JP2005223807A - 振動板、その製造方法、および、スピーカ装置 - Google Patents

振動板、その製造方法、および、スピーカ装置 Download PDF

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Abstract


【課題】 製造が容易で良好な特性の振動板を提供する。
【解決手段】 木材パルプ、化学繊維および無機繊維の少なくともいずれか1つの繊維材料と、発泡剤と、高叩解度の微細繊維状結合材とを適宜配合して抄紙原料を調整し、抄造する。抄紙後の成形物を、振動板400の形状に対応した間隙を有する乾燥装置の金型内に装着し、加熱して乾燥しつつ振動部420の一部を肉厚に発泡させ、発泡する肉厚の肉厚部421と未発泡の未発泡部422とを形成する。発泡により肉厚となることによる曲げ剛性の向上および微細繊維状結合材による繊維同士の絡み付きによる強度向上にて、別体のシート状部材を積層したり合成樹脂を含浸させるなどの補強をすることなく、重量増加を防止して重量が均一な状態で部分的に補強でき、周波数特性が平坦化して良好な音響特性を得ることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、振動部およびエッジ部を有し一部が発泡された振動板、その製造方法、および、スピーカ装置に関する。
従来、スピーカ装置を構成する振動板として、所定の特性が得られるように、振動部の部分における含有した発泡剤を適宜発泡させて作製されるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のものは、金型のキャビティ内に発泡剤を含有する樹脂を射出する。金型に接している部分から硬化して形成されるスキン層が適度な厚みとなる所定時間が経過した後に型締め圧を落とし、内部の樹脂の溶融部分の発泡を促進させて発泡層を形成し、径方向に延在するリブとして3層構造の発泡領域と1層構造の未発泡領域とを有するコーン型に形成する。
特開2000−246756号公報(第3頁左欄−第6頁左欄、図7)
しかしながら、上記特許文献1に記載のような射出成形後に発泡させて作製するものでは、射出成形の際の金型の型締め圧を落とす厳密な制御により部分的に厚さ寸法を変化させているので、高度な製造技術が要求される。そこで、振動板の製造として、広く利用されている比較的に製造工程が容易な抄造により形成することも考えられる。しかしながら、抄造する場合では、原料に含有する発泡剤が抄網から抜け落ちてしまい、十分な発泡状態が得られなくなるおそれがある。また、十分に発泡が得られるように発泡剤を必要以上に含有させることで、コストが増大するとともに、抜け落ちる発泡剤の量のばらつきにより、製品毎の発泡状態のばらつきが生じるおそれもある。
本発明は、上述したような実情などに鑑みて、製造が容易で良好な特性が得られる振動板、その製造方法およびスピーカ装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、発泡剤を含有し抄紙により成形される振動部を有した振動板であって、前記発泡剤とともに微細繊維状結合材が含有された抄紙原料により抄紙されて前記振動部が部分的に肉厚となる状態に前記発泡剤が発泡されて形成されたことを特徴とした振動板である。
請求項2に記載の発明は、発泡剤を含有し繊維を主成分とした抄紙原料が抄紙され乾燥されて成形される振動部を有した振動板であって、前記抄紙原料は、微細繊維状結合材を含有し、前記振動部は、部分的に肉厚となる状態に前記発泡剤が発泡されて形成されたことを特徴とした振動板である。
請求項17に記載の発明は、発泡剤を含有し抄紙にて成形することにより振動部を有した振動板を製造する振動板の製造方法であって、前記発泡剤とともに微細繊維状結合材が含有された抄紙原料により抄紙した後に前記振動部が部分的に肉厚となる状態に前記発泡剤を発泡させることを特徴とする振動板の製造方法である。
請求項18に記載の発明は、発泡剤を含有し繊維を主成分とした抄紙原料を抄紙して乾燥することにより振動部を有した振動板を製造する振動板の製造方法であって、前記抄紙原料は、微細繊維状結合材を含有し、部分的に肉厚となる状態に前記発泡剤を発泡させて前記振動部を形成することを特徴とする振動板の製造方法である。
請求項20に記載の発明は、請求項1ないし請求項16のいずれかに記載の振動板と、この振動板に取り付けられたボイスコイルと、磁性体と、前記振動板および前記磁性体を保持し前記磁性体とにより磁気回路を形成するヨークを備えたフレームと、を具備したことを特徴としたスピーカ装置である。
請求項21に記載の発明は、請求項17ないし請求項19のいずれかに記載の振動板の製造方法により製造された振動板と、この振動板に取り付けられたボイスコイルと、磁性体と、前記振動板および前記磁性体を保持し前記磁性体とにより磁気回路を形成するヨークを備えたフレームと、を具備したことを特徴としたスピーカ装置である。
以下に、本発明のスピーカ装置の一実施の形態の構成について図面を参照して説明する。なお、本実施の形態では、コーン型のスピーカ装置について例示するが、この限りではない。
(スピーカ装置の構成)
図1は、本発明における一実施の形態に係るスピーカ装置を示す断面図である。図2は、スピーカ装置を構成する振動板を示す一部を切り欠いた断面図である。図3は、振動板の振動部を示す平面図である。この図1において、100はスピーカ装置で、このスピーカ装置100は、電気的に接続される再生装置からの電気信号である音声データを発音により出力する。このスピーカ装置100は、フレーム200と、磁気回路を構成する磁性体としての磁石300と、振動板400と、ボイスコイル500と、図示しない保護部材と、を備えている。
