JP2001204093A - スピーカー用部材およびその製造方法 - Google Patents

スピーカー用部材およびその製造方法

Info

Publication number
JP2001204093A
JP2001204093A JP2000057606A JP2000057606A JP2001204093A JP 2001204093 A JP2001204093 A JP 2001204093A JP 2000057606 A JP2000057606 A JP 2000057606A JP 2000057606 A JP2000057606 A JP 2000057606A JP 2001204093 A JP2001204093 A JP 2001204093A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nonwoven fabric
speaker member
fiber
diaphragm
thermosetting resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000057606A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3596412B2 (ja
Inventor
Toshihide Inoue
利秀 井上
Yuji Ono
祐司 小野
Takashi Onoki
隆 小野木
Kazunari Takemura
和斉 竹村
Hiroyasu Kumo
浩靖 雲
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Onkyo Corp
Original Assignee
Onkyo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Onkyo Corp filed Critical Onkyo Corp
Priority to JP2000057606A priority Critical patent/JP3596412B2/ja
Publication of JP2001204093A publication Critical patent/JP2001204093A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3596412B2 publication Critical patent/JP3596412B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Diaphragms For Electromechanical Transducers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 任意のスピーカー(例えば、低音用、中音
用、高音用のスピーカ)に適用可能であり、全帯域(フ
ルレンジ)スピーカーとして使用可能な、振動板部分と
振動板部分と同一の基材で形成されるエッジ部分を有す
るスピーカー用部材を提供すること。 【解決手段】 基材を形成する工程と、基材の振動板部
分となるべき部位に熱硬化性樹脂を含浸する工程と、含
浸した熱硬化性樹脂を硬化させて振動板部分を形成する
と同時にエッジ部分を形成する工程とを含む製造方法に
より、基材と基材に含浸された熱硬化性樹脂とを含む振
動板部分と、振動板部分と同一の基材を含むエッジ部分
とを有するスピーカー用部材が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動板部分とエッ
ジ部分とを有するスピーカー用部材に関する。より詳細
には、本発明は、振動板部分とエッジ部分とが同一材料
を用いて形成され、かつ、振動板部分およびエッジ部分
がともに要求特性を満たすスピーカー用部材に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、スピーカーにおいては、振動板
およびエッジはそれぞれ異なる材料から形成される。振
動板とエッジに要求される性能が全く異なるためであ
る。すなわち、振動板は前後の空気を押して粗密波を発
生させることにより音波を発生させるので、空気の圧力
に耐え得る強度が必要とされる。一方、エッジは振動板
の動きに追随し得る柔軟性と振動板を伝播した音波を反
射させることなく振動を吸収し得る振動吸収性とが必要
とされる。このように、振動板とエッジとは要求性能が
異なるため、それぞれの要求性能を満足させるために、
従来のスピーカーは、振動板およびエッジをそれぞれ異
なる材料から別個に形成し、それらを接着することによ
り製造されている。そのため、従来のスピーカーの製造
においては、振動板およびエッジのそれぞれについて材
料費がかかり、かつそれぞれの成形工程および接着工程
が必要となる。従って、従来のスピーカーの製造は、非
常にコストが高く、かつ製造効率が低いという問題があ
る。
【0003】このような問題を解決するために、パルプ
コーンを抄造する際に振動板部分とエッジ部分とを同時
に成形する技術が提案されている。しかし、この技術に
おいては、エッジの通気を防止し振動板の反射を押さえ
るためにエッジに樹脂層を特別に設けなければならな
い。そのため、製造工程数が多く煩雑であり、振動板の
振動によって屈曲されるエッジ部分は芯材となるパルプ
繊維の強度が低いため耐久性および耐水性が不十分であ
り、しかも、樹脂層が設けられたことによりエッジの柔
軟性が不十分であるという問題がある。
【0004】別の方法として、射出成形の2色成形によ
り振動板とエッジを同時に成形する技術が提案されてい
る。しかし、この技術では、利用可能な材料が熱可塑性
樹脂に限定されてしまうので、得られるスピーカーの耐
熱性および弾性率が不十分である。
【0005】さらに、樹脂フィルムまたは金属箔をコー
ン型またはドーム型の振動板形状に成形すると同時にロ
ール形状のエッジを成形する技術も提案されている。し
かし、この技術においては、振動板およびエッジについ
ての相反する要求性能を同時に満足させるための工夫は
何らなされておらず、エッジの強度が振動板の強度と同
じになってしまう。その結果、十分な振幅が得られず、
エッジの振動吸収性もほとんどないので、実用に耐え得
るスピーカーは得られない。
【0006】平面型スピーカーにおいては、エッジを有
さないスピーカーもある。しかし、一般に用いられるエ
ッジを有する平面型スピーカーは、上記コーン型の振動
板を有するスピーカーと同様に、それぞれ異なる材料か
ら形成された振動板とエッジとを接着することにより得
られる。さらに、従来の平面型振動板は、強度を高める
ために、厚みを大きくし、かつ軽量化するために、スチ
ロール系の発泡材を使用している。このような平面型振
動板は、内部損失が小さいので分割振動が発生しやす
く、その結果、周波数特性におけるピークディップ(周
波数−音圧特性における音圧レベルの上下への振れ)が
大きくなる。アルミハニカムからなる平面型振動板も用
いられているが、このような平面型振動板も、内部損失
が小さいのでピークディップが大きく、その結果、固有
の癖のある音が発生してしまう。
【0007】このように、振動板とエッジを同時に成形
する試みがなされているが、振動板とエッジのそれぞれ
の要求性能が満足されるスピーカー用部材が得られてい
ないのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、振動板部分と
エッジ部分とが容易に形成され、かつ、振動板部分およ
びエッジ部分がともに優れた要求性能を有するスピーカ
ー用部材が強く望まれている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、振動板部分と
エッジ部分とを同一材料を用いて形成することにより、
振動板とエッジとが、それぞれの要求性能を満足するス
ピーカー部材が得られることを見出したことにより完成
された。
【0010】本発明のスピーカー用部材は、基材と該基
材に含浸された熱硬化性樹脂とを含む振動板部分と、該
振動板部分と同一の基材を含むエッジ部分とを有する。
【0011】1つの実施態様においては、上記基材は、
少なくとも2つの不織布層と、該不織布層の間に設けら
れた樹脂フィルム層とを有する積層体である。
【0012】好ましい実施態様においては、上記不織布
層は、パラ型アラミド繊維、メタ型アラミド繊維、レー
ヨン繊維、コットン繊維、超高強力ポリエチレン繊維、
またはポリアクリレート系繊維からなる不織布層を含
む。
【0013】好ましい実施態様においては、上記樹脂フ
ィルム層は、熱可塑性エラストマーからなる。
【0014】さらに好ましい実施態様においては、上記
熱可塑性エラストマーは、ウレタン系エラストマー、ア
ミド系エラストマー、オレフィン系エラストマー、スチ
レン系エラストマー、ポリエステル系エラストマーまた
はエチレン/酢酸ビニル系エラストマーから選択され
る。
【0015】別の実施態様においては、上記基材は、少
なくとも2つの第1の不織布層と、該不織布層の間に設
けられた第2の不織布層とを有する積層体である。
【0016】好ましい実施態様においては、上記第2の
不織布層は、熱可塑性エラストマー繊維からなる。
【0017】さらに好ましい実施態様においては、上記
熱可塑性エラストマー繊維が、ウレタン系エラストマー
繊維、アミド系エラストマー繊維、オレフィン系エラス
トマー繊維、スチレン系エラストマー繊維、ポリエステ
ル系エラストマー繊維またはエチレン/酢酸ビニル系エ
ラストマー繊維から選択される。
【0018】さらに別の実施態様においては、上記基材
は、少なくとも2つの不織布層と、該不織布層の間に設
けられた弾性織布層とを有する積層体である。
【0019】好ましい実施態様においては、上記弾性織
布層は、飽和ポリエステル繊維からなる。
【0020】さらに好ましい実施態様においては、上記
飽和ポリエステル繊維は、ポリ(トリメチレンテレフタ
レート)繊維である。
【0021】さらに別の実施態様においては、上記基材
は、熱可塑性エラストマー繊維からなる不織布である。
【0022】さらに別の実施態様においては、上記基材
は織布である。
【0023】好ましい実施態様においては、上記織布基
材は、飽和ポリエステル繊維からなる弾性織布である。
【0024】さらに好ましい実施態様においては、上記
飽和ポリエステル繊維は、ポリ(トリメチレンテレフタ
レート)繊維である。
【0025】さらに別の実施態様においては、上記熱硬
化性樹脂は不飽和ポリエステル樹脂である。
【0026】好ましい実施態様においては、上記熱硬化
性樹脂は、天然繊維、再生繊維または合成繊維の短繊
維、あるいはこれらの混合物をさらに含有する。
【0027】さらに別の実施態様においては、上記エッ
ジ部分は、上記基材に含浸された光硬化性樹脂を含む。
