JPH0637207B2

JPH0637207B2 - 多層容器

Info

Publication number: JPH0637207B2
Application number: JP9938985A
Authority: JP
Inventors: 俊一加藤; 克之大野
Original assignee: Toppan Inc
Current assignee: Toppan Inc
Priority date: 1985-05-10
Filing date: 1985-05-10
Publication date: 1994-05-18
Anticipated expiration: 2009-05-18
Also published as: JPS61258751A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、炭酸飲料等、ガスバリア性能および耐圧強度
を必要とするボトル容器に関するものである。

（従来の技術と問題点）従来より、炭酸飲料容器として、ポリエチレンテレフタ
レート（以下、ＰＥＴという）を素材とする二軸延伸ブ
ロー容器（以下、単にＰＥＴ容器という）が用いられて
きており、その使用量は年々増大傾向にあるが、同時に
市場では、材料のガスバリア性の欠如のために、内容物
の味が変わる、気が抜ける等の評価も出てきており、Ｐ
ＥＴ容器の更なるガスバリア性の向上が望まれるように
なってきた。その対策として、ガスバリア性の良い塩化
ビニリデン樹脂を容器の外面あるいは内面に塗布したも
の、あるいはＰＥＴとの積層容器として、ガスバリア性
の良いエチレン−酢酸ビニル重合体ケン化物等を少なく
とも１層設けたものが知られている。

しかし、塩化ビニリデン樹脂を塗布したものにおいて
は、ＰＥＴ樹脂と塩化ビニリデン樹脂の密着の問題があ
り、炭酸ガスを含む飲料を長期間保存すると、ＰＥＴ樹
脂層と塩化ビニリデン樹脂層の間に気泡が発生するとい
う問題があり、また、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケ
ン化物との積層体では、やはり密着強度が十分ではな
く、落下試験等により容器が白化するという問題があっ
た。

（問題点を解決するための手段）本発明は上記従来技術の問題点を解決するために考えら
れたものであり、内外両表面層をＰＥＴ樹脂が主成分と
する樹脂層により形成され、中間層がポリエチレンイソ
フタレート（以下、ＰＥＩという）樹脂を５０〜８０重
量％含み、ポリエチレンテレフタレート樹脂を２０〜５
０重量％含む混合物よりなり、かつ、容器肉厚の１０〜
７０％の厚みを有する層により形成されていることを特
徴とする。

ここで第１図中、内外層(1)のＰＥＴは、固有粘度（以
下、ＩＶという）が0.6以上のものが好ましく、0.6以下
であるとガスバリア性引張強度が劣り、耐圧容器として
は好ましくない。

また、中間層(2)の樹脂はガスバリア性がＰＥＴよりも
優れているＰＥＩを主体としており、中間層中のＰＥＩ
は、全体の５０〜８０重量％含まれているのが好まし
い。

これはポリエチレンイソフタレートの量が５０重量％以
下であると、例えば、容器総肉厚中の中間層の厚みを最
大限６０％としても、全容器中のＰＥＩの量が３０％以
下となってしまい、ガスバリア性の効果が小さくなり、
内容物保存効果が悪くなってしまう（表−１参照）。

また、逆にＰＥＩの量が９０重量％を超えると、ＰＥＩ
自体は、軟化点、溶融温度がＰＥＴに比べてかなり低い
ために、同一温度のホットランナー中を通って射出成形
すると、非常に流れが良いために、どうしても中間層の
肉厚が容器首部の方に集中してしまう傾向があり、全体
に均一な分布をとらせることが不可能である。そこで本
発明者らは、多層構造のプリフォームを作る際に第２図
中、主シリンダー(3)でまず、ＰＥＴ樹脂を射出し、そ
の後、ややタイミングをずらせて、中間層を副シリンダ
ー(4)により射出し、最後にまた、主シリンダー(3)によ
りＰＥＴを射出し、プリフォームの射出成形を完了す
る。

