JPH0638296A - スピーカ用エッジ - Google Patents
スピーカ用エッジInfo
- Publication number
- JPH0638296A JPH0638296A JP21354492A JP21354492A JPH0638296A JP H0638296 A JPH0638296 A JP H0638296A JP 21354492 A JP21354492 A JP 21354492A JP 21354492 A JP21354492 A JP 21354492A JP H0638296 A JPH0638296 A JP H0638296A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- edge
- resin
- speaker
- diaphragm
- polyester
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- Diaphragms For Electromechanical Transducers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 振動板振動時のエッジの追随性を良好にし、
機械的内部損失を大きくし、他の樹脂との塗れ性を改善
したスピーカ用エッジを提供する。 【構成】 振動板本体５を振動可能に支持するスピーカ
用エッジ１であって、内部がポリエステル系樹脂３で、
外層部がポリアミド形樹脂４で被覆されたコンジュゲイ
ト繊維２からなる織布又は不織布に、賦形材としてフェ
ノール樹脂を１０〜１５重量％含浸させて、エッジ形状
に加熱プレスする。
機械的内部損失を大きくし、他の樹脂との塗れ性を改善
したスピーカ用エッジを提供する。 【構成】 振動板本体５を振動可能に支持するスピーカ
用エッジ１であって、内部がポリエステル系樹脂３で、
外層部がポリアミド形樹脂４で被覆されたコンジュゲイ
ト繊維２からなる織布又は不織布に、賦形材としてフェ
ノール樹脂を１０〜１５重量％含浸させて、エッジ形状
に加熱プレスする。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、各種の音響機器に使用
されるスピーカの振動板をフレーム内部に支持するエッ
ジと、その製造方法に関する。
されるスピーカの振動板をフレーム内部に支持するエッ
ジと、その製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】スピーカの振動板は、図３〜図４に示す
如く音を放射する振動板本体10と、該振動板本体10を支
持する可撓性に富むエッジ11から構成され、エッジ11
は、図３に断面を示す様に振動板本体10の外周部を薄く
して可撓性を大きくしたフィックスエッジと、図４に断
面を示す様に振動板本体10とは別の柔軟な材料から製し
たフリーエッジとが存在する。このうち図３のフィック
スエッジは可撓性と強度に乏しいが構造が簡単であるか
ら主として安価なスピーカに使用され、又、フリーエッ
ジは主として高入力、高忠実度スピーカに用いられてい
たが、近年に於ける音響機器の高級化志向に起因して、
一般のスピーカにもフリーエッジが使用される傾向にあ
る。
如く音を放射する振動板本体10と、該振動板本体10を支
持する可撓性に富むエッジ11から構成され、エッジ11
は、図３に断面を示す様に振動板本体10の外周部を薄く
して可撓性を大きくしたフィックスエッジと、図４に断
面を示す様に振動板本体10とは別の柔軟な材料から製し
たフリーエッジとが存在する。このうち図３のフィック
スエッジは可撓性と強度に乏しいが構造が簡単であるか
ら主として安価なスピーカに使用され、又、フリーエッ
ジは主として高入力、高忠実度スピーカに用いられてい
たが、近年に於ける音響機器の高級化志向に起因して、
一般のスピーカにもフリーエッジが使用される傾向にあ
る。
【０００３】フリーエッジにはポリエーテル系或いはポ
リエステル系発泡ウレタンシート等軽量な材料を単独で
使用したエッジと、例えば延伸ポリエチレンテレフタレ
ート（延伸ＰＥＴ）繊維の織布又は不織布のような繊維
性基材に賦形材樹脂を含浸させたり、ゴム質材料をコー
ティングした積層材料を熱プレスしたエッジが存在する
が、いずれも柔軟性、軽量、振動板の分割共振やエッジ
自身の共振を抑制してスピーカの周波数特性を良好にす
るために必要な機械的な内部損失（ｔａｎδ）が大きい
こと、賦形材樹脂との濡れ性がよいこと等が要求され
る。
リエステル系発泡ウレタンシート等軽量な材料を単独で
使用したエッジと、例えば延伸ポリエチレンテレフタレ
ート（延伸ＰＥＴ）繊維の織布又は不織布のような繊維
性基材に賦形材樹脂を含浸させたり、ゴム質材料をコー