【0028】好ましい実施態様においては、上記光硬化
性樹脂はアクリル系樹脂である。
【0029】さらに別の実施態様においては、上記エッ
ジ部分は、上記振動板部分に含浸された熱硬化性樹脂と
は異なる熱硬化性樹脂を含む。
【0030】好ましい実施態様においては、上記エッジ
部分の熱硬化性樹脂は、天然繊維または合成繊維の短繊
維、あるいはこれらの混合物をさらに含有する。
【0031】さらに好ましい実施態様においては、上記
エッジ部分の熱硬化性樹脂は、熱硬化性ポリエーテルウ
レア系エラストマーである。
【0032】好ましい実施態様においては、、上記振動
板部分はコーン型である。
【0033】あるいは、上記振動板部分は平面型であ
る。好ましくは、この振動板部分は補強用部分を有す
る。
【0034】本発明の別の局面によれば、スピーカー用
部材の製造方法が提供される。この製造方法は、基材を
形成する工程と、該基材の振動板部分となるべき部位に
熱硬化性樹脂を含浸する工程と、該含浸した熱硬化性樹
脂を硬化させて振動板部分を形成すると同時にエッジ部
分を形成する工程とを含む。
【0035】1つの実施態様においては、上記基材は、
少なくとも2つの不織布層と、該不織布層の間に設けら
れた樹脂フィルム層とを有する積層体であり、上記方法
は、上記含浸した熱硬化性樹脂を硬化させて振動板部分
を形成すると同時に、該樹脂フィルム層を溶融および固
化してエッジ部分を形成する。
【0036】別の実施態様においては、上記基材は、少
なくとも2つの第1の不織布層と、該不織布層の間に設
けられた第2の不織布層とを有する積層体であり、上記
方法は、上記含浸した熱硬化性樹脂を硬化させて振動板
部分を形成すると同時に、該第2の不織布層を溶融およ
び固化してエッジ部分を形成する。
【0037】さらに別の実施態様においては、上記基材
は、少なくとも2つの不織布層と、該不織布層の間に設
けられた弾性織布層とを有する積層体であり、上記方法
は、上記含浸した熱硬化性樹脂を硬化させて振動板部分
を形成すると同時に、該弾性織布層を溶融および固化し
てエッジ部分を形成する。
【0038】さらに別の実施態様においては、上記基材
は、エラストマー繊維からなる不織布であり、上記方法
は、上記含浸した熱硬化性樹脂を硬化させて振動板部分
を形成すると同時に、該基材を溶融および固化してエッ
ジ部分を形成する。
【0039】さらに別の実施態様においては、上記基材
は、飽和ポリエステル繊維からなる弾性織布であり、上
記方法は、上記含浸した熱硬化性樹脂を硬化させて振動
板部分を形成すると同時に、該基材を溶融および固化し
てエッジ部分を形成する。
【0040】本発明の別の製造方法は、基材を形成する
工程と、 該基材の振動板部分となるべき部位に熱硬化
性樹脂を含浸する工程と、該基材のエッジ部分となるべ
き部位に光硬化性樹脂を含浸する工程と、該含浸した熱
硬化性樹脂を硬化させて振動板部分を形成する工程と、
該含浸した光硬化性樹脂を硬化させてエッジ部分を形成
する工程とを含む。
【0041】本発明のさらに別の製造方法は、基材を形
成する工程と、該基材の振動板部分となるべき部位に第
1の熱硬化性樹脂を含浸する工程と、該基材のエッジ部
分となるべき部位に第2の熱硬化性樹脂を含浸する工程
と、該含浸した第1および第2の熱硬化性樹脂を硬化さ
せて、振動板部分とエッジ部分とを同時に形成する工程
とを含む。
【0042】
【発明の実施の形態】(実施形態1)本発明のスピーカ
ー用部材は、振動板部分とエッジ部分とを有する。すな
わち、本発明のスピーカー用部材は、一体で、振動板の
機能とエッジの機能とを同時に有する。なお、振動板部
分の形状としては、任意の適切な形状(例えば、コーン
型、ドーム型、平面型、コーン型が最も広範に用いられ
る)が採用され得る。本実施形態においては、振動板部
分の形状については特に限定せずに説明する。
【0043】振動板部分は、基材と該基材の一部に含浸
された熱硬化性樹脂とを含む。基材は織布であっても不
織布であってもよい。
【0044】不織布基材は、単一の不織布であってもよ
く、複数の不織布層を有する積層体であってもよい。
【0045】不織布(層)は、任意の適切な短繊維から
形成される。このような短繊維の代表例としては、パラ
型アラミド繊維、メタ型アラミド繊維、レーヨン繊維、
コットン繊維、超高強力ポリエチレン繊維、ポリアリレ
ート系繊維が挙げられる。繊維の内部損失が大きくかつ
強度に優れるという理由で、パラ型アラミド繊維が好ま
しい。短繊維の繊維長は目的に応じて変化し得るが、代
表的には30〜60mmである。不織布(層)は、単一
の短繊維から形成してもよく、2種以上の短繊維を組み
合わせて形成してもよい。
【0046】好ましくは、不織布基材は、少なくとも2
つの不織布層と該不織布層の間に設けられた樹脂フィル
ム層とを有する積層体である。成形時に樹脂フィルム層
が溶融固化するので、エッジ部分の成形が容易になる。
さらに、得られるエッジ部分は固化した樹脂フィルムを
含むので、エッジ部分の通気が良好に防止される。積層
体は、代表的には、2つの不織布層と該不織布層の間に
設けられた樹脂フィルム層とを有する。積層体の不織布
層は、それぞれ同一の繊維材料(短繊維)から形成され
てもよく、それぞれ別の繊維材料から形成されてもよ
い。
【0047】好ましくは、上記樹脂フィルム層は、任意
の適切な熱可塑性エラストマーからなる。熱可塑性エラ
ストマーの代表例としては、ウレタン系エラストマー、
アミド系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ス
チレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、
エチレン/酢酸ビニル系エラストマーが挙げられる。内
部損失が大きいという理由で、ウレタン系エラストマー
が好ましい。熱可塑性エラストマーは、任意の適切な方
法でフィルム状に成形され、樹脂フィルム層として用い
られる。樹脂フィルム層の厚みは目的に応じて変化し得
るが、代表的には0.03〜0.10mmである。
【0048】積層体の特に好ましい構成としては、パラ
型アラミド繊維/ウレタン系エラストマー/パラ型アラ
ミド繊維、パラ型アラミド繊維/ウレタン系エラストマ
ー/レーヨン繊維、パラ型アラミド繊維/ウレタン系エ
ラストマー/コットン繊維、メタ型アラミド繊維/ウレ
タン系エラストマー/メタ型アラミド繊維、パラ型アラ
ミド繊維/オレフィン系エラストマー/パラ型アラミド
繊維、パラ型アラミド繊維/スチレン系エラストマー/
パラ型アラミド繊維、パラ型アラミド繊維/アミド系エ
ラストマー/パラ型アラミド繊維、およびパラ型アラミ
ド繊維/ポリエステル系エラストマー/パラ型アラミド
繊維が挙げられる。積層体のとりわけ好ましい構成は、
パラ型アラミド繊維/ウレタン系エラストマー/コット
ン繊維である。
【0049】別の実施態様によれば、不織布基材は、少
なくとも2つの第1の不織布層と、該不織布層の間に設
けられた第2の不織布層とを有する積層体である。第1
および第2の不織布層を用いることにより、積層体の振
動板となるべき部分に熱硬化性樹脂を含浸する際に、積
層体の一方の表面に熱硬化性樹脂を塗布するだけで振動
板となるべき部分全体に熱硬化性樹脂を良好に含浸する
ことができる。その結果、得られる振動板部分の弾性率
がさらに向上する。しかも、第2の不織布層は成形時に
溶融固化するので、エッジ部分の通気防止は良好に維持
される。
【0050】代表的には、第1の不織布層を構成する材
料は、上記不織布基材の場合と同様である。第2の不織
布層は、好ましくは、熱可塑性エラストマー繊維から形
成される不織布(以下、エラストマー不織布ともいう)
である。ここで、エラストマー不織布とは、熱可塑性エ
ラストマー繊維がランダムに絡み合っている不織布をい
い、その一部が溶融していてもよい。熱可塑性エラスト
マー繊維の代表例としては、ポリウレタン系エラストマ
ー繊維、ポリアミド系エラストマー繊維、ポリスチレン
系エラストマー繊維、ポリアミド系エラストマー繊維、
ポリエステル系エラストマー繊維、エチレン/酢酸ビニ
ル系エラストマー繊維が挙げられる。内部損失が大きい
という理由で、ウレタン系エラストマー繊維が好まし
い。エラストマー不織布は熱硬化性樹脂が容易に含浸し
得るので、優れた弾性率を有するスピーカー用部材が得
られ得る。さらに、エラストマー不織布はその内部に多
くの空隙(空気部分)を含むので、目付当たりの厚みが
大きくなり、その結果、優れた剛性を有するスピーカー
用部材が得られる。第2の不織布層は、任意の適切な方
法で熱可塑性エラストマーから形成される。
【0051】あるいは、不織布基材は、エラストマー不
織布単独であり得る。
【0052】さらに別の実施態様によれば、上記不織布
基材は、不織布層と該不織布層の間に設けられた弾性織
布層とを有する積層体である。ここで、弾性織布とは、
弾性を有する(すなわち、伸び縮みし得る)織布をい
う。弾性織布は、任意の適切な方法で形成される。不織
布層は上記と同様であり得る。弾性織布層を用いること
により、振動板部分の弾性率を維持しつつ、エッジ部分
の内部損失を向上させることができる。さらに、弾性織
布は成形時に溶融固化するので、エッジ部分の通気防止
は良好に維持される。
【0053】好ましくは、上記弾性織布層は飽和ポリエ
ステル繊維からなる。特に好ましい飽和ポリエステル繊
維は、ポリ(トリメチレンテレフタート)繊維である。
ポリ(トリメチレンテレフタート)繊維は、高弾性であ
ると同時に、内部損失が大きく、優れた柔軟性を有する
からである。
【0054】あるいは、基材は織布単独であってもよ
い。上記のように、織布基材は、好ましくは飽和ポリエ
ステル繊維からなる弾性織布である。さらに好ましく
は、織布基材はポリ(トリメチレンテレフタレート)繊
維からなる。ポリ(トリメチレンテレフタレート)は非
常に優れた内部損失を有するので、結果として、非常に
優れた内部損失を有するスピーカー用部材が得られるか
らである。
【0055】上記不織布基材、積層体基材、エラストマ
ー不織布基材または織布基材は、目的に応じて適宜選択
され得る。
【0056】基材に含浸される熱硬化性樹脂としては、
任意の適切な熱硬化性樹脂が用いられるが、好ましくは
不飽和ポリエステル樹脂である。最も短時間で硬化する
からである。本発明においては、任意の適切な不飽和ポ
リエステル樹脂が用いられる。熱硬化性樹脂(例えば、
不飽和ポリエステル樹脂)は、液状組成物の形態で、多
くの製品が市販されている。
【0057】好ましくは、このような熱硬化性樹脂組成
物は、天然繊維、再生繊維または合成繊維の短繊維、あ
るいはこれらの混合物(以下、添加繊維ともいう)をさ
らに含有し得る。添加繊維は、好ましくは20mm以
下、さらに好ましくは5mm以下の繊維長を有する(な
お、実用上最も短い繊維長は1mmである)。添加繊維
の繊維長が短いほど添加繊維は熱硬化性樹脂中に分散さ
れやすいので、結果として、基材への含浸性に優れるか
