JPH066911Y2 - ポリエステル製容器 - Google Patents

ポリエステル製容器

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JPH066911Y2
JPH066911Y2 JP1988077732U JP7773288U JPH066911Y2 JP H066911 Y2 JPH066911 Y2 JP H066911Y2 JP 1988077732 U JP1988077732 U JP 1988077732U JP 7773288 U JP7773288 U JP 7773288U JP H066911 Y2 JPH066911 Y2 JP H066911Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、ポリエステル製容器に関し、より詳細には、
使用後回収された容器のポリエステルを容器の香味保持
性を低下させることなしに再利用したポリエステル製容
器に関する。
(従来の技術) 二軸延伸ブロー成形法等によるポリエチレンテレフタレ
ート製容器は、耐圧性、剛性、透明性、耐衝撃性に優
れ、また酸素、炭酸ガス等に対する気体透過性も比較的
小さいことから、種々の液性食品、調味料、化粧料等を
収容するための容器として広く使用されており、またポ
リエチレンテレフタレート製容器胴の開口部を金属蓋で
巻締めしたプラスチック缶も実用に供されようとしてい
る。
ポリエステル製容器の使用量が増大するにつれて、廃棄
処理の困難なことや、資源の有効利用の見地から、樹脂
の再生利用が検討されてきている(例えば、特開昭58
−193254号公報)。
(考案が解決しようとする問題点) しかしながら、使用後回収された容器はその表面に汚れ
等が付着していることから、これを洗浄したとしてもこ
れを完全に除くことが困難であり、また、容器として繰
り返し使用を続けていると、使用回数(リンク回数)が
多くなるにつれて、例えば洗浄液によりストレスクラッ
クが発生するなど、容器としてそのまま利用することに
は問題があり、結局容器を構成するポリエステルを樹脂
として再利用せねばならないことになる。
この場合、ポリエチレンテレフタレート(PET)は、
熱成形に賦された熱履歴を有することから、固有粘度
(I.V.)が低下しており、またこの熱履歴に伴って熱分
解によるアセトアルデヒドを含有しており、これを再度
熱成形してそのまま容器とすることは、容器の諸特性の
低下や容器壁中のアセトアルデヒドが内容品に移行する
ことによる香味保持性の低下を招きやすい。
従って、本考案の目的は、内容品の香味保持性を実質的
に低下させることなしに、使用後回収される容器のPE
T樹脂を新たな容器の製造に再利用したポリエステル製
容器を提供するにある。
(問題点を解決するための手段) 本考案によれば、バージンのポリエチレンテレフタレー
トから成る内外層で、使用後回収された容器のポリエチ
レンテレフタレートから成る中間層をサンドイッチした
多層構造を有し、且つ37゜Cの雰囲気中で容器内スペー
スへのアセトアルデヒド移行速度が、950ppb/m2・d
ay以下に抑制されていることを特徴とするポリエステル
製容器が提供される。本考案の容器に用いられる中間層
は、使用後回収された容器のポリエチレンテレフタレー
トが、1乃至45vol.%、特に5乃至40vol.%の酸
素ガスの存在下で、或は760torr未満、特に100以
上乃至760torr未満の減圧下で熱処理されたものであ
ることが好ましい。
(作用) 本考案の容器の構造を示す第1図において、この容器壁
1は、使用後回収された容器のポリエチレンテレフタレ
ートから成る中間層2が、バージンのポリエチレンテレ
フタレートから成る内表面層3および外表面層4でサン
ドイッチされた積層体から成っている。
瓶詰製品等として使用後回収される空容器は、当然洗
浄、乾燥等の処理に賦されているが、この容器は洗浄に
よっては除去し得ない物質で汚染されており、これを容
器の形でそのまま再利用することは、衛生的特性の点で
許容されない。従来、このようにして回収された容器の
ポリエチレンテレフタレートを、合成樹脂綿や紐等に再
利用することは米国等で既に行われているが、包装容器
に再利用することは未だ行われていない。
しかも、使用後回収された容器のポリエチレンテレフタ
レートは、熱減成による固有粘度の低下に基づく諸物性
(機械的強度や耐衝撃性等)の低下や、熱分解によるア