ティングした積層材料を熱プレスしたエッジが存在する
が、いずれも柔軟性、軽量、振動板の分割共振やエッジ
自身の共振を抑制してスピーカの周波数特性を良好にす
るために必要な機械的な内部損失（ｔａｎδ）が大きい
こと、賦形材樹脂との濡れ性がよいこと等が要求され
る。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】この様な構造を有する
従来のフリーエッジに於て、発泡ウレタンシート単独か
らなるエッジは比較的安価であるが、発泡により実質的
な表面積が大きいので耐湿性、耐候性に乏しく、一方、
延伸ＰＥＴ繊維布に例えばフェノール樹脂等の賦形材樹
脂を含浸、熱プレスしたエッジはｔａｎδが大きくな
く、フェノール樹脂等の賦形材樹脂との濡れ性が良好で
ないというスピーカエッジとして常時繰り返し変形応力
が加わる場合、耐久性に乏しいという解決すべき課題が
あった。
従来のフリーエッジに於て、発泡ウレタンシート単独か
らなるエッジは比較的安価であるが、発泡により実質的
な表面積が大きいので耐湿性、耐候性に乏しく、一方、
延伸ＰＥＴ繊維布に例えばフェノール樹脂等の賦形材樹
脂を含浸、熱プレスしたエッジはｔａｎδが大きくな
く、フェノール樹脂等の賦形材樹脂との濡れ性が良好で
ないというスピーカエッジとして常時繰り返し変形応力
が加わる場合、耐久性に乏しいという解決すべき課題が
あった。
【０００５】そこで本発明は、上記従来例に付する欠点
を解消し、振動板の振動時の追随性や耐久性を改善し、
併せて十分なＴＡＮδを有してスピーカの周波数特性を
良好にするエッジを得ることで、優れた品質を保持する
スピーカを提供することを目的とする。
を解消し、振動板の振動時の追随性や耐久性を改善し、
併せて十分なＴＡＮδを有してスピーカの周波数特性を
良好にするエッジを得ることで、優れた品質を保持する
スピーカを提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係るスピーカ用エッジを、実施例エッジの断
面並びに細部構成を示す図１〜図２を用いて説明する
と、本願はスピーカの振動板本体５の外周部に貼着され
て該振動板本体を振動可能に支持するスピーカ用エッジ
１であって、内部がポリエステル系樹脂３で、外装部が
ポリアミド系樹脂４で被覆されたコンジュゲイト繊維２
からなる織布又は不織布に、賦形材としてフェノール樹
脂を１０〜１５重量％含浸させて、エッジ形状に加熱、
加圧して得たことを特徴とする。
の本発明に係るスピーカ用エッジを、実施例エッジの断
面並びに細部構成を示す図１〜図２を用いて説明する
と、本願はスピーカの振動板本体５の外周部に貼着され
て該振動板本体を振動可能に支持するスピーカ用エッジ
１であって、内部がポリエステル系樹脂３で、外装部が
ポリアミド系樹脂４で被覆されたコンジュゲイト繊維２
からなる織布又は不織布に、賦形材としてフェノール樹
脂を１０〜１５重量％含浸させて、エッジ形状に加熱、
加圧して得たことを特徴とする。
【０００７】
【作用】本願のエッジは、図２に示すように外側がポリ
アミド系樹脂からなるため、表１に示すように従来の延
伸ＰＥＴ繊維布と比較して、内部損失を表すｔａｎδの
値が約３倍以上であり、又、濡れ指数も約１０％大きく
なっている。従って図５に実線で示す周波数特性の様
に、点線で示した従来例の特性と比較して、中音域にお
ける大きなディップが改善されて平坦となっている。
アミド系樹脂からなるため、表１に示すように従来の延
伸ＰＥＴ繊維布と比較して、内部損失を表すｔａｎδの
値が約３倍以上であり、又、濡れ指数も約１０％大きく
なっている。従って図５に実線で示す周波数特性の様
に、点線で示した従来例の特性と比較して、中音域にお
ける大きなディップが改善されて平坦となっている。
【０００８】また、コンジュゲイト繊維２の内側のポリ
エステルは伸縮率が低く、寸法安定性に優れている。
エステルは伸縮率が低く、寸法安定性に優れている。
【０００９】
【表１】
【００１０】
【実施例】本願発明で用いられるコンジュゲイト繊維２
は、ポリエステル系樹脂３としてＰＥＴ樹脂を、ポリア
ミド系樹脂４としてナイロン６６を使用し、夫々の溶融
ポリマーが融合され、同時に吐出紡糸される。
は、ポリエステル系樹脂３としてＰＥＴ樹脂を、ポリア
ミド系樹脂４としてナイロン６６を使用し、夫々の溶融
ポリマーが融合され、同時に吐出紡糸される。
【００１１】次いで、ポリエステルの２次転移温度６０
〜８０℃より低く、且つポリアミドの２次転移温度−３
０〜４５℃より高い４５〜６０℃の間の温度で加熱延伸
を行ったが、この延伸工程では、ポリエステル３部は高
分子の配列は凍結されていて変形が困難であり、ポリア
ミド４部は高分子の凍結がとけて図２に示すような偏心
芯サヤ型２成分繊維ができる。この様なコンジュゲイト