らである。従って、繊維長が長いほど弾性率向上に寄与
し得ることおよび含浸性と得られるスピーカー用部材の
弾性率とのバランスを考慮すると、添加繊維の繊維長は
短い方がよい。
【0058】天然繊維の代表例としては、綿、麻が挙げ
られる。再生繊維の代表例としては、レーヨン、ポリノ
ジックがあげられる。合成繊維の代表例としては、ナイ
ロン、ビニロン、アラミド繊維、炭素繊維、ポリアリレ
ート系繊維、ヘテロ環含有芳香族系繊維が挙げられる。
アラミド繊維、炭素繊維、ポリアリレート系繊維、ヘテ
ロ環含有芳香族系繊維のような高弾性繊維が好ましい。
弾性率に優れたスピーカー用部材が得られるからであ
る。
【0059】好ましくは、上記添加繊維は、熱硬化性樹
脂100重量部に対して5〜30重量部、さらに好まし
くは10〜15重量部の割合で添加され得る。このよう
な範囲で添加繊維を熱硬化性樹脂に添加すると、含浸性
と得られるスピーカー用部材の弾性率とが共に優れるか
らである。
【0060】エッジ部分は、上記振動板部分と同一の基
材を含む。
【0061】好ましくは、エッジ部分には、上記基材に
光硬化性樹脂が含浸されている。任意の適切な光硬化性
樹脂が用いられるが、代表的には、アクリル系樹脂が挙
げられる。
【0062】あるいは、上記振動板部分に含まれる熱硬
化性樹脂とは異なる熱硬化性樹脂が、エッジとなる基材
部分に含浸され得る。エッジ部分に熱硬化性樹脂を含ま
せることにより、エッジ部分の耐熱性が格段に優れたも
のとなる。このような熱硬化性樹脂としては、熱硬化性
ポリエーテルウレア系エラストマーが好適に用いられ得
る。ポリエーテルウレア系エラストマーは非常に柔軟で
あるので、得られるエッジ部分の耐熱性を向上させるだ
けでなく、振幅を大きくすることも可能となる。その結
果、フルレンジ用として十分な性能を有するスピーカー
用部材が得られる。例えば、このようなポリエーテルウ
レア系エラストマーは、以下のような特性を有する:ゴ
ム硬度73、引張強度298kg/cm、破断伸び4
25%、融点200℃以上。
【0063】以下、まず、基材の形成方法について説明
し、次に図面を参照しつつ、本発明の好ましい実施態様
によるスピーカー用部材の製造方法について説明する。
【0064】(基材の形成方法)例えば、基材が単一の
不織布である場合には、当該不織布は、任意の適切な方
法を用いて上記短繊維から形成される。不織布の形成方
法の代表例としては、水などの液体または空気などの気
体を用いる流体絡合法、あるいは機械的に短繊維をラン
ダムに絡ませる方法などが挙げられる。弾性率の異方性
が小さく成形性が良好な不織布が得られるという点で、
流体絡合法が好ましい。例えば、上記短繊維を乾式法に
より空気流でランダムに配向させて集積層を作成し、次
いで、水流絡合法により該集積層の繊維同士を絡ませる
ことにより不織布が得られ得る。本発明に用いられる不
織布の目付は目的に応じて変化し得るが、代表的には3
0〜150g/m2である。また例えば、基材が2つの
不織布層と該不織布層の間に設けられた樹脂フィルム層
とを有する積層体である場合には、不織布層と樹脂フィ
ルム層とをそれぞれ任意の適切な方法で形成した後、任
意の適切な方法で積層すればよい。なお、エラストマー
不織布からなる基材または織布基材も、任意の適切な方
法により作製され得る。
【0065】(スピーカー用部材の製造方法)以下、基
材が単一の不織布である場合について図1に基づいて説
明する(本発明の方法が他の種類の基材にも同様に適用
され得ることはいうまでもない)。図1に示すように、
不織布基材1aは、供給装置1にロール状に巻かれて準
備され、工程の流れに応じて供給装置1から送り出され
る。成形時の変形を防止するために、送り出された不織
布基材1aの送り方向に対する両側部がクランプ2によ
り移動可能に支持される。
【0066】次いで、熱硬化性樹脂が、樹脂供給ノズル
3aから不織布基材1aの振動板部分に選択的に供給さ
れ、さらに、樹脂供給ノズル3bから下側金型4bの振
動板に対応する部分に選択的に供給される。熱硬化性樹
脂は不織布1aの一方の側のみに供給してもよいが、好
ましくは図1に示すように、不織布基材1aの上側と下
側の両方に供給される。基材の両側から含浸させること
により、熱硬化性樹脂が振動板部分の一方の側に偏在す
ることが防止されるからである。特に、不織布基材が樹
脂フィルム層または弾性織布層を有する積層体である場
合に、その効果が顕著である。不織布基材がエラストマ
ー不織布層を有する積層体である場合には、熱硬化性樹
脂を不織布1aの一方の側のみに供給するだけで、熱硬
化性樹脂が振動板部分の一方の側に偏在することなく、
振動板部分全体に良好に含浸させることができる。
【0067】次いで、熱硬化性樹脂が供給された不織布
1aを、振動板部分とエッジ部分とを一体化させた形状
の上側金型4aおよび下側金型4bを用いて熱プレスす
る。その結果、熱硬化性樹脂が圧延により不織布基材1
aの振動板部分のみに含浸されおよび硬化して、振動板
部分5が形成され、同時に、基材が溶融および固化する
ことによりエッジ部分6が形成される。樹脂フィルム層
を有する積層体を不織布基材1aとして用いる場合に
は、樹脂フィルム層が熱プレスによって溶融し、その後
固化することによりエッジ部分6が形成される。最後
に、型抜きと外周切断が行われ、スピーカー用部材7が
得られる。
【0068】なお、熱プレスの条件(例えば、金型温
度、プレス圧力、プレス時間、金型クリアランス)は、
目的や用いる不織布基材に応じて、任意の適切な条件が
採用され得る。代表的には、金型温度は100〜130
℃、加熱時間は0.5〜3分間、プレス時の圧力は15
〜25kg/cm、金型クリアランス(得られるスピ
ーカー用部材の厚みに対応する)は0.1〜0.3mm
である。
【0069】次に、図2を参照して、本発明の別の実施
態様によるスピーカー用部材の製造方法について説明す
る。簡単のため、この実施態様に特徴的な工程について
のみ説明する(特に明示しない限り、図1を参照して説
明した手順が適用され得る)。
【0070】樹脂供給ノズル3aおよび3bを用いて不
織布基材1aの両側に熱硬化性樹脂を供給し、さらに、
振動板部分とエッジ部分とを一体化させた形状の上側金
型4aおよび下側金型4bを用いて熱プレスする。その
結果、熱硬化性樹脂が含浸および硬化することにより振
動板部分5が形成され、同時に、エッジ部分6が予備成
形される。予備成形されたエッジ部分6に、樹脂供給ノ
ズル8から光硬化性樹脂を塗布する。任意の適切な紫外
線照射ランプ(例えば、水銀ランプ)9を用いて紫外線
を照射し、光硬化性樹脂を硬化させる。紫外線照射条件
は、用いる光硬化性樹脂の種類に応じて任意の適切な条
件が採用され得るが、光硬化性樹脂がアクリル系樹脂で
ある場合には、代表的には、600〜900mW/cm
の照射密度で30〜60秒間照射される。このように
して、所望の特性を有するエッジ部分が形成される。最
後に、型抜きと外周切断が行われ、スピーカー用部材7
が得られる。
【0071】本発明のさらに別の実施態様によるスピー
カー用部材の製造方法について簡単に説明する。不織布
基材の振動板部分となるべき部位に所定の熱硬化性樹脂
(例えば、不飽和ポリエステル)を樹脂供給ノズルから
供給し、同時に、不織布基材のエッジ部分となるべき部
位に別の熱硬化性樹脂(例えば、熱硬化性ポリエーテル
ウレア系エラストマー)を別の樹脂供給ノズルから供給
する。次いで、この不織布基材を、振動板部分とエッジ
部分とを一体化させた形状の上側金型および下側金型を
用いて熱プレスする。その結果、上記2種類の熱硬化性
樹脂がそれぞれ含浸および硬化することにより、振動板
部分およびエッジ部分が同時に成形される。
【0072】(実施形態2)次に、本発明の別の実施形
態として、平面型振動板部分とエッジ部分とを有するス
ピーカー用部材について説明する。以下、図3A〜図3
Dを参照して平面型スピーカー用部材に特徴的な部分に
ついてのみ説明する。
【0073】図3は、本発明の好ましい実施態様による
平面型スピーカー用部材を説明するための図であり、図
3Aはその平面図である。図3Bは、図3Aのスピーカ
ー用部材のB−B線による断面図である。図3Cは、図
3Aのスピーカー用部材のC−C線による断面図であ
る。図3Dは、図3Bにおいて楕円で囲んだ部分の拡大
図である。平面型スピーカー用部材10は、平面型振動
板部分11とエッジ部分12とを有する。好ましくは、
平面型振動板部分11は補強用部分13を有する。補強
用部分13は、平面型振動板部分11の強度を保持する
ために設けられている。補強用部分13は、平面型振動
板部分11と同一の材料から形成される。補強用部分1
3は、任意の適切な形状を有し、平面型振動板部分11
の任意の適切な部位に形成される。図3Dに示すよう
に、補強用部分13は、代表的には、平面型振動板部分
11の外周部に設けられている。より詳細には、補強用
部分13は、平面型振動板部分11の外周部を折り曲げ
て形成される。振動板部分11とその補強用部分13の
端部から延びるようにしてエッジ部分12が形成され
る。
【0074】本実施形態のスピーカー用部材もまた、実
施形態1と同様の方法で製造され得る。当該方法におい
て、平面型振動板部分とエッジ部分とを一体化させた形
状の金型を使用すれば、本実施形態のスピーカー用部材
が得られる。さらに、平面型振動板部分が補強用部分を
有する場合には、補強用部分を有する平面型振動板部分
とエッジ部分とを一体化させた形状の金型を使用すれば
よい。
【0075】
【作用】以下、本発明の作用について説明する。本発明
によれば、振動板部分とエッジ部分に同一の基材を用い
るので、従来のように振動板とエッジとを接着する必要
がない。従って、接着部分の耐久性および耐水性が不十
分であるという従来技術の欠点が解消される。実際、本
発明のスピーカー用部材は、優れた耐久性および耐水性
が要求される車載用スピーカーとして実用化されるに十
分な耐久性および耐水性を有する。さらに、本発明によ
れば、振動板部分にのみ所定の熱硬化性樹脂を選択的に
含浸させているので、相反する特性が要求される振動板
部分およびエッジ部分の両方において、満足し得る特性
が得られる。すなわち、本発明のスピーカー用部材の振
動板部分は優れた強度を有し、エッジ部分は優れた柔軟
性および内部損失を有する。加えて、本発明のスピーカ
ー用部材は熱硬化性樹脂を用いるので、耐熱性にも優れ
る。
【0076】基材は織布であっても不織布であってもよ
い。1つの好ましい実施態様においては、基材は、エラ
ストマー不織布からなる。別の好ましい実施態様におい
ては、基材は弾性織布からなる。これらの基材はいずれ
も熱硬化性樹脂が容易に含浸し得るので、優れた弾性率
を有するスピーカー用部材が得られ得る。さらに、これ
らの基材はその内部に多くの空隙(空気部分)を含むの
で、目付当たりの厚みが大きくなる。その結果、優れた
