷発生物質とし
て前記一般式化1で示される非対称ビスアゾ顔料が使用
される。この一般式化1においては、カップラー残基と
して−Cpと下記一般式化3で示される基(以下これを
−Cp′と略記する)とが存在する。
【化3】
【0015】一般式化1で示されるアゾ顔料の製造に使
用されるCp−Hで表わされるカップラーとしては、例
えばフェノール類、ナフトール類などの水酸基を有する
芳香族炭化水素化合物及び水酸基を有する複素環式化合
物、アミノ基を有する芳香族炭化水素化合物及びアミノ
基を有する複素環式化合物、アミノナフトール類などの
水素基及びアミノ基を有する芳香族炭化水素化合物及び
複素環式化合物、脂肪族若しくは芳香族のエノール性ケ
トン基を有する化合物(活性メチレン基を有する化合
物)などが用いられる。好ましくは、カプラー残基−C
pが下記一般式化4〜化16で表わされるものである。
【0016】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【0017】上記一般式化4〜化7中、X、Y1、Z、
m及びnはそれぞれ以下のものを表わす。 X : −OH ,−N(R1)(R2)又は −NHS
2−R3。 (R1及びR2は水素原子又は置換若しくは無置換のアル
キル基を表わし、R3は置換若しくは無置換のアルキル
基又は置換若しくは無置換のアリール基を表わす。) Y1:水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは無置換の
アルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、カル
ボキシ基、スルホン基、置換若しくは無置換のスルファ
モイル基又は −CON(R4)(Y2)。[R4は水素
原子、アルキル基若しくはその置換体又はフェニル基若
しくはその置換体を表わし、Y2は炭化水素環基若しく
はその置換体、複素環基若しくはその置換体、又は −
N=C(R5)(R6) (但し、R5は炭化水素環基若
しくはその置換体、複素環基若しくはその置換体又はス
チリル基若しくはその置換体、R6は水素原子、アルキ
ル基又はフェニル基若しくはその置換体を表わすか、あ
るいはR5及びR6はそれらに結合する炭素原子と共に環
を形成してもよい、)を示す。] Z :炭化水素環若しくはその置換体又は複素環若しく
はその置換体。 n :1又は2の整数。 m :1又は2の整数。
【0018】
【化8】
【0019】
【化9】 〔上式中、Aは芳香族炭化水素の2価基又は窒素原子を
環内に含む複素環の2価基を表わす。(これらの環は置換
又は無置換でもよい)。Xは前記と同じ。〕
【0020】
【化10】 〔式中、R8はアルキル基、カルバモイル基、カルボキ
シ基又はそのエステルを表わし、Ar1は炭化水素環基
又はその置換体を表わし、Xは前記と同じである。〕
【0021】
【化11】
【化12】 〔上記式化11及び化12中、R9は水素原子又は置換
若しくは無置換の炭化水素基を表わし、Ar2は炭化水
素環基又はその置換体を表わす。〕
【0022】前記一般式化5、化6又は化7のZの炭化
水素環としては、ベンゼン環、ナフタレン環などが例示
でき、また複素環(置換基を持っていてもよい)として
は、インドール環、カルバゾール環、ベンゾラン環、ジ
ベンゾフラン環などが例示できる。Zの環における置換
基としては、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子が
例示できる。
【0023】Y2又はR5における炭化水素環基として
は、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピレニル
基などが、また複素環基としては、ピリジル基、チェニ
ル基、フリル基、インドリル基、ベンゾフラニル基、カ
ルバゾリル基、ジベンゾフラニル基などが例示でき、更
に、R5及びR6が結合して形成する環としては、フルオ
レン環などが例示できる。また、Y2又はR5の炭化水素
環基又は複素環基あるいはR5及びR6によって形成され
る環における置換基としては、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基などのアルキル基;メトキシ基、エ
トキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ
基;塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;ジメチル
アミノ基、ジエチルアミノ基などのジアルキルアミノ
基;トリフルオロメチル基などのハロメチル基;ニトロ
基、シアノ基、カルボキシ基又はそのエステル、水酸
基、−SO3Na などのスルホン酸塩基などが挙げら
れる。
【0024】R4のフェニル基の置換体としては、塩素
原子又は臭素原子などのハロゲン原子が例示できる。R
7又はR9における炭化水素基の代表例としては、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル
基;フェニル基などのアリール基又はこれらの置換体が
例示できる。また、R7又はR9の炭化水素基における置