セトアルデヒド濃度の増大に基づく香味保持性の低下が
問題となる。
本考案においては、回収PETを中間層とし、これをバ
ージンのPETのPETでサンドイッチした多層構造と
することにより、香味保持性の実質上の低下なしに、ま
た諸物性の実質上の低下なしに、回収PETを包装容器
の製造に再利用し得るようにしたものである。
本考案によれば、回収PETを中間層として、バージン
のPETでサンドイッチした構造とし、一層好適には回
収PETが容器のどの部分でもバージンのPET中に実
質的に封じ込められた構造とすることにより、37゜Cの
雰囲気中で容器内スペースへのアセトアルデヒド移行速
度を、950ppb/m2・day以下、特に500ppb/m2・d
ay以下の著しく小さい値とすることが可能となる。
回収PETを容器の中間層に用いる場合、回収PETを
1乃至45vol%,特に5乃至40vol%の酸素ガスの存在
下で、或は760torr未満、特に100以上乃至760
torr未満の減圧下で熱処理すると、アセトアルデヒド移
行速度を著しく小さい値に抑制し得ることが判明した。
熱処理条件としては、80乃至230゜C、特に120乃
至190゜Cの温度で、1乃至120時間、特に2乃至1
00時間、熱処理を行うことが好ましい。
本考案において、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)としては、酸成分の80モル%以上、特に90モル
%以上がテレフタル酸成分であり、ジオール成分の80
モル%以上、特に90モル%以上がエチレングリコール
成分から成るポリエステルが好適である。ポリエチレン
テレフタレートが最も好適であるが、ポリエチレンテレ
フタレートの本質を失わない範囲内での改質コポリエス
テルも用いることができ、例えば、イソフタル酸、p−
β−オキシエトキシ安息香酸、ナフタレン−2,6−ジ
カルボン酸、ジフェノキシエタン−4,4−ジカルボン
酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、
セバシン酸またはこれらのアルキルエステル誘導体など
のジカルボン酸成分や、プロピレングリコール、1,4
−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−
ヘキシレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、
ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物などのグ
リコール成分を含有するコポリエステル等も使用し得
る。
用いるポリエステルは、フィルムを形成するに足る分子
量を有するべきであり、このために例えば、特願昭62
−98596号明細書に記載されている固有粘度(I.
V.)が0.55乃至1.9d1/g、特に0.60乃至1.4d1/gの範
囲内にあるものが望ましい。この内でも、射出成形用の
ものとしては、分子量の比較的低いものが使用され、押
出成形用のものとしては、分子量の比較的高いものが使
用される。
本考案に用いるバージンのPETは、上記組成及び分子
量のものから成るが、一方回収PETとしては、上記P
ETを容器の成形に使用し、空容器として回収されたも
のが使用される。この回収PETは、一般にバージンP
ETの50乃至99%、特に60乃至98%の粘度保持
率を有し、且つ材質中の含有アセトアルデヒド濃度が、
バージンPETの場合の1乃至100ppmに比して、回
収PETでは著しく高く、特にこれを再度溶融成形する
と、2000ppm以上のオーダーに達する。
回収容器から異物を分離し、該容器を粗砕或は粉砕し、
洗浄及び殺菌し、乾燥した後これを素材とする。この素
材を直接用いる代わりに、前述した熱処理に賦して、回
収PET中のアセトアルデヒドを表面にブリードさせ、
アセトアルデヒド濃度を減少させ得ることが一般的には
好ましい。回収PET単独を使用する代わりに、回収P
ETにバージンPETをブレンドして中間層として用い
ることもでき、この場合には回収PETとバージンPE
Tとを、それぞれ100:0未満乃至5:95以上の重
量比でブレンドして使用するのがよい。
本考案に用いる回収PET、或はバージンPETには、
それ自体公知の配合剤、例えば、着色料、充填剤、界面
活性剤、滑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、核剤等の1
種または2種以上を公知の配合比で配合することができ
る。
本考案における容器は、前述した回収PETを中間層及
びバージンPETを内外層とする点を除けば、それ自体
公知の手段で製造できる。この場合、回収PET層とバ
ージンPET層との厚みの比は、一般に10:1乃至
1:100、特に100:1乃至1:50の範囲内にあ
るのがよい。回収PET中間層からのアセトアルデヒド
移行を低減させるために、バージンPETの内表面層を
外表面層よりも暑くすることが好ましく、この場合、両
層の比をそれぞれ50:48乃至50:2、特に50:
45乃至50:5の範囲とすることができる。
容器の成形は、バージンPET用押出機乃至射出機と、
回収PET用押出機乃至射出機を使用して、共押出法乃
至共射出法により行うことができる。例えば、成形用の
パイプ、有底プリフォーム或はシートは、共押出または
共射出により成形される。この場合、例えば、回収PE
T層がバージンPET層中に実質的に封入された有底プ
リフォームは、共射出に際して、射出初期において回収
PETの射出タイミングを遅らせ、射出終期において回
収PETの射出タイミングを早めることにより得られ
る。
このようにして得られた溶融パイプ或は溶融有底プリフ
ォームを、公知のブロー成形法等によりボトルを得るこ
とができる。また、有底プリフォーム或はパイプから成
形された有底プリフォームを、延伸成形温度に加熱した
後、軸方向引張延伸と、周方向膨張延伸とを行うことに
よって、二軸延伸ブロー成形容器が得られる。
更に、例えば、共押出法等によって得られたシートを、
溶融状態のまま、或は延伸成形温度に加熱した状態で、
例えば真空成形、ドレープ成形、圧空成形、マッチモー
ルド成形、プラグアシスト真空及び/又は圧空成形等の
シート成形法によってカップやトレイ等の広口容器が得
られる。
第2図は、トレイ状の本考案の容器を示すものであり、
底壁部5、傾斜した短い側壁部6及び開口周囲のフラン
ジ部7から成っている。これらのすべての部分の中間層
は、回収ポリエチレンテレフタレートから成っている。
この器壁は、加熱により結晶化することができ、この場
合、未着色の状態で白色であるが、着色剤が含有されて
いるときは、幾分淡白化された色相を有する。この容器
は、内容品を充填後、電子レンジ、オーブントースター
等で内容品を加熱調理する用途の包装容器をして特に有
用である。
第3図は、ボトル状の本考案の容器を示すものであり、
一体に成形された首部8、肩部9、胴部10及び閉塞底
部11から成り、首部8には、蓋締結用ネジ12やサポ
ートリング13が設けられている。
(考案の効果) 本考案によれば、回収PETを中間層としてバージンP
ETでサンドイッチされた多層構造の容器としたことに
より、香味保持性を実質上低下させることなしに、また
容器の諸物性を実質的に低下させることなしに、回収P
ETの容器への再利用が可能となった。また、この容器
は回収したPETボトルをリターナブル容器(リンク容
器)として使用する場合に生じやすいストレスクラッキ
ングの問題も解決された。更に、PET容器の廃棄処理
の問題も解決され、資源の有効利用も可能となった。
(実施例) 実施例1 市販の炭酸飲料用で1.5容量のPETボトルを500
本購入し、内容物を除去しボトル内部を水洗した後、キ
ャップ、ラベル、ベースカップ及び底部に付着している
ホットメルト系接着剤を取り除いた。そして100゜Cの
熱風循環オーブン内で1.5時間乾燥した後、市販の粉砕
機で前記ボトルを粉砕した。その後、該粉砕物を液温が
60゜Cの3重量%の苛性ソーダ水溶液中に浸漬させ、2
0分間振動させて該粉砕物の洗浄と殺菌を行った。そし
て更に前記苛性ソーダ水溶液が30゜Cになるまで放置し
た後、フィルターを用いて濾過し、該粉砕物と前記水溶
液とを分離した。そして該粉砕物を再度水洗した後、乾
燥を兼ねて、150゜Cの大気雰囲気中で3.5時間熱処理
を行った。
このようにして得られた粉砕物(回収PET)の固有粘
度は、特願昭62−98596号明細書に記載した方法
に準じて測定した結果、5点測定の平均値で0.66d1/g
(0.62乃至0.69d1/gの範囲内)であった。また、該粉
砕物(回収PET)の含有アセトアルデヒド濃度は、特
願昭62−98596号明細書に記載した方法に準拠し
て測定した結果、3回測定の平均値で640ppmであっ
た。
次に日精エー・エス・ビー機械(株)製のASB−25
0HT型共射出/二軸延伸ブロー成形機を使用して、同
機の主射出機に固有粘度が0.75d1/gのポリエチレンテ
レフタレート(バージンPET)を、また同機の副射出
機に上述した粉砕物(回収PET)をそれぞれ供給し
た。そして、 主射出機設定温度:(後 部)280゜C (中間部)280゜C (ノズル部)270゜C 副射出機設定温度:(後 部)265゜C (中間部)270゜C (ノズル部)270゜C ホットランナーのノズル部設定温度: 280゜C バージンPETの一時射出圧: 120Kg/cm2 回収PETの射出圧:145Kg/cm2 バージンPETの二次射出圧:90Kg/cm2 の共射出条件で重量が59g、全体厚さが4.1mmで、外
層(バージンPET):中間層(回収PET):内層
(バージンPET)の厚さ比が0.5:1:1.5の多層プリ
フォームを成形し、次いでブローゾーンにおいて、 前記多層プリフォームの加熱温度: 100゜C の条件下で、縦(軸)方向延伸倍率が2.0倍、横(周)
方向延伸倍率が3.5倍の二軸延伸ブロー成形を行い、重
量が59gで満注内容積が1520mlの、内外層がバー
ジンPETで中間層が回収PETから成る円筒状の多層
ボトルを成形した。
また、前記共射出/二軸延伸ブロー成形機の主射出機の
みを使用し、前記バージンPET単体を、前記と同じ射
出条件及び二軸延伸ブロー条件で成形し、前記と同一の
形状を有する単層のボトルを成形した。
このようにして得られた多層ボトル及び単層ボトルにつ
いて、特願昭62−98596号明細書に記載した方法
に準拠して、前記2種類のボトル内スペースへの7日後
のアセトアルデヒドの移行量から、アセトアルデヒド移
行速度を求めた。
バージンPET/回収PET/バージンPETから成る
多層ボトルについての前記移行速度は、240ppb/m2
・dayであった。また、バージンPET単層のボトルで
は、前記移行速度が、220ppb/m2・dayであった。
比較例1 実施例1に記載した共射出/二軸延伸ブロー成形機の主
射出機に、同じく、実施例1に記載した回収PET粉砕
物を供給し、実施例1の場合と同じ射出条件及び二軸延
伸ブロー条件で先と同一の形状を有する回収PET単層
のボトルを成形した。
そして、該ボトルについて特願昭62−98596号明
細書に記載した方法に準拠して、該ボトル内スペースへ
の7日後のアセトアルデヒドの移行量から、アセトアル
デヒド移行速度を求めた。
回収PET単層から成るボトルのアセトアルデヒド移行
速度は、1060ppb/m2・dayであった。
実施例2 実施例1及び比較例1に記載した3種類の単層及び多層
ボトルそれぞれに、蒸留水を満注量充填し、キャッピン
グした後、温度が37゜Cで相対湿度が20%RHに保たれ
た高温槽内で7日間保存した。
その後、11名のパネルに、対比較法によって各ボトル
に充填された蒸留水を味合わせ、味のない方、即ちフレ
ーバーが良好な前記蒸留水を選択させた。
バージンPET/回収PET/バージンPETから成
る多層ボトルと、バージンPET単層ボトルにそれぞれ
充填された蒸留水との対比較においては、11名のうち
6名が前記多層ボトルに充填された蒸留水の方がフレー
バーが良好と回答し、残りの5名が前記バージンPET
入りの蒸留水の方がフレーバーが良好と答えた。
バージンPET/回収PET/バージンPETから成
る多層ボトルと、回収PET単層ボトルにそれぞれ充填
された蒸留水との対比較においては、11名のパネル全
員が前記多層ボトルに充填された蒸留水の方がフレーバ
ーが良好と回答した。
バージンPET単層ボトルと、回収PET単層ボトル
にそれぞれ充填された蒸留水の対比較においては、11
名のパネル全員が前記バージンPET単層ボトル入りの
蒸留水の方がフレーバーが良好と答えた。
実施例3 市販の果汁飲料用で、1,5容量のPETボトルを40
0本購入し、内容物を除去しボトル内部を水洗した後、
キャップ及びラベルを取り除いた。そして実施例1に記
載した方法で市販PETボトルの粉砕物(回収PET)
を得た。そして、そのうち約10Kgの回収PETを、実
施例1に記載した方法で、乾燥を兼ねて熱処理を行っ
た。以下、この粉砕物を熱処理回収PETと記す。
また、残りの回収PETを37゜Cの恒温室で14日間乾
燥した。以下、この粉砕物を未処理回収PETと記す。
特願昭62−98596号明細書に記載した方法に準じ
て測定した熱処理回収PETの固有粘度が5点測定で0.
69乃至0.75d1/g(平均値では0.72d1/g)、同じく未
処理回収PETの固有粘度は、0.71乃至0.76d1/g(平
均値では0.74d1/g)であり、材質中のアセトアルデヒ
ド濃度は、熱処理回収PETでは550ppm(3点測定
の平均値)であり、未処理回収PETでは940ppmの
値をそれぞれ示した。
このようにして得られた熱処理回収PETと、実施例1
に記載したバージンPETとを重量比が50:50の割
合でドライブレンドした。そして実施例1に記載した共
射出/二軸延伸ブロー成形機を使用して、同機の副射出
機に前記のドライブレンド物を、また主射出機に実施例
1に記載したポリエチレンテレフタレート(バージンP
ET)をそれぞれ供給し、実施例1の場合と同じ共射出
条件及び二軸延伸ブロー条件で、実施例1の場合と同じ
形状を有するバージンPET/熱処理回収PET(ドラ
イブレンド物)/バージンPET(構成比は実施例1の
場合と同じ)から成る多層ボトルを得た。
また、比較のために前記未処理回収PETと、前記バー
ジンPETとを重量比が50:50の割合でドライブレ
ンドし、前述した方法に従って、バージンPET/未処
理回収PET(ドライブレンド物)/バージンPETか
ら成る多層ボトルを得た。
このようにして得られた2種類の多層ボトルについて、
特願昭62−98596号明細書に記載した方法に従っ
て、前記2種類の多層ボトル内スペースへの7日後のア
セトアルデヒドの移行量から、アセトアルデヒド移行速
度を求めた。
バージンPET/熱処理回収PET(ドライブレンド
物)/バージンPETから成る多層ボトルの前記移行速
度は、110ppb/m2・dayであり、バージンPET/未
処理回収PET(ドライブレンド物)/バージンPET
から成る多層ボトルの前記移行速度は、760ppb/m2
・dayであった。
実施例4 実施例3及び比較例1に記載した3種類の多層及び単層
ボトルそれぞれに蒸留水を満注量充填し、キャッピング
した後、温度が37゜C、相対湿度が20%RHに保たれた
恒温槽内で7日間保存した。
そして、実施例2に記載した方法に従って、各ボトルに
充填された蒸留水のフレーバーテストを施行した。
熱処理回収PETドライブレンド物を中間層とした多
層ボトルと、未処理回収PETドライブレンド物を中間
層とした多層ボトルにそれぞれ充填された蒸留水の対比
較においては、11名のうち9名が熱処理回収PETド
ライブレンド物を中間層とした多層ボトルに充填された
蒸留水の方がフレーバーが良好と回答し、2名が未処理
回収PETドライブレンド物を中間層とした多層ボトル
に充填された蒸留水の方がフレーバーが良好と答えた。
熱処理回収PETドライブレンド物を中間層とした多
層ボトルと、比較例1に記載された回収PET単層ボト
ルにそれぞれ充填された蒸留水との対比較においては、
11名のパネル全員が前記多層ボトルに充填された蒸留
水の方がフレーバーは良好と回答した。
未処理回収PETドライブレンド物を中間層とした多
層ボトルと、前記回収PET単層ボトルにそれぞれ充填
された蒸留水の対比較においては、11名中、7名が前
記多層ボトルに充填された蒸留水の方がフレーバーが良
好と答え、4名が前記回収PET単層ボトルに充填され
た蒸留水の方がフレーバーが良好と回答した。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案の容器の断面図であり、 第2図は、トレイ状のポリエステル容器の斜視図であ
り、 第3図は、ボトル状のポリエステル容器の斜視図であ
る。 1は容器壁、2は回収ポリエステル中間層、3及び4は
バージンのポリエステルから成る内表面層及び外表面
層、5は底壁部、6は側壁部、7はフランジ部、8は首
部、9は肩部、10は胴部、11は閉塞底部である。

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】バージンのポリエチレンテレフタレートか
    ら成る内外層で、使用後回収された容器のポリエチレン
    テレフタレートから成る中間層をサンドイッチした多層
    構造を有し、且つ37゜Cの雰囲気中で容器内スペースへ
    のアセトアルデヒド移行速度が、950ppb/m2・day以
    下に抑制されていることを特徴とするポリエステル製容
    器。
  2. 【請求項2】前記中間層が、使用後回収されたポリエチ
    レンテレフタレートを、1乃至45vol.%の酸素ガス
    の存在下で、或は760torr未満の減圧下で熱処理した
    ものである請求項1記載のポリエステル製容器。
  3. 【請求項3】前記中間層は、容器のどの部分においても
    バージンのポリエチレンテレフタレート中に封じ込めら
    れている請求項1記載のポリエステル製容器。
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