剛性(すなわち、振動板を支持する能力)を有するエッ
ジ部分が得られる。加えて、これらの基材を用いる場合
には、材料自体が優れた弾性率および内部損失を有する
ことに起因して、優れた弾性率および内部損失を有する
スピーカー用部材が得られる。
【0077】さらに別の好ましい実施態様においては、
上記基材は、不織布層と該不織布層の間に配置された樹
脂フィルム層とを有する積層体である。このような積層
体を用いると、成形時に樹脂フィルム層が溶融および固
化するのでエッジ部分の成形が容易になり、しかも、得
られたスピーカー用部材のエッジ部分は固化した樹脂フ
ィルムを含むので、エッジ部分の通気がきわめて良好に
防止される。
【0078】さらに別の実施態様によれば、上記不織布
基材は、2つの第1の不織布層と該不織布層との間に配
置された第2の不織布層(例えば、エラストマー不織布
層)とを有する積層体である。第2の不織布層を有する
積層体を用いることにより、不織布の一方の側から熱硬
化性樹脂を塗布するだけで、振動板部分全体に熱硬化性
樹脂を良好に含浸させることができるので、振動板の弾
性率をさらに向上させることができる。しかも、エッジ
部分の通気は、良好に防止された状態が維持される。
【0079】さらに別の実施態様によれば、上記不織布
基材は、不織布層と該不織布層の間に配置された弾性織
布層とを有する積層体である。弾性織布層を用いること
により、振動板部分の弾性率を維持しつつ、エッジ部分
の内部損失を向上することができる。しかも、エッジ部
分の通気は、良好に防止された状態が維持される。これ
らの基材は、目的に応じて適宜選択して用いられ得る。
【0080】好ましい実施態様においては、振動板部分
に含有される熱硬化性樹脂とは異なる熱硬化性樹脂がエ
ッジ部分に含浸される。エッジ部分に熱硬化性樹脂を含
浸させることにより、エッジ部分の耐熱性が格段に優れ
たものとなる。さらに、例えばポリエーテルウレア系エ
ラストマーのように非常に柔軟な熱硬化性樹脂を用いる
ことにより、得られるエッジ部分の耐熱性を向上させる
だけでなく、振幅を大きくすることも可能となる。その
結果、フルレンジ用として十分な性能を有するスピーカ
ー用部材が得られる。
【0081】さらに、本発明によれば、平面型スピーカ
ー用部材が得られる。このような平面型スピーカー用部
材は、平面型振動板部分とエッジ部分とに同じ不織布基
材を用い、平面型振動板部分にのみ選択的に熱硬化性樹
脂を含浸させているので、平面型振動板部分は優れた強
度を有し、エッジ部分は優れた内部損失を有する。好ま
しい実施態様においては、上記平面型スピーカー用部材
は、少なくとも2つの不織布層と、不織布層の間に設け
られた樹脂フィルム層、エラストマー不織布層または弾
性織布層とを有する。その結果、平面型振動板部分は、
さらに優れた強度と高い内部損失とを併有する。従っ
て、スチロール系発泡材を用いた従来の平面型振動板が
有している、薄型化すると強度を維持できないという欠
点を解消することができ、きわめて優れた薄型化を達成
することができる。実際、本発明の平面型スピーカー用
部材は、厚み0.2mm程度に薄型化する場合であって
も、振動に耐えることができる。さらに、本発明の平面
型スピーカー用部材は高い内部損失を有する。その結
果、スチロール系発泡材またはアルミハニカムを用いた
従来の平面型振動板において問題となっている分割振動
がきわめて良好に防止され、ピークディップを低減する
ことができる。すなわち、従来の平面型スピーカーで発
生する固有の癖のある音を防止することができる。さら
に、本発明の平面型スピーカー用部材は、平面型振動板
部分とエッジ部分とが一体的に形成されているので、接
着部分の耐久性が不十分であるという問題点も解消され
ている。
【0082】好ましくは、平面型振動板部分は補強用部
分を有する。補強用部分は、平面型振動板部分の強度を
保持するために備えられている。平面型振動板部分に補
強用部分を設けることにより、さらに強度が向上し、分
割振動およびピークディップをさらに低減することがで
きる。
【0083】さらに、本発明の製造法方によれば、振動
板部分およびエッジ部分を同一の基材から形成するの
で、材料ロスおよび製造工程数が顕著に減少する。その
結果、本発明の製造方法は、低コストで、しかも製造効
率に優れる。
【0084】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例には限定されない。なお、
特に示さない限り、実施例中の部およびパーセントは重
量基準である。
【0085】A.不織布/樹脂フィルム/不織布の積層
体の基材で一体成型されたスピーカー用部材 (実施例1) 下記の組成を有する不飽和ポリエステル溶液を調製した: 不飽和ポリエステル樹脂(日本触媒(株)製;N350L):100(部) マイカ(クラレ(株)製;CLARITE MICA 600W) : 30 低収縮化剤(日本油脂(株);モディパーS501) : 5 パーオクタO(日本油脂(株)) : 3
【0086】一方、パラ型アラミド繊維(帝人(株)製、
テクノーラ;繊維長38mm)の短繊維を乾式法により
空気流でランダムに配向させて集積層を作成した後、さ
らに水流絡合法により繊維同士を機械的に絡ませて秤量
35g/mの不織布を作成した。得られた不織布を2
枚用いて、不織布と不織布との間にポリウレタン系エラ
ストマーフィルム(武田バーディシュウレタン工業(株)
製、エラストラン・NYタイプ;厚み0.05mm)を配
置した積層体を作成した。
【0087】この積層体の中央部(すなわち、振動板と
なるべき部分)に、上記不飽和ポリエステル溶液を約1
25〜150g/mの密度で選択的に塗布し、振動板
部分とエッジ部分とを一体化させた形状のマッチドダイ
(金型)を用いて130℃で1分間熱プレス成形して、
振動板部分の口径が16cm、厚さが0.25mmであ
るコーン型スピーカー用部材を得た。
【0088】得られたスピーカー用部材の振動板部分に
ついて、通常の方法で、ヤング率、密度、および比弾性
率を測定し、エッジ部分について、通常の方法で、ヤン
グ率、密度、および内部損失を測定した。測定結果を、
後述の実施例2〜8および比較例1〜3の結果と併せて
下記表1に示す。
【0089】
【表1】
【0090】(実施例2)レーヨン繊維(繊維長38m
m)の短繊維から実施例1と同様にして不織布を作成し
た。得られた不織布と実施例1で得られた不織布との間
にウレタン系エラストマーフィルムを配置した積層体を
作成したこと以外は、実施例1と同様にしてスピーカー
用部材を得た。得られたスピーカー用部材を実施例1と
同様の評価に供した。結果を上記表1に示す。
【0091】(実施例3)コットン繊維(繊維長38m
m)の短繊維から実施例1と同様にして不織布を作成し
た。得られた不織布と実施例1で得られた不織布との間
にウレタン系エラストマーフィルムを配置した積層体を
作成したこと以外は、実施例1と同様にしてスピーカー
用部材を得た。得られたスピーカー用部材を実施例1と
同様の評価に供した。結果を上記表1に示す。
【0092】(実施例4)メタ型アラミド繊維(帝人
(株)製、コーネックス;繊維長38mm)の短繊維から
実施例1と同様にして不織布を作成した。得られた不織
布を2枚用いて、不織布と不織布との間にウレタン系エ
ラストマーフィルムを配置した積層体を作成したこと以
外は、実施例1と同様にしてスピーカー用部材を得た。
得られたスピーカー用部材を実施例1と同様の評価に供
した。結果を上記表1に示す。
【0093】(実施例5)ウレタン系エラストマーフィ
ルムの代わりにオレフィン系エラストマーフィルム(三
井化学(株)製、ミラストマー5030N;厚み0.05m
m)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてスピー
カー用部材を得た。得られたスピーカー用部材を実施例
1と同様の評価に供した。結果を上記表1に示す。
【0094】(実施例6)ウレタン系エラストマーフィ
ルムの代わりにスチレン系エラストマーフィルム(クラ
レ(株)製、ハイブラー5127;厚み0.05mm)を用い
たこと以外は、実施例1と同様にしてスピーカー用部材
を得た。得られたスピーカー用部材を実施例1と同様の
評価に供した。結果を上記表1に示す。
【0095】(実施例7)ウレタン系エラストマーフィ
ルムの代わりにアミド系エラストマーフィルム(ダイセ
ル・ヒュルス(株)製、ダイアミドPAE・E47-S1;厚み0.
05mm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして
スピーカー用部材を得た。得られたスピーカー用部材を
実施例1と同様の評価に供した。結果を上記表1に示
す。
【0096】(実施例8)ウレタン系エラストマーフィ
ルムの代わりにポリエステル系エラストマーフィルム
(東レ・デュポン(株)製、ハイトレル4057;厚み0.0
5mm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてス
ピーカー用部材を得た。得られたスピーカー用部材を実
施例1と同様の評価に供した。結果を上記表1に示す。
【0097】(比較例1)パルプ懸濁液から定法によ
り、コーンとその外周にロール形状エッジとを抄き網で
抄造し、熱プレス成形した。次いで、エッジ部分にアク
リル系樹脂を塗布し、そして乾燥することにより、口径
16cm、厚さ0.85mmのエッジ一体型パルプコー
ン振動板を得た。得られた振動板を実施例1と同様の評
価に供した。結果を上記表1に示す。
【0098】(比較例2)射出成形の2色成形により、
振動板部分をポリプロピレン樹脂(マイカを30重量%
含有する)で成形し、その外周にオレフィン系エラスト
マーをエッジ形状に成形することにより、口径16c
m、厚さ0.28mmのポリプロピレンコーン/オレフ
ィンエラストマーエッジの一体型振動板を得た。得られ
た振動板を実施例1と同様の評価に供した。結果を上記
表1に示す。
【0099】(比較例3)厚み50μmのチタン箔を、
ドーム型振動板部分とその外周にロール型エッジ部分と
が一体となったマッチドダイ金型で熱プレス成形するこ
とにより、口径25mmのロールエッジ一体型ドーム振
動板を得た。得られた振動板を実施例1と同様の評価に
供した。結果を上記表1に示す。
【0100】B.一体成型基材のエッジ部分に光硬化性
樹脂が含浸されたスピーカー用部材 (実施例9)実施例1と同様の不飽和ポリエステル溶液
を調製した。一方、パラ型アラミド繊維(帝人(株)製、
テクノーラ;繊維長38mm)の短繊維を乾式法により
空気流でランダムに配向させて集積層を作成した後、さ
らに水流絡合法により繊維同士を機械的に絡ませて秤量
35g/mの不織布を作成した。
【0101】得られた不織布の中央部(すなわち、振動
板となるべき部分)に、上記不飽和ポリエステル溶液を
約125〜150g/mの密度で選択的に塗布し、振