換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基などのアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基;塩素原子、
臭素原子などのハロゲン原子;水酸基、ニトロ基などが
例示できる。
【0025】Ar1又はAr2における炭化水素環基とし
ては、フェニル基、ナフチル基などがその代表例であ
り、またこれらの基における置換基としては、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル
基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ
基などのアルコキシ基;ニトロ基、塩素原子、臭素原子
などのハロゲン原子;シアノ基、ジメチルアミノ基、ジ
エチルアミノ基などのジアルキルアミノ基などが例示で
きる。また、Xの中では特に水酸基が適当である。
【0026】上記カップラー残基の中でも好ましいのは
上記一般式化5、化8、化9、化10、化11及び化1
2で示されるものであり、この中でも上記一般式におけ
るXが水酸基のものが好ましい。また、この中でも特に
一般式化13で表わされるカップラー残基が好ましく、
更に好ましいのは一般式化14で表わされるカップラー
残基である。
【化13】
【化14】
【0027】更にまた、上記好ましいカップラー残基の
中でも、特に一般式化15又は化16で表わされるもの
が好ましい。
【化15】
【化16】 (Z,R2,R5及びR6は前記に同じであり、またR10
としては上記のY2の置換基が例示できる。)
【0028】また、もう一方のカップラー(Cp’−
H)は、下記一般式化17で表わされる異性体混合物で
ある。
【化17】 (式中、Rは水素原子、アルキル基、アルコキシ基又は
ハロゲン原子を、またnは1〜4の整数を、それぞれ表
わす。) Rの具体例としては、水素原子;メチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基などのアルキル基;メトキシ基、
エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキ
シ基;塩素原子、臭素原子、弗素原子などのハロゲン原
子が挙げられる。
【0029】本発明において使用されるアゾ顔料のカッ
プラーの具体例、即ちCp−Hの具体例を表1〜表13
に、またCp’−Hの具体例を表14にそれぞれ示す。
【0030】
【表1−(1)】
【0031】
【表1−(2)】
【0032】
【表1−(3)】
【0033】
【表2−(1)】
【0034】
【表2−(2)】
【0035】
【表3−(1)】
【0036】
【表3−(2)】
【0037】
【表4】
【0038】
【表5】
【0039】
【表6】
【0040】
【表7】
【0041】
【表8】
【0042】
【表9】
【0043】
【表10】
【0044】
【表11】
【0045】
【表12−(1)】
【0046】
【表12−(2)】
【0047】
【表12−(3)】
【0048】
【表13−(1)】
【0049】
【表13−(2)】
【0050】
【表13−(3)】
【0051】
【表14−(1)】
【0052】
【表14−(2)】
【0053】以上のような本発明のビスアゾ顔料を用い
ることにより、極めて高感度な電子写真用感光体が容易
に製造できる。
【0054】本発明の一般式化1で表わされるビスアゾ
顔料は、下記一般式化18で表わされるジアゾニウム塩
化合物と、前記一般式化4〜化16で表わされるカップ
ラーと、前記一般式化17で表わされるカップラーと
を、2段階に順次反応させるか、あるいは最初のカップ
リング反応によって得られる下記一般式化19又は化2
0で表わされるジアゾニウム塩化合物を単離したのち、
更にそれぞれに対応するカップラー反応させることによ
って得ることができる。
【0055】
【化18】 (式中Xはアニオン官能基を表わす。)
【化19】 (式中、Cpはカップラー残基を、Xはアニオン官能基
をそれぞれ表わす。)
【化20】
【0056】本発明の電子写真用感光体では、ビスアゾ
顔料は感光層における電荷発生物質として用いられ、こ
の感光体の代表的な構成は図1及び図2に示される。
【0057】図1に示される感光体は、導電性支持体1
上に、ビスアゾ顔料2を主体とする電荷発生層3と電荷
搬送物質を主体とする電荷搬送層4とからなる積層型の
感光層5を設けたものである。この感光体では、像露光
された光は電荷搬送層を透過し、電荷発生層3に到達
し、その部分のビスアゾ顔料2で電荷の生成が起こり、
一方、電荷搬送層4は電荷の注入を受けその搬送を行な
うもので、光減衰に必要な電荷の生成はビスアゾ顔料2
で行なわれ、また電荷の搬送は電荷搬送層4でというメ
カニズムである。
【0058】図2に示される感光体は、導電性支持体1
上に主としてビスアゾ顔料2、電荷搬送物質及び絶縁性
結合剤からなる感光層5’を設けたものである。ここで
もビスアゾ顔料2は電荷発生物質である。その他の感光
体として、図1における電荷発生層と電荷搬送層を逆に
することも可能である。
【0059】感光層の厚さについては、図1の構成の場
合、電荷発生層3の厚みは好ましくは0.01〜5μ
m、更に好ましくは0.05〜2μmである。この厚さ