フレーム200は、例えば硬質の合成樹脂やアルミニウム合金などの軽量金属材料などにて形成されている。そして、フレーム200は、一面側に向けて拡開する略凹状の本体部210と、この本体部210に一体的に設けられた磁気回路を構成するヨークである磁性体220と、を備えている。
本体部210は、底面略中央に略円形の開口211が穿設され一面側に向けて開口する略円筒形の底部212を有している。この底部212の外周縁には、略放射状に架橋部213が先端側で互いに拡開する状態に複数一連に設けられている。さらに、架橋部213の先端には、略リング状で、底部212の底面に略平行な取付段差部214が一連に設けられている。この取付段差部214の外周縁には、底部212と略同軸状の円筒状に形成された位置決め筒部215が一連に設けられている。また、本体部210には、電気信号の音声データが入力される端子216Aを有するターミナル216が一体的に取り付けられている。
磁性体220は、上ヨーク221と、下ヨーク222と、を備えている。上ヨーク221は、磁性材料にて略リング状に形成されている。この上ヨーク221は、例えば接着剤などにて本体部210の底面に、内周が底部212の開口211と同軸上となる状態に一体的に取り付けられる。下ヨーク222は、例えば上ヨーク221と同材質に形成されている。この下ヨーク222は、略円板上の板部222Aの略中央に一面側に略円筒状に突起部222Bを有した略凸状に形成されている。そして、下ヨーク222は、板部222Aが上ヨーク221とにより磁石300を挾持する状態に例えば接着剤にて磁石300を介して上ヨーク221に一体的に取り付けられる。この下ヨーク222が取り付けられた状態は、突起部222Bの外周面が上ヨーク221の内周面に所定の間隙で対向して磁気ギャップを形成する状態となっている。
磁石300は、例えばリング状に形成され、軸方向の両端面に磁極面が形成されている。そして、磁石300は、上述したように、上ヨーク221と下ヨーク222の板部222Aとの間に挾持される状態で、例えば接着剤にて取り付けられている。この取り付けられた状態は、磁石300の内周側に下ヨーク222の突起部222Bが略同軸上に貫通する状態となっている。この磁石300の取り付けにより、下ヨーク222の突起部222Bの外周面と上ヨーク221の内周面とが異なる磁極で対向する状態となり、磁石300および磁性体220にて磁気回路が構成される。
振動板400は、図1ないし図3に示すように、いわゆるフィックスド(fixed)エッジで、繊維を主成分として抄造である抄紙処理にて成形された一面側に向けて拡開する略裁頭形状(コーン形状)の略薄膜状に形成されている。また、振動板400は、一方の径方向の長さ寸法が他方の径方向の長さ寸法より長手となる例えば楕円状の扁平形状に拡開する。そして、振動板400は、略円筒状の取付部410を有している。この取付部410の軸方向の一端には、一面側に向けて拡開する略楕円状の裁頭形状の振動部420が一連に設けられている。この振動部420は、径方向が最も長い方向と最も短い方向とに沿ったリブ状に肉厚の肉厚部421が略放射状に設けられている。この肉厚部421は発泡により肉厚に形成され、それ以外の部分は未発泡の未発泡部422である。さらに、振動部420の拡開する側の周縁には、フランジ状に外周方向に突出するエッジ部430が設けられている。このエッジ部430は、径方向で波形状に形成されている。さらに、エッジ部430は、最外周縁に鍔状に連続する取付鍔部431を有している。そして、この取付鍔部431は、外周縁がフレーム200の位置決め筒部215の内周面に当接する状態に位置決めされ、フレーム200の取付段差部214に例えば接着剤にてリング状の取付部材440にて挾持される状態に取り付けられ、フレーム200に支持される。
この振動板400は、肉厚部421が未発泡部422に対して質量(g/m2)割合で1以下、好ましくは1/2以上1未満で、肉厚部421の厚さ寸法が未発泡部422の厚さ寸法に対して1.5倍以下とすることが好ましい。このような条件となるように形成することで、スピーカ装置100として良好な視聴効果が得られる。
この振動板400は、抄造における抄紙原料として、例えば木材パルプや化学繊維、無機繊維などの繊維である繊維材料と、発泡剤と、繊維である微細繊維状結合材と、が適宜配合され、抄紙処理によりコーン形状に成形され、適宜乾燥されて作製される。繊維材料としては、発泡剤および微細繊維状結合材以外の残部で、好ましくは20質量%以上であることが好ましい。
ここで、繊維材料として、木材パルプは、例えば針葉樹クラフトパルプなど、各種木材パルプが利用できる。そして、木材パルプのみの場合では20質量%以上50質量%以下が好ましい。20質量%より少なくなると微細繊維状結合材を骨材となる繊維に用いることとなり、抄造時に濾過抵抗が高くなるとともに抄網が目詰まりして抄造作業が煩雑となるおそれがある。一方、50質量%より多くなると、抄造時に抄網からこぼれ落ち、肉厚部421の良好な発泡が得られなくなるおそれがある。このため、繊維材料として木材パルプのみを用いる場合には、20質量%以上50質量%以下に設定することが好ましい。