動板部分とエッジ部分とを一体化させた形状のマッチド
ダイ金型を用いて130℃で1分間熱プレス成形して、
振動板部分を硬化させると同時にエッジ部分を予備成形
した。
【0102】次に、予備成形されたエッジ部分に紫外線
硬化型樹脂を約90〜110g/m の密度で塗布した
後、紫外線ランプを用いて、紫外線を750mW/cm
の照射密度で30秒間照射して該紫外線硬化型樹脂を
硬化させることにより、振動板部分の口径が16cm、
厚さが0.23mmであるコーン型スピーカー用部材を
得た。
【0103】得られたスピーカーの振動板部分につい
て、通常の方法で、ヤング率、密度、および比弾性率を
測定し、エッジ部分について、通常の方法で、ヤング
率、密度、および内部損失を測定した。測定結果を、後
述の実施例10〜12の結果と併せて下記表2に示す。
【0104】
【表2】
【0105】(実施例10)パラ型アラミド繊維の代わ
りにレーヨン繊維(繊維長38mm)を用いたこと以外
は実施例9と同様にしてスピーカー用部材を得た。得ら
れたスピーカー用部材を実施例9と同様の評価に供し
た。結果を上記表2に示す。
【0106】(実施例11)パラ型アラミド繊維の代わ
りにコットン繊維(繊維長38mm)を用いたこと以外
は実施例9と同様にしてスピーカー用部材を得た。得ら
れたスピーカー用部材を実施例9と同様の評価に供し
た。結果を上記表2に示す。
【0107】(実施例12)パラ型アラミド繊維の代わ
りにメタ型アラミド繊維(帝人(株)製、コーネックス;
繊維長38mm)を用いたこと以外は実施例9と同様に
してスピーカー用部材を得た。得られたスピーカー用部
材を実施例9と同様の評価に供した。結果を上記表2に
示す。
【0108】C.不織布を基材として一体成形されたス
ピーカー用部材 (実施例13)実施例1で用いた積層体の代わりにウレ
タン系エラストマー不織布(鐘紡合繊(株)製、エスパ
ンシオーネ;目付200g/m)を用いたこと以外は
実施例1と同様にしてスピーカー用部材を得た。このス
ピーカー用部材の振動板部分は口径16cm、厚さ0.
23mmのコーン形状であり、その樹脂含有量は約55
%であり、エッジ部分は幅13mm、厚さ0.50mm
のロール形状であった。得られたスピーカー用部材を実
施例1と同様の評価に供した。結果を後述の実施例14
〜18の結果と併せて下記表3に示す。
【0109】
【表3】
【0110】(実施例14)不飽和ポリエステル溶液に
パラ型アラミド短繊維(帝人(株)製、テクノーラ;繊
維長6.0mm)20部をさらに含有させたこと以外は
実施例13と同様にしてスピーカー用部材を得た。得ら
れたスピーカー用部材の振動板部分の樹脂含有量は約5
0%であった。得られたスピーカー用部材を実施例1と
同様の評価に供した。結果を上記表3に示す。
【0111】(実施例15)不飽和ポリエステル溶液に
ポリアリレート系短繊維(クラレ(株)製、ベクトラ
ン;繊維長6.0mm)20部をさらに含有させたこと
以外は実施例13と同様にしてスピーカー用部材を得
た。得られたスピーカー用部材の振動板部分の樹脂含有
量は約50%であった。得られたスピーカー用部材を実
施例1と同様の評価に供した。結果を上記表3に示す。
【0112】(実施例16)不飽和ポリエステル溶液に
ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール(PBO)
短繊維(東洋紡績(株)製、ザイロン;繊維長6.0m
m)20部をさらに含有させたこと以外は実施例13と
同様にしてスピーカー用部材を得た。得られたスピーカ
ー用部材の振動板部分の樹脂含有量は約50%であっ
た。得られたスピーカー用部材を実施例1と同様の評価
に供した。結果を上記表3に示す。
【0113】(実施例17)不飽和ポリエステル溶液に
炭素繊維短繊維(東レ(株)製、トレカ;繊維長6.0
mm)20部をさらに含有させたこと以外は実施例13
と同様にしてスピーカー用部材を得た。得られたスピー
カー用部材の振動板部分の樹脂含有量は約50%であっ
た。得られたスピーカー用部材を実施例1と同様の評価
に供した。結果を上記表3に示す。
【0114】(実施例18)不飽和ポリエステル溶液に
超高強力ポリエチレン短繊維(東洋紡績(株)製、ダイ
ニーマ;繊維長6.0mm)20部をさらに含有させた
こと以外は実施例13と同様にしてスピーカー用部材を
得た。得られたスピーカー用部材の振動板部分の樹脂含
有量は約50%であった。得られたスピーカー用部材を
実施例1と同様の評価に供した。結果を上記表3に示
す。
【0115】D.弾性織布を基材として一体成形された
スピーカー用部材 (実施例19)実施例1で用いた積層体の代わりに飽和
ポリエステル繊維からなる弾性織布(Shell Chemical
(株)製、Corterra;目付200g/m)を用いたこ
と以外は実施例1と同様にしてスピーカー用部材を得
た。このスピーカー用部材の振動板部分は口径16c
m、厚さ0.23mmのコーン形状であり、その樹脂含
有量は約55%であり、エッジ部分は幅13mm、厚さ
0.50mmのロール形状であった。得られたスピーカ
ー用部材を実施例1と同様の評価に供した。結果を後述
の実施例20〜25の結果と併せて下記表4に示す。
【0116】
【表4】
【0117】(実施例20)実施例19とは異なる飽和
ポリエステル弾性織布(東レ(株)製、テトロン;目付
200g/m)を用いたこと以外は実施例19と同様
にしてスピーカー用部材を得た。得られたスピーカー用
部材の振動板部分の樹脂含有量は約50%であった。得
られたスピーカー用部材を実施例1と同様の評価に供し
た。結果を上記表4に示す。
【0118】(実施例21)不飽和ポリエステル溶液に
パラ型アラミド短繊維(帝人(株)製、テクノーラ;繊
維長6.0mm)20部をさらに含有させたこと以外は
実施例19と同様にしてスピーカー用部材を得た。得ら
れたスピーカー用部材の振動板部分の樹脂含有量は約5
0%であった。得られたスピーカー用部材を実施例1と
同様の評価に供した。結果を上記表4に示す。
【0119】(実施例22)不飽和ポリエステル溶液に
ポリアリレート系短繊維(クラレ(株)製、ベクトラ
ン;繊維長6.0mm)20部をさらに含有させたこと
以外は実施例19と同様にしてスピーカー用部材を得
た。得られたスピーカー用部材の振動板部分の樹脂含有
量は約50%であった。得られたスピーカー用部材を実
施例1と同様の評価に供した。結果を上記表4に示す。
【0120】(実施例23)不飽和ポリエステル溶液に
ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール(PBO)
短繊維(東洋紡績(株)製、ザイロン;繊維長6.0m
m)20部をさらに含有させたこと以外は実施例19と
同様にしてスピーカー用部材を得た。得られたスピーカ
ー用部材の振動板部分の樹脂含有量は約50%であっ
た。得られたスピーカー用部材を実施例1と同様の評価
に供した。結果を上記表4に示す。
【0121】(実施例24)不飽和ポリエステル溶液に
炭素繊維短繊維(東レ(株)製、トレカ;繊維長6.0
mm)20部をさらに含有させたこと以外は実施例19
と同様にしてスピーカー用部材を得た。得られたスピー
カー用部材の振動板部分の樹脂含有量は約50%であっ
た。得られたスピーカー用部材を実施例1と同様の評価
に供した。結果を上記表4に示す。
【0122】(実施例25)不飽和ポリエステル溶液に
超高強力ポリエチレン短繊維(東洋紡績(株)製、ダイ
ニーマ;繊維長6.0mm)20部をさらに含有させた
こと以外は実施例19と同様にしてスピーカー用部材を
得た。得られたスピーカー用部材の振動板部分の樹脂含
有量は約50%であった。得られたスピーカー用部材を
実施例1と同様の評価に供した。結果を上記表4に示
す。
【0123】E.同一基材で一体成形され、振動板とエ
ッジ部分が異なる熱硬化性樹脂で含浸されたスピーカー
用部材 (実施例26) 実施例1と同様にして不飽和ポリエステル溶液を調製した。さらに、下記の組 成を有するポリエーテルウレア・エラストマー溶液を調製した: ポリエーテルウレア・エラストマー A液 (イハラケミカル工業(株)製:SX-027/A) :100(部) ポリエーテルウレア・エラストマー B液 (イハラケミカル工業(株)製:SX-027/B) : 60.9
【0124】一方、パラ型アラミド繊維(帝人(株)製、
テクノーラ;繊維長38mm)の短繊維を乾式法により
空気流でランダムに配向させて集積層を作成した後、さ
らに水流絡合法により繊維同士を機械的に絡ませて秤量
60g/mの不織布を作成し、基材とした。
【0125】この基材の中央部(すなわち、振動板とな
るべき部分)に、上記不飽和ポリエステル溶液を約12
5〜150g/mの密度で選択的に塗布し、さらに、
周縁部分(すなわち、エッジとなるべき部分)に上記ポ
リエーテルウレア・エラストマー溶液を約60〜120
g/mの密度で塗布した。振動板部分とエッジ部分と
を一体化させた形状のマッチドダイ金型を用いて130
℃で3分間熱プレス成形し、さらに100℃で30分間
硬化させてコーン型スピーカー用部材を得た。このコー
ン型スピーカー用部材の振動板部分は口径16cm、厚
さ0.23mm、樹脂含有量約55%であり、エッジ部
分は幅13mm、厚さ0.50mmのロール形状であっ
た。得られたスピーカー用部材を実施例1と同様の評価
に供した。結果を後述の実施例27〜30の結果と併せ
て下記表5に示す。
【0126】
【表5】
【0127】(実施例27)メタ型アラミド繊維(帝人
(株)製、コーネックス;繊維長38mm)を用いて基材
を作成したこと以外は実施例26と同様にしてスピーカ
ー用部材を得た。得られたスピーカー用部材を実施例1
と同様の評価に供した。結果を上記表5に示す。
【0128】(実施例28)レーヨン繊維不織布(日本
バイリーン(株)製、XL-6040;繊維長38mm、目付4
0g/cm)を基材としたこと以外は実施例26と同
様にしてスピーカー用部材を得た。得られたスピーカー
用部材を実施例1と同様の評価に供した。結果を上記表
5に示す。
【0129】(実施例29)コットン繊維不織布(日清
紡績(株)製、オイコス/AP1040;繊維長38mm)を基
材としたこと以外は実施例26と同様にしてスピーカー
用部材を得た。得られたスピーカー用部材を実施例1と
同様の評価に供した。結果を上記表5に示す。
【0130】(実施例30)絹の短繊維(繊維長58m
m)を弱アルカリ性熱水で煮沸することにより、セリシ
ン含有量が1%未満となるまで精錬した。この絹糸から
不織布を作製し、基材とした。以下の手順は実施例26
と同様にしてスピーカー用部材を得た。得られたスピー
カー用部材を実施例1と同様の評価に供した。結果を上
記表5に示す。
【0131】F.不織布/エラストマー不織布/不織布
からなる基材で一体成形されたスピーカー用部材 (実施例31)実施例1と同様の不飽和ポリエステル溶
