JP3605951B2 - スピーカ用エッジ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高い内部損失と生産性および耐久性を有するスピーカ用エッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、スピーカ用エッジに用いられる材料としては、熱硬化性樹脂を含浸した布または紙基材に合成ゴムラテックスをコーティングまたは含浸した材料、熱可塑性エラストマー、発泡ウレタン材等が用いられている。
【0003】
最近、車載用のリアトレイマウントスピーカや屋外で使われるPA用のスピーカでは長時間の日光と熱にさらされ、従来以上の耐熱性と耐久性が要求される用途が増えている。
【0004】
また、車載用のドアマウントスピーカにおいては車両の洗車機を使う際のカーシャンプの侵入等の対策のために今まで以上の耐水性が求められている。また、スピーカ用振動板の生産において機械による自動無人生産が主流を占めつつあるので、自動機に対応した生産性、例えば成形の際に確実に成形金型より離型される性能など従来以上の生産性が要求されている。
【0005】
さらに、映像機器のハイビジョン化、車載のカーナビゲーション用のスピーカの普及など人間の音声を従来以上に忠実に再生するという市場要求に対応して、特にスピーカの再生帯域のうちで音声を再生する中音域の性能向上が求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のスピーカ用エッジでは、高温に長時間さらされると合成ゴムが熱老化して柔軟性を失ったり、熱可塑エラストマが熱によってだれてその支持性能を失ったり、光に長時間さらされるとウレタン樹脂が光劣化してエッジとしての支持性能を失うなど耐久性にかけるという問題があった。
【0007】
また、素材自体の内部損失が小さいためにエッジ共振が生じやすく、スピーカの再生帯域のうち人間の音声に深くかかわる中音域に出力音圧特性のピークやディップを生じやすいという課題を有するものであった。
【0008】
また、従来のスピーカ用エッジではエッジの通気性防止用にその表面にコーティングされている高分子材料をエッジ成形時に加熱溶融させてエッジ成形と同時に熱接着させるが、このとき高分子材料が熱と圧力で著しく流動して接着界面より逃げ出したり、また逆に熱と圧力を加えてもタッキネスが不足したりして接着性が不安定になるという課題を有するものであった。
【0009】
本発明は、これらの課題を解決して音質と耐久性が良く、生産性の良いスピーカ用エッジを安価に提供できるものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明は、エッジ材料に関して通気性防止用にその表面に含浸またはコーティングされる高分子材料として平均分子量が少なくとも100万以上の高い分子量をもつアクリル酸エステル樹脂を用い、その基材として形状付与材としての熱硬化性樹脂を含浸またはコーティングしてなる布材または紙材を用いたものである。
【0011】
アクリル酸エステル樹脂は平均分子量が100万以上と非常に大きいので、光による分子断裂が分子の一部に生じても全体の樹脂物性を大きく低下させることはなく、耐候性が良い。また、振動板とエッジの接着時には、溶融時の粘度が非常に高く、熱とプレス圧力による流動が起こりにくく、接着の界面部分に樹脂がとどまっているために溶融時のタッキネスも大きいために確実に接着でき、かつ接着性が良い。
【0012】
さらに、樹脂の内部損失が従来のゴムラテックス等に比較して大きいのでスピーカのエッジ共振が起こりにくく、中音域での音圧周波数特性のピークやディップが発生しにくい。また、樹脂が柔軟性に富むために振幅の直線性に優れ、低音域の高調波歪みの小さなクリアな音質が実現できるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1記載の発明は、振動板の外周部分を保持するスピーカ用エッジであって、通気性防止用にその表面に含浸またはコーティングされる高分子材料として潤滑剤を含有する平均分子量が少なくとも100万以上の超高分子量のアクリル酸エステルまたはその共重合樹脂を用い、その基材として形状付与材としての熱硬化性樹脂を含浸またはコーティングしてなる布材または紙材を用いるものであり、音質に優れ、耐久性の良好な、生産性の良いスピーカ用エッジを提供できるものである。
【0014】
以下、本発明の一実施の形態について、図1〜図3により説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明のスピーカ用エッジを説明するための斜視断面図であり、図2は本発明を用いたスピーカの周波数特性図、図3は比較例のスピーカの周波数特性図である。
【0015】
同図によると1は振動板であり、2はこの振動板1の内周に外周が結合されたエッジであり、4はエッジ2の布材であり、3は超高分子量のアクリル酸エステルまたはこれの共重合樹脂からなる上記エッジ2のコーティング層または含浸層である。
【0016】
次に、本実施の形態のスピーカ用エッジを比較例とともに説明する。
まず、本実施の形態のスピーカ用エッジを、糸の太さが30番手で縦横の打ち込み本数がそれぞれ68本で、単位mあたりの重量が120g/mの平織りの綿布にフェノール樹脂を5g/m含浸後、その片側表面にアクリルアマイドを混入した平均分子量が150万のアクリル共重合体水性エマルジョン(固形分43%)を105g/mコーティングし、加熱乾燥して単位mあたりの重量が170g/mのエッジ原反を作製した。このアクリル共重合体エマルジョンには融点が120℃のパラフィンワックスを重量比1%あらかじめ混合しておいた。
【0017】
次に比較例1として、同じ原反にコーティング樹脂のみSBRゴムラテックスとして乾燥重量が同じ重量となるようにコーティングして同様に単位mあたりの重量が170g/mのエッジ原反を作製した。
【0018】
また、比較例2として、発泡密度0.035g/cmのエステル系発泡ウレタン樹脂を厚み0.6mmにスライスしたウレタンエッジ原反を作製した。
【0019】
上記実施の形態の原反と比較例1による原反をエッジとして用いるコーン外形φ74mm、全高17mm、エッジ外径φ98mmの波形エッジ形状のF0が80Hzの10cm口径スピーカ(エッジ材以外はすべて同じ仕様の部品を使用)を作製し、スピーカの周波数特性を測定した結果を図2(本実施の形態のスピーカの周波数特性図)、図3(比較例1のスピーカの周波数特性図)に示す。
【0020】
図2、図3より、本実施の形態のエッジを用いたスピーカの方が500Hz〜1500Hzまでのいわゆるエッジ共振域でのピークやディップが比較例1に比べて大幅に改善された。
【0021】
次に、本実施の形態の原反と比較例2の原反をプレス圧5kg/cm、金型温度210℃、プレス時間10秒の条件で、厚み0.3mm、幅2mm、長さ15mmの平板の試験片を作製した。ここで試験片の繊維の方向は長さ方向に配向するように調整した。この試験片を使って、振動リード法にて内部損失を測定すると、本実施の形態のものは0.150であり、比較例1のものは0.065であり本実施の形態のものが内部損失においても優れていることが確認された。
【0022】
次に本実施の形態の原反と、比較例1および比較例2の原反についてロール外径132mm、内径114mm、ロール径R4.5mmのロールエッジに成型するとともに重量2.3g、ボイスコイル内径26.3mm、斜面R100の紙パルプ製のコーン紙に貼り付け、温度サイクル試験(低温−30℃±2℃に1時間、低温から高温への温度変化時間1時間、高温85℃±2℃に1時間、高温から低温への温度変化時間1時間を1サイクルとする)を行い、1サイクル毎の共振周波数(以下、Foという)の変化を測定した結果、5000サイクル後において、比較例1のものはFoが50%上昇し、比較例2のものはFoが30%低下し、本実施の形態のものは約9%の低下にとどまった。
【0023】
以上の温度サイクル試験の結果、環境変化に対して硬質化して脆く、硬くなるなどの劣化が本実施の形態のものが少ないことが確認された。
【0024】
なお、上記と同様のコーン紙を貼り付けた状態で70℃95%の湿中槽に2500時間放置したところ、比較例1のものは28%、比較例2のものは80%、本実施の形態のものは19%の支持力の低下が確認された。
【0025】
また、ブラックパネル温度63℃の条件にてキセノンフェードメータで耐候性テストを行い、250時間照射後のFoの変化を測定したところ、比較例1では21%の上昇、比較例2は40%低下、本実施の形態では8%の低下が確認された。
【0026】
以上のように本実施の形態のものは、温度サイクル試験、湿中放置試験、耐候性のいずれのテストにおいても優れていることが確認された。
【0027】
なお、同様の試験を平均分子量100万、200万の超高分子量のアクリル酸エステルの共重合樹脂を用いた原反によって行った結果を(表1)に示す。
【0028】
【表1】
Figure 0003605951
【0029】
(表1)の結果、温度サイクル試験では本実施の形態のものとあまり差はなく、耐候性試験では分子量が上昇するほど良化することが確認された。
【0030】
【発明の効果】
以上のように本発明は、エッジ材料に通気性防止用にその表面に含浸またはコーティングされる高分子材料として平均分子量が少なくとも100万以上の高い分子量をもつアクリル酸エステル樹脂またはその共重合体を用い、その基材として形状付与材としての熱硬化性樹脂を含浸またはコーティングしてなる布材または紙材を用いることで、耐候性、耐湿性等の改良ができるとともに、ピークやディップの少ない滑らかな音質のよいスピーカを得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるスピーカ用エッジの斜視断面図
【図2】同実施の形態のスピーカの周波数特性図
【図3】比較例1のスピーカの周波数特性図
【符号の説明】
1 振動板
2 エッジ
3 超高分子量のアクリル樹脂のコーティング層/含浸層
4 布材

Claims (1)

  1. 振動板の外周部分にあってこれを保持するエッジ材料に関して通気性防止用にその表面に含浸またはコーティングされる高分子材料として潤滑剤を含有する平均分子量が少なくとも100万以上の超高分子量のアクリル酸エステルおよびその共重合樹脂を用い、その基材として形状付与材としての熱硬化性樹脂を含浸またはコーティングしてなる布材または紙材を用いることを特徴とするスピーカ用エッジ。
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