また、繊維材料として、化学繊維は、例えば繊維長が2mm程度のアラミド繊維などの各種合成樹脂繊維が利用できる。また、無機繊維としては、ガラスファイバやカーボンファイバなどの各種無機繊維が利用できる。そして、化学繊維および無機繊維のうちの少なくともいずれか一方を木材パルプと併用する場合では、化学繊維および無機繊維のうちの少なくともいずれか一方が合計で20質量%以下とすることが好ましい。化学繊維および無機繊維のうちの少なくともいずれか一方が合計で20質量%より多くなると、木材パルプとの繊維間接合を有しないので、振動板400の強度低下やヤング率の低下を生じ、良好な振動板400が得られなくなるおそれがある。このため、繊維材料として木材パルプを20質量%以上50質量%以下で化学繊維および無機繊維のうちの少なくともいずれか一方を合計で20質量%以下に設定することが好ましい。なお、化学繊維として、耐熱性を有するものを利用することで、振動板400に耐熱性や難燃性などを付与することができる。なお、繊維材料として、木材パルプを用いず、化学繊維および無機繊維のうちの少なくともいずれか一方のみである場合では、合計で80質量%以下が好ましい。化学繊維および無機繊維の合計で80質量%より多くなると、微細繊維状結合材の相対的な量が少なくなり、抄造時に抄網からこぼれ落ち、肉厚部421の良好な発泡が得られなくなるおそれがある。このため、繊維材料として化学繊維および無機繊維のうちの少なくともいずれか一方を合計で80質量%以下に設定することが好ましい。
また、発泡剤としては、例えば、塩化ビニリデン共重合体にて低沸点炭化水素を内包し140℃程度で急激に発泡するマイクロカプセルや、オレフィン系樹脂で化学発泡剤を内包し140℃〜160℃程度で分解して主に窒素ガスを発生するマイクロカプセルなどが用いられる。なお、抄紙処理にて成形後の乾燥時に発泡可能ないずれのものが利用できる。なお、振動板400として防水性を付与する目的である場合、発泡剤として例えば発泡により撥水性を有する合成樹脂のものが好ましい。すなわち、撥水性の発泡剤の混在により、別途撥水処理をしたり撥水材を混合したりするなどが不要となる。そして、発泡剤の粒径としては、例えば20μm以上100μm以下が好ましい。この粒径が20μmより細かくなると、抄造時に抄網からこぼれ落ちやすくなり、所望の発泡状態が得られなくなるおそれがある。また、粒径が100μmより粗くなると、発泡時に肉厚部421の表面の凹凸が大きくなって、外観が低下するおそれがある。このため、粒径を20μm以上100μm以下に設定することが好ましい。そして、発泡剤は、1質量%以上20質量%以下で配合されて抄紙原料が調製される。ここで、1質量%より少なくなると、肉厚部421の十分な発泡が得られなくなる。また、20質量%より多くなっても、肉厚部421の発泡倍率の増大はほとんど認められず、コストが増大する。このため、発泡剤は、1質量%以上20質量%以下に設定することが好ましい。
さらに、微細繊維状結合材としては、例えば木材パルプ系素材である木材パルプなど、叩解により繊維が枝状に分岐したフィブリル化し、比表面積が増して抄網上で絡み合って水素結合を起しやすい状態となるものが利用される。なお、各種木材のクラフトパルプに限らず、靱皮繊維など、各種繊維が利用できる。そして、微細繊維状結合材は、叩解度がカナディアン・フリーネス・スタンダードで例えば50ml以上200ml以下のものである。なお、カナディアン・フリーネス・スタンダードで50mlより小さい値では、叩解処理が煩雑で微細繊維状結合材の調製が困難となり、コストの増大を招くおそれがある。一方、200mlより大きな値では、微細繊維状結合材を用いずに木材パルプを用いて抄造する場合と発泡剤の担持性に大差が無く、微細繊維状結合材の添加効果が認められなくなる。このため、微細繊維状結合材の叩解度を、カナディアン・フリーネス・スタンダードで50ml以上200ml以下に設定することが好ましい。そして、この微細繊維状結合材は、1質量%以上80質量%以下で配合されて抄紙原料が調製される。ここで、1質量%より少なくなると、抄造時に発泡剤が十分に担持されずに抄網からこぼれ落ちやすくなり、所望の発泡状態が得られなくなるおそれがある。また、80質量%より多くなると、濾過抵抗が高くなるとともに抄網が目詰まりして抄造作業が煩雑となるおそれがある。このため、微細繊維状結合材を80質量%以下、より好ましくは10質量%以上20質量%以下に設定することが好ましい。
また、振動板400には、略円筒状のコイルボビン450が一体的に設けられている。このコイルボビン450は、例えば振動板400と同材質、あるいはアルミニウムなどの金属や合成樹脂またはガラス繊維などの繊維を含有する合成樹脂などにより構成されている。そして、コイルボビン450は、外径が振動板400の取付部410の内径と略同寸法の略円筒状に形成され、軸方向の一端側が例えば接着剤などを用いて一体的に取り付けられている。なお、コイルボビン450は、振動板400が拡開する側の一端側に端面を閉塞する球面ドーム状のダストキャップが例えば接着剤にて接着されて一体的に設けられた構成としてもよい。
さらに、コイルボビン450には、略円板状の取付支持部460が一体的に設けられている。この取付支持部460は、例えばコイルボビンと同材質に構成されている。そして、取付支持部460は、略中央にコイルボビン450が嵌挿される略円筒状で、内周面がコイルボビン450の外周面に例えば接着剤などにて一体的に取り付けられる図示しない円筒部を有している。さらに、取付支持部460は、円筒部461の軸方向の一端に径方向に鍔状で、径方向に波形状に形成された可動部462が一連に設けられている。また、この可動部462の外周縁には、鍔状に突出し、フレーム200の底部212の周縁に例えば接着剤にて取り付けられる鍔部463が一連に設けられている。そして、取付支持部460の鍔部463がフレーム200の底部212の周縁に取り付けられるとともに、振動板400のエッジ部430の取付鍔部431がフレーム200の取付段差部214に取り付けられ、コイルボビン450が一体的に取り付けられた振動板400がフレーム200に配設される。