液を調製した。一方、パラ型アラミド繊維(帝人(株)
製、テクノ−ラ;繊維長38mm)の短繊維を乾式法に
より空気流でランダムに配向させて集積層を作成した
後、さらに水流絡合法により繊維同士を機械的に絡ませ
て秤量35g/mの不織布を作成した。得られた不織
布を2枚用いて、それらの間にウレタン系エラストマー
不織布(鐘紡(株)、エスパンシオーネ・ES25A;目
付25g/m)を配置した積層体を作成した。
【0132】この積層体の中央部(すなわち、振動板と
なるべき部分)に上記不飽和ポリエステル溶液を約12
5〜150g/mの密度で選択的に塗布し、振動板部
分とエッジ部分とを一体化した形状のマッチドダイ金型
を用いて130℃で一分間熱プレス成形して口径が16
cm、厚さが0.23mmであるコーン型スピーカー用
部材を得た。
【0133】得られたスピーカー用部材について、通常
の方法で振動板部分のヤング率、密度および比弾性率を
測定し、さらに通常の方法でエッジ部分のヤング率、密
度、および内部損失を測定した。実験結果を、後述の実
施例32〜34の結果と併せて下記表6に示す。
【0134】
【表6】
【0135】(実施例32)レーヨン繊維(繊維長38
mm)の短繊維から実施例31と同様にして、不織布を
作成した。得られた不織布と実施例31で得られたパラ
型アラミド不織布との間に実施例31と同様のウレタン
系エラストマー不織布を配置した積層体を作成した。以
下の手順は実施例31と同様にして、スピーカー用部材
を得た。得られたスピーカー用部材を実施例31と同様
の評価に供した。結果を上記表6に示す。
【0136】(実施例33)コットン繊維(繊維長38
mm)の短繊維から実施例31と同様にして不織布を作
成した。得られた不織布と実施例31で得られたパラ型
アラミド不織布との間に実施例31と同様のウレタン系
エラストマー不織布を配置した積層体を作成した。以下
の手順は実施例31と同様にして、スピーカー用部材を
得た。得られたスピーカー用部材を実施例31と同様の
評価に供した。結果を上記表6に示す。
【0137】(実施例34)メタ型アラミド繊維(帝人
(株)製、コーネックス;繊維長38mm)の短繊維から
実施例31と同様にして不織布を作成した。得られた不
織布を2枚用いて、それらの間に実施例31と同様のウ
レタン系エラストマー不織布を配置した積層体を作成し
たこと以外は実施例31と同様にして、スピーカー用部
材を得た。得られたスピーカー用部材を実施例31と同
様の評価に供した。結果を上記表6に示す。
【0138】G.不織布/弾性織布/不織布の基材で一
体成形されたスピーカー用部材 (実施例35)実施例1と同様の不飽和ポリエステル溶
液を調製した。一方パラ型アラミド繊維(帝人(株)製、
テクノ−ラ;繊維長38mm)の短繊維を乾式法により
空気流でランダムに配向させて集積層を作成した後、さ
らに水流絡合法により繊維同士を機械的に絡ませて秤量
35g/mの不織布を作成した。得られた不織布を2
枚用いて、それらの間に飽和ポリエステル繊維(Shell
Chemi(株)製Cortterra)の弾性織布(目付25g/m)
を配置した積層体を作成した。
【0139】この積層体の中央部(すなわち、振動板と
なるべき部分)に上記不飽和ポリエステル溶液を125
〜150g/mの密度で選択的に塗布し、振動板部分
とエッジ部分を一体化した形状のマッチドダイ金型を用
いて130℃で1分間熱プレス成形して、口径16c
m、厚さ0.20mmであるコーン型スピーカー用部材
を得た。
【0140】得られたスピーカー用の振動板部分につい
て、通常の方法で、ヤング率、密度、および比弾性率を
測定し、エッジ部分について、通常の方法で、ヤング
率、密度、および内部損失した。測定結果を、後述の実
施例36〜38の結果と併せて下記表7に示す。
【0141】
【表7】
【0142】(実施例36)レーヨン繊維(繊維長38
mm)の短繊維から実施例35と同様にして、不織布を
作成した。得られた不織布と実施例35で得られた不織
布との間に実施例35と同様の飽和ポリエステル繊維の
弾性織布を配置した積層体を作成した。以下の手順は実
施例35と同様にして、スピーカー用部材を得た。得ら
れたスピーカー用部材を実施例35と同様の評価に供し
た。測定結果を上記表7に示す。
【0143】(実施例37)コットン繊維(繊維長38
mm)の短繊維から実施例35と同様にして、不織布を
作成した。得られた不織布と実施例35で得られた不織
布との間に実施例35と同様の飽和ポリエステル繊維の
弾性織布を配置した積層体を作成した。以下の手順は実
施例35と同様にして、スピーカー用部材を得た。得ら
れたスピーカー用部材を実施例35と同様の評価に供し
た。測定結果を上記表7に示す。
【0144】(実施例38)メタ型アラミド繊維(帝人
(株)製、コーネックス;繊維長38mm)の短繊維から
実施例35と同様にして、不織布を作成した。得られた
不織布を2枚用いて、それらの間に実施例35と同様の
飽和ポリエステル繊維の弾性織布を配置した積層体を作
成した。以下の手順は実施例35と同様にして、スピー
カー用部材を得た。得られたスピーカー用部材を実施例
35と同様の評価に供した。測定結果を上記表7に示
す。
【0145】H.同一基材で一体成形された平面型振動
板部分とエッジ部分とを有する平面型スピーカー用部材 (実施例39) 下記の組成を有する不飽和ポリエステル溶液を調整した: 不飽和ポリエステル樹脂(日本触媒(株)製;N350L):100 (部) グラファイト(日本黒鉛(株)製;CSPE) : 20 低収縮化剤(日本油脂(株)製;モディパーS501) : 5 パーオクタO(日本油脂(株)製) : 3
【0146】一方、パラ型アラミド繊維(帝人(株)製、
テクノーラ;繊維長38mm)の短繊維を乾式法により
空気流でランダムに配向させて集積層を作成した後、さ
らに水流絡合法により繊維同士を機械的に絡ませて坪量
60g/mの不織布を作成した。得られた不織布を2
枚用いて、不織布と不織布との間にポリウレタン系エラ
ストマーフィルム(武田バーディシュウレタン工業
(株)製、エラストラン・NYタイプ、厚み:0.07
mm)を配置した積層体を作成した。
【0147】この積層体の中央部(すなわち、振動板と
なるべき部分)に、上記不飽和ポリエステル溶液(塗布
量:2.22〜2.49g)を選択的に塗布し、補強用
部分を有する平面型振動板部分とエッジ部分とを一体化
させた形状のマッチドダイ金型を用いて130℃で1分
間熱プレス成形して、振動板部分の大きさが62mm×
100mm、厚みが0.2mmである、平面型振動板部
分とエッジ部分とを有するスピーカー用部材を得た。得
られたスピーカー用部材について、通常の方法で、周波
数−音圧特性を測定した。測定結果を図4に示す。図4
において、横軸は周波数(Hz)を対数で示し、縦軸は
音圧(dB)を示す。
【0148】(比較例4)発泡系材料(変性PPO(ポ
リフェニレンオキサイド))からなる振動板(大きさ:
62mm×100mm、厚み:3mm)とポリウレタン
系エラストマー(厚み:0.07mm)からなるエッジ
とを貼り合わせることにより、平面型振動板部分とエッ
ジ部分とを有するスピーカー用部材を作成した。得られ
たスピーカー用部材について、実施例39と同様の評価
に供した。測定結果を図5に示す。
【0149】実施例39および比較例4から明らかなよ
うに、本発明の平面型スピーカー用部材の製造方法は、
平面型振動板部分とエッジ部分とを同じ材料(不織布基
材)を用いて形成するので、低コストで、かつ、材料効
率に優れる。さらに、実施例39の平面型振動板は比較
例4の平面型振動板と比べて強度が高いので、きわめて
薄型化することができる(比較例4の振動板の厚みが3
mmであるのに対し実施例39の振動板の厚みは0.2
mmであり、10分の1より小さい薄型化が達成されて
いる)。さらに、図4および図5から明らかなように、
実施例39の平面型スピーカー用部材(図4)は、比較
例の平面型スピーカー(図5)に比べて、中高域におい
てピークディップが格段に低減されている。
【0150】上記実施例1〜39の記載から明らかなよ
うに、本発明のスピーカー用部材の製造方法は、振動板
部分とエッジ部分とを同じ材料(積層体基材あるいは織
布または不織布基材)を用いて形成するので、材料ロス
が少なくかつ製造工程数を削減することができる。従っ
て、低コストで、かつ、製造効率に優れる。
【0151】さらに、表1〜表7から明らかなように、
本発明のスピーカー用部材は、振動板部分とエッジ部分
に同一の材料を用いて形成しているにもかかわらず、振
動板部分は強度に優れ、エッジ部分は柔軟で内部損失に
優れている。このように、本発明によれば、相反する特
性が要求される振動板とエッジとを同一材料を用いて形
成することが可能となり、長く解決されなかった課題を
解決することができる。
【0152】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、基材の
振動板部分となるべき部位に所定の熱硬化性樹脂を選択
的に塗布することにより、振動板部分とエッジ部分とを
同一材料を用いて形成することができ、かつ、振動板部
分およびエッジ部分がともに優れた要求特性を有するス
ピーカー用部材が得られる。さらに、本発明によれば、
低コストで、かつ製造効率に優れた製造方法が得られ
る。
【0153】このようにして得られた本発明のスピーカ
振動板は、任意のスピーカー(例えば、低音用、中音
用、高音用のスピーカ)に適用可能であり、全帯域(フ
ルレンジ)スピーカーとして使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施態様によるスピーカー用
部材の製造方法を説明するための模式図である。
【図2】本発明の別の実施態様によるスピーカー用部材
の製造方法を説明するための模式図である。
【図3】本発明の好ましい実施態様による平面型スピー
カー用部材を説明するための図である。図3Aはその平
面図である。図3Bは、図3Aのスピーカー用部材のB
−B線による断面図である。図3Cは、図3Aのスピー
カー用部材のC−C線による断面図である。図3Dは、
図3Bにおいて円で囲んだ部分の拡大図である。
【図4】本発明の好ましい実施態様による平面型スピー
カー用部材について、周波数と音圧との関係を示すグラ
フである。
【図5】従来の平面型スピーカーについて、周波数と音
圧との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野木 隆 大阪府寝屋川市日新町2番1号 オンキヨ ー株式会社内 (72)発明者 竹村 和斉 大阪府寝屋川市日新町2番1号 オンキヨ ー株式会社内 (72)発明者 雲 浩靖 大阪府寝屋川市日新町2番1号 オンキヨ ー株式会社内 Fターム(参考) 5D016 AA04 AA09 AA12 CA05 DA02 EA01 EA10 EC07 FA01 GA04 JA03