が0.01μm未満であると電荷の発生は充分ではな
く、また5μm超過であると残留電位が高く実用に耐え
ない。電荷搬送層4の厚さは好ましくは3〜50μm、
更に好ましくは5〜20μmである。この厚さが3μm
未満であると帯電量が不充分であり、50μm超過であ
ると残留電位が高く実用的ではない。
【0060】電荷発生層3は前記の一般式で示されるビ
スアゾ顔料を主体とし、更に結合剤、可塑剤などを含有
することができる。また、電荷発生層中のビスアゾ顔料
の割合は、好ましくは30重量%以上、更に好ましくは
50重量%以上である。
【0061】電荷搬送層4は電荷搬送物質と結合剤を主
体とし、更に可塑剤などを含有することができる。電荷
搬送層中の電荷搬送物質の割合は10〜95重量%、好
ましくは30〜90重量%である。電荷搬送物質の占め
る割合が10重量%未満であると、電荷の搬送は殆ど行
なわれず、また95重量%超過であると、感光体皮膜の
機械的強度が極めて悪く実用に供しえない。
【0062】図2に示した感光体の場合は、感光層5’
の厚さは好ましくは3〜50μm、更に好ましくは5〜
20μmである。また、感光層5’中のジスアゾ顔料の
割合は好ましくは50重量%以下、更に好ましくは20
重量%以下であり、また電荷搬送物質の割合は好ましく
は10〜95重量%、更に好ましくは30〜90重量%
である。
【0063】本発明は、電子写真用感光体における電荷
発生物質として、前記一般式化1で表わされる特定のビ
スアゾ顔料を用いることを骨子とするものであり、導電
性支持体、電荷搬送物質など他の構成要素としては、従
来知られていたもののいずれもが使用できるが、それら
について以下に具体的に説明する。
【0064】本発明の感光体において使用される導電性
支持体としては、アルミニウム、銅、亜鉛等の金属板、
ポリエステル等のプラスチックシート又はプラスチック
フィルムにアルミニウム、SnO2等の導電材料を蒸着
したもの、あるいは導電処理した紙等が使用される。
【0065】結合剤としては、ポリアミド、ポリウレタ
ン、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカ
ーボネート、ポリアセタールなどの縮合系樹脂やポリビ
ニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾ
ール、ポリアクリルアミドなどのビニル重合体などが挙
げられるが、絶縁性で且つ接着性のある樹脂は全て使用
できる。また、可塑剤としては、ハロゲン化パラフィ
ン、ポリ塩化ビフェニル、ジメチルナフタレン、ジブチ
ルフタレートなどが挙げられる。その他感光体の表面性
をよくするためにシリコンオイル等を加えてもよい。
【0066】電荷搬送物質には正孔搬送物質と電子搬送
物質がある。正孔搬送物質としては、例えばポリ−N−
カルバゾール及びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリル
エチルグルタメート及びその誘導体、ピレン−ホルムア
ルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポ
リビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、イミダ
ゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、及び以下の
一般式で示される化合物がある。
【0067】(1)(特開昭55−154955号、特
開昭156954号公報に記載)
【化21】 〔式中、R1はメチル基、エチル基、2−ヒドロキシエ
チル基又は2−クロルエチル基を表わし、R2はメチル
基、エチル基、ベンジル基又はフェニル基を表わし、R
3は水素原子、塩素原子、臭素原子、炭素数1〜4のア
ルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ジアルキルア
ミノ基又はニトロ基を表わす。〕
【0068】(2)(特開昭55−52063号公報に
記載)
【化22】 〔式中、Arはナフタレン環、アントラセン環、スチリ
ル環及びそれらの置換体あるいはピリジン環、フラン
環、チオフェン環を表わし、Rはアルキル基又はベンジ
ル基を表わす。〕
【0069】(3)(特開昭56−81850号公報に
記載)
【化23】 〔式中、R1はアルキル基、ベンジル基、フェニル基又
はナフチル基を表わし、R2は水素原子、炭素数1〜3
のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、ジアルキ
ルアミノ基、ジアラルキルアミノ基又はジアリールアミ
ノ基を表わし、nは1〜4の整数を表わし、nが2以上
のときはR2は同じでも異なっていてもよい。R3は水素
原子又はメトキシ基を表わす。〕
【0070】(4)(特公昭51−10983号公報に
記載)
【化24】 〔式中、R1は炭素数1〜11のアルキル基、置換若し
くは無置換のフェニル基又は複素環基を表わし、R2
3はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原
子、炭素数1ー4のアルキル基、ヒドロキシアルキル
基、クロルアルキル基又は置換若しくは無置換のアラル
キル基を表わし、また、R2とR3は互いに結合し窒素を
含む複素環を形成していてもよい。R4は同一でも異な
っていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル
基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表わす。〕
【0071】(5)(特開昭51−94829号公報に
記載)
【化25】 〔式中、Rは水素原子又はハロゲン原子を表わし、Ar
は置換若しくは無置換のフェニル基、ナフチル基、アン
トリル基又はカルバゾリル基を表わす。〕
【0072】(6)(特開昭52−128373号公報
に記載)
【化26】 〔式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭
素数1〜4のアルコキシ基又は炭素数1〜4のアルキル
基を表わし、Arは
【化27】 を表わし、R2は炭素数1〜4のアルキル基を表わし、
3は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキ
ル基、炭素数1〜4のアルコキシ基又はジアルキルアミ
ノ基を表わし、nは1又は2であって、nが2のときは
3は同一でも異なってもよく、R4及びR5は水素原
子、炭素数1〜4の置換若しくは無置換のアルキル基又
は置換若しくは無置換のベンジル基を表わす。〕
【0073】(7)(特開昭56−29245号公報に
記載)
【化28】 〔式中、Rはカルバゾリル基、ピリジル基、チエニル
基、インドリル基、フリル基あるいはそれぞれ置換若し
くは非置換のフェニル基、スチリル基、ナフチル基又は
アントリル基であって、これらの置換基がジアルキルア
ミノ基、アルキル基、アルコキシ基、カルボキシ基又は
そのエステル、ハロゲン原子、シアノ基、アラルキルア
ミノ基、N−アルキル−N−アラルキルアミノ基、アミ
ノ基、ニトロ基及びアセチルアミノ基からなる群から選
ばれた基を表わす。〕
【0074】(8)(特開昭58−58552号公報に
記載)
【化29】 〔式中、R1は低級アルキル基、置換若しくは無置換の
フェニル基、又はベンジル基を表わし、R2は水素原
子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原
子、ニトロ基、アミノ基あるいは低級アルキル基又はベ
ンジル基で置換されたアミノ基を表わし、nは1又は2
の整数を表わす。〕
【0075】(9)(特開昭57−73075号公報に
記載)
【化30】 〔式中、R1は水素原子、アルキル基、アルコキシ基又
はハロゲン原子を表わし、R2及びR3はアルキル基、置
換若しくは無置換のアラルキル基あるいは置換若しくは
無置換アリール基を表わし、R4は水素原子、低級アル
キル基又は置換若しくは無置換のフェニル基を表わし、
また、Arは置換若しくは無置換のフェニル基又はナフ
チル基を表わす。〕
【0076】(10)(特開昭58−198043号公
報に記載)
【化31】 〔式中、nは0又は1の整数、R1は水素原子、アルキ
ル基又は置換若しくは無置換のフェニル基を表わし、A
1は置換若しくは未置換のアリール基を表わし、R5
置換アルキル基を含むアルキル基、あるいは置換若しく
は無置換のアリール基を表わし、Aは
【化32】 9−アントリル基又は置換若しくは無置換のカルバゾリ
ル基を表わし、ここでR2は水素原子、アルキル基、ア
ルコキシ基、ハロゲン原子又は 基又は置換若しくは無置換のアリール基を示し、R3
びR4は同じでも異なっていてもよく、R4は環を形成し
てもよい、)を表わし、mは0,1,2又は3の整数で
あって、mが2以上のときはR2は同一でも異なっても
よい。また、nが0のとき、AとR1は共同で環を形成
してもよい。〕
【0077】(11)(特開昭49−105537号公
報に記載)
【化33】 〔式中、R1、R2及びR3は水素原子、低級アルキル
基、低級アルコキシ基、ジアルキルアミノ基又はハロゲ
ン原子を表わし、nは0又は1を表わす。〕
【0078】(12)(特開昭52−139066号公
報に記載)
【化34】 〔式中、R1及びR2は置換アルキル基を含むアルキル
基、又は置換若しくは未置換のアリール基を表し、Aは
置換アミノ基、置換若しくは未置換のアリール基又はア
リル基を表わす。〕
【0079】(13)(特開昭52−139065号公
報に記載)
【化35】 〔式中、Xは水素原子、低級アルキル基又はハロゲン原
子を表し、Rは置換アルキル基を含むアルキル基、又は
置換若しくは無置換のアリール基を表わし、Aは置換ア
ミノ基又は置換若しくは無置換のアリール基を表わ
す。〕
【0080】(14)(特公昭58−32372号公報
に記載)
【化36】 〔式中、R1は低級アルキル基、低級アルコキシ基又は
ハロゲン原子を表わし、nは0〜4の整数を表わし、R
2,R3は同じでも異なっていてもよく、水素原子、低級
アルキル基、低級アルコキシ基又はハロゲン原子を表わ
す。〕
【0081】(15)(特開平2−178669公報に
記載)
【化37】 〔式中、R1,R3及びR4は水素原子、アミノ基、アル
コキシ基、チオアルコキシ基、アリールオキシ基、メチ
レンジオキシ基、置換若しくは無置換のアルキル基、ハ
ロゲン原子又は置換若しくは無置換のアリール基を、R
2は水素原子、アルコキシ基、置換若しくは無置換のア
ルキル基又はハロゲン原子を表わす。但し、R1,R2
3及びR4はすべて水素原子である場合は除く。また、
k,l,m及びnは1,2,3又は4の整数であり、各
々が2,3又は4の整数のときは、前記R1,R2,R3
及びR4は同じでも異なっていてもよい。〕
【0082】(16)(特願平1−77839号に記
載)
【化38】 〔式中、Arは炭素数18個以下の縮合多環式炭化水素
基を表わし、またR1及びR2は水素原子、ハロゲン原
子、置換若しくは無置換のアルキル基、アルコキシ基、
置換若しくは無置換のフェニル基を表わし、それぞれ同
じでも異なっていてもよい。〕
【0083】(17)(特願昭62−98394号に記
載)
【化39】A−CH=CH−Ar−CH=CH−A 〔式中、Arは置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基
を表わし、Aは、 水素基を表わし、R1及びR2は置換若しくは無置換のア
ルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基であ
る、)を表わす。〕
【0084】(18)(特願平2−94812号に記
載)
【化40】 〔式中、Arは芳香族炭化水素基を、Rは水素原子、置
換若しくは無置換のアルキル基又はアリール基を、それ
ぞれ表わす。nは0又は1、mは1又は2であって、n
=0、m=1の場合、ArとRは共同で環を形成しても
よい。〕
【0085】一般式化21で表せられる化合物には、例
えば、9−エチルカルバゾール−3−アルデヒド−1−
メチル−1−フェニルヒドラゾン、9−エチルカルバゾ
ール−3−アルデヒド−1−ベンジル−1−フェニルヒ
ドラゾン、9−エチルカルバゾール−3−アルデヒド−
1,1−ジフェニルヒドラゾンなどがある。また、一般
式化22で表せられる化合物には、例えば、4−ジエチ
ルアミノスチリル−β−アルデヒド−1−メチル−1−
フェニルヒドラゾン、4−メトキシナフタレン−1−ア
ルデヒド−1−べンジル−1−フェニルヒドラゾンなど
がある。
【0086】一般式化23で表せられる化合物には、例
えば、4−メトキシベンズアルデヒド−1−メチル−1
−フェニルヒドラゾン、2,4−ジメトキシベンズアル
デヒド−1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾン、4−
ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニル
ヒドラゾン、4−メトキシベンズアルデヒド−1−ベン
ジル−1−(4−メトキシ)フェニルヒドラゾン、4−
ジフェニルアミノベンズアルデヒド−1−ベンジル−1
−フェニルヒドラゾン、4−ジベンジルアミノベンズア
ルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾンなどがある。
また、一般式化24で表せられる化合物には、例えば、
1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパ
ン、トリス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、
1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパ
ン、2,2’−ジメチル−4,4’−ビス(ジエチルア
ミノ)−トリフェニルメタンなどがある。
【0087】一般式化25で表せられる化合物には、例
えば、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセ
ン、9−ブロム−10−(4−ジエチルアミノスチリ
ル)アントラセンなどがある。また、一般式化26で表
せられる化合物には、例えば、9−(4−ジメチルアミ
ノベンジリデン)フルオレン、3−(9−フルオレニリ
デン)−9−エチルカルバゾールなどがある。また、一
般式化28で表せられる化合物には、例えば、1,2−
ビス(4−ジエチルアミノスチリル)べンゼン、1,2
−ビス(2,4−ジメトキシスチリル)ベンゼンなどが
ある。
【0088】一般式化29で表せられる化合物には、例
えば、3−スチリル−9−エチルカルバゾール、3−
(4−メトキシスチリル)−9−エチルカルバゾールな
どがある。また、一般式化30で表せられる化合物に
は、例えば、4−ジフェニルアミノスチルベン、4−ジ
ベンジルアミノスチルベン、4−ジトリルアミノスチル
ベン、1−(4−ジフェニルアミノスチリル)ナフタレ
ン、1−(4−ジエチルアミノスチリル)ナフタレンな
どがある。
【0089】一般式化31で表せられる化合物には、例
えば、4’−ジフェニルアミノ−α−フェニルスチルベ
ン、4’−ビス(4−メチルフェニル)アミノ−α−フ
ェニルスチルベンなどがある。また、一般式化33で表
せられる化合物には、例えば、1−フェニル−3−(4
−ジエチルアミノスチリル)−5−(4−ジエチルアミ
ノフェニル)ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ジ
メチルアミノスチリル)−5−(4−ジメチルアミノフ
ェニル)ピラゾリンなどがある。
【0090】一般式化34で表せられる化合物には、例
えば、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−
1,3,4−オキサジアゾール、2−N,N−ジフェニ
ルアミノ−5−(4−ジエチルアミノフェニル)−1,
3,4−オキサジアゾール、2−(4−ジメチルアミノ
フェニル)−5−(4−ジエチルアミノフェニル)1,
3,4−オキサジアゾールなどがある。また、一般式化
35で表せられる化合物には、例えば、2−N,N−ジ
フェニルアミノ−5−(N−エチルカルバゾール−3−
イル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4−ジ
エチルアミノフェニル)−5−(N−エチルカルバゾー
ル−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾールなどが
ある。
【0091】一般式化36で表せられるベンジジン化合
物には、例えば、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビ
ス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]
−4,4’−ジアミン、3,3’−ジメチル−N,N,
N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)−
[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミンなどが
ある。また、一般式化37で表せられるビフェニルアミ
ン化合物には、例えば、4’−メトキシ−N,N−ジフ
ェニル−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン、4’
−メチル−N,N−ビス(4−メチルフェニル)−
[1,1’−ビフェニル]−4−アミン、4’−メトキ
シ−N,N−ビス(4−メチルフェニル)−[1,1’
−ビフェニル]−4−アミンなどがある。
【0092】一般式化38で表せられるトリアリールア
ミン化合物には、例えば、1−ジフェニルアミノピレ
ン、1−ジ(p−トリルアミノ)ピレンなどがある。ま
た、一般式化39で表せられるジオレフィン芳香族化合
物には、例えば、1,4−ビス(4−ジフェニルアミノ
スチリル)ベンゼン、1,4−ビス[4−ジ(p−トリ
ル)アミノスチリル]ベンゼンなどがある。また、一般
式化40で表せられるスチリルピレン化合物には、例え
ば、1−(4−ジフェニルアミノスチリル)ピレン、1
−[4−ジ(p−トリル)アミノスチリル]ピレンなど
がある。
【0093】なお、電子搬送物質としては、例えばクロ
ルアニル、ブロムアニル、テトラシノエチレン、テトラ
シアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フ
ルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フル
オレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、
2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−
トリニトロ−インデノ4H−インデノ[1,2−b]チ
オフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾ
チオフェン−5,5−ジオキサイドなどがある。これら
の電荷搬送物質は単独又は2種以上混合して用いられ
る。
【0094】なお、本発明の感光体においては、導電性
支持体と感光層の間に必要に応じて接着層又はバリヤ層
を設けることができる。これらの層に用いられる材料と
しては、ポリアミド、ニトロセルロール、酸化アルミニ
ウムなどが適当で、また膜厚は1μm以下が好ましい。
【0095】図1に示される感光体を作成するには、導
電性支持体上のビスアゾ顔料を米国特許第3,973,
959号明細書、同第3,996,049号明細書等に
記載されている真空蒸着方法で真空蒸着するか、あるい
は、ビスアゾ顔料の微粒子を必要とあれば結合剤を溶解
した適当な溶剤中に分散し、これを導電性支持体上に塗
布乾燥し、更に必要とあれば、例えば特開昭51−90
827号公報に示されているようなパフ研摩等の方法に
より表面仕上をするか、膜厚を調整した後、電荷搬送物
質及び結合剤を含む溶剤を塗布乾燥して得られる。
【0096】また、図2に示される感光体を作成するに
は、ビスアゾ顔料の微粉末を電荷搬送物質及び結合剤を
溶解した溶液中に分散せしめ、これを導電性支持体上に
塗布乾燥すればよい。
【0097】いずれの場合も本発明に使用されるビスア
ゾ顔料は、ボールミル等により粒径5μm以下、好まし
くは2μm以下に粉砕して用いられる。塗布方法は通常
の手段、例えばドクターブレード、ディッピング、ワイ
ヤーバーなどで行なう。
【0098】本発明の感光体を用いて複写を行なうに
は、感光層面に帯電、露光を施した後、現像を行ない、
必要によって、紙などへ転写を行なうことにより達成さ
れる。
【0099】本発明の電子写真用感光体は、前記一般式
化1で示されるビスアゾ顔料を電荷発生物質として用い
ることにより、従来の感光体に比較して製造が容易であ
り、また、高感度で、しかも可視域全般及び半導体レー
ザーの発振波長域にわたってフラットな感度を示し、感
光体の反復使用に対しても特性が安定しているなど、優
れた性質を有する。
【0100】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、これにより本発明の態様が限定されるものではな
い。なお、以下に示す%及び部はすべて重量基準であ
る。
【0101】製造例1 2−ヒドロキシ及び5−ヒドロキシ−7H−ベンズイミ
ダゾ[2,1−a]ベンズ[de]イソキノリン−7−
オンの混合物(カップラーNo.247)0.43g
(1.5ミリモル)をDMF200mlに溶解し、室温
にて9−フルオレノン−2,7−ビス(ジアゾニウムテ
トラフルオロボレート)(一般式化18;X=BF4
0.61g(1.5ミリモル)を加えた。
【0102】室温にて10分間撹拌した後、2−ヒドロ
キシ−3−(2−クロロフェニル)カルバモイルナフタ
レン(カップラ−No.17)0.45g(1.5ミリ
モル)を加え、次いで10.5%酢酸ソーダ水溶液4.
7gを加えて2時間室温にて撹拌した。生成している沈
殿を濾別し、80℃に加熱したDMF150mlで3回
洗浄し、次に水150mlで2回洗浄した。120℃で
減圧下に乾燥して、下記に示すビスアゾ顔料(No.
1)0.49g(収率40%)得た。
【0103】
【化41】
【0104】得られた化合物の融点は280℃以上であ
り、またその元素分析値はC482675Clとして下
記の通りであった。 C% H% N% Cl% 実測値 69.76 3.02 11.52 5.19 計算値 70.63 3.21 12.01 4.34
【0105】この化合物の赤外線吸収スペクトル(KB
r錠剤法)を図3に示す。図3から分かるように、フル
オレノン環、ヒドロキシペリノン環、フェニルカルバモ
イル基のC=0伸縮振動に基づく吸収が、それぞれ17
20、1700、1675cm-1に確認された。
【0106】製造例2〜3 製造例1において、カップラーNo.17の代わりに、
それぞれカップラーNo.18、同No.19を用いた
以外は、製造例と同様にしてビスアゾ顔料No.2、同
No.3を得た。それらの結果を表15及び表16に示
す。
【0107】
【表15】
【0108】
【表16】
【0109】実施例1 ビスアゾ顔料No.1を7.5部、及びポリエステル樹
脂(東洋紡績社製バイロン200)のテトラヒドロフラ
ン溶液(固形分濃度0.5%)500部をボールミル中
で粉砕混合し、得られた分散液をアルミニウム蒸着した
ポリエステルベース(導電性支持体)のアルミ面上にド
クターブレードを用いて塗布し、自然乾燥して、厚さ約
1μmの電荷発生層を形成した。
【0110】この電荷発生層上に、電荷搬送物質として
9−エチルカルバゾール−3−アルデヒド1−メチル−
1−フェニルヒドラゾン2部、ポリカーボネート樹脂
(帝人社製パンライトK−1300)2部及びテトラヒ
ドロフラン16部を混合溶解した溶液をドクターブレー
ドを用いて塗布し、80℃で2分間、次いで120℃で
5分間乾燥して厚さ約20μmの電荷搬送層を形成し、
図1に示した積層型の感光体No.1を作成した。
【0111】実施例2〜3 実施例1で用いたビスアゾ顔料No.1の代りに後記表
17に示すビスアゾ顔料を用いた以外は、実施例1と同
様にして感光体No.2〜3を作成した。
【0112】実施例4〜6 電荷搬送物質としてα−フェニル−4’−ビス(4−メ
チルフェニル)アミノスチルベンを用い、且つ表17に
示すビスアゾ顔料を用いた以外は、実施例1と同様にし
て感光体No.4〜6を作成した。
【0113】実施例7〜9 電荷搬送物質としてα−フェニル−4’−ジフェニルア
ミノスチルベンを用い、且つ表17に示すビスアゾ顔料
を用いた以外は、実施例1と同様にして感光体No.7
〜9を作成した。
【0114】実施例10〜12 電荷搬送物質として1,1−ビス(4−ジベンジルアミ
ノフェニル)プロパンを用い、且つ表17に示すビスア
ゾ顔料を用いた以外は、実施例1と同様にして感光体N
o.10〜12を作成した。
【0115】(評価)これらの感光体No.1〜12に
ついて、静電複写紙試験装置[(株)川口電機製作所
製、SP428型]を用いて、−6KVのコロナ放電を
20秒間行なって負に帯電せしめた後、20秒間暗所に
放置し、その時の表面電位Vpo(V)を測定し、次い
で、タングステンランプによってその表面が照度4.5
ルックスになるようにして光を照射し、その表面電位が
Vpoの1/2になるまでの時間(秒)を求め、露光量E
1/2(ルックス・秒)を算出した。その結果を表17
に示す。
【0116】
【表17】
【0117】更に、感光体No.7及びNo.10をリ
コー社製複写機リコピーFT−4700型に装着して、
画像出しを10,000回繰返したが、その結果、いず
れの感光体も複写プロセスの繰返しにより変化すること
なく、鮮明な画像が得られた。
【0118】表17の結果から、本発明の感光体が可視
域で優れた感度を有していることが分かるし、また、繰
り返し画像出しにより、本発明の感光体が耐久性におい
ても優れたものであることが分かる。
【0119】
【発明の効果】本発明の電子写真用感光体は、電荷発生
物質として前記一般式化1で示されるビスアゾ顔料を含
有させるという構成としたことから、可視域全般にわっ
たて優れた感度を有し、且つ耐久性にも優れたものとな
る。また、この感光体はその作成においても、蒸着を行
なったりあるいは有機アミンを用いたりする必要がない
ため、製造上も有利なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真用感光体の構成例を示す模式
断面図である。
【図2】本発明の電子写真用感光体の構成例を示す模式
断面図である。
【図3】製造例1で得られた本発明に用いるビスアゾ顔
料の赤外線吸収スペクトル図(KBr錠剤法)である。
【符号の説明】
1……導電性支持体 2……ビスアゾ顔料 3……電荷発生層 4……電荷搬送層 5、5′……感光層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に下記一般式化1で示さ
    れるビスアゾ顔料の少なくとも一種を有効成分として含
    有する層を形成せしめたことを特徴とする電子写真用感
    光体。 【化1】
  2. 【請求項2】 前記ビスアゾ顔料が下記一般式化2で示
    される化合物の少なくとも一種である請求項1記載の電
    子写真用感光体。 【化2】
JP18314392A 1992-06-17 1992-06-17 電子写真用感光体 Pending JPH063840A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18314392A JPH063840A (ja) 1992-06-17 1992-06-17 電子写真用感光体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18314392A JPH063840A (ja) 1992-06-17 1992-06-17 電子写真用感光体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH063840A true JPH063840A (ja) 1994-01-14

Family

ID=16130556

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18314392A Pending JPH063840A (ja) 1992-06-17 1992-06-17 電子写真用感光体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH063840A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7192677B2 (en) * 1993-11-05 2007-03-20 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoconductor

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7192677B2 (en) * 1993-11-05 2007-03-20 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoconductor

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0557581B1 (ja)
US6271356B1 (en) Electrophotographic photoconductor, azo compounds for use in the same, and intermediates for producing the azo compounds
JPS61241763A (ja) 電子写真用感光体
JPH065389B2 (ja) 電子写真用感光体
EP0153145A2 (en) Photoreceptor
JP2643952B2 (ja) 電子写真用感光体
JP3794647B2 (ja) 非対称ビスアゾ顔料及びこれを用いた電子写真用感光体
JPH063840A (ja) 電子写真用感光体
JP2650715B2 (ja) 電子写真用感光体
JP2606702B2 (ja) 電子写真感光体
JP2515386B2 (ja) 電子写真用感光体
JP2604858B2 (ja) 電子写真用感光体
JP3573829B2 (ja) 電子写真用感光体
JPS62157041A (ja) 電子写真用感光体
JPH0546938B2 (ja)
JPH0529106B2 (ja)
JP2731555B2 (ja) 電子写真用感光体
JPH0640222B2 (ja) 電子写真用感光体
JPS60151645A (ja) 電子写真用感光体
JPH067266B2 (ja) 電子写真用感光体
JPS62127745A (ja) 電子写真用感光体
JPH0422265B2 (ja)
JPH0677155B2 (ja) 電子写真用感光体
JPH04225068A (ja) アゾ化合物とそれを用いた感光体
JPH0731406B2 (ja) 電子写真用感光体