工程の中で、中間層の樹脂中にＰＥＴ樹脂を２０重量％
以上混合し、ＰＥＩ樹脂の流れをＰＥＴ樹脂の流れに近
づけることを行ない、容易にプリフォーム中の中間層の
肉厚コントロールを行なうことが出来ることを見出し
た。例えば、ＰＥＴ／ＰＥＩが１０／９０重量比では樹
脂の流動性が良いために、プリフォーム中の中間層はボ
トル首部で厚くなり、底部で薄くなる傾向にある。ま
た、更にこの事実によりボトル首部の強度が弱くなり、
例えば、アルミキャップを嵌めるときに、ネジ切りの圧
力により、ネジ部に変形を起こし、液モレの原因とな
る。従って、中間層のＰＥＴ／ＰＥＩ樹脂比は、５０：
５０〜２０：８０重量比でなければいけない。また、ボ
トル中の中間層の肉厚は全体の１０〜７０％が好まし
く、例えば、中間層が総厚の１０％以下の厚みしかない
場合には、そのガスバリア性は、ＰＥＴ単体との有意差
が認めにくくなるであろうし、逆に総厚の７０％以上の
厚みを中間層が占めると、ＰＥＩの引張り強度がＰＥＴ
に比べて悪いため、容器が内圧に耐えられなくなる。
（表−２参照）。

また、中間層は内容物と全く触れることがないため、あ
るいは、最外層面に露出することもないため回収したＰ
ＥＴ容器あるいは本発明の容器あるいはプリフォームの
うち、容器の透明性あるいは、外観を悪くするものが含
まれていなければ中間層中に混合することにより再利用
することが可能である。

再利用の限度は上記範囲を超えない割合にＰＥＴ／ＰＥ
Ｉの比率がなっていればよい。

また、ＰＥＴおよびＰＥＩのＩＶ値は、0.6以上あるこ
とが好ましく、0.6以下のＩＶ値では上記範囲内の混合
比、肉厚比であっても引張強度が弱く、容器の変形が大
きいので注意しなければならない。

また、ＰＥＴとＰＥＩのＩＶ値が0.5以上、差があると
ＰＥＩにＰＥＴを１０％以上加えても流動特性を改良す
る効果が小さく、容器の肉厚分布をコントロールするこ
とが困難となる。

〈実施例１〉日精ＡＳＢ機械（株）製ＡＳＢ５０ＨＴ成形機により
最外層、最内層ＰＥＩ（ＩＶ＝0.65）、中間層（下記組
成）〈中間層組成〉の２種３層プリフォームを作り、プリフォーム肉厚3.5m
m、外層ＰＥＴ1.0mm、中間層1.7mm、内層ＰＥＴ0.8mmと
した。

このプリフォームを約１００℃に温度調整し、縦延伸倍
率2.5倍、横延伸倍率3.9倍に延伸し、１の丸底容器を
得た。この容器のガスバリア性能は以下の通りであっ
た。

〈比較例１〉上記プリフォームを用いＰＥＴ（ＩＶ＝0.65）単体の１
容器を延伸ブロー成形し、サンプルを得た。

（発明の効果）本発明は以上の構成になっているので、次のような優れ
た実用上の効果を有する。

(イ)中間層として、ガスバリヤー性の優れたポリエチレ
ンイソフタレート樹脂を用いた多層構造となっているの
で、従来のポリエチレンテレフタレート樹脂単体のもの
に比べてガスバリヤー性が優れている。

(ロ)高価なポリエチレンイソフタレート樹脂の量を減ら
せるので、製造コストが低くなる。中間層として回収ポ
リエステルボトル等を用いれば、コストはさらに低くで
きる。

(ハ)中間層と内外層との密着性が優れており、剥離する
ことがなく、強度が安定しており、容器としての安全性
が高い。

(ニ)前処理、後加工等の複雑な工程なしにインラインに
より透明性、ガスバリヤー性、耐圧性の優れた容器を得
ることができる。

(ホ)回収ポリエステルの再利用ができるので、びん公害
の防止、廃ボトルの処分等にも有利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るプリフォームの断面図、第２図は
本発明の成形加工工程を示す説明図である。 (1)……内外層 (2)……中間層 (3)……主シリンダー (4)……副シリンダー

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｂ２９Ｌ 9:00 4Ｆ 22:00 4Ｆ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】内外両表面層がポリエチレンテレフタレー
ト樹脂を主成分とする樹脂層により形成され、中間層が
ポリエチレンイソフタレート樹脂を５０〜８０重量％含
み、ポリエチレンテレフタレート樹脂を２０〜５０重量
％含む混合物よりなり、かつ、容器肉厚の１０〜７０％
の厚みを有する層により形成されていることを特徴とす
る多層容器。
【請求項２】中間層が回収ポリエチレンテレフタレート
容器あるいは、成形不良物を混合したものであることを
特徴とする特許請求の範囲第１項記載の多層容器。
【請求項３】ポリエチレンテレフタレート樹脂と、ポリ
エチレンイソフタレート樹脂の固有粘度が各々０．６以
上であり、上記両樹脂の固有粘度の差が０．５以内であ
ることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の多層容
器。