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と該基材に含浸された熱硬化性樹脂
    とを含む振動板部分と、該振動板部分と同一の基材を含
    むエッジ部分とを有する、スピーカー用部材。
  2. 【請求項2】 前記基材が、少なくとも2つの不織布層
    と、該不織布層の間に設けられた樹脂フィルム層とを有
    する積層体である、請求項1に記載のスピーカー用部
    材。
  3. 【請求項3】 前記不織布層が、パラ型アラミド繊維、
    メタ型アラミド繊維、レーヨン繊維、コットン繊維、超
    高強力ポリエチレン繊維、またはポリアリレート系繊維
    からなる不織布層を含む、請求項2に記載のスピーカー
    用部材。
  4. 【請求項4】 前記樹脂フィルム層が、熱可塑性エラス
    トマーからなる、請求項2または3に記載のスピーカー
    用部材。
  5. 【請求項5】 前記熱可塑性エラストマーが、ウレタン
    系エラストマー、アミド系エラストマー、オレフィン系
    エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリエステル
    系エラストマーまたはエチレン/酢酸ビニル系エラスト
    マーから選択される、請求項4に記載のスピーカー用部
    材。
  6. 【請求項6】 前記基材が、少なくとも2つの第1の不
    織布層と、該不織布層の間に設けられた第2の不織布層
    とを有する積層体である、請求項1に記載のスピーカー
    用部材。
  7. 【請求項7】 前記第2の不織布層が、熱可塑性エラス
    トマー繊維からなる、請求項6に記載のスピーカー用部
    材。
  8. 【請求項8】 前記熱可塑性エラストマー繊維が、ウレ
    タン系エラストマー繊維、アミド系エラストマー繊維、
    オレフィン系エラストマー繊維、スチレン系エラストマ
    ー繊維、ポリエステル系エラストマー繊維またはエチレ
    ン/酢酸ビニル系エラストマー繊維から選択される、請
    求項7に記載のスピーカー用部材。
  9. 【請求項9】 前記基材が、少なくとも2つの不織布層
    と、該不織布層の間に設けられた弾性織布層とを有する
    積層体である、請求項1に記載のスピーカー用部材。
  10. 【請求項10】 前記弾性織布層が、飽和ポリエステル
    繊維からなる、請求項9に記載のスピーカー用部材。
  11. 【請求項11】 前記飽和ポリエステル繊維が、ポリ
    (トリメチレンテレフタレート)繊維である、請求項1
    0に記載のスピーカー用部材。
  12. 【請求項12】 前記基材が、熱可塑性エラストマー繊
    維からなる不織布である、請求項1に記載のスピーカー
    用部材。
  13. 【請求項13】 前記基材が織布である、請求項1に記
    載のスピーカー用部材。
  14. 【請求項14】 前記織布基材が、飽和ポリエステル繊
    維からなる弾性織布である、請求項13に記載のスピー
    カー用部材。
  15. 【請求項15】 前記飽和ポリエステル繊維が、ポリ
    (トリメチレンテレフタレート)繊維である、請求項1
    4に記載のスピーカー用部材。
  16. 【請求項16】 前記熱硬化性樹脂が不飽和ポリエステ
    ル樹脂である、請求項1から15のいずれかに記載のス
    ピーカー用部材。
  17. 【請求項17】 前記熱硬化性樹脂が、天然繊維、再生
    繊維または合成繊維の短繊維、あるいはこれらの混合物
    をさらに含有する、請求項1から16のいずれかに記載
    のスピーカー用部材。
  18. 【請求項18】 前記エッジ部分が、前記基材に含浸さ
    れた光硬化性樹脂を含む、請求項1から17のいずれか
    に記載のスピーカー用部材。
  19. 【請求項19】 前記光硬化性樹脂がアクリル系樹脂で
    ある、請求項18に記載のスピーカー用部材。
  20. 【請求項20】 前記エッジ部分が、前記振動板部分に
    含浸された熱硬化性樹脂とは異なる熱硬化性樹脂を含
    む、請求項1から17のいずれかに記載のスピーカー用
    部材。
  21. 【請求項21】 前記エッジ部分に含まれる熱硬化性樹
    脂が、天然繊維または合成繊維の短繊維、あるいはこれ
    らの混合物をさらに含有する、請求項20に記載のスピ
    ーカー用部材。
  22. 【請求項22】 前記エッジ部分に含まれる熱硬化性樹
    脂が、熱硬化性ポリエーテルウレア系エラストマーであ
    る、請求項20または21に記載のスピーカー用部材。
  23. 【請求項23】 前記振動板部分がコーン型である、請
    求項1から22のいずれかに記載のスピーカー用部材。
  24. 【請求項24】 前記振動板部分が平面型である、請求
    項1から22のいずれかに記載のスピーカー用部材。
  25. 【請求項25】 前記振動板部分が補強用部分を有す
    る、請求項24に記載のスピーカー用部材。
  26. 【請求項26】 基材を形成する工程と、 該基材の振動板部分となるべき部位に熱硬化性樹脂を含
    浸する工程と、 該含浸した熱硬化性樹脂を硬化させて振動板部分を形成
    すると同時にエッジ部分を形成する工程とを含む、スピ
    ーカー用部材の製造方法。
  27. 【請求項27】 前記基材が、少なくとも2つの不織布
    層と、該不織布層の間に設けられた樹脂フィルム層とを
    有する積層体であり、 前記含浸した熱硬化性樹脂を硬化させて振動板部分を形
    成すると同時に、該樹脂フィルム層を溶融および固化し
    てエッジ部分を形成する、請求項26に記載の製造方
    法。
  28. 【請求項28】 前記基材が、少なくとも2つの第1の
    不織布層と、該不織布層の間に設けられた第2の不織布
    層とを有する積層体であり、 前記含浸した熱硬化性樹脂を硬化させて振動板部分を形
    成すると同時に、該第2の不織布層を溶融および固化し
    てエッジ部分を形成する、請求項26に記載の製造方
    法。
  29. 【請求項29】 前記基材が、少なくとも2つの不織布
    層と、該不織布層の間に設けられた弾性織布層とを有す
    る積層体であり、 前記含浸した熱硬化性樹脂を硬化させて振動板部分を形
    成すると同時に、該弾性織布層を溶融および固化してエ
    ッジ部分を形成する、請求項26に記載の製造方法。
  30. 【請求項30】 前記基材が、エラストマー繊維からな
    る不織布であり、 前記含浸した熱硬化性樹脂を硬化させて振動板部分を形
    成すると同時に、該基材を溶融および固化してエッジ部
    分を形成する、請求項26に記載の製造方法。
  31. 【請求項31】 前記基材が、飽和ポリエステル繊維か
    らなる弾性織布であり、前記含浸した熱硬化性樹脂を硬
    化させて振動板部分を形成すると同時に、該基材を溶融
    および固化してエッジ部分を形成する、請求項26に記
    載の製造方法。
  32. 【請求項32】 基材を形成する工程と、 該基材の振動板部分となるべき部位に熱硬化性樹脂を含
    浸する工程と、 該基材のエッジ部分となるべき部位に光硬化性樹脂を含
    浸する工程と、 該含浸した熱硬化性樹脂を硬化させて振動板部分を形成
    する工程と、 該含浸した光硬化性樹脂を硬化させてエッジ部分を形成
    する工程とを含む、スピーカー用部材の製造方法。
  33. 【請求項33】 基材を形成する工程と、 該基材の振動板部分となるべき部位に第1の熱硬化性樹
    脂を含浸する工程と、 該基材のエッジ部分となるべき部位に第2の熱硬化性樹
    脂を含浸する工程と、 該含浸した第1および第2の熱硬化性樹脂を硬化させ
    て、振動板部分とエッジ部分とを同時に形成する工程
    と、 を含む、スピーカー用部材の製造方法。
JP2000057606A 1999-03-03 2000-03-02 スピーカー用部材およびその製造方法 Expired - Fee Related JP3596412B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000057606A JP3596412B2 (ja) 1999-03-03 2000-03-02 スピーカー用部材およびその製造方法