繊維は、ポリアミド，ポリエステル中の分子群は延伸方
向に配向し、野火多分示唆を持つフィブリル状の結晶が
生じている。このため、この繊維は強度が非常に優れて
いることが特徴である。
〜８０℃より低く、且つポリアミドの２次転移温度−３
０〜４５℃より高い４５〜６０℃の間の温度で加熱延伸
を行ったが、この延伸工程では、ポリエステル３部は高
分子の配列は凍結されていて変形が困難であり、ポリア
ミド４部は高分子の凍結がとけて図２に示すような偏心
芯サヤ型２成分繊維ができる。この様なコンジュゲイト
繊維は、ポリアミド，ポリエステル中の分子群は延伸方
向に配向し、野火多分示唆を持つフィブリル状の結晶が
生じている。このため、この繊維は強度が非常に優れて
いることが特徴である。
【００１２】この偏心芯サヤ型２成分繊維で出来た織布
基材でその見掛けの厚みが５０ミクロンのものを用い、
賦形材樹脂としてフェノール樹脂１０〜１５重量％を含
浸して、成形温度２６０〜２９０℃、圧力１Ｋｇ／ｃｍ
2 の下で１０〜１２秒間加熱プレスしてスピーカ用エッ
ジ１を得た。
基材でその見掛けの厚みが５０ミクロンのものを用い、
賦形材樹脂としてフェノール樹脂１０〜１５重量％を含
浸して、成形温度２６０〜２９０℃、圧力１Ｋｇ／ｃｍ
2 の下で１０〜１２秒間加熱プレスしてスピーカ用エッ
ジ１を得た。
【００１３】比較のための従来例として、織布基材とし
て延伸ＰＥＴ繊維織布を使用し、実施例と同一工程でエ
ッジを得、上記実施例エッジと共に１６ｃｍスピーカを
組立て、周波数特性を測定して図５に示した。同図特性
表で実線は実施例、点線は従来例である。
て延伸ＰＥＴ繊維織布を使用し、実施例と同一工程でエ
ッジを得、上記実施例エッジと共に１６ｃｍスピーカを
組立て、周波数特性を測定して図５に示した。同図特性
表で実線は実施例、点線は従来例である。
【００１４】以上、本発明に係るスピーカ用エッジにつ
いて代表的と思われる実施例を基に詳述したが、本発明
によるエッジの実施態様は、コンジュゲイト繊維を形成
する２種の樹脂成分などに於て、上記実施例の構造に限
定されるものではなく、例えばポリエステル系樹脂、ポ
リアミド系樹脂の種類等、前記した特許請求の範囲に記
載の構成要件を具備し、本発明にいう作用を呈し、以下
に述べる効果を有する限りにおいて、適宜改変して実施
しうるものである。
いて代表的と思われる実施例を基に詳述したが、本発明
によるエッジの実施態様は、コンジュゲイト繊維を形成
する２種の樹脂成分などに於て、上記実施例の構造に限
定されるものではなく、例えばポリエステル系樹脂、ポ
リアミド系樹脂の種類等、前記した特許請求の範囲に記
載の構成要件を具備し、本発明にいう作用を呈し、以下
に述べる効果を有する限りにおいて、適宜改変して実施
しうるものである。
【００１５】
【効果】本願発明に係るスピーカ用エッジは、以下に述
べる効果を有する。 (1) まず表１から、明らかなように、実施例のコンジュ
ゲイト繊維は図１のように外側が耐熱性に優れたポリア
ミド樹脂で取り巻いているので、耐熱加工ができ、又内
部損失は約３倍に従って、図５に示すように中音域での
振動板との逆位相振動（エッジ共振）を防ぎ、周波数特
性を平坦にして、優れた品質の再生音を得る。又、個体
の濡れ指数は約１０％向上しているので、成形されたエ
ッジ基材が機械的に安定であり、且つ樹脂との接着性が
優れているので、スピーカとしての長寿命が得られる。
劣化率は１／２以下で、従って、長寿命、且つ性能の安
定した製品を得ることが出来る。
べる効果を有する。 (1) まず表１から、明らかなように、実施例のコンジュ
ゲイト繊維は図１のように外側が耐熱性に優れたポリア
ミド樹脂で取り巻いているので、耐熱加工ができ、又内
部損失は約３倍に従って、図５に示すように中音域での
振動板との逆位相振動（エッジ共振）を防ぎ、周波数特
性を平坦にして、優れた品質の再生音を得る。又、個体
の濡れ指数は約１０％向上しているので、成形されたエ
ッジ基材が機械的に安定であり、且つ樹脂との接着性が
優れているので、スピーカとしての長寿命が得られる。
劣化率は１／２以下で、従って、長寿命、且つ性能の安
定した製品を得ることが出来る。
【図１】本願実施例スピーカ用エッジの要部断面図。
【図２】同実施例の要部構成を説明する拡大斜視図。
【図３】従来例エッジの断面図。
【図４】他の従来例エッジの断面図。
【図５】実施例エッジを使用したスピーカと従来例エッ
ジを使用したスピーカとを比較した周波数特性図。
ジを使用したスピーカとを比較した周波数特性図。
１ スピーカ用エッジ ２ コンジュゲイト繊維 ３ ポリエステル系樹脂 ４ ポリアミド系樹脂 ５ コーン型振動板
Claims (1)
- 【請求項１】 内部がポリエステル系樹脂（３）で、外
層部がポリアミド形樹脂（４）で被覆されたコンジュゲ
イト繊維（２）からなる織布又は不織布に、賦形材とし
てフェノール樹脂を１０〜１５重量％含浸させて、エッ
ジ形状に加熱、加圧して得たことを特徴とするスピーカ
用エッジ（１）。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4213544A JP3060732B2 (ja) | 1992-07-16 | 1992-07-16 | スピーカ用エッジ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4213544A JP3060732B2 (ja) | 1992-07-16 | 1992-07-16 | スピーカ用エッジ |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0638296A true JPH0638296A (ja) | 1994-02-10 |
| JP3060732B2 JP3060732B2 (ja) | 2000-07-10 |
Family
ID=16640957
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4213544A Expired - Fee Related JP3060732B2 (ja) | 1992-07-16 | 1992-07-16 | スピーカ用エッジ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3060732B2 (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0675668A1 (en) * | 1994-03-28 | 1995-10-04 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | A damper for a loudspeaker and a method for producing the same |
| JP2010011436A (ja) * | 2008-05-28 | 2010-01-14 | Onkyo Corp | スピーカー振動板およびこれを用いた動電型スピーカー |
| US9763012B2 (en) | 2011-03-30 | 2017-09-12 | Bose Corporation | Monofilament fabric acoustic suspension elements |
-
1992
- 1992-07-16 JP JP4213544A patent/JP3060732B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0675668A1 (en) * | 1994-03-28 | 1995-10-04 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | A damper for a loudspeaker and a method for producing the same |
| US5878150A (en) * | 1994-03-28 | 1999-03-02 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Damper for a loudspeaker and a method for producing the same |
| US5966797A (en) * | 1994-03-28 | 1999-10-19 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Method of manufacturing a damper for a loudspeaker |
| JP2010011436A (ja) * | 2008-05-28 | 2010-01-14 | Onkyo Corp | スピーカー振動板およびこれを用いた動電型スピーカー |
| US9763012B2 (en) | 2011-03-30 | 2017-09-12 | Bose Corporation | Monofilament fabric acoustic suspension elements |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3060732B2 (ja) | 2000-07-10 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
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