ボイスコイル500は、コイルボビン450の軸方向の他端側の外周面に巻装されている。このボイスコイル500の巻装状態は、例えば接着剤等にて固定されている。このボイスコイル500は、振動板400がフレーム200に取り付けられた状態で、例えば磁性体220の下ヨーク222および上ヨーク221の対向する磁気ギャップに位置する状態に巻装される。そして、ボイスコイル500の線材の両端部が引き出され、フレーム200に設けられたターミナル216の端子216Aに接続されて音声データの入力端となる。
保護部材は、例えば合成樹脂や金属材料などにて例えばメッシュ状に形成され、振動板400の拡開する側を覆う状態にフレーム200の位置決め筒部215に取り付けられる。この保護部材の取り付けは、例えば接着剤などにて取り付けられる他、嵌合固定やねじ止めなど、いずれの方法で取り付けられる。また、スピーカ装置100は、保護部材を設けない構成としてもよい。
(スピーカ装置の作用)
次に、上記スピーカ装置100の作用として、振動板400の特性について各種実験結果を利用して図面に基づき説明する。図4は、発泡状態が異なるものの物性を示す実験結果を表形式で対比した説明図である。図5は、肉厚部分と未発泡部分との物性を示す実験結果を表形式で対比した説明図である。
抄紙原料として、木材パルプに針葉樹クラフトパルプ、化学繊維および無機繊維を適宜利用した繊維と、発泡剤として塩化ビニリデン共重合体にて低沸点炭化水素を内包したマイクロカプセルと、針葉樹クラフトパルプを高叩解した微細繊維状結合材とを用いた。なお、針葉樹クラフトパルプは、抄紙にて振動板400を作製する際に一般的に利用されている叩解度がカナディアン・フリーネス・スタンダードで約700ml〜750mlのものを用いた。そして、各材料を一般的に広く利用されている木材パルプを用いた抄造方法と同様に、水を適宜加えて所定の粘度となるスラリ状に抄紙原料を調製した。この抄紙原料を、一般的に広く利用されている木材パルプにて、上述した略楕円形の裁頭形状の振動板400を抄造するための図示しない抄造機にて抄造し、抄紙状況を観察した。
その結果、微細繊維状結合材を含有しない抄紙原料では、針葉樹クラフトパルプに替えて微細繊維状結合材を含有したものに比して、濾水中の発泡剤の量が多く、抄紙の際の抄網から発泡剤が流れ落ちていることが分かった。そして、微細繊維状結合材の配合量を増大させ10質量%までは濾水中の発泡剤の量が急激に減少し、20質量%以上ではだんだん発泡剤の量の減少状況が小さくなった。そして、針葉樹クラフトパルプのみを繊維材料として用いた場合、微細繊維状結合材が50質量%までは抄紙できたが、50質量%を超えたものでは抄網が目詰まりし、抄紙できなかった。なお、針葉樹クラフトパルプの少なくとも一部を化学繊維や無機繊維に替えた場合では、微細繊維状結合材が50質量%を超えても抄紙でき、針葉樹クラフトパルプを用いず化学繊維や無機繊維のみに代えたもので、微細繊維状結合材を最大80質量%まで抄紙できた。なお、同量の針葉樹クラフトパルプのみのものと、化学繊維や無機繊維のみのものでは、針葉樹クラフトパルプの方が発泡剤の流れ落ちる割合が少なかった。これは、針葉樹クラフトパルプの有する繊維間結合、すなわち繊維同士の絡み付きおよび水素結合を起しやすい状態などにより、発泡剤の担持する割合が多くなったためと考えられる。この抄紙処理の実験により、繊維材料として、木材パルプのみの場合では20質量%以上50質量%以下、化学繊維および無機繊維のうちの少なくともいずれか一方のみである場合では、化学繊維および無機繊維の合計で80質量%以下が好ましいことが見出せた。
また、微細繊維状結合材として、叩解度がカナディアン・フリーネス・スタンダードで300ml以上のものでは、微細繊維状結合材の替わりに針葉樹クラフトパルプを用いたものと、濾水中の発泡剤の割合に大差が認められず、値が小さくなるに従って濾水中の発泡剤の量が少なくなった。なお、叩解度が50mlより小さい値のものは、調製できなかった。このことから、微細繊維状結合材の叩解度は、カナディアン・フリーネス・スタンダードで50ml以上200ml以下が好ましいことが見出せた。
また、発泡剤の粒径を変化させたものでは、粒径が大きくなるに従って、濾水中の発泡剤の量が減少した。
そして、抄紙後に、振動板400の形状に対応したクリアランスの図示しない金型を有した乾燥装置で金型を約200℃程度にて加熱し、抄紙後の成形物を約1分間加熱乾燥し、振動部420を適宜発泡させて振動板400を作製した。この作製した振動板400の肉厚部421および未発泡部422の物性を測定した。
その結果、針葉樹クラフトパルプと化学繊維や無機繊維とを用いたものでは、針葉樹クラフトパルプを20質量%以上配合したものにおいて、20質量%より多く配合したものでは、引張強さが低下するとともにヤング率が低下し、振動板400としての特性が得られなくなった。このため、針葉樹クラフトパルプに化学繊維や無機繊維を併用する場合、化学繊維および無機繊維のうちの少なくともいずれか一方として20質量%以下が好ましいことが見出せた。
また、発泡剤が1質量%程度から発泡による厚さ寸法の増大が認められ、20質量%より多く配合したものでも発泡倍率に大差は無かった。このため、発泡剤は、1質量%以上20質量%以下が好ましいことが見出せた。また、発泡剤の粒径が異なるものでは、粒径が小さくなるに従って濾水中の量が増大した。さらに、粒径が大きくなるに従って乾燥後の振動板400の肉厚部421の凹凸が大きくなり、100μmを超えるものでは濾水中の量は低減するものの表面凹凸が大きく、外観が不良であった。この実験により、発泡剤は100μm以下、特に材料の入手容易性を考慮すると20μm以上100μm以下が好ましいことが見出せた。
そして、発泡剤が効率よく担持され良好な抄紙処理が得られた配合として、針葉樹クラフトパルプを70質量%、発泡剤を20質量%および微細繊維状結合材を10質量%とした抄紙原料を用い、シート状に抄紙して適宜乾燥し、発泡倍率が異なる試料を作製し、物性を測定した。なお、比較として、木材パルプのみで抄紙し略均一な厚さ寸法で作製したシート状の試料を比較例とし、同様に物性を測定した。なお、物性としては、面厚については面厚計を用い、密度について重量計を用い、JIS−P8118に基づいて測定した結果である。また、引張強さについては、引張試験機を用い、JIS−P8113に基づいて測定した。その結果の一部を図4に示す。また、肉厚部421の発泡倍率が異なる振動板400について、物性を測定した。なお、比較として、木材パルプのみで抄紙し肉厚を均一に作製したものを比較例とし、同様に物性を測定した。また、物性として、紙厚については面厚計を用い、密度について重量計を用い、JIS−P8118に基づいて測定した結果である。さらに、ヤング率、内部損失、音速については、振動リード法により、温度20℃、湿度60%RHの環境下にて測定した。その結果の一部を図5に表形式で示す。
この図4に一部を示す結果から、比較例のものに対して、発泡させた本実施形態のものは、肉厚部421の密度が小さく、引張強さが高い結果となった。そして、発泡倍率を約20%とした本実施形態2のものが、最も引張強さが強い結果で、20%より発泡倍率が大きくなるに従って引張強さが若干低下する傾向となった。なお、引張強さが発泡倍率を20%としたものが最も強かったのは、ある程度の発泡にて肉厚となることによる剛性の向上と、微細繊維状結合材同士の絡み付きによる強度の向上との総合的な強度が、最も高くなる条件であるためと考えられる。このように、部分的に肉厚部421を設けることにより、振動部420は部分的に剛性が向上するとともに強度が向上することが分かる。
さらに、図4に示す実験結果で利用した抄紙原料を用いてシート状に抄紙し、部分的にクリアランスの寸法が異なる金型を用いて一部が肉厚となる状態に部分的に発泡させた試料を作製し、肉厚部分と未発泡部分との物性を測定した。その結果を図5に示す。
この図5に示す結果から、未発泡部分に対して略2倍の肉厚とした肉厚部分は、ヤング率が未発泡部分に対して大きく低減し、内部損失が高くなる傾向で、振動伝播が音速で約3/4に低減することが分かった。
これら図4および図5に示す結果から、部分的に発泡させて肉厚部421を設けることにより、例えば振動板400が分割振動すなわち部分的に異なる状態に振動したり、図1ないし図3に示すような径寸法が異なり径方向で剛性が異なってしまう振動板400などで生じやすい部分的に異なる状態に振動したりするなどを防止でき、振動部420を良好に振動させることができる。このため、部分的に異なる状態に振動したり、部分的に別部材を積層して肉厚に形成して重量バランスが不均一となったり、部分的に合成樹脂を含浸させて補強したりするなどにより周波数特性が周波数で変動することを、部分的に肉厚に発泡させることで防止できる。したがって、重量を増大させることなく部分的に曲げ剛性を向上でき、周波数特性が平坦化して、良好に周波数特性を向上できる。
(スピーカ装置の作用効果)
上述したように、上記実施の形態によれば、発泡剤を含有する抄紙原料を用いた抄紙により振動部420を有した振動板400として、発泡剤とともに微細繊維状結合材を抄紙原料に含有して抄紙し、振動部420が部分的に肉厚となる状態に発泡剤を適宜発泡させて形成している。このため、抄造による簡単な製造工程で容易に部分的に発泡させて肉厚として部分的に曲げ剛性を向上でき、例えば別体のシード状部材などを積層させて補強したり、合成樹脂を染み込ませて補強することなく、重量増加を防止して部分的に補強できる。従って、別体のシート状部材を積層させたり、剛性樹脂を染み込ませたりするなどの補強をすることによる重量の増加や重量の不均一化などにて周波数特性が平坦化しなくなることを防止でき、良好な音響特性が得られる。また、部分的に曲げ剛性が向上することにより、例えばスピーカ装置100への組み付け作業時に折れたり破れたりするなどの損傷を防止でき、取扱性が向上して組み付け作業性を向上できるとともに、出力が比較的に大きいスピーカ装置100に利用しても十分な強度が得られる。さらには、発泡状態を適宜調整することで、肉厚部421の形状や発泡倍率などを適宜設定でき、部分的な曲げ剛性を増大させる部位を適宜設定できるので、設計上の自由度が向上し、各種振動板400を容易に形成でき、汎用性の向上も図れる。
また、肉厚部421の発泡は、抄紙処理後の乾燥時に発泡させている。このため、乾燥時の熱量を有効的に利用でき、効率よく発泡させることができる。特に発泡剤として、乾燥時の熱量で発泡するものを用いることで、別途発泡のための加熱処理などをすることなく発泡させることができ、製造効率を向上できる。
そして、乾燥時の発泡として、抄紙により成形した成形物を図示しない乾燥装置の加熱可能な金型の間隙内に装着し、加熱乾燥する。このため、振動板400の曲げ剛性を向上させたい適宜の位置で肉厚とする厚さ寸法に対応したクリアランスの金型を用いることで、乾燥条件を厳密に制御することなく所望の形状で肉厚の肉厚部421に発泡でき、加熱乾燥が容易にでき、製造性を向上できる。また、クリアランスを設ける位置や間隙寸法を適宜調整可能な金型とすることにより、肉厚部421の発泡倍率や形状を適宜設定でき、所望の音響特性に対応した各種形状の振動板400を容易に形成でき、汎用性の向上も容易に図れる。さらには、金型の内面にて発泡状態が押さえ付けられる状態となることで、肉厚部421の表面が金型の表面のような凹凸のない平滑に形成され、外観を容易に向上できる。
また、肉厚部421を未発泡部422より厚さ寸法が1.5倍以下で肉厚となる状態に発泡することにより、発泡させても、肉厚となることによる剛性の向上および微細繊維状結合材の絡み付きなどにより、十分な引張強さが得られる。このため、上述したような別体のシート状部材を積層させたり、合成樹脂を染み込ませたりするなどの補強をすることによる柔軟性の低下や重量の増大および重量の不均一などにて音響特性が低下することを防止でき、十分な強度および良好な音響特性が確実に得られる。
そして、微細繊維状結合材としては、高叩解性のものを用いている。このため、繊維が微細で互いに絡み付きやすくなり、発泡剤の担持性が向上し、抄紙にて振動板400を成形する場合でも発泡剤が抄網からこぼれ落ちることを防止でき、効率よく肉厚部421を発泡させることができる。
また、微細繊維状結合材として、木材パルプ系素材を用いている。このため、叩解により繊維が枝状に分岐したフィブリル化して比表面積が増し、抄網上で絡み合って水素結合を起しやすい状態が得られるので、発泡剤の担持性を向上でき、抄紙処理の際に発泡剤の流出を防止でき、効率よく肉厚部421を発泡できる。
さらに、微細繊維状結合材として、叩解度がカナディアン・フリーネス・スタンダードで50ml以上200ml以下のものを用いている。このため、発泡剤を良好に担持でき粒径が微細な発泡剤でも抄網から流出することを容易に防止でき、効率よく肉厚部421を発泡できる。
また、抄紙原料として、微細繊維状結合材および発泡剤とともに基材となる繊維材料を配合している。このため、微細繊維状結合材により抄紙処理の際の濾過抵抗の増大を抑制でき、単に繊維材料として木材パルプなどを用いて抄紙した場合と大差なく抄紙できる。
そして、繊維材料として、木材パルプ、化学繊維および無機繊維のうちの少なくともいずれか1つを用いている。このため、従来の抄造にて作製される振動板に利用する材料を利用でき、材料費の増大を抑制できる。
また、発泡剤を1質量%以上20質量%以下、微細繊維状結合材を1質量%以上80質量%以下、残部を繊維材料として抄紙原料を調製している。このため、コストの増大を抑制しつつ効果的に肉厚部421を発泡でき、良好な発泡効率でコスト対効果が良好な振動板400を得ることができる。
さらに、繊維材料として、木材パルプを20質量%以上、好ましくは20質量%以上50質量%以下で抄紙原料を調製している。このため、微細繊維状結合材と良好に絡み合って水素結合をも起しやすい状態が容易に得られ、より発泡剤の担持性を向上できるとともに、微細繊維状結合材の配合量を少なくでき、コストの増大をより抑制できる。
また、繊維材料として、木材パルプの他に化学繊維および無機繊維のうちの少なくともいずれか一方を用いる場合、これら化学繊維および無機繊維を20質量%以下としている。このため、木材パルプ同士や木材パルプおよび微細繊維状結合材の繊維間結合を阻害することなく、例えば化学繊維に耐熱繊維を用いたり無機繊維を用いたりすることにより、耐熱性や難燃性などを付与でき、汎用性を向上できる。
そして、発泡剤として、例えば塩化ビニリデンにより低沸点炭化水素を内包するマイクロカプセルのものを用いるなど、撥水性の合成樹脂を用いる。このため、発泡後に残留する合成樹脂にて振動板400に撥水性を付与することができ、例えば自動車のドアに装着されるスピーカ装置などの耐水性が要求される振動板400にも利用でき、汎用性を向上できる。
さらに、発泡剤として、粒径を100μm以下、好ましくは20μm以上100μm以下としている。このため、発泡により肉厚部421の表面凹凸の発生を抑制でき、外観の低下を防止できる。
〔実施の形態の変形〕
なお、本発明は、上述した各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で以下に示される変形をも含むものである。
すなわち、いわゆるフィックスド(fixed)エッジのコーン形状の振動板400について説明したが、例えば振動部420にエッジ部430を接合させて一体化した、いわゆるいわゆるフリーエッジのものなど、いずれの形状のものでも適用できる。さらには、コーン型のスピーカ装置100に限らず、例えばホーン型など、いずれの形式のものをも対象とすることができる。
また、径方向に沿ってリブ状の肉厚部421を放射状に複数設けて説明したが、肉厚部421を拡開する側と反対側の外面側に外方に向けて膨出する状態に肉厚に形成したり、両面でそれぞれ膨出する状態に肉厚に形成したりしてもよい。さらに、例えば図6に示す振動板600のように、径方向が最も長い方向と最も短い方向とに沿ったリブ状で取付部410の周囲で連続する略十字形状の肉厚部621としその他の部分を未発泡部622とした振動部620に形成するなどしてもよい。また、図7に示す振動板700のように、径方向が長手方向となる方向に沿った部分のみ肉厚部721を設けてその他の部分を未発泡部722として振動部720を形成するなどしてもよい。さらに、図8に示す振動板800のように、変形しやすい振動部820の外周縁側になるに従って径方向で次第に肉厚となる状態に振動部820の全体を発泡させて未発泡部分を設けずに形成するなどしてもよい。なお、この図8に示す振動板800のエッジ部830は、振動部820に一連に設けられているが、振動部820の肉厚に対応することなく未発泡で一連の厚さ寸法に形成した例示である。そしてさらに、図9に示す振動板900のように、特に分割振動を防止するために、円周方向に沿ってリブ状に肉厚部921を設けてその他の部分を未発泡部922とした振動部920に形成するなどしてもよい。なお、これらを適宜組み合わせてもよく、部分的に肉厚となる状態に発泡させればよい。
そして、発泡時期は、乾燥時に限らず抄紙処理時に発泡させたり、乾燥後に発泡させるなどしてもよい。また、乾燥時の発泡の際、上述した乾燥装置を用いる構成に限らず、いずれの方法で乾燥させてもよく、乾燥時の熱量を利用せず、別のヒータなどの発泡用の加熱装置を利用してもよい。なお、乾燥時に発泡させることで、上述したように、所定の寸法に容易に成形できることか好ましい。さらには、発泡状態として、振動部420に対して質量割合で1/2以上1未満で、かつ1.5倍以下の肉厚に限られない。
また、繊維材料として、微細繊維状結合材としてもよい。すなわち、抄紙原料として、微細繊維状結合材および発泡剤のみとしてもよい。この構成によれば、原材料として2種類だけとなり、原材料管理が容易となるとともに、抄紙原料の配合が2種類のみでよく容易で、配合設備の簡略化が容易に図れる。また、上述したように、繊維材料としては、木材パルプのみ、あるいは化学繊維のみ、または無機繊維のみとしてもよく、これらを適宜組み合わせて利用でき、さらには他のいずれの繊維を利用することができる。
さらに、微細繊維状結合材としても木材パルプなどの木材パルプ系素材に限らず、また高叩解性のものに限らず、繊維が絡み合って発泡剤を良好に担持できるいずれのものが利用できる。そして、叩解度についてもカナディアン・フリーネス・スタンダードで50ml以上200ml以下のものに限られない。
また、抄紙原料としては、上述した各種配合割合に限られず、所望の音響特性や利用分野などに対応して適宜設定できる。
そして、振動板400に取り付けたコイルボビン450に取付支持部460を設けて説明したが、振動板400として、取付支持部460を一連に設けた構成としてもよい。さらには、コイルボビン450を有さず、例えば振動部420から一連に屈曲して略筒状に形成した部分にボイスコイル500を直接巻装する形状のものなどにも適用できる。また、略楕円形の裁頭形状に振動部420を形成したが、径寸法が略同一の略円形の裁頭形状に形成したものでも適用できる。
さらに、フレーム200の構成として、上述した本体部210および磁性体220を有し一面側に拡開する構造に限られない。例えば、携帯電話やノート型パソコンなどの携帯機器に利用される小型のものとする場合に利用される略円筒形状のものとするなど、いずれの形状とすることができる。さらには、磁性体220としても、内磁型、外磁型など、いずれの磁気回路を構成するいずれの形状のものでも適用できる。
また、保護部材を設けて説明したが、上述したように保護部材を設けなくてもよい。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などに適宜変更できる。
〔実施の形態の作用効果〕
上述したように、発泡剤を含有し抄紙により振動部420を有した振動板400として、発泡剤とともに微細繊維状結合材を含有させて抄紙し、振動部420が部分的に肉厚となる状態に発泡剤を適宜発泡させる。このため、別のシート状部材などを積層させたり合成樹脂を染み込ませたりするなどの補強をすることなく、重量増加を防止して重量が均一な状態で部分的に補強でき、周波数特性が平坦化して良好な音響特性を得ることができる。
本発明の一実施の形態におけるスピーカ装置を示す断面図である。 前記実施の形態における振動板を示す一部を切り欠いた断面図である。 前記実施の形態における振動板の振動部を模式的に示す一部を切り欠いた平面図である。 前記実施の形態における発泡状態が異なるものの物性を示す実験結果を表形式で対比した説明図である。 前記実施の形態における肉厚部分と未発泡部分との物性を示す実験結果を表形式で対比した説明図である。 本発明の他の実施の形態における振動板を模式的に示す一部を切り欠いた平面図である。 本発明のさらに他の実施の形態における振動板を模式的に示す一部を切り欠いた平面図である。 本発明のさらに他の実施の形態における振動板を模式的に示す一部を切り欠いた断面図である。 本発明のさらに他の実施の形態における振動板を模式的に示す一部を切り欠いた断面図である。
符号の説明
100…スピーカ装置
200…フレーム
220…ヨークである磁性体
300…磁性体としての磁石
400,600,700,800,900…振動板
420,620,720,820,920…振動部
421,621,721,921…発泡された部分である肉厚部
422,622,722,922…未発泡の部分である未発泡部
430,830…エッジ部
500…ボイスコイル

Claims (21)

  1. 発泡剤を含有し抄紙により成形される振動部を有した振動板であって、
    前記発泡剤とともに微細繊維状結合材が含有された抄紙原料により抄紙されて前記振動部が部分的に肉厚となる状態に前記発泡剤が発泡されて形成された
    ことを特徴とした振動板。
  2. 発泡剤を含有し繊維を主成分とした抄紙原料が抄紙され乾燥されて成形される振動部を有した振動板であって、
    前記抄紙原料は、微細繊維状結合材を含有し、
    前記振動部は、部分的に肉厚となる状態に前記発泡剤が発泡されて形成された
    ことを特徴とした振動板。
  3. 請求項1または請求項2に記載の振動板であって、
    前記振動部は、前記発泡剤が抄紙後の乾燥時の熱量により発泡されて部分的に肉厚となる状態に形成された
    ことを特徴とした振動板。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の振動板であって、
    前記微細繊維状結合材は、高叩解性を有したものである
    ことを特徴とした振動板。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の振動板であって、
    前記微細繊維状結合材は、木材パルプ系素材である
    ことを特徴とした振動板。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の振動板であって、
    前記微細繊維状結合材は、叩解度がカナディアン・フリーネス・スタンダードで50ml以上200ml以下である
    ことを特徴とした振動板。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の振動板であって、
    前記抄紙原料は、前記発泡剤および前記微細繊維状結合材とともに、木材パルプ、化学繊維および無機繊維のうちの少なくともいずれか1つが含有されたものである
    ことを特徴とした振動板。
  8. 請求項7に記載の振動板であって、
    前記発泡剤が1質量%以上20質量%以下で、前記微細繊維状結合材が1質量%以上80質量%以下で、残部が前記木材パルプ、化学繊維および無機繊維のうちの少なくともいずれか1つである
    ことを特徴とした振動板。
  9. 請求項8に記載の振動板であって、
    前記木材パルプは、20質量%以上である
    ことを特徴とした振動板。
  10. 請求項7ないし請求項9のいずれかに記載の振動板であって、
    前記化学繊維および前記無機繊維のうちの少なくともいずれか一方は、合計で20質量%以下である
    ことを特徴とした振動板。
  11. 請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の振動板であって、
    前記発泡剤は、撥水性を有する樹脂である
    ことを特徴とした振動板。
  12. 請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の振動板であって、
    前記振動部は、径方向に沿ったリブ状に肉厚に形成された
    ことを特徴とした振動板。
  13. 請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の振動板であって、
    前記振動部は、径方向の長さ寸法が異なる扁平形状で、径寸法の長さ寸法が短い部分での厚さ寸法より長い部分での厚さ寸法が厚くなる状態に発泡された
    ことを特徴とした振動板。
  14. 請求項1ないし請求項13のいずれかに記載の振動板であって、
    前記振動部は、一部分のみが発泡されて未発泡の部分に対して肉厚に形成された
    ことを特徴とした振動板。
  15. 請求項1ないし請求項14のいずれかに記載の振動板であって、
    前記振動部は、部分的に発泡倍率が大きくなる状態に発泡された
    ことを特徴とした振動板。
  16. 請求項1ないし請求項15のいずれかに記載の振動板であって、
    前記振動部は、外周縁に一連にエッジ部が設けられた
    ことを特徴とした振動板。
  17. 発泡剤を含有し抄紙にて成形することにより振動部を有した振動板を製造する振動板の製造方法であって、
    前記発泡剤とともに微細繊維状結合材が含有された抄紙原料により抄紙した後に前記振動部が部分的に肉厚となる状態に前記発泡剤を発泡させる
    ことを特徴とする振動板の製造方法。
  18. 発泡剤を含有し繊維を主成分とした抄紙原料を抄紙して乾燥することにより振動部を有した振動板を製造する振動板の製造方法であって、
    前記抄紙原料は、微細繊維状結合材を含有し、
    部分的に肉厚となる状態に前記発泡剤を発泡させて前記振動部を形成する
    ことを特徴とする振動板の製造方法。
  19. 請求項17または請求項18に記載の振動板の製造方法であって、
    前記振動部に対応する間隙が部分的に幅広な型を有し前記型を加熱する乾燥装置を用い、
    前記抄紙原料を抄紙して得られた成形物を、前記乾燥装置の型の間隙に装着して加熱し、乾燥するとともに前記発泡剤を発泡させる
    ことを特徴とする振動板の製造方法。
  20. 請求項1ないし請求項16のいずれかに記載の振動板と、
    この振動板に取り付けられたボイスコイルと、
    磁性体と、
    前記振動板および前記磁性体を保持し前記磁性体とにより磁気回路を形成するヨークを備えたフレームと、
    を具備したことを特徴としたスピーカ装置。
  21. 請求項17ないし請求項19のいずれかに記載の振動板の製造方法により製造された振動板と、
    この振動板に取り付けられたボイスコイルと、
    磁性体と、
    前記振動板および前記磁性体を保持し前記磁性体とにより磁気回路を形成するヨークを備えたフレームと、
    を具備したことを特徴としたスピーカ装置。
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