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5571499 1999-03-03
JP15572299 1999-06-02
JP11-155722 1999-06-02
JP11-320502 1999-11-11
JP11-55714 1999-11-11
JP32050299 1999-11-11
JP2000057606A JP3596412B2 (ja) 1999-03-03 2000-03-02 スピーカー用部材およびその製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004209814A Division JP3888369B2 (ja) 1999-03-03 2004-07-16 スピーカー用部材およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001204093A true JP2001204093A (ja) 2001-07-27
JP3596412B2 JP3596412B2 (ja) 2004-12-02

Family

ID=27463243

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000057606A Expired - Fee Related JP3596412B2 (ja) 1999-03-03 2000-03-02 スピーカー用部材およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3596412B2 (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006254159A (ja) * 2005-03-11 2006-09-21 Pioneer Electronic Corp スピーカー装置用エッジ及びそれを用いたスピーカー装置
JP2007522756A (ja) * 2004-02-17 2007-08-09 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 電気音響トランスジューサ用の膜体の特性を変更する方法及び装置
KR101261436B1 (ko) 2011-09-16 2013-05-10 웅진케미칼 주식회사 메타아라미드 섬유와 멜트블로운사를 포함하는 복합부직포 및 그의 제조방법
WO2018051797A1 (ja) * 2016-09-13 2018-03-22 パナソニックIpマネジメント株式会社 スピーカ用振動板とその製造方法およびこれを用いたスピーカ
KR20180064480A (ko) * 2015-10-05 2018-06-14 사아티 에스.피.에이. 음향 장치 보호용 다층 피륙 구조 제조 방법, 다층 피륙 구조에 의해 음향 장치를 보호하는 컴포넌트 제조 방법 및 음향 장치 보호 컴포넌트
JP2020124851A (ja) * 2019-02-05 2020-08-20 日立化成株式会社 樹脂成形体を製造する方法、及び、シート状成形材料
JP6759415B1 (ja) * 2019-05-23 2020-09-23 大日精化工業株式会社 ポリウレタン樹脂及び物品
US11019443B2 (en) 2018-08-30 2021-05-25 Seiko Epson Corporation Speaker diaphragm including cone formed of material including fibers derived from plant and resin, speaker unit, speaker, and method for manufacturing speaker
JP2021526773A (ja) * 2018-06-15 2021-10-07 ゴルテック インコーポレイテッド スピーカー振動膜及びスピーカー
JP2021527992A (ja) * 2018-06-15 2021-10-14 ゴルテック インコーポレイテッド スピーカー振動膜及びスピーカー
JP2021527993A (ja) * 2018-06-15 2021-10-14 ゴルテック インコーポレイテッド スピーカー振動膜及びスピーカー
JP2021527994A (ja) * 2018-06-15 2021-10-14 ゴルテック インコーポレイテッド スピーカー振動膜及びスピーカー
CN113709634A (zh) * 2020-05-20 2021-11-26 歌尔股份有限公司 振动板和发声装置

Cited By (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007522756A (ja) * 2004-02-17 2007-08-09 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 電気音響トランスジューサ用の膜体の特性を変更する方法及び装置
JP2006254159A (ja) * 2005-03-11 2006-09-21 Pioneer Electronic Corp スピーカー装置用エッジ及びそれを用いたスピーカー装置
KR101261436B1 (ko) 2011-09-16 2013-05-10 웅진케미칼 주식회사 메타아라미드 섬유와 멜트블로운사를 포함하는 복합부직포 및 그의 제조방법
KR102578520B1 (ko) * 2015-10-05 2023-09-13 사아티 에스.피.에이. 음향 장치 보호용 다층 피륙 구조 제조 방법, 다층 피륙 구조에 의해 음향 장치를 보호하는 컴포넌트 제조 방법 및 음향 장치 보호 컴포넌트
KR20180064480A (ko) * 2015-10-05 2018-06-14 사아티 에스.피.에이. 음향 장치 보호용 다층 피륙 구조 제조 방법, 다층 피륙 구조에 의해 음향 장치를 보호하는 컴포넌트 제조 방법 및 음향 장치 보호 컴포넌트
JPWO2018051797A1 (ja) * 2016-09-13 2019-06-27 パナソニックIpマネジメント株式会社 スピーカ用振動板とその製造方法およびこれを用いたスピーカ
CN109691131A (zh) * 2016-09-13 2019-04-26 松下知识产权经营株式会社 扬声器用振动板及其制造方法以及使用了该扬声器用振动板的扬声器
JP7029602B2 (ja) 2016-09-13 2022-03-04 パナソニックIpマネジメント株式会社 スピーカ用振動板とその製造方法およびこれを用いたスピーカ
WO2018051797A1 (ja) * 2016-09-13 2018-03-22 パナソニックIpマネジメント株式会社 スピーカ用振動板とその製造方法およびこれを用いたスピーカ
JP2021527993A (ja) * 2018-06-15 2021-10-14 ゴルテック インコーポレイテッド スピーカー振動膜及びスピーカー
JP2021527994A (ja) * 2018-06-15 2021-10-14 ゴルテック インコーポレイテッド スピーカー振動膜及びスピーカー
JP2021526773A (ja) * 2018-06-15 2021-10-07 ゴルテック インコーポレイテッド スピーカー振動膜及びスピーカー
JP2021527992A (ja) * 2018-06-15 2021-10-14 ゴルテック インコーポレイテッド スピーカー振動膜及びスピーカー
US11019443B2 (en) 2018-08-30 2021-05-25 Seiko Epson Corporation Speaker diaphragm including cone formed of material including fibers derived from plant and resin, speaker unit, speaker, and method for manufacturing speaker
JP7318223B2 (ja) 2019-02-05 2023-08-01 株式会社レゾナック 樹脂成形体を製造する方法、及び、シート状成形材料
JP2020124851A (ja) * 2019-02-05 2020-08-20 日立化成株式会社 樹脂成形体を製造する方法、及び、シート状成形材料
WO2020235677A1 (ja) * 2019-05-23 2020-11-26 大日精化工業株式会社 ポリウレタン樹脂溶液及びフィルム状部材
KR20220002682A (ko) * 2019-05-23 2022-01-06 다이니치 세이카 고교 가부시키가이샤 폴리우레탄 수지 용액 및 필름상 부재
CN113905868A (zh) * 2019-05-23 2022-01-07 大日精化工业株式会社 聚氨酯树脂溶液和薄膜状构件
JP6759415B1 (ja) * 2019-05-23 2020-09-23 大日精化工業株式会社 ポリウレタン樹脂及び物品
KR102447730B1 (ko) 2019-05-23 2022-09-28 다이니치 세이카 고교 가부시키가이샤 폴리우레탄 수지 용액 및 필름상 부재
CN113709634A (zh) * 2020-05-20 2021-11-26 歌尔股份有限公司 振动板和发声装置
CN113709634B (zh) * 2020-05-20 2023-11-17 歌尔股份有限公司 振动板和发声装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3596412B2 (ja) 2004-12-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3596412B2 (ja) スピーカー用部材およびその製造方法
US6378649B1 (en) Speaker member and manufacturing method thereof
US7567684B2 (en) Speaker diaphragm and speaker using the same
US20180027331A1 (en) Elastic composite structure for speaker vibrating member
JP2005223807A (ja) 振動板、その製造方法、および、スピーカ装置
JP3888369B2 (ja) スピーカー用部材およびその製造方法
JP2005223806A (ja) 振動板、その製造方法、および、スピーカ装置
JP3925284B2 (ja) スピーカー用部材の製造方法
JP3137241B2 (ja) スピーカー振動板
JP3336566B2 (ja) スピーカー振動板及びその製造方法
JP2788998B2 (ja) 振動部品用積層材料とスピーカ振動部品
CN205946140U (zh) 具有弹性胶层的弹波
JP7346834B2 (ja) スピーカー振動板
JP3241514B2 (ja) スピーカ振動部材の製造方法
JP4370707B2 (ja) スピーカー用部材
JPH0568297A (ja) スピーカ振動板とその製造方法
US20210092524A1 (en) Vibration plate having reinforced structural element and speaker using the same
JP2002232990A (ja) スピーカー用部材およびその製造方法
TWI723821B (zh) 局部設置有抗噪層的喇叭振動片及其製造方法
CN112019990B (zh) 应用超音波接合的复层导线弹波制造方法
JPH0257096A (ja) 音響装置用振動板
JP2002010390A (ja) スピーカ用エッジ
JPS63187900A (ja) スピ−カ用振動板
JP3163849B2 (ja) スピーカ用エッジ
TW202136024A (zh) 具有抗噪層的喇叭振動片及其製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040506

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040518

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040716

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040817

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040830

